愛宕山(明神谷〜愛宕スカイライン)//北山


 
「これが最後の難所」だと
慎重に大岩を越えていく


2010.12.18 (土) 曇り時々雨 哲、道

行き:阪急嵐山バス停 8:17 − 清滝バス停
帰り:清滝バス停 15:46 − 阪急嵐山バス停
コース:
清滝バス停〜渡猿橋〜東海自然歩道を下る〜明神谷取付〜(明神谷遡行)〜明神滝〜鉄組橋〜明神谷源頭〜表参道7合目〜水尾の別れ〜大杉谷道分岐〜(愛宕スカイライン)〜月輪寺道からの大杉谷道出合〜(大杉谷道を下る)〜大杉谷登山口〜金鈴橋〜清滝バス停

注意:
◆明神谷は両岸が切り立ったV字の谷で、小さな滝が連続し大きな滝もあり、ガレを歩いたり岩をへつったりするコース選定が必要です。初心者危険コースなので初心者だけで進入しないようお願いします。
◆雨の日は谷の岩が滑るので、進入しないようお願いします。







 毎年、年末年始は愛宕山に出かける二人だが、5年ぶりだと明神谷の様子を伺うことにする。阪急嵐山から清滝行きのバスに乗るが、平日にもかかわらず数人の登山客を見る。終点の清滝バス停で降りベンチで準備していると小雨が降ってくる。

 皆さん、お構いなく歩いて行くが、我々は雨具に着替えザックカバーをつける。雨の明神谷は危険なので、「雨が降っていたら米買道でも歩こう!」と、とりあえず明神谷へ向かうことにする。

 坂を下って渡猿橋の手前から清滝川へ降り、東海自然歩道を下って行く。澄み切った川の流れを見ながら進んで行くと、道は雑木の中を歩くようになる。

渡猿橋の手前から清滝川へ降り 道は雑木の中を歩くようになる

 15分も歩いただろうか、前方が開け明るくなってくると明神谷の谷口は近い。階段を登って行くとパイプの橋が見えて来て、ここが明神谷の取付である。早速、橋の上から取り付き地点を選定するが、いつも進入する右岸よりも、橋手前の左岸の斜面から取り付くほうが安全だろうと、10m戻り斜面を登って谷へ取り付くことにする。

橋の上から取り付き地点を選定する 10m戻り左岸の斜面から取り付く

 斜面を一登りし谷へ降り谷の様子を伺うが、「以前より荒れているな〜!」と哲郎。雨も上がり岩も濡れていないので、雨具を脱ぎ早速遡行を開始する。5年ぶりなのでルートは全く思い出せず、目の前の岩や斜面の様子を見ながらコースを選定する。と言っても、もう道子は谷を渡り歩き始めている。

 でも、すぐに引き返してきて「石が滑る」とコース変更をする。この先10分も進めば大きな滝があり、そこは谷の中を進めなく右岸の古道を歩くので、とりあえず適当に進んで右岸の古道に取り付くことにする。

荒れた谷、遡行を開始する 右岸の古道に取り付く

 古道は谷よりだんだん高くなり、倒木を避けながら進んで行くと右下に10mもあるような滝を見る。古道が無ければ進めないところである。滝を越えるとすぐに古道は消え、再び右に左へとコースを選定しながら進むことになる。古道が現われると古道を歩き、古道が消えるとガレ場を歩くか岩へつり、これを繰り返しながら進んで行く。

右下に10mもあるような滝を見る 古道が消えるとガレ場を歩くか岩へつり

 谷はだんだん細くなるものの、滑滝状の流れが続く。平らな河原に出合うとホットするものだが、すぐに小さな滝が続く。滑滝に出合い先行する道子が引き返してくる。「石が滑って渡れない!」とコース変更をする。細い谷なので簡単に渡れそうだが、水際の濡れた岩はよく滑り、二人は登山靴+40Lのザックを背負っているので、一っ飛びと言うわけには行かない。

