愛宕山
(中尾根~スカイライン~岩ケ谷)


岩ケ谷の倒木
まだ葉が青々としているので最近の豪雨で


令和2年8月2日(日) 曇りがち     小てつ単独

コース:
・JR保津峡駅稲妻号デポ~中尾根~大岩~水尾分かれ~愛宕スカイライン~大杉谷道つづら折れ~月輪道出会い~ジープ道~三角点水場~三角点広場~岩ヶ谷~水尾~遊歩道~JR保津峡



 久々の投稿です。もうokaokaclubの紀行文から忘れ去られたかのような小てつです。コロナ渦による自粛が開けたかと思えば、梅雨とは言えないほどの豪雨の連続で、秘境歩きが好みの小てつにとって、頼みの「植林抱っこ降り」で植林もろとも土砂崩れなんて元も子もない山歩きになるといけないので、自粛に継ぐ自重となり、6月21日の明王の禿以来、1ヶ月以上の間が開いた山行となります。15年以上になる山歩きの貯金が勝つか、自重生活で腹回りに蓄えられた脂肪が勝るのか、良い勝負になりそうな山行となります。

  昨日は「千日参り」の愛宕山。祭りの後の響きも好きな小てつにとって、(おまえの場合、後の祭りやろう・・)いやいや、最近どういう風の巡りか、ギター弾きが復活し毎日少しだけの時間ですが指作りに弾き始めておりまして、何でかそういう時に弾くのは「泉谷」はまだ出てこなくて、「たくろう」、「陽水」になります。何でや?泉谷のギターコードの方がはるかに簡単やろう!てな訳で、たくろうの「祭りのあと」もつま弾くことになっています。

 (誰か~「天王寺界隈のブルースの1番の歌詞覚えてる奴おらんか~! 2番は出てくるのに、1番が出てこん。ハッシーやったら知ってるやろか?五郎さんの連絡先は知っているけど、ハッシーはわからんもん)。

 ギターはどうでもいいから、愛宕山に登ろう。

朝の愛宕寺横駐車地 六丁峠下より保津峡

 千日参りは別にして、自粛、梅雨開けの愛宕なら混雑は必至のところ。いつもより若干早く7時前に自宅を出発する。途中でコンビニによって食料を仕入れて清滝に向うと、まだ7時というのに清滝トンネル手前の愛宕寺横の駐車地は、登山者のものだろう車であふれている。最初からJR保津峡に稲妻号をデポする予定だったが、予想を上回る混雑ぶりだ。平野屋の角を曲がり、六丁峠を越えてJR保津峡駅に到着。準備をして7時20分の出発となる。

 ちょうど降りの電車が到着し、登山者も降り立っただろうがひとあし先に出発できたと思ったら、赤橋の中間まできて忘れ物に気づき、いったん戻る。2人の登山者とすれ違ったのだが、二人ともツツジ尾根なのか途中で見かけなかった。

 水尾方向に車道を20分歩いて中尾根登山口。ここでスパッツを着け、ストックを伸ばして、いよいよの準備をして登山道にとりつく。

 前日の千日参りでも、中尾根の登山道を利用して神社に向った人は皆無なのか、登山道にはまだ小さいジョロウグモの巣が多数かかっている。小さいとは言え、ちょうど顔あたりにかかった巣をまともにかぶると2,3歩後ずさってしまい、タオルで拭って進むとまたかぶってと繰り返し、久々の山行で息が上がって立ち止まるか、蜘蛛の巣を拭うのに立ち止まっているのかわからないほどで、なかなかペースはあがらない。ストックを前で振りながら歩いて、疲れたなと手を下ろすと巣がバサッの繰り返し。大岩まで1時間もかかってしまった。

JR保津峡駅前にデポ 中尾根の登山道は明確になっている
芋虫キノコ 何とか大岩到着

 大岩からのネット際の急坂が「仮想バクロ坂」、ここでひいこらしていたら、とてもバクロ坂など登れない。花はまったくないので、キノコなど見つけながらもう1時間かかって水尾道に登り詰める。

 中尾根では誰にも遭遇しなかったが、さすがに水尾分かれの東屋あたりでは、数名の登山者を見かける。挨拶のそこそこに、スカイラインに逸れていく。

 スカイラインの登山道は、前の伐採作業によるものだろう、すっきりしていて歩きやすくなっていた。幾分、間伐採により市内の眺望も良くなっていて、明るい感じ。ここはスイスイと進めて大杉谷道へ合流する。

 大杉谷道の合流点で単独男性を見送っただけで、あとは下方に二人の登山者を見るだけで、ここもあまり接触無し。月輪道でも一人追い抜き、二人すれ違っただけで、ヤレヤレ。ジープ道に合流し、神社には向わず、とにかくひと息つこうと三角点水場に向う。

