焼岳 中尾高原ルート撤退 2021年3月26日

(洛西オヤジ No.293)

鍋助横手を過ぎるとルートが判り辛くなってきました


2021年3月26日   洛西オヤジ

アクセス:
名神―東海北陸道―飛騨清見IC-中央縦貫道―高山IC-飛騨街道―平湯温泉―新穂高温泉―中尾高原焼岳登山口

コース:
中尾高原登山口―中尾峠(テン泊)焼岳―往路下山の予定でしたが初日にアクシデントの為下山となりました。(最近テント担ぐとまともに登頂出来た験しがありません)




 初心者オヤジ馬鹿な老いぼれがついにとんでもないことになりました。焼岳目標で中尾高原ルートでしたが途中アクシデントの為撤退。(いわんこっちゃない!)とある意味皆さんには溜飲の下がる報告になりました。

 今日は洛西オヤジです。実はしばらくPCをほとんど見られない状態で今回の報告も遅れてしまいました。(なんや入院でもしてたんかい)まあ似たような状況で(いっその事くたばったらよかったのに)

 まあね~さて報告ですがほとんど写真ありませんので駄文が長くなります、もうええわあ~と思われる方はスルーしてください、そのほうがオヤジとしてはありがたいです。(へ~よほど恥かいたんや!)





 この時期奥の山にはなかなか入りずらいのは皆さんよくご存じで、上高地にしても強者は釜トンネルを抜けるかオールドルート徳本峠越えか、とにかくオヤジなどには厳しすぎます。

 いきおい西穂か焼岳(中の湯ルート)とゆうことになりますが、中の湯はこの時期大人気で駐車場が宿泊客優先で大変みたいで予約するかゲートから歩くか、しからば昨年6月に行った中尾温泉からのルートで中尾峠でテン泊するか~とゆう老いぼれが年甲斐もない計画を立て、毎度の前日25日夕方新穂高の中尾高原目指してチンタラ出かけました。

 22時ごろ(昨年は工事?の為、6月には閉鎖されていた)心配していた登山者用駐車場にとうちゃこ~、先客の車が一台停まっています。(車中泊ではなかったので上部でテン泊?)眠剤飲んでおやすみなさい~。

 ■ 3月26日

 5時前に目が覚めましたがゆっくりとして相変わらずモタモタ、朝食、歯磨き、着替え、リュックを作っていざ出発はもう7時を回っていました。昨年6月の時は6時過ぎに出発していますが、まあ今日は上部でテン泊の予定なのでチンタラ参りましょう~。今日はピッケル、ヘルも持ってまっせ~(えらい重たそうやなあ~)。

 湯煙が立ち込める林道を上部へ先ずは焼岳登山口の大きな看板から下の沢を渡渉して登山道へ、まだこの辺りはアイゼンは着けずにチンタラです。前方に焼岳を見て、「さ~待っていておくりゃすやー(けったいな京都弁かくなあ!)やる気満々でしたが」。

登山者用駐車場です。(車中泊) ほなボチボチ行きまひょか~
温泉の雰囲気がありますね~ 焼岳山頂部が荒々しい姿をのぞかせて

 もう一度林道の最終地点に出て登山道の案内がありここからが本格的な始まりです。まだしばらくは アイゼン付けずに進みましたがお馴染みの白水の滝の展望ポイントあたりでアイゼンを装着します。

 登山道は全く見えませんトレースもはっきりとしません。それらしき跡はあるのですが不鮮明でトレースかどうかわかりません。テープはほとんど目につきません。ところどころ出てきますが肝心なポイントではわからないので、昨年の記憶が頼りです。

 無雪期とこのような冬季の状態との違いは皆さんの方がよ~くご存じで、おまけに今日、明日はピーカン(降水確率0%)のはずがなんと細かな雪が吹雪いてきました。

林道途中の登山口
下に降りて沢を渡渉して始まります
ここが林道最終地点の登山口
皆さん同じアングルで撮られます 白水の滝

 まあこれだから山の天気と女ごころは(おー久しぶりにゆうとるな~)。初心者オヤジおそらく秀綱神社の谷筋に入る。登山道は全く見えません、ほとんどテープ無くあることはあるのですがポイントが外れています。手前でルートを外れて左の斜面に進んでしまいました(トレースと思しきものに惑わされました)。

 どれぐらい漕いだでしょうか(10~20分?)、おかしいと感じて引き返します。登ったところをそのまま引き返したらよかったのですが方向を変えて少しでも先に出ようと斜面を下ったのですが、(なんや、なんや、)ここで悲劇が(大層にゆうなあ!)オヤジを襲います。

登山道は全く見えません
【この木札は「ブナ」とあり標識ではありません】
中尾峠までの半ばです
ここからアイゼン装着
吹雪いてきたやんか ルートから外れてしまいました

 右上がりの斜面を下っていた時にズボッと左足が沈みこんでバランスを崩して斜面に倒れ込みました。本来は滑落ですね~(本来もなにも滑落したんかい!)左の足が沈み込んだ状態で何かに引っかかり急斜面につり下がった状態になってしまいました。

 (おーええぞ~おもろいやんけ~)あのね~他人事やおもてからに、20K以上のリュック担いで滑り台に頭を下にしてぶら下がっている状態を想像してください、滑り台もその辺の公園にあるやつではなく遊園地のプールにある高層の滑り台で、全く体が身動きとれない状態でもちろん左足の膝関節は激痛とゆうかだんだんしびれてリュックを体から外せば何とかなるかもしれないのですがどうにもこうにも、体が身動き取れないのです。

