隙間時間有効活用登山の楽しみ 2019.秋  
by ikomochi


① 2019.11.2 (土) 手始めに、広葉樹の多い大文字山の北の谷間を計画。

② 2019.11.9 (土) 先週の夕暮れ散歩に気をよくして また紅葉を探しに大文字山へ。

③ 2019.11.19 (火) 大文字山の黄葉がなかなかなので、花脊峠に行く。

④ 2019.11.23 (土) 4度目の正直、紅葉真っ盛りの情報で植物園に行った

⑤ 2019.12.1 (日) さあ今度こそは大文字の黄葉を楽しめるか?




夏以来身辺あわただしく山にゆっくりと行く時間がない。そうこうするうちに、季節の変わり目の風邪発熱で熱が引いた後もぐずぐずと長引く。10月末ごろ、トレーニングの先生にその話をしていたら、「そういえば、毎年今頃山に行けない日が続くと体調悪いのが長引きますよね・・・」「そうやねえ!やっぱり山やねえ」ということで、考えました。短時間で行けて楽しめて交通の便も良くて・・・どこやろうなあ? というわけで、隙間時間有効活用登山(命名者は道子さん)を始めてみました。

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 ① 11月2日
◆手始めに、広葉樹の多い大文字山の北の谷間を計画。色づき具合はどうやろ?

霊鑑寺から大文字山へ 火床への道

 14:40錦林車庫出発 秋空が心地よく順調に霊鑑寺から火床へとたどり、15:30金輪から市内を眺めながら観光客とおしゃべり、16:20三角点から西山に沈む太陽を眺めて西方浄土はこのことかと納得。

西方浄土 紅葉はまだのようだ

 さてお目当ての黄葉はと北の谷の出合坂から幻の滝、中尾の滝へと回ったが残念ながら木々はまだ青々とした葉に覆われていた。夕陽が落ちると谷間はすぐさま暗くなるので中尾城址の尾根に急ぎ登る。活動を始めた鹿たちに何度も遭遇し、そのたびに警戒音が山中に響いた。

 堀切からの下りは薄暗がりに砂の道が白く光るのをたどって下り、暗闇の車道を川の水音を頼りに銀閣寺へと向かう。

足元にかすかに光る白い道 八神社に到着ほっ

 18:00八神社の灯りをみたときはほっとした。火床でおしゃべりしたグループが、陽を眺めて下ってきたと再会。つい数十年まえまで人はこのくらいの薄闇は平気で歩いていただろうと灯なしで歩いてみたのだが、わずか40分間ほどの暗がりでも緊張していたのだろう、頭がくらくらした。

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 ② 11月9日
◆先週の夕暮れ散歩に気をよくして また紅葉を探しに大文字山へ。

 15:20銀閣寺道から入り、中尾城址尾根の堀切から竜王尾根に。広葉樹の尾根道は残念ながらまだ青葉、16:00三角点でまた夕陽を眺め、鹿ケ谷へ下る。

きのこの秋 竜王尾根まだまだ青葉や
山頂も国際色豊か 鹿ケ谷へ下る

 一時は通行止めだった道は歩きやすく整備されてはいるが、倒木の山は凄まじく、この山が元通りになるには10年単位の時間が要るのかも。この道は一度歩いたような記憶があったが、俊寛僧都碑や楼門の滝は初めてみたので、来たことがなかったのだろう。滝から麓の波切不動明王まではかなりの急こう配の山道で、暗くなるまでに下らなくてはと急いだ。

整備されていたが倒木被害がひどい 俊寛僧都碑

 17:00麓の寺院から西山に沈み行く夕日を追いかけながら鹿ケ谷へと坂を下った。平家転覆を計画した鹿ケ谷の謀議で公家たちが俊寛山荘に闇にまぎれて集まったというが、あんな急な山道をほんまに登っていったものか?密談には最適だったろうが真相はいかに。

夕陽を追いかけて

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 ③ 11月19日
◆大文字山の黄葉がなかなかなので、花脊峠に行く。

