白山 南縦走路(2)

2020年5月29~30日
(洛西オヤジ No.258_2)

油坂の頭から別山に戻りましょう


2020年5月28~30日(木)   洛西オヤジ

アクセス:
・本来は東海北陸道白鳥ICからでしょうが例によって敦賀から 湖西―敦賀IC-福井北JC-中部縦貫道―大野IC-R158-九頭竜ダムー県道127-白山石徹白登山口(前日車中泊)

コース:
・石徹白登山口―大杉―おたけり坂―神鳩ノ宮避難小屋―銚子ヶ峰―一ノ峰―二ノ峰―三ノ峰避難小屋―三ノ峰―別山―御舎利山―油坂の頭―油坂直下の沢(赤谷上部)から撤退―ほぼ完全往復―石徹白登山口


 初心者(超、ドジ、マヌケ、バカ、老いぼれ)(そんなけ書いたら気が済んだやろ)オヤジ。2020年5月28日~29日 白山南縦走路(美濃禅定路)南竜ヶ馬場直下から撤退で往復。この報告を 書いているのが信じられない状況になりました。ルート判断、現場の状況の情報不足、自己の体力、集中力、すべての面で甘い甘い大甘の初心者です。

 文中何か喜劇のコントをやっているのか、冗談やろ!とゆう状況が出てまいりますが本人はいたって真面目とゆうか必死で{八甲田山北大路欣也}みたいな心境で(何やて!なんの話や!){天は我を見捨てたり!ガク!}(古いなあ~なに一人芝居やってんねん)。

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 ■ 5月29日

 寒さでウトウトおよそ睡眠とはいえないものですがそれでも疲労からか気が付くと明るくなってきました。4時ころでしょうか、やはりなるべく緩やかなポイントを選んだつもりでも斜面の為ツエルトから足の部分が出ています。モゾモゾ上に登って今しばらく寝ていようとしましたがおそらく氷点下でしょう(標高はもちろん2000mを越えています)。【氷点下にはなりません】。

 寒さで寝ていられずに起きだします。ただツエルト内に持ち込んでおいた荷物が何点か寝返りしたりしているうちに外に滑り出ています。一番やばかったのが初心者の失敗登山靴が外に出てしまっていました。私のバイト先の院長は冬山の師匠で学生時代の経験をよく聞かせてもらいます。

 教訓―冬山では靴は履いて寝る、あるいはビニールの袋に入れるかリュックに入れて抱いて寝る。氷点下に外に出ていた靴がどうなるか、賢明な皆さんのご想像通りひもも何もかも凍ててバリバリ氷の靴を履くような、いや履けないですカチコチで(あ~あ今日も朝から大変やなあ~)。

 とにかくいったん荷物も何もかもツエルト内に引っ張り込んで先ずはお湯を沸かして手先を温めてから着替えです。寒かったあ~、この時が一番寒かったです。震えが止まらないとゆうか、師匠曰く寒さを感じているうちは大丈夫だそうです。それと昨晩は眠剤を服用しませんでした、賢明だった見たいで冬山では眠剤を飲んで気持ちよく天国へそのままとゆうこともあるみたいです。(あんたは天国は無理やろ)。

 朝食は先ずは暖かいスープ。梅おかゆ。お湯だけ先に飲んで体の中から温めてようやく動けるようになりました。完全に日が昇り何とかアドベンチャーな一夜が明けました。靴もどうにかこうにか履けてヤレヤレ何とか一晩倒れずにいたツエルトに感謝です。いやあの2個の石のおかげです。それと天候です風はほとんど吹かなかったと思いますもちろん雨も降らず、もし天候が夜中に悪化していたらおそらく(何や!)いややめときましょうその先をゆうのは、キムケンさんに注意されたばかりです。

正面の平らなところが湿原台地です 反対油坂方面は登山道は見えません
赤谷方面、甚之助避難小屋から見える
施設の頭が見えています

 さてどうするか、南竜に上がって体制を整へ白山目指してその後南竜から予定どうり三の峯の避難小屋に向かうか、もう一日延長して、白山から本日又南竜に戻って一泊、明日三の峯か神鳩の宮の避難小屋31日に下山帰宅とゆうのも考えましたが、老いぼれの体力を考えるとまだ今なら何とか別山を越えて戻れる自信はあるので今回はここで撤退です。(そうやなあ~賢明かも、昨日は14時間ほど苦闘、あまり熟睡できていないものなあ~)。