 20Kを担いでスポーツジムの腹筋壁で体を持ち上げられる人はまずいないのではないでしょうか、単独の悲劇ですね~(好んでやってるんやろが)携帯で救援頼むにも携帯!けいたい!いやだんだん頭に血が上りあかん!ヤバイ!。

 何分ぐらい?かろうじて動く右足で左の足の挟まっているあたりをゴソゴソけったりするのですが、そんな時左の挟まっている足首辺りが外れそうな気配、ヨシ!何とか、いや、いや!アカン!このまま足が抜けたら絶対に停まらんで、と!思う間もなく、抜けたあ!あかん!うわ~、後は何がなんやら無我夢中2~3回転したまでは覚えていますが全くわかりません。

 気が付けば雪に顔をぶち込んでようやく停まりました。20~30mほど?もっと?あれだけ外したかったリュックが片方の肩から外れて(前止めのフック2か所ぶら下がっている時に外した)それがよかったかも?あ~生きてるやんか~(しぶといやっちゃなあ~まあ稜線の岩場と違うしな~残念やったな~)どおゆうコメントやあ!。

 しばらく状況を把握するのに時間がかかりましたが、先ず左ひざには痛みがありますが腰から下は動きます。上半身は又ろっ骨のあたりが痛みがあります、肩や腕は何とか動きます、ヘルをかぶっていなかったので頭を心配したのですがどうやら打った感じはないのでヤレヤレ、とりあえず斜面の少し緩やかな方に体を移動させて先ずは立ってみます。

 何とか立てました、次はリュックを担ぎますがこれが中々大変でした、急な斜面で20K以上のリュックをバランスをとりながら担ぐのは、まして体のあちこちが(特に脇腹からろっ骨にかけて)が痛く重さが堪えます。何とか担いで上部の斜面を登ります。

 ピッケルが抜けてしまっていたのですがすぐ傍で回収できたので、何とかピッケル打ち込み、打ち込み、登ります、いっそ下に降りてとも思いましたがあまり状況がよくありません(逆に危ないとこやったんや下まで落ちたら)。

 落下付近の地点まで戻りストックを回収ようやく普通に立って歩く事が出来るようになりました。1時間以上の悪戦苦闘、天候もイマイチです、それよりも左ひざや肋骨のあたりが痛くこれはもう戻るしかないです、(戻れるかー)。

急斜面を戻る途中です 左上部から落ちてきましたー

 ゆっくり、ユックリ、戻りますが弱り目に祟り目下山ルートを外してしまいました(自分のトレースあるやろがあ!)いやそれでも間違ったのです。まあ、パニクッた後とゆうのは精神的に落ち込んで思考回路も(そんなもんあんたにあるかい!)。

 またしても試練がオヤジを襲います。まともに動かない体で藪漕ぎ状態、何とか数時間前に歩いた通常登山道に戻るのに1時間以上かかってしまいました。

 こおゆう状態が重なりここは何處?体力が尽き果てて遭難、お陀仏!となるのでしょうね~。幸い時間がまだ早く(それでも16時前)痛む足にアイゼンはつらいので外してようやく行動食を摂る余裕が出ました。

1時間以上藪漕ぎ後
朝歩いた登山道に戻れました
とにかく体を休めます
ホット一息行動食を摂ります

 もちろんこの間写真など撮る余裕はなく只々全身の痛みを耐えながらようやく林道登山口とりつきから湯煙の上がる駐車場に戻って来た時は男泣きしました~(嘘つけ!)へへまあ毎度の冗談ですが。

 途中リュックの中身をほり出してしまおうかと何度も思いましたがまあ何とか18時に駐車場帰還、いかに這うように戻って来たかお分かりいただけるでしょうか。(知らん!しらん!くたばりぞこない!)。

どうにか戻ってきました 笠岳がお帰り~と(知らんしらん、)
は~戻れたあ~18時です~

 しかしまだこの後ももうひと山あります。(なんやあ!)車を運転して帰らないといけないのです~(当たり前やろがー)これがまた辛かったあ~、足は左が痛かったのですが右は何とか動きます。肩や腕がいただるくて、脇腹も同じく、危ないのでゆっくりと車を転がして途中何度もSA休憩、なんと!なんと!自宅の前にたどり着いたのはもう27日 の午前2時を回っていました。

 カーちゃんには心配をかけるので仮眠してから戻るとゆうことで、何とか平静を装っての帰宅となりました。左ひざ靭帯損傷(元々膝の靭帯は損傷してないので?)ろっ骨2~3本は折れてるかどうか?全身打撲、顔面擦過(男前台無し)頭部は吐き気も無いので大丈夫、元気、げんき、又2~3日したら山歩きに行くぞー(本当は3日間ほど寝たきり状態でしたが)ありきたりの表現で今回の報告を終わりますがこんな報告を書いていること自体が   感謝、感謝。

 (追記)

 今回の報告はオヤジの情けない実態をさらした報告で皆さんの失笑が目に浮かびますが、中には心配してくださる方もおられるかと思います。まあ本当に今回はオヤジ最大のピンチでしたが何とか無事に帰還できました。

 体の方は完全に入院状態でしたがこれではあかん、意地でも歩くぞ~山に行くぞ~。おれも男や!マドロスやあ!(古い!)昨日意地のリハビリで比良に行ってきました。(実は又ドジりましたが)まあそんな程度ですのでご心配なく(だれも心配してへん!ゆうてるやろ)スンマヘンどした。

 (okaokaより)

 【 洛西オヤジさんがトライしたこのコース、中尾峠までは、積雪時「踏み抜き地獄」と呼ばれています。単独行なので正確にコース選定できなければGPSを利用してください。今回はオヤジさんの調査不足です。】

【 記:洛西オヤジ 】