遅かりし【トンボソウ?】 水尾分かれに乗り上げる
スカイラインは歩きやすくなっている 月輪寺道に合流

 三角点水場には数十メートル降ることになるが、今日のピークは三角点ピークだけと考えていたから、それも苦にならない。水場のトユから出ている水は、いつにも増して勢い良かった。とにかく冷たくて気持ち良い。しばらく手をつけて涼をとる。これで虫がいなければいつまでもいられそうだが、すぐに小バエがよってくるので長居はできない。

 三角点広場の先客は一人だけで、市内向きのベンチに陣取っているから、小てつは奥の方のベンチ(コンクリートブロック)に陣取って、早いお昼とする。今日もサラサラッと、お茶漬け。

 先客が先に出立。しばし小てつ貸し切りとなる。お昼どきに三角点広場貸し切りとは・・・。結局11時30分までいたが、どなたの到着も無し。神社小屋はごった返しているんだろうなぁ。

久しぶりの地蔵辻 水場でトチバニンジンの実を見る

 ジープ道を少し戻り、本日のメインテーマである「岩ヶ谷」に降りて行く。林道のようになった最初の取り付きには、おととしの南風による倒木がいまだ残っている。立派なお墓も倒れたまま、そのまま。こういうところが愛宕神社の理解できないところ。だからいつも神社による気がしなくなる。

愛宕三角点 立派なお墓も崩れたまま

 さて、それはさておき「岩ヶ谷」。毎年夏冬2回は登っていた谷なのに、上から見た限りでは(ジープ道や神社裏道から)えらいことになっている様子。だからとんとご無沙汰になってしまった。しかし、本当のところは歩いてみなければわからない。いつもは登っているが、降りなら多少の倒木があっても踏破できるのでは・・。もうひとつ、やわってしまった小てつの心身に活を入れるためにも、のコース取り。

  お墓から少し降ったところの倒木に、枝をはらった跡があるのを見つけ、これはToshiさんか誰か、物ズキが足を踏み入れているに違いないと確信する。となれば、少なくとも去年、一昨年の倒木なら何とかなるんじゃないかと先に進むことにする。(上の方で断念するなら、そのままトラバースしていって、神社裏道に乗り上げれば良いと考えていた)

思ったほどひどくはない 枝をはらった跡がある

 しばらくは予想よりも倒木の状況はひどく無く、あっても少し迂回すれば良いほどで、場所によっては苔むした昔ながらの岩ヶ谷を残している場所もあったりする。(廃村八丁でもお目にかからなくなってしまった風景)時折、流れに手をつけて涼をとる。手を冷やすだけで格段に体温を下げることができる。冬場に手が痛くなるように、手は体のラジエターで、冷水を飲むよりも熱中症には効果的と思う。順調に標高を下げていく。

ヤマジノホトトギス 苔むした良いところがある

 ところが標高600m付近。岩ヶ谷の名前の由来であるかのような両岸が大岩でそそり立っている場所付近で、まだ葉が青々とした植林の杉が折り重なって倒れこみ、谷を埋め尽くしている場所に会う。これは間違いなく今回の大雨による土砂崩れによる倒木だ。まだ安定しておらず、かなりやばい。大きく迂回できるだけ迂回して、木に乗り上げる時には一気に乗らず、試しながら不意に動かないのを確認して越えていく。ここだけ越えるのに30分以上かかった。谷の傾斜がきついのと、両岸が狭いので、倒木がダムをつくっても大きな土石流などおこりそうでは無いのが救いではある。

 越えた場所に、まだ新しい長靴と思われる足跡を見つけ、この先は進めることを確信する。(ここまで確認しに、登ってこられた人がいる)。

 予想通り、この先に倒木帯は無く、取り付き付近では、(何があったの?)の雰囲気である。

やっと倒木帯を越え振り返ると 登山口近くは「何があったの?」の様子

 車道に降り立ち、水場で涼をとる。三角点には劣るが、冷たい。水尾の里から米買い道で、大岩か荒神峠まで行って保津峡に戻ろうかと思っていたが、もう2時なので、このまま遊歩道で降りようと車道を降る。

 バス停に4名の登山者がたむろっているが、バスの時間がまだなのか、小てつに習って徒歩で降りるようだ。よく車道を降っている登山者を見かけ、稲妻号なら声をかけて荷台にでも乗せるのだが、車道を降っている人は遊歩道を知らない人達で、あまり愛宕に詳しく無い人達と認識しているから声かけする。遊歩道の方が直線的に降りられ、10分は短縮できる。(あわよくば車にひらってもらえると考えているのなら、小てつの考えより、うわ手やねぇ・・・)。

 3時ちょうどにJR保津峡駅に到着。後片付けをして稲妻号を出す。

車道に降り立つ 水場の様子も変わっている

 とにかくも無事に帰ってこれました。鹿児島、熊本、長野、東北と被害の出るほどの豪雨で、京都北山でもまた被害の出ている登山道もあるようです。まったく滅入るばかりですが、映画「ローレライ」の時の役所広司みたく、「さぁ行くかぁ」といきましょう。(いっぱい汗をかいたと思いましたが、これくらいでは、お腹はまったく引っ込みませんでした。)。


                           【 記: 小てつ 】