愛宕山(西ノ谷〜神護寺道)//北山
2010.08.17


たしかここが渡渉地点(丸木橋)だったが?



2010.8.17(火) 晴れ  哲





行き:JR京都駅 7:40 - 清滝バス停 (京都バス)
帰り:山城高雄バス停 14:45 - JR京都駅 (JRバス)



コース:
清滝バス停〜月輪寺道分岐〜東海自然歩道〜広場(西ノ谷取付)〜西ノ谷口〜河原の小屋〜支流分岐〜迂回路〜西ノ谷ユリ道/谷道分岐〜林層終点〜標高325m右の谷〜神護寺道出合〜神護寺〜山城高雄バス停


注意:
@西ノ谷の遡行は上流で谷から離れ、右岸の斜面を迂回して西ノ谷の取付地点へ行きます。標高250m付近で左岸から右岸に渡り、目の前の斜面を10数m登って行きます。この渡渉地点にあった目標物の、丸太の橋は流されたのか現在ありません。また斜面はガレが進行して歩きにくいので注意して下さい。
A西ノ谷は心地よい谷ですが、コース選定が必要です。@の迂回路の他にも危険箇所があるので、初心者危険コースです。初心者だけで行かないようお願いします。

B西ノ谷口から八丁山の東尾根コースがあり、八丁尾根へ行けます。こちらは初心者でも安心して登れます。







 盆休み最後の日、道子は仕事なので哲郎一人で、「西ノ谷」へ出かける。西ノ谷は何度も探索したが、最近「西ノ谷は どうなっているのやろ!」と哲郎。朝早く出かけるが、JR京都駅の清滝行の時刻が哲郎が用意したのと異なり、「あちゃ また減便されている!」と。幸いにも7時40分発のバスに乗れ「やれやれ」と言うことになる。

 清滝まで50分要するが、乗り換えがないので、ゆっくりと車窓から早朝の町並を眺める。清滝バス停に着くと、早朝にもかかわらず、10名程度の登山客が降り、皆さんは早々に散って行く。「平日早朝+猛暑の中で」と登山客の多さにビックリしながら下って行き、公衆トイレに立ち寄る。横の駐車場にも10数台止まっているので、愛宕山の人気を再認識する哲郎。

 橋を渡り清滝川に沿って、東海自然歩道を北へと歩き始める。西ノ谷取付の広場まで約30分、暑い日差しの中を歩くが、月輪寺道方面へは誰も歩いていないので、皆さん表参道を登っているようだ。以前ミヤマウズラを見たポイントで花を探すが見つからず、そこにツルリンドウの花を見る。デジカメで花を撮っている横でゴゾゴソ、朝から出合うマムシは迷惑なものだ。「そう言えば、西ノ谷で数匹のヘビに出合ったな〜」と思い出し、ヘビには注意しながら歩くことにする。

橋を渡り東海自然歩道を高雄へ向かう 素朴なツルリンドウが咲く

 月輪寺道と分かれ階段を下り、堂承川沿いを歩き清滝川に出合う。川に降り、早速顔や手を洗い水分を補給する。清滝川には水蒸気が舞い、マイナスイオンが一杯のようだ。休憩所のある広場に着き、又飲水休憩。「今日は、いったい何処まで、暑くなるのやら?」広場の中央西側の斜面に登って行く踏跡があり、10mも登ると巻き道に出合う。これを清滝川に沿って進むと、すぐに小さな堰堤に降りて行き、再び登るとすぐに廃墟の跡に出合う。もう建物がなくなっているが、この一帯に数軒の屋敷があったようだ。

堂承川沿いを歩き清滝川に出合う 休憩所のある広場に着き、又飲水休憩

 石段を数段登ると、前方に山すそに沿って、ゆっくりと登っている道が見えてくる。この道は八丁山東尾根からヤカンへ登って行く道なので、すぐの分岐で右に踏跡をとる。落ち葉で分かりづらいが、はっきりとした道が続く。一段下にも踏跡があるので、間違えた場合は、突き当たった所で上の段の道へ修正すればよい。斜面を巻いていた道は尾根の先端を曲がると、植林地の中を歩くようになり、西ノ谷へと降りて行く。以前、ここにあった捕獲用のオリは撤去されている。

すぐの分岐で右に踏跡をとる 植林地の中を歩くようになり、西ノ谷へ

 西ノ谷で顔を洗い、谷を渡り古道を歩き始める。広い道はすぐに上りはじめ、メタセコイヤの木の横を通り、谷から少し高い所を歩く。「なつかしいな〜」と哲郎は、メタセコイヤの木を下から眺める。その先には道の中に、数本のマムシグサを見て、これまた「昔と変わっていないな〜」。