 えらい今日は優しいなあ~もう7時を回ってしまいましたが、先ずは油坂の強烈な雪渓を登ってピークへ向かいます。上部に登ると昨晩の一人喜劇の舞台がよく見えます、なるほどあそこでストック見失い、あそこで水を補給して、そうかあ~やはり上の湿原まであと200~300mやったなあ~油坂の頭に戻って白山を眺めます。スンマセンあんさんはやはり厳しいお山でした。さ~別山に戻りましょう。

昨晩このポイントに戻れば
もう少し楽なビバークになったのに
あ~油坂の雪渓今朝は登ります
油坂の頭に着きました~ 東に北アルプスが遠くに
別山に戻りましょう
残雪の多さはオヤジの想像をはるかに超えて
大屏風を越えて雪渓を登ります

 今日も今のところは天気よく何とかチンタラ大屏風もほとんど雪渓、残雪歩きで楽といえば楽ですが、雪渓の急斜面は寝不足オヤジには応えます。(どっちやねん!)。3時間以上かかって御舎利山に戻ってきました、皮肉なことに立ち入り禁止の登山道から戻ってきました。下からはそんな表示は気が付きませんでした(あ~あ、あれがなければもう少し余裕あったのに)。

 11時過ぎに別山に戻ってきました、少し早いですが昼食としましょう。朝はなんか温まるだけで食べた気がしませんでした、ゆっくりカップヌードルにお餅も入れてスープにカロリーメイトも食事を済ませてボチボチ三の峯に降りだしたときに単の男性が三の峯方面から登ってきました。挨拶だけ交わしてオヤジは下ります、そうそう今日は油坂の雪渓の後はアイゼン装着なしでここまで来ました。

 この先も何とかなるかなあ~とゆう感じですが、その時にわかに暗雲立ち込め冷たい風が吹き出し、なんと雹が顔に当たると痛いほど降ってきました。え~なんやなんや、これはここまでいきなり雹に降られるのはあまり経験がありません。やはり日本海側の山です、寒気が入ったんですね~。いやびっくりしました30分もいや15分ぐらいか、周りは白いコロコロした粒が積もります。三の峯に戻るころには青空が広がり始めました。

御舎利山に戻ってきました 立ち入り禁止の登山道から戻ってきました
御舎利山と別山の途中の案内
(この案内を意識をしていれば)
別山に戻ってきましたあ
雹、あられ、痛いがな! 残雪多い道で三の峯に戻ります

 すぐ下に避難小屋が見えます。先ずは中に入ってリュックを降ろします。時刻は14時次の神鳩の宮避難小屋までは3時間ぐらいでしょうか、もうここで今日は泊まります。(早々無理せんとき)。えらい優しいなあ~気持ち悪いなあ~もちろん今のところオヤジひとりです(昨日の賑わいは何だったのかそれとももう降りているのかなあ~)。

 さ―まずは水作りです、倉庫を確認するとなんとスコップがあります、金鎚もあります。傍の残雪雪渓に出てスコップを使い下からなるべく綺麗な氷を取り出し、問題のポリに(なんや?)いや昨日の滑って行きよった、(その事かい)今日は氷を詰めこんでいきます。手が冷たくなかなかはかどりませんが何とか半分ぐらい詰め込みました。

 小屋に戻りかけたとき、別山で出会った単の男性が小屋に到着、「あ~スコップそのままにしといて儂も使うわー」結局今日はこの男性と二人で泊まることになりました、部屋は広いし三密の心配はありませんがやはりあまり会話は弾みません。愛知から来られたとゆうことです上小池から登ってこられて明日又上小池に降りるとゆうことです。

御手洗池の水場の残雪 三の峯に登り返しです
三の峯に戻ってきました すぐに避難小屋です
今日はだれもいません 先ずは水の確保です
スコップはありがたかったです

 そんな時なんと今度は雨の音がします。え~予報では降らないはずなんですがどうも不安定な状況になっているみたいで男性が「明日も、特に昼からは不安定で降ったり雷が鳴ったりするかも」と情報を教えてくれました。今回カーチャン連絡の事はあまり書きませんが(余裕がないのも原因ですが)各ピークではほぼつながる状態です。

 この三の峯の小屋では(上ではつながりましたが)非常に微妙で小屋の中はダメ、外に出て移動するとつながるところもあり、とゆう微妙な状況ですがとりあえず今晩の宿泊をカーチャンに伝えます。夕方までやはり疲れているのでしょうかウトウトしてしまいます。愛知の男性もいびきをかいて寝ています。

