西穂高岳 2019年8月11日~12日

初心者オヤジ、人、人、人、車、車、車
山の日の登山は大変です
20K近いリュック背負って登山道で並んでいたら倒れました
(え~!)いや倒れそうになりました。カーチャン曰く
「そんなメタボ腹で山に行くのが間違いやあ!」
おっしゃるとうりです。(グスン)
(洛西オヤジ No.227_1)

 
西穂から帰宅中のサラリーマンにびっくり!


2019年8月11日~12日   洛西オヤジ

アクセス:
・名神―東海北陸道―飛騨清見インター平湯―新穂高鍋平登山者用駐車場(無料)―車中泊
・前日の夜22時前にはいつもの新穂高登山者用駐車場に着いたのですが既に満車、鍋平に回されました。

コース:
・11日
第二ケーブル鍋平駅(白樺平駅)―千石園地(西穂口)-西穂山荘―独標―ピラミッドピークー西穂山頂(直下でビバーク)

・12日
前日と同じルートを下山





 今日は洛西オヤジです。山の日は山に行きましょう!(誰が決めたんや、そんなこと)いえいえ本当は行きたくないのですが当初の予定ではもうちょっと山にいるつもりでした。台風の事も考慮して混雑覚悟の10(土)午後の出発となりました。(恐ろしい時に、よー行くわ~)。

 思ったよりは行きはよいよい、(帰りは!)ひどいもんでした。いつものパタ~ンで新穂高の駐車場に着いたのですが(いつもと変わらない走り時間でしたが)入り口でガードマンが「もうここは満車です、鍋平に回ってください、あちらももう少しで満車になると思います。」は~すごいですね~夜の9時に満車ですか。

 仕方がないので鍋平に向かいました、初めてです、なるほど到着した駐車場(無料)はほぼ満車状態、道路の路肩に停めている車もあります。何とかスペースを見つけて停めます。両サイドの車は無人です。停められてやれやれです、おやすみなさい。

 ■ 8月11日(日)

 何もない駐車場です、前日コンビニで買い込んだパンなどを食べながら車の中で着かえをしてボチボチいきまひょか、どっちにいきゃええのんや?。先行する登山者についていきます。いつも乗り換える第二ケーブルの鍋平のケーブル駅を目指します。5~10分ぐらいで有料駐車場の係員が整理をしています。

 ケーブルでいつも見下ろしている駐車場です。(年金生活者のオヤジには無縁です)発券は同じ要領でもちろんリュック代も取られます。周りは一般観光客が大半ですが登山者も沢山乗っています。登山者はもちろん全員西穂山荘をめざすわけですが、ちょっとこれだけの登山者は恐ろしい感じがします。(富士山?大層にゆうな)。

ほなボチボチいきまひょか 鍋平の第二ケーブル駅
展望台から今日は槍が奥に見えています お馴染みですね笠ヶ岳と
向かって右に続く抜戸、大ノマ、弓折
と続くのですが
こちらは焼け岳ですね~ シャッター依頼には困りません

 ゾロゾロ(なんやムカデみたいに)登山道とりつきから、こんなに連なっていくのは初めてです。しかしオヤジはいつもとちょっと違う体調に戸惑いながらのあるきです。(なんやどないしてん)水は西穂の山荘で補充するつもりです。1Lだけ持っているのですがこの先水が増えた時が心配です。

 ちょうど山荘まで半分ぐらいのところで道を譲ったもらって足を速めた時に、いつもと違うたい感じが、それはそのあとも続来ます。何とか山荘に着きましたが汗のかきかたが半端ではありません。山荘の前の広場は混雑しています、陰はありません。食堂の中も満席です、一応食堂で水を迷いましたが4L補充これで4Kの重量が増えました、4.5Lで稜線に向かいます。時刻は10時を回っています。

登山口から皆さんと一緒に
ヨタヨタぞろぞろ
西穂の稜線いつものショット
最近は雪があるパタ~ンですがね~
西穂の山荘に着きました たくさんの登山者が休んでいます

 丸山にでて先の稜線を見ると登る人早くも下山してくる人、天気は晴れています。相変わらず体の重さは半端ではなく不安がオヤジを襲います。ヨタヨタはいつもの事ですが今日は特別きついです。思えば立山奥大日から帰ってからほとんどトレーニングらしきものはしておりません。特に荷重に対してはここしばらく全くできておりませんので仕方がないのですが、やがて独標の直下の急登のところで完全に渋滞状態になってしまいました。

