朝日峯(田尻峠〜松尾峠)//北山
2010.12.18


田尻峠から朝日峯に向かうが
P602を過ぎると心地よい雑木が続く


2010.12.18 (土) 曇り時々雨 哲、道

行き:JR京都駅バス停 9:10 − 小野下ノ町バス停
帰り:山城高雄バス停 15:45 − JR京都駅バス停
コース:
小野下ノ町バス停〜水谷林道〜林道分岐(・360)を右へ〜水谷右俣〜林道分岐(・380)を左へ〜林道分岐(・425)を左へ〜林道分岐(・470)を左へ〜林道分岐(・495)を右へ折り返す〜(タカノス〜田尻峠の稜線に出る)〜田尻峠〜P602〜鞍部(・570)〜朝日峯山頂〜林道出合〜松尾峠〜松尾のお地蔵さん〜下山道分岐〜谷山林道出合〜清滝川出合〜高雄バス停

注意:
◆田尻峠周辺の尾根は中央にネットが続き、足元にはイバラが群生していて、簡単には歩けません。イバラを倒しながら、またはイバラを切りながら進むか、P602まで迂回するか、いずれにしても田尻峠からP602まで時間を要します。
◆田尻峠への古道は荒れていて、倒木も多く歩きにくいので、北側の稜線に出る林道をとった方が良い。







 毎年年末年始は、愛宕山に出かける二人だが、今日はその一つの朝日峯へと出かける。いつもは水谷川左俣の林道終点付近から、朝日峯取付へと東斜面をよじ登るルートをとるが、今日は「田尻峠から、朝日峯へ行こう」と言うことになる。以前タカノスから朝日峯へ向かった時、田尻峠の手前に車が通れる細い林道が、稜線まで来ているのを確認しているので、今日はその林道から田尻峠へ向かうことにする。

 JR京都駅から、二便目の周山行のJRバスに乗る。他に登山者はなく、高雄バス停で観光客が降りると、数人乗客を乗せ清滝川沿いを快適に走って行く。そのうちバスのワイパーが動き出し、「北山しぐれ」と心配するが、小野下ノ町で降りる頃には、小降りになり一安心する。バス停前の駐車場の屋根を借り、ゆっくりと準備する。結局雨が止まないので、上着はレインウェアとする。

 準備を終え、9時にバス停を出発する。南へ30mほど戻ると、西への舗装道があり、右に折れ橋を渡る。すぐに水谷川沿いの林道を歩き始め、周囲は植林地に変わる。植林地の中なので、周囲の景色に余り変わったものはなく、ただ、ばくぜんと歩く。雨は小雨になったり止んだりで、そのつどフードを付けたり外したりと忙しい。

水谷川沿いの林道を歩き始め 標高360mの林道分岐点で
田尻峠を目指すため右俣沿いの林道へ

 川沿いには木の皮が大量に捨ててあり、自然に帰るまで放置されているようだ。「ここがタカノスから、降りてきた支尾根や」と対岸の岩が懐かしい。後ろから軽トラが一台追い越して行き、今度は前方から車がやってくる。「土曜日の小雨が降る中、林業ではないだろう」と哲郎。やっと標高360mの林道分岐点に着く。いつもは、水谷川の左俣沿いの林道を進み朝日峯は取り付くが、今日は田尻峠を目指すため、右俣沿いの林道へと進んで行く。

 谷は林道のすぐそばに沿って流れているので、崩れたのだろう。林道の所々に杭が打ってあり、車に注意を促している。すぐの林道分岐、左手の林道は朝日峯へと南へと伸びていて、林道終点から一登りすると、朝日峯への尾根に出合うことができる。今日は田尻峠を目指すので、本道の林道を進んで行くと、すぐ先の標高380mで林道は分岐する。

標高380mの林道分岐は
ちょうど橋の手前にある看板に「←田尻峠」
標高380mの林道分岐で
左へ折れて田尻峠を目指す

 北へ真っすぐに進むと、タカノスの方へ行くので、ここは左に折れる。ちょうど橋の手前にある看板に「←田尻峠」と小さくマジックで書いてあるのを見つける。そばの谷は細くなるが、まだ水が流れていて、林道は北西から西へと向いてくる。ここまでは、はっきりした林道を歩いてきたが、標高425mで再び二分する。両方とも西の方へ向いているようで「分からない?」と哲郎は右手の道をちょっと進んで確認すると、北へと進んで行くので、道子が待つ分岐まで引き返して、左へ進むことにする。

標高425mで再び二分し
左へ進むことにする
道は少し細くなり
大きい車は通れないようだ

 道は少し細くなり、大きい車は通れないようだ。それに急に登りがきつくなってくるので、稜線が近いことが分かる。突然前方から軽トラがやって来て、目の前で止まる。朝、追い越して行った車で、「歩くの速いな〜」とオヤジさん。田尻峠へ行くと言うと。「最初の分岐は左にとり、次の分岐を右にとると、尾根に出られる!」と教えてくれる。どうやらこの車で尾根まで行ってきたようで、お礼を言って分かれる。「こんな崩れかけた急勾配の道、よう走るな〜」と二人は車を見送る。