 15:00北大路発のバスに乗り16:00旧道別れ下車。旧花脊峠から尾根道へ登ってみる。ところどころ紅葉のまっかな葉は見えるが、期待していた楢などの黄葉は葉が落ちていて残念。落ち葉の道を少し歩き、引き返して天狗杉山へ登った。

花脊峠のお地蔵さん 尾根の黄葉は終わっていた

 夕陽に照らされて黄金色に輝いていた山の木々は、色づいているものの葉先がちりちりに茶色く美しくない。むしろ眼下に広がる杉峠山の尾根が一面に黄葉してきれいだ。山頂で陽が落ち、薄暗くなった道を花脊峠に下ったが、三角点から東側の尾根は一面の倒木、大きな木が根こそぎひっくり返っていて道を探すのにきょろきょろした。

照る山もみじ 天狗杉の夕陽
ここも甚大な倒木被害だ

 花脊峠のバス停に下るのにどっちだっけと少し思案し、対する尾根を目当てに適当に蕨原を下った。確か杉林の横を歩いたなあと林に近づくと、木の札に赤くバッテンの印がかかっている。ここでみんな迷うのだろう。仕方なく歩きやすそうな緩斜面を下ると、足元に車道が見えて、17:00バス停から少し花脊寄りに降り立った。

 18:10のバスまで時間があるので、杉峠に行ってみた。鉄塔跡が気になったが薄闇になったので先へ行かず、杉峠から京都市内や大津市内の夜景を楽しんだ。17時半を回ると山の闇は一層深く、峠の頭上に広がる天空にはきらきら輝く星が現れた。よく見るとカシオペアや北極星の姿が。マンションだらけですっかり明るくなった我が家の周囲から絶えて久しい星空を、懐かしく眺めた。

京都市内の灯りを眺める 星が輝く花脊峠

 後で知ったが、この先週okaokaさんたちが寺山峠から旧花脊の尾根歩きして黄葉を楽しまれたようだった。

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 ④ 11月23日
◆4度目の正直、紅葉真っ盛りの情報で植物園に行った。

 先日の植物園ガイドの折、ここの紅葉は一見の価値と熱くお奨めだった半木の森池の周囲。日没からライトアップという。16時に植物園に入り生態園をぶらぶらしていると、通りかかった植物園の人が「わかりますかねえ」と指さしてくれたのが「あずきなし」の実、高いところにあって見えにくいが小さな赤い実がたくさんあった。今珍しいものはなんですかと聞くと、「この時期はあまりないですが・・」と「シマカンギク」と「ヒヨドリジョウゴ」の場所まで案内してくれた。

メタセコイア シマカンギク
ヒヨドリジョウゴ

 5時間近になると三々五々人が集まってくる。ライトアップは入場無料とのこと。池の周囲を巡りしばし水面に映える紅葉を愛でた。さすがに植物園、いろいろな種類のモミジ葉を楽しむことができた。

植物園は穴場です 紅葉黄葉
半木森の池 ライトアップ

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 ⑤ 12月1日
◆さあ今度こそは大文字の黄葉を楽しめるか?

 少しゆっくり時間が取れたので13時銀閣寺から登る。中尾城址尾根の堀切から中尾の滝、幻の滝・出合坂を経て三角点に行く。幻の滝の谷間は黄葉が終わってしまっていたが、尾根道では西日に照らされて葉裏が黄色く光る様を堪能した。人けのない静まり返った山道を大声であーきのゆうひいに♪と歌いながら歩いて、この間積もりたまった浮世のごみを放出した。

黄葉の尾根を歩く 晩秋の幻の滝
出逢坂 黄葉

 外反母趾の治療で足指の整体とテーピングを始めたのが効果が出ていて、苦手だった石だらけの大文字山表登山道の下りもすいすいと歩けて、さらに嬉しかった。

 というような私の隙間時間登山の日々。一回一回は短時間でも、夕陽あり、夕闇あり、紅葉ありと毎回濃厚な時間を過ごして満足だった。

山頂は13℃もある
落日

 多忙で息つく間もない日々を送っていたが一度も寝込むこともなく過ごせたのは、短時間でも野山を歩き精神的にも体力的にも開放していたからだと、自然の力にあらためて感謝した。


                 【 記:ikomochi 】