サンセットにはまだ早いが今日はこれまで

 5時ころになって食事の準備、今日はアルフアー野菜チャーハンです、もうあと1~2食分あればよいのでそのほかの食材も食べてお腹も膨れて又横になっていると今度は完全に寝てしまいました。あ~残念(何がや)いや雨が上がったのできっと綺麗なサンセットを見られたのやろうなあ~と思うオヤジ、残念乍ら外はもう真っ暗あ~あ。もうこのまま眠剤飲んで寝ることにしましたが、(初心者やなあ~)そうなんです白山の星空は定評があります。

 愛知の男性は0時ころ起きだして満点の星を堪能したと翌朝写真を見せてくれました。あ~あ老いぼれは疲れて朝まで目覚めることはなかったです。残念無念、昨晩は星を見る余裕なかったし谷の中やったもんなあ~(しょうがない、しょうがない、屋根の下で寝られてしかも平らなところでありがたく思わな)そうですね。

 ■ 5月30日

 4時ごろに目が覚めました、愛知の男性もオヤジが起きたからでしょうか目が覚めたみたいです。昨夜の星空の話を聞いて、は~残念やったなあ~と(起こしてくれたらええのに)(そら無理な話や同僚やないのやから)。そうやなあ~まあホンマ疲れてたんやなあ~(もう歳なんや)男性に目ざめのモーニングコーヒをご馳走になりました。

 「御来光は何時やろな」と聞かれて「う~ん5時前ぐらい違いますか」(ええ加減な、わかってんのかい!)「見に行くかあ」とお互いブレーカー着込んで三の峯にゆっくり向かいます。今日も今のところは良い天気で風も無く思ったよりは寒くありません。もちろん1~2度?ぐらいでしょうか、待つこと10分ぐらいで(4時45分)ちょうど別山と南白山の稜線の間から出ました。(出ましたって瓢箪から駒が出たみたいにゆうな)。

 遠方わかりませんが立山あたりかなあ~?わかりません、久しぶりです、こんなにきれいに見えたのは(去年の針ノ木以来?)満足満足、小屋に戻ります。男性の下山、上小池まで3時間?オヤジの石徹白登山口までは4時間ぐらいでしょうか、ゆっくりと朝食をします。

 オヤジが朝食を食べている間に男性は小屋の南側の笹に覆われたピークを見に行ったみたいで「福井県最高峰のピークがあった」と戻ってきて教えてくれました。(その調子で星の時も教えてくれよー)(まだゆうてんのかい)ゆっくり食事をしてリュックを作り出発です。

早朝の三の峰 久しぶりの御来光です。合掌
朝日を浴びる小屋に戻ります

 ゆっくり出発準備しながら愛知の男性といろいろ話をしました、相当な山の経験者とゆうのは小屋に着かれた時からわかっていました。台湾や韓国の山の状況なんかも聞かせてもらい(仕事のついでにたびたびいかれたみたいです)面白かったです。いつものオヤジせりふで一期一会の挨拶を交わしてお互い7時ころに出発。

さー出発、さらば別山又来るよー 気になる右の笹原に入ります

 オヤジは先ほど聞いた福井県最高峰とゆうのが気になったので、笹の中をウロウロかすかな踏み跡をたどって、ありました小さな案内板です{福井県最高地点三の峰2095m}となっています。

 あれ~反対のピークの三の峰は2128mで福井県ちゃうのかー(南縦走路に沿って福井と岐阜の県境線が走っています。微妙に岐阜県側なんでしょう)。なるほど県境とゆうのは微妙なんやなあ~と感心しながら(けったいなことが気になるのやなあー)又下の雪渓に向かいます。

 ここが大きな雪渓としては最後で、昨日も初めてアイゼン付けたポイントです。朝日が当たりだいぶん緩んでいるのでノーアイゼンでも降りられないことはないでしょうが、慎重を期してアイゼン装着して降ります。そうそう今回のアイゼンなんですが重量を気にしていつもの12本歯ではなく10本のアルミを持ってきたのですが(まあそれも甘いな~)まあ最初6本の簡易でとも考えたのですがよかったです。

 何とか最後の雪渓をクリアーしてこの先はもう装着の必要がないのでカバーにくるんでしまいこみます。さ~後はいそぐこともありません一昨日は気がせいて撮らなかった花や周辺の展望を撮りながらヨタヨタ戻ります。