標高470mで分岐に出合い左へ 標高495の分岐は右へ

 すぐに標高470mで分岐に出合い左へとると、すぐに標高495mで分岐に出合う。この分岐の目の先に稜線が見えているのだが、左は大きく斜面を巻いて行く道が続く。「ここを右にとる」と言うことだったが、車では曲がれないような分岐なので、少し左へ進んでUターンした後、右の林道へ進んでいるようだ。我々も右へとり登って行くと、間もなく見覚えのあるタカノスから朝日峯への尾根に出る。我々が登ってきた林道は、尾根の中央を南へと伸びて行く。

 目の前にケモノを捕獲するオリが見えてきて、新しいヌカがまいてあるので、あのオヤジさんは、ここに来たのかも知れない。林道も終わり踏跡も消えた斜面を下ると、草木が茂るヤブに突き当たる。「これは、ひどい!」と前回よりも足元にまつわるイバラに閉口する。尾根の中央にはネットが続き、この周りにもイバラは多い。前回は何処かでネットをくぐり田尻側を進み、再びネットをくぐったことを思い出すが、とても対応できないと、少し尾根の下の方を歩くことにする。

目の前にケモノを捕獲するオリが 尾根の中央にはネットが続き
この周りにもイバラは多い

 尾根に平行したケモノ道のような所を選んで歩くのだが、それでもイバラは足にからまる。二人はハサミを取り出し、イバラの小枝を切りながら歩くことにする。「このイバラは道具を持って来て、一掃しないと通れない!」と道子が言うが、1日ががりになりそうだ。再びネットに近づいて南へと進んで行くと、一段凹んだ古道が尾根を横切り、ここが田尻峠と分かる。廃村田尻への下る道もイバラが多く、とても歩いてみたいとは思わないような古道である。

田尻峠の標識 植林地に変わり、しばらくして
やっとイバラから解放され

 P602は尚遠く、再びネットから離れた所を歩くことにする。植林地に変わり、しばらくして、やっとイバラから解放され、二人とも「やれやれ」とP602へ向かう。P602の広いピークに着き、ちょうど12時のサイレンがあちことから聞こえて来たので、ここで昼食とする。朝日峯で昼食と予定していたが、予想外にイバラの抵抗は大きかったようだ。「田尻峠は、迂回しなくては」と言う結論となる。

P602の広いピークに着き P602のピークの東端から南へ下る

 P602のピークの東端から南へ下り始めると、右手に植林が続くが、それも次第に消え、雑木の中の尾根を歩くことになる。常緑樹が多いものの快適な歩きが続く。しばらく、小さなアップダウンはあるが快適に歩ける。そのうち目の前に斜面が現われ、見上げることになる。ここは斜面の中央、登りやすい所を登ることになる。この斜面は、予想以上に急勾配で木を持って登ることになる。

鞍部から斜面、予想以上の急勾配で 木を持って登ることになる

 尾根の中央を登って行くと、再び雑木の尾根が続く、最後は尾根も広がり踏跡も消えるが、上にどんどん登って行くと、小広い朝日峯山頂に出る。たくさんの標識の目の前で小休止し、伐採された東側から京都方面を望む。道子が「サルトリイバラの赤い実が欲しい!」と言うので、途中にイバラのある松尾峠から下ることにする。

登り切ると再び雑木の尾根が続く 小広い朝日峯山頂に出る

 朝日峯の取付道を下って行くと、またたく間に林道に出合う。右にとり、少し先の松尾峠から、左の道をとり、お地蔵さんの横を通る。すぐに林道ゲートがあり、その先で左手に下りて行く道をとる。植林地の中、何も見るものはないが、途中で多くのタムシバの花芽を見る。しばらくしてイバラの伐採地を通り、「あっ!」と赤い実の付いたサルトリイバラを見つけ2本頂く。伐採地を抜けると、緩やかな植林地の中で、道幅が広くなる。ジグザグに一気に下り、出合った谷山川の6号橋で、靴とストックを洗っていると、雨が降り出し、二人は傘を用意しする。

松尾峠のお地蔵さんの横を通る すぐに林道ゲートがあり、
その先で左手に下りて行く道をとる

 「谷山林道に、下りた後で良かった」と道子は言うが、数分で雨も上がり傘をしまうことになる。後ろから1台の車が通り過ぎて行くが、出会う人もなく静かだった山行きも終わり、高雄へと黙々と歩く二人である。






主は季節のために月を造られました。
太陽はその沈む所を知っています。


詩篇 【 104:19 】
「模様が面白い」と道子