 「あれ〜、進めない!」と道子、哲郎がロープを取り出し谷へ下りて行くが、この谷でロープを使った記憶がないので、どうらやコース選定をミスったようだ。そのうち大きな滝に突き当たり前へ進めない。左岸の斜面を登って行くと、そこには狭いながらも古道が残っていて、再び古道のお世話になる。

谷は細くなるものの、滑滝状の流れが続く 平らな河原に出合うとホットする
引き返し再びコース選定する道子 この滝は左岸の古道を進む

 滝上まで来ると再び古道は消え、再び小さな滝が続く。もう1時間以上も歩いているのにまだ行程の1/3も進んでいなく、「こんな谷だったか?」と思う哲郎。でもコース選定が楽しくて、二人は黙々と登って行く。倒木を跨いだり潜ったり、雑木をかき分けたりして谷横を詰めて行く。

倒木を跨いだり 谷横を詰めて行く

 取付から2時間経過した所で、前方が明るくなり緩やかな植林地に出合い、ちょっと広めの河原に出合う。右手(左岸)に古道の石組みを見る。ここで丁度半分来たことになる。先へ進むと大岩の横を通り古道も消え、谷間もだんだん狭くなる。

前方が明るくなり緩やかな植林地に出合 右手(左岸)に古道の石組みを見る

 狭くなった谷を詰めて行くと、数分で右手に石組みの古道が続き、その先に大きな滑滝を見る。滝の写真を撮ろうとするが、いつの間にか日が射してきてうまく撮れない哲郎、結局ここで昼食として日の陰るのを待つことにする。今日はユックリの30分昼食休憩後、左岸にある古道を滝上まで登って行くと2分で大岩に突き当たる。「これが最後の難所や!」と哲郎。

20mはある長い滑滝の下で昼食 「これが最後の難所や!」と哲郎。

 大きな岩の中央に滝があり、その横を登って行くのだが、見の軽い道子は難なく登って行く。後ろから登って行く哲郎は、足元が滑って登れない。「どうしよう!」と言いつつも、ここにトラロープが垂れていたことを思い出し、前方に見えたロープをストックで手繰り寄せ、やっと岩を登って行く。

 難所は越えたと思っていたが、しばらく岩場が続き気が抜けないところである。大岩の横を抜けると、まだまだ細いながら滑滝状の谷は続く。

大岩の横を抜けると まだまだ細いながら滑滝状の谷は続く

 目の前に鉄組みの橋の址のようなものを見て、二人とも「やれやれ」と一安心する。ここで2/3の行程が終わり、この先、谷は緩やかになる。大きな岩場を超えると谷は枯れてきて、後は谷源頭を目指して谷横を歩いて行く。

見覚えのある鉄組みの橋の址を見る 谷は枯れてきて谷源頭を目指す

 谷横の植林地の端を長いこと歩いて、やっと谷源頭に着く。ここから急斜面を登って表参道に出合うのだが、この斜面に伐採された雑木や、打ち枝が無数に転がっている。「え〜!」と言いつつも枝を避けながら15分かけてユックリ登って行く。表参道に辿り着き、すぐ先の7合目の休憩所で小休止する。これで3時間半の明神谷の探索は終わる。

「倒木が痛い」と最後の登り 表参道7合目に辿り着き

 表参道を進み、水尾の別れのすぐ先にある大杉谷道へ入り、すぐ左手にある愛宕スカイラインを歩くことにする。ほぼ水平な快適なユリ道を進み、月輪寺からの大杉谷道に出合うとそのまま大杉谷道を下って行く。久し振りの明神谷の遡行を十分楽しんだ二人は、満足気に清滝バス停へ向かう。






主は季節のために月を造られました。
太陽はその沈む所を知っています。


 詩篇 【 104:19 】
冬に、乳白色に熟すイズセンリョウ