谷を渡り古道を歩き始める 数本のマムシグサを見て

 途中、道が崩れた所もあるが、少し下って行き西ノ谷に出合う。ここからは谷の中を歩いたり、谷横の植林地や古道を歩くことになるが、ある程度のコース選択が必要となってくる。でも、これが楽しい西ノ谷、無理をしないよう歩くとよい。谷を何度も渡渉して、汗かきの哲郎にはありがたい谷の遡行、水も綺麗で嬉しくなってくる哲郎。心配していた虫も寄ってこないし、ハチもいないので、さらに快適に歩くことができる。

 最初のチェックポイントは河原にある小屋、集まった流木の向こうに見えてくる。谷の流れは随分と変わっているが、流木の集まる所は同じようで、以前と同じ所に堆積された流木、その流木の上を渡り小屋の前に着く。ここから谷の中を歩いて進んで行くと、左手(右岸)に古道が見える。早速、古道へ取り付き、植林地の中へと進んでみるが、右下の谷を見て、「西ノ谷、やはり谷を歩こう!」と小屋まで引き返すことにする。やはり谷沿いは心地よいと、谷から左岸へと歩き始める。

流木を見て小屋を見る 右岸の古道をやめ
谷から左岸へと歩き始める

 しばらくして、左から流れてくる小さな支流を見て、左岸から右岸へ渡る。そのうち河原に植林地が広がってきて、右からの谷の支流に出合う。この分岐の広場で飲水休憩とする。左岸をそのまま進むと、たくさんの倒木が邪魔をする。標高250m付近まで来ると、前方に暗い谷と小さな滝が見える。哲郎はそのまま、左岸を歩きかけるが、ふと立ち止まり下の谷を見る。谷のそばに少し大きな岩があり、「ここか〜!」と思わず叫ぶ。

右からの谷の支流に出合う 「ここか〜!」と思わず叫ぶ。

 ここは右岸への迂回路の渡渉地点であるが、目標の三本の丸木橋はない。右岸をジグザグに登って行く道も大きくガレていて、到底道のように見えない。谷の前方は両岸が切り立っていて歩けないので、谷を渡り迂回路を歩くことにする。ジグザグの道はガレてはいるものの何かと歩け、倒木を避けながら登って行く。少し登って行くと細い谷に出合う。ここに古いロープがあるが、余り当てにしない方がよい。とにかく植林地までの急坂はガレているので、注意が必要だ。

ジグザグに登って行く道も大きくガレて やっと植林地に出合う

 谷上15〜20mの所にある踏跡を慎重に進むと谷へ降りて行き、岩をまたいで谷を渡る。ここにも古いロープがあるが、谷を登る場合は必要ないようだ。左岸にある西ノ谷ユリ道分岐を過ぎ谷沿いを歩いて行くと植林地に出合い西ノ谷遡行も終わりとなる。「もう12時や! 3時間もかかった!」と哲郎は満足そうに、林道終点手前の谷の中で昼食とする。

岩をまたいで谷を渡る 谷そばを歩いて行けば林道終点に出る

 標高差200mの谷の遡行で3時間もかかる西ノ谷は、やはり初心者危険コースである。上半身裸でオニギリを食べていると、今日初めてやって来たハチ、ハッカ油で作った虫除けをかけと何処かへ去って行く。「西ノ谷は思ったより、ハチが少ないな〜」。ユックリの昼食も終わり、林道を歩き始める。暑い日差し、なるべく影を歩くことにする。すぐの標高315mで右手に植林地の中に小さな谷が分岐する。「今日は暑いので、一番近い神護寺へ下りよう」と、この谷でショートカットすることにする。

林道終点付近の谷は穏やか 林道終点にあるオリは扉が閉じている

 道のない植林地は進入しないようにしているが、ここには谷沿いに作業道があるので、これを進んで行く。途中で作業道が消えるが、谷を詰めて行くと小屋のある林道終点に出る。高雄へのハイキングコースは、もう目の前にあるが、そこにはネットがあり、幼木を保護しているようだ。この林道の支線は大きく西ノ谷の方へ戻っているので、ここは失礼してネットの崩れた所を通らせてもらい、直進することにする。後数10mという所で、ネットに出合い行き止まりとなる。幸いにも谷の所にあるネットの下に隙間があり、ここを通らせてもらう。結論は「この谷の上部はネットで、通れません」ということになる。

作業道を進む 林道終点に出合うが、
ネットの中を進んでみる

 出合った作業道から、林道に出てすぐの神護寺道に出合う。「はたして、この谷はショートカットになったかどうか?」と哲郎。日差しのきつい林道を下り始める。すぐに林道とハイキングコースとの分岐があり、右にとり神護寺へ向かう。幾ら歩いても標高400m、△428の分岐を過ぎ、やっと下り始める。降り立った神護寺には、猛暑の中だが、数人の観光客に出合う。観光客にとっては、この神護寺の境内は涼しいのかも知れない。涼しさを感じない哲郎は清滝川に下り、顔を洗うことになる。








すべての谷は埋め立てられ、
すべての山や丘は低くなる。


イザヤ書 【 40−4 】
早朝の清滝川はマイナスイオン一杯