愛宕山 (大杉谷から芦見谷へ)


大沢の池から



2009年 1月11日(日) 晴れ時々くもり  森の旅人M



コース:
清滝〜大杉谷取付〜月輪寺合流〜愛宕神社〜芦見谷〜首無地蔵〜梨ノ木谷〜清滝





 恒例の年末に登っている愛宕山登山が出来なかったので,今年は新年最初の行き先としました。大沢の池から見る愛宕山は,折からの寒波で山頂は真白,雪景色が楽しみです。道路に雪が積もっていないか少し心配でしたが,現地まで全く積雪はなく到着。清滝の駐車場へ,既に10台ほど駐車しています。準備を済ませて出発。

大杉谷取付 ヒグラシの滝分岐

 梨ノ木谷林道沿いの大杉谷コースから愛宕神社を目指します。気温は0度前後か,寒さはそんなに気になりません。梨ノ木林道を歩いて行く間に,2台,1台,1台と車が次々と上がって行く。駐車ペースは少ないのに大丈夫かと案じます。大杉谷コースへの取付に着き,林道から離れて坂道を登っていきます。この坂道を登りきるだけで充分体は温かくなります。一旦平坦路になり谷を越えるため丸木橋を渡ります。この橋だけは雪が積もっており,4〜5人の足跡がある。途中で早くも下山の男性に出会い,山頂の様子を聞く,積雪は10センチ位だが,滑りやすい状態と教えてもらう。第1ベンチを過ぎてようやく薄っすらと雪道となる。ヒグラシの滝分岐では5センチとなり完全に雪道となった。第2ベンチからは青空の下に大杉谷がよく見える,急坂を上がって直ぐに第3ベンチ,下りの夫婦連れに会う。

第4ベンチから大杉谷 大岩

 第4ベンチになると20センチ,登るたびに積雪量は増えていく。白銀の世界になった。周囲の杉に積もった雪も塊で枝に残っている。そして陽が当たる所から落雪し雪煙が上がる。休憩中に上りの単独男性が先行。すぐに出発,杉植林地の急斜面を折り返し登っていく。見上げると先行の男性の姿を見ることが出来る。長い坂道を歩きようやく月輪寺からの道に合流,こちらからは数人と思われ意外と少ない。完全に雪山らしくなり踏跡に合わせ登り,大岩を見るとすぐに山頂の林道出合いに到着した。天気もよく晴れて風もなく良好な日和である。林道を歩くとバリバリと踏み音がする。下は凍結しているようだ。

 神社へ向うため石段を歩き始めてしばらくして,右足ふくらはぎに強烈な痙攣が襲う,痛くて全く歩ける状態でない。2〜3分しても痛みは続き増すばかり。その間にも多くの人が登っていく。その中に長袖Tシャツと半ズボンの男性が上がってきた時にはさすがに驚いた。周りの人の視線を多く浴びていたと思う。痙攣は寒い時期にこの石段を登る時よく起こるが今回はひどい。10分ほどその場で痛みをこらえる,ようやく収まり何とか神社に到着した。

神社石段 −4.5℃

 社務所前は多くの参拝者で賑わっている,お札を求めるに人に,休憩所に入りきれない人,多くが外で休息を取っている。今日は若い学生が目に付く。さすがに寒く寒暖計を見るとマイナス4.5℃を表示していた。休憩所に入るが余り暖かくない,でも外よりましである。大勢の人が暖を取り休憩をしている。休憩場所を確保したので昼には早いが昼食とした。せわしい中,弁当と暖かいお茶を摂った後,次の人に席を譲り復路の芦見谷へ向かう。

 林道を芦見谷の方向へ向かう,積雪は30センチ,轍(わだち)以外に踏み後は少ない。三角点に寄って行こうと思ったが,急坂であるため往復時間がもったいなくなりやめる。 芦見谷へはわずかであるが,踏跡がある。雪景色の写真を撮っていると,芦見谷から男性が登ってきた。下からですかと聞くと体調が良くないので引き返してきたとのこと。少し竜ヶ岳をはじめに他の最新の山情報を聞かしてもらった後別れる。背中にはワカンを持参しているため大きなバックを背負っている。(この男性とどこかで会ったような気がするけど。)別れてからしばらくして声が掛かり私の名前を呼ぶ,やっぱり小てつさんでした。お互い,まさか会うとは思っていなかったのでビックリしてしまった。改めて挨拶を交わし別れた。

芦見谷源流部 芦見谷−1
芦見谷−2 芦見谷分岐

 芦見谷は雪が深いので心配した急斜面でのスリップはなく,どんどん下って行く。谷の源流部に到着。水が湧き出ている,ここは水飲み場にもなっている。先行者は踏跡からして単独で下って行ったようだ。源流部からは,緩やかな下りでその先の谷合流部からは渡渉が始まる。雪で山道は消えているが先行者は日頃からよく歩いているのか,問題なくルート選択して谷を下っている。大杉の倒木地点で渡渉,少しずつ川幅は広がっている。谷から離れ高い位置の右岸を進む,どのスギも東側にのみ着雪しており強風の後を残している。再び沢に下りる。なおも渡渉を繰り返し川の流れが北から東へ大きく変える所に来ると,間もなく竜ヶ岳の分岐地点に到着し,本流に合流する。

 本流合流点から東へ溯ると,竜の小屋がある。いつも無人の小屋であるが,丁度おじいさんが出てきて,温まっていくようにと勧められる。時間に余裕があるので中に入らせてもらうことにする。山頂のストーブと違い火力の強い薪ストーブの横にある長いすに腰を下ろす。入口扉が開けてあり風も入ってくるがそれでも室内は暖かい。おじいさんと二人で山の話に世間話と話題が広がる。Tさん(おじいさん)によるとこの小屋は乙訓の山の会が設置し,Tさんは管理人を任され京北からやってくるそうだ。今日は5〜6人泊まりにくる予定とのこと。電灯には自家発電,そしてランタンもあった,水は山から引きまるで古き良き時代の暮らしぶりである。半時間休憩させてもらい,お礼を述べて別れる。うれしいことにまた来たらよろしいと言ってもらう。

竜の小屋マキストーブ 竜の小屋
首無地蔵 京を望む

 首無地蔵へ向う。ここから梨ノ木谷を下って行くが,丁度単独男性が林道脇道を下ってきた。清滝に帰る予定で常心寺林道を下り途中から梨ノ木谷へ下りる道で帰るとのことだった,私が目の前の道を下って行くと言うと同伴したいと言われ一緒に歩くことになった。梨ノ木谷上流部は,以前よりさらに下流部の大岩と呼ばれた辺りまで伐採が進んでいた。明るくなっていいのだが,伐採跡の山道ははっきり言って荒れて歩きにくい。男性は尼崎からの遠征で,時々愛宕山に来ていつも同じルートで歩いていると言われた。年末に丹波篠山の山に登り遭難しそうになり戻ってきたとか,台高山地方面を結構歩いている話を聞く。元々は渓流釣りが趣味であったが毎回釣果が振るわず,山歩きに転向したなど話好きだ。清滝への長い下りも二人で話し続けているうちに思ったより早く着いた。途中,100人近い集団に出会いこれまたビックリ,カラテの団体であった。追い抜くのにたいへんだった。男性とは駐車場で挨拶をし,帰って行かれました。

梨ノ木谷大岩 梨ノ木谷林道終点

 今日は往路は単独でしたが,復路は芦見谷を下っている間以外は人と話をしていたので,思いの他時間が短く感じる1日でした。単独の山歩きでは,時に人との交流も楽しみな一つです。今年はどんな人に会うのでしょうか。