尾瀬ケ原
(どこまでも続くよ,二本の木道)


池塘(ちとう)と至仏山


2020年7月19日(日) 晴れ  森の旅人Mと嫁さん

コース:
・群馬県片品村:尾瀬戸倉~鳩待峠~山ノ鼻~牛首分岐~竜宮~見晴~東電小屋・三条ノ滝分岐~東電小屋~ヨッピ吊橋~牛首分岐~山ノ鼻~鳩待峠~尾瀬戸倉





 念願の尾瀬ケ原へ嫁さんと二人で行ってきました。梅雨明けしていない中,天気を気にしながら前泊の群馬県片品村尾瀬戸倉へマイカーで高速道路を飛ばし向かいました。途中の伊勢湾岸道では前が見えないほどの豪雨に合いました,関東に入ると曇り空の下,無事に群馬県片品村に到着しました。(なにせ遠く620㎞走りました。)今回は民宿に連泊しました。

 尾瀬戸倉からは尾瀬ケ原の入り口鳩待峠へ乗合バスが出ており,今回は朝2番の6時30分に乗車,鳩待峠へ送ってもらいます。バスと言ってもジャンボタクシー,人数は満員に近い10人です。

 戸倉から山中の曲がりくねった道路を上り続けて鳩待峠へ7時過ぎに到着。天気は予想以上の好天気となり気持ちも高くなる。鳩待峠は標高1591mで休憩所の他,トイレもあります。多数の登山者を見る。尾瀬ケ原は標高1400mでその差200mを1時間かけて下って行きます。石を敷き詰めた階段からやがて木の階段そして木道に変わる。単調な歩きの中,濡れた木道で滑ってしまい右足を木道から外してしまった。

鳩待峠にて 石を敷き詰めた石段
石段から木道に変わる 山ノ鼻ビジターセンター

 橋を渡ると尾瀬ケ原の玄関である山ノ鼻ビジターセンターで鳩待峠以上に登山者の姿がある。センター前を通りいよいよ尾瀬ケ原へ向かう。視界の広がる湿原に出ると目に入って来るのは高い至仏山,青空をバックに朝日が当たり綺麗に見える。これから向かう東側には遠く燧ケ岳が正面に見える。今回のコースは至仏山と燧ケ岳を直線で結んだ線上を東に向かい,見晴の小屋から北上,途中で東電小屋,ヨッピ吊橋から南西に戻って周回する一般コースです。

 二本の木道が先に伸びて常に燧ケ岳を正面にしながら東に歩を進めます。ノアザミ,カキツバタが緑の絨毯に色を添える。池塘が出てきてトンボが飛び回る。木道二本は右側通行が原則で多くの人が先へ先へと抜いて行きます。既に反対方向からもすれ違いが続きます。所々にクマ除けのベルが設置してある。野生動植物の自然界に人間が勝手に入り込んでいるのだ。

至仏山が一望 ノアザミ
カキツバタ クマ除けのベルが配置されている
燧ケ岳が遠くに見える ようやくニッコウキスゲが現れる
木道は右側通行となっている 逆さ燧ケ岳は風があってスッキリしない

 ようやく心待ちにしたニッコウキスゲだがわずか1本を見るだけ,見渡してもパラパラと黄色い花を見るばかりで群生にはなっていない。分岐の牛首分岐に着くと多くの人がベンチで休憩している。我々もここで休息を取る。ここでニッコウキスゲ情報を得ることができた,偶然声を掛けたおじいさんによると牛首からヨッピ吊橋方面へ行くとニッコウキスゲが咲いており群生地はそこしか無いと言う。楽しみは後にして牛首から尾瀬ケ原の真ん中に位置する竜宮へ歩き出す。

尾瀬ケ原の川は澄んでいる 牛首のベンチ

 歩けど歩けど二本の木道が先に続く。前方の燧ケ岳はまだ遠い。花も少なくなってきた,見える風景も変化なく木道歩きも多少飽きてきた。10分もすると前も後ろも我々以外人の姿が見えない。多くの人はヨッピ吊橋方面に向かうらしい。せっかく竜宮に着いたがここにある小屋は休業中,ロープで囲われて中に入れない。