ありました~福井県最高峰 最後の雪渓です、アイゼン装着して

 雪渓をクリアーあとはチンタラ、アイゼンの必要はありません。銚子ヶ峰が近くなると下からの登山者が極端に多くなります。(そうか~今日は土曜日や~)2~3人のグループや家族ずれも、皆さん外に出てリフレッシュとゆう感じでしょうか。銚子ヶ峰に戻って一本立てていると、オヤジぐらいの男性が女性3人男性1人をサポートするような感じで登ってこられました。

 リーダー格の男性が「大きいな~そのリュックやとどこまでや?お山までか」と声をかけてくれました。まあ白山をお山とゆう老練さは地元の方でしょうか、オヤジが「いや南竜の下の沢から撤退です」と事情を説明します。「あーあそこは通常の登山道は下ってしまうが上の尾根からテン場に行けるのやけど」やはりねーオヤジが思っていた通りでした。

 「今年は、年末はすくなかったけど4月にだいぶん降って今の時期にしては多いなあ~」との事でした、無雪期はまあ無理したら南竜まで行けても、やはり三の峰で刻んでからが普通との事でした。地元のベテランさんの言われることに{おっしゃる通りでした、情報の不足を恥じるばかりです}。

雪渓をクリアー 鬼の顔に見えますか?
一の峰通過~ 銚子ヶ峰に戻ってきました
銚子ヶ峰に戻って一本立てていると

 どんどん登ってくる登山者、早くもオヤジ追い抜いて下山する人もいます。オヤジはチンタラチンタラ 今回の歩きの反省をしながら(ケ!そんなしらこい事書くなあ!)神鳩の宮避難小屋を過ぎ、そやけどながーく感じたなあ~登るより長く感じました。まだかなあ。まだかなあ~(そら気の入り方がちゃうのや)。そんな時が危ないのやで~何でもない登山道、いや遊歩道みたいな雰囲気、ハ~イ今まで何度も気のゆるみで痛い目に遭っています。

 銚子ヶ峰から下山で2時間半ぐらいかかってやっと大杉に到着(まあーそんなけダラダラチンタラ歩いていたらかえってシンドイやろが!)まあええやんか単独歩きのええとこや、一人で行く醍醐味やなあー(しょうもなあー)。

神鳩の宮避難小屋に戻ってきまし ようやく大杉にもどってきました

 ちょうど正午に登山口に下山、駐車場は満車の状態でした。大杉見物の人もいるのでしょうが(いたかな?)やはり土曜日、ここにきて皆さん山にドッときたみたいです。(しばらくは三密避けて山歩きはやめとこ!)(あんたも変わってるね~自粛せいいわれると山に入って、ぼちぼちええで~となったらやめるんかい)。

駐車場はほぼ満車状態

 どんな時でもなるべく人がいないほうがええねん、人見知りが激しいねん(まー好きにゆうとり)。車で着替えて登山届などを出す管理棟みたいなところで最後のラーメンタイムです。気が緩むと体のあちこちが痛くなって、両足の指先が(特に左の指全部が)しびれたような感じでマヒしているようです。

 前も手の指先でこの感覚は経験しています、これがひどいのが凍傷でしょうね。(この報告を書いている今もまだ痺れ感はあります)。院長に見せると「あー相当冷やしたなあーまあ色もそんなに変わってないのでしもやけのキツイ奴やおもとき、大丈夫しばらくしたら元に戻るわ」冷やしたといえば冷やしましたが、凍ててしまったのでしょうね~。

 何してもやばかったな~あのビバークは良い経験でした(そんな経験するなあ!)。一つ間違えばえらい事になっていました。とゆうより現にえらい事になったんでしょうね~。たまたま天候も一晩じゅう安定していたのがラッキーで助かりました。前回バリゴヤの頭で、かおり御大、キムケンさんにお叱りをいただいております。引き続き反省しております。(別の方からも、こんな時にお前は山歩きする資格はない!と怒られました)。

●ミツバノバイカオウレン ●エンレイソウ
●ヒメイチゲ ●ミツバオウレン

 さー又帰路もなるべく一般道でとゆうことで敦賀を目指してチンタラ戻ります。そうそう石徹白の集落で大きな神社に(白山中居神社)あまりの巨木がドカン、ドカンとあるので思わず停まって見に行きました。ついでにお参りもして今回無事に帰還できたことに。   感謝 感謝。

白山中居神社(石徹白の集落)


【 記:洛西オヤジ 】