裏愛宕周回
2021.03.07


田尻道のお地蔵さん


令和3年3月7日(午前中は晴れ)   小てつ単独

コース:
・愛宕道林道水道施設前路肩稲妻号デポ~林道分岐(ウジウジ道へ)~林道分岐(細野峠へ)~細野峠~P588~P708~P807からの尾根合流~林道支線終点~ダルマ峠~ウジウジ峠(林道分岐)~かやの木峠~松尾峠~田尻谷道~デポ地

注意:
・田尻道は、途中倒木によりエラいことになっています。初心者のみならず、経験者でもお勧めできないルートになっていますので、裏愛宕を歩かれるなら、愛宕道側を選択してください





 先日、嫁が普段履きのローカット登山靴が欲しいと言うので、ヨドバシの石井スポーツに仕入れに行くのに、烏丸七条の交差点を通ると、いつもokaoka clubの懇親会で使わせてもらっていた「庄や」の看板がないなぁと思い、調べてみたら「閉業」だという。きっぷのいい美人店長さんは、どうしておられるだろうかと心配になる。

 まだまだコロナで苦しんでおられる方が多くいらっしゃる。そんなこともあり、自粛要請が緩和されたとはいえ、堂々と他府県の山に遠征する気も無く、今週も近場のマイナールートをとなる。近場のマイナールートなら、裏愛宕となるのだが、2年前の暮れに歩いた細野峠からの周回はどうだろう?。





 近場と言うことで、朝はゆっくり目に7時半の自宅出発。周山街道は先週よりも自転車、バイクが少なく空いている。週中の天気予報が悪かったせいだろう。実際には、すこぶる良い天気になった。

 いつものように、愛宕道に入り、ペンションをすぎてしばらく進んだところにある水道施設の前の、少し小広くなった路肩に稲妻号をデポして用意をし、8時10分の出発となる。

 すぐのところに、1件家があるが、住んでおられるのでは無く、釜焼きのための家みたいだ。今日はおられない様子。

 林道沿いの川原に、白いボンボリをたくさんつけた低木があり、何だろうと降りてみると、ミツマタのツボミだった。あと一週間もすれば咲きそうだ。

水道施設前にデポ 林道脇の川原にミツマタ

 林道分岐を右にとり、ウジウジ谷の方に進む。すぐに右に分岐があり、そちらに折れて細野峠に向う。登るにつれ林道は曲がっていくが、そのまま枯れ谷をつめていくと細野峠となる。気がつかなかったが、枯れた木の裏側にピークハンターさんの標識があった。今日は寒くて、ここでの衣服調節は無し。

分岐を右へ 細野峠取り付きに杭標識
水路になっている方の谷をつめる 細野峠に足跡マーク

 南の斜面を登っていく。以前のレポで、「P588ピークで転進箇所に注意」と書いてしまったが、実際は2つ越したピークだった。気をつけるのはそこです、すみません。まぁ勢いつけて巡るルートでは無いので、ボチボチ歩いてください。

 標高が600mを過ぎてくると、地面はうっすら白くなってくる。夕べ少し雪が降ったようだ。どうりで寒い訳だ。そんなことでP807からの尾根が合流する地点まで休憩無しで歩いてきた。合流点で一度ザックを降ろして飲水休憩、魚肉ソーセージもパクつく。

P588にも タムシバの花芽が多い
トンネルの中を進む キクラゲ

 ここからは、そう大きなアップダウンも無く、だんだんとはっきりしてくる踏み跡をたどる。11時に林道に乗り上げる。踏破タイムが2年前と変わらないのは、寒くてドンドン歩いたせいだけだろう。林道を降っていく。

今日はキクラゲをよく見る 分岐を右に

 桟敷の長谷林道なら、この時期林道でもフカフカしているのだが、ここの林道は地山を削っただけなので、霜柱もできないのだろう、硬くて嫌だ。降りきったところで竜の小屋からの林道と合流する。ここは左。また雲心寺駐車地からの林道と合流し、ここも左手に進む。今日は冷え込んだので、京都市内ももやっていない。