燧ケ岳へ続く二本の木道を竜宮へ向かう 竜宮小屋は休業中

 小屋周りの森を抜けて橋を渡ると福島県に入る。人生初めての福島県だ。渡る先に燧ケ岳が少し大きく見えてきた。キンコウカと単発のニッコウキスゲが目に入るだけ。真っ直ぐな先に小屋が目に入る。見晴の山小屋だ。他に花も少なく見どころ無しに見晴に到着。

福島県に入っての燧ケ岳 キンコウカ

 10時過ぎに到着,弥四郎小屋前は多くの登山者で賑わっている,4つあるテーブルは全て使用中で仕方なく木の椅子を確保。トイレに行っている間に嫁さんが空いたテーブルを確保しておいてくれた。宿で作ってくれた大きなおにぎり2個,煮抜きと唐揚げそしてカップラーメンを食べるためバーナーで湯を沸かす。(カップラーメンを山の中で食べたいと言う嫁の希望を叶えるためバーナーと水1.2L持参することになった。トホホ・・・)宿の親父さんありがとう,作ってくれたおにぎり2つは大きなもので結局1個ずつ食べて一人分は残すことになる。食後のコーヒーは小屋前で湧き出す弥四郎清水を沸かし頂いた。一人旅と異なり昼食に1時間以上滞在した。

見晴の小屋群と燧ケ岳 弥四郎清水でコーヒーを頂く

 後半復路は東電小屋へ向かいます。いままで前方にあった燧ケ岳はなく新鮮に感じる。T字路で左の東電小屋へ,嫁さんは実は40数年ぶりの2回目の尾瀬ケ原で前回行った直進の三条ノ滝を確認したがっていたが残念ながら時間が足りない。只見川に掛かる橋を渡りこのコースでは珍しくブナ林を歩くと東電小屋が見えてきた。只見川を渡った所から東電小屋のあるほんのわずかな周辺が新潟県となっており。今日の山行では3県跨ぐことになる。

東電小屋・三条ノ滝分岐 東電小屋へ橋を渡る
珍しくブナ林を歩く 東電小屋

 東電小屋でトイレを借りてヨッピ吊橋へ向かうとしばらく見えていなかった至仏山が前方左に見えてきた。改修中の木道橋を渡る先にヨッピ釣橋が架かっていた。40数年前の写真のヨッピ吊橋は木造だそうで現在の金属製と感じが違う。周辺の森林が大きく伸びている。牛首に戻る途中の池塘にはスイレンに似ているヒツジグサの白い花が咲いていた。朝方聞いたニッコウキスゲの群生地にようやく着いた。今まで見てきた一本二本のニッコウキスゲでなく正に一面が黄色くなって群生となっている。ニッコウキスゲの向こうに燧ケ岳が絵になる。この群生地は東電が周囲をネットフェンスで囲いシカの食害からの保護区域と表示板があった。

ヨッピ吊橋を振り返る
ニッコウキスゲと燧ケ岳 ニッコウキスゲ
ニッコウキスゲの群生地

 保護区を後にして牛首に到着,相変わらず休憩中の登山者の姿がある。鳩待峠へ戻る人もいれば反対に入山してくるグループもある。山ノ鼻で残ったおにぎりを二人で食する。帰るバス時間を考えて休憩中の登山者も次々鳩待峠へ上がって向かっていく。我々も気を引き締め登って行く。途中のベンチで一休み後,木道を歩く。木道から石を敷き詰めた階段に変わると鳩待峠は近く,思いの外早く1時間で着いた。走破距離は20km弱で,標高差が無いものの疲れました。

 予定の乗合バスまで1時間もある,バス乗車券を購入してソフトクリームを口にしていると運転手さんがやってきて,あと二人でバスが出るのでバス停へ行くように指示される。この時間に出発するバスは無いと思っていたがバス停には6人程待っており人数が揃うとタクシー会社の乗合ジャンボタクシーがやって来た。結局予定より早い時間に戸倉に戻ることができました。民宿の温泉で汗と疲れを流すことができました。宿の夫婦が作ってくれた夕食が美味しかったことは間違いありません。それにしても天候が予想以上に晴れてくれたことに感謝です。


                           【 記: 森の旅人M】