 ダルマ峠手前の水場で、本日ただ一人の遭遇者、単独男性トレランマンと出会う。トレランマンは、水場でひと口して先へと行かれた。

 ダルマ峠の分岐を右にとり、松尾道に進む。かやの木峠の手前に、「伐採作業中」の看板があり、わざわざ頭上注意とあるので、何だろうと思っていると、先で大伐採が行われていて、ワイヤーが頭上高くに張られているからだった。今日は作業はしていない。天狗杉の伐採のときは日曜日でもやっていたが、あれは外国人作業者でやっていたからだろう。

 木の切り方が雑だなぁと考えてみると、おそらく建築材として切っているのでは無く、パルプ原料として切っているんじゃないかと思い始めた。そういえば、山主は○○紙業となっていたな。

ダルマ峠の水場で 伐採作業中の看板
ワイヤが張られている伐採地

 伐採地を過ぎ、かやの木峠、松尾峠とたどってきた。今日のお地蔵さんを眺めによる。

 松尾峠まで来て、さてと前回は朝日峰から尾根をたどったが、途中からひどいイバラに苦しめられたから、今日は田尻谷を降っていこうと思った。もう十数年前に、その時は下から登ってきて、木材の搬出用だったのか、木が敷き詰められていて、昔あった金馬道のようだったイメージが残っている。今はどうなっているだろう?。

 脇にネットが張られた登山道を降っていくが、オフロードバイクのタイヤ痕と登山靴とおぼしき足跡が残り、こんなところを走ったり、歩いたりする変人がいるもんだと、感心して先へと進む。

松尾峠のお地蔵さん ネット脇を進む

 木が敷いてある場所など無くなっているが、苔むしたいい所だなぁと思っていると、倒木が増えだしだんだんと先が怪しくなってくる。愛宕でも稜線の北側は倒木被害も少なく大丈夫だとタカをくくっていたが、松尾峠から30分弱降ってきたところで、両側切り立った細い谷を、倒木が埋め尽くしているところがあって、ダムになっていて水が貯まっているではないか。

 倒れた木の下側は皮が剥がれ、上面にはコケが発生しているので、だいぶん前の台風被害の時の倒木のようだった。倒木の上に乗ると、コケですべってしまうし、倒木の下をくぐろうにも、木が腐っていてズレて挟まれたらエラいことになる。倒木の手前の斜面を、右岸から左岸からと観察して行けそうなルートを探す。

 どうにか左岸側の倒木の隙間なら抜けていけそうだ。ザックを外して先に放り投げ、後から体だけで難所を抜けていく。ここだけで久しぶりにドタドタになってしまった。(あ~帰ったら、ザックから何から何まで洗わなアカン・・)。

 時間にしたら15分ほどの格闘で、前の岩ヶ谷の30分に比べれば早く抜けられたが、ドタドタと神経的なダメージはこちらの方が大きい。そう言えば、倒木箇所の手前から、バイクのタイヤ痕が無くなっていたなぁ。

 倒木箇所から5分も降ると、もっと凄まじい大規模な倒木箇所があって、そこまでは処理がされていた。

倒木ダム すぐ近くまで処理されている

 でも、そこを過ぎて廃村田尻の石垣ほどまで来ると、被害の痕跡は無くなり、民家跡に行きの林道脇で見たミツマタが、大群生となっている。ここまで群生していると、見事というより怨念か何かを感じてしまう。

 またしばらく進んで行くと、ここは田尻谷でムーミン谷では無いのに、ニョロニョロがたくさんいるなぁと見てみると、杉の幼木が植えられていて、鹿の食害から守るための袋がかぶせられているのだった。まだ杉植えるの??と思ってしまうが、あんな斜面によく植え付けたものだ。

ミツマタの大群生 田尻谷にニョロニョロ

 トラブルがあったものの、松尾峠から1時間15分でデポ地に帰ってくる。ありゃ、廃村田尻にあった「田尻彦と何とか姫」の石碑、見落としたぞ??。


                           【 記: 小てつ 】