 オヤジの歩きはカタツムリ歩き、停滞はリズムが崩れてつらいのです。案の定ちょっと、いやアカン熱中症気味、登山道を離れてリュックを降ろして休憩(え~まだ歩き始めて1時間~大丈夫か!)大丈夫ではない!真剣ヤバイ、去年の朝日岳の再現、戻るか、30分以上休憩してヨタヨタ、歩き出したオヤジ、もちろん後から来る登山者はすべて先に行ってもらいます。

 (こりゃあんまりいつもみたいにイジれんなあ~)何とか独標に着きましたが体調は回復しません。(戻ったほうがええで、真剣にゆうけど、先に進むのはやめとき)そこでも30分以上休憩、まあ登山するものの性とゆうか先のピラミッドに向かいます。(アカン、アカン、)さ~どうなるかこの先のオヤジの運命は(あほか真剣に心配してやってるのに!)。

さ~行きますか 丸山で~す
夏山登山、今日は山の日だ~ 見上げる独標
この時点で完全に体調不良を自覚
前穂を横目に(休憩後) えらいこっちゃなここは富士山か?
順番、順番、押したらあかん、アカン
優先順位はこの際関係ない
譲り合わんとあきません
独標
(えらいたいそうにゆうてる割には元気やんか)
これも癖ですね~ホンマは
青ビョウタンみたいな顔してる

 独標で半分ぐらいの登山者は戻ります。少し混雑は解消されますがそれでもまだたくさんの登山者が次のピラミッドを目指します。その時驚きの、いや衝撃的な状況が目のまへに(なんや、なんや、また大層にもう皆さんあんたのゆうことは信用しておられません)ビジネススーツを着た男性が(なんやて!嘘やろ!)いやネクタイもして靴はビジネス革靴、ご丁寧に肩からビジネス用のショルダーバッグを下げて降りてきました。唖然としているオヤジの前を飄々と下っていきます。まあ今までのオヤジの山歩きで初めて見る光景でした。

 いくらケーブルで下の千石平まで来るにしてもここは2700mの独標を超えた地点、しかも岩がゴロゴロの登山道、最初テレビかなんかのドッキリ番組かなと思いました。いや~いろいろありますね~わかりませんが単だったと思うのですが(そりゃそうや、そんな人と同行する登山者はないと思うで)。

 気合を入れられた思いで何とかヘロヘロになりながらピラミッドに到着めちゃくちゃ時間がかかりました。また休憩、山頂はまだ先です、こんなに西穂の山頂を遠く感じたことはありません。ここから先に進む登山者はより少なくなります。もう13時半(通常のコースタイムの倍以上かかってるやんか。悪いことは言わん今日は戻れ!)。

見上げる稜線、ピラミッドピーク
真ん中が西穂の山頂
奥が天狗の頭、遠いなあ~
前穂を横目に
斜面に這いつくばるように進みます
ピラミッドピークです。久しぶりです
最近は冬に来ることが多いので
独標までが定番です

 天気が変化してきましたガスってきました、少しは暑さも収まるので体調が戻るのを期待して先に進みます。(もう知らん勝手にせ~)ガスって来ると早速ライちゃんが見舞いに出てきてくれました、(オッチャン大丈夫か)おおきに、おおきに。その時若いそうですね~20歳になってるかな~男性が降りてきました。

 なんかオヤジに訴えるようにとゆうか相談したいとゆうか「あの~奥穂に今から行きたいのですが」意識が朦朧としかけていたオヤジですが、いきなりビンタ食らったみたいに真剣に若者を見ます。時刻は14時を回って15時前「今から奥穂は途中ビバークしないとむりだよ」「そうですよね~一応テントはあるのですが」「ビバークの経験あるの?」「いやテントもここに来る前に買ったばかりで張ったことはないのです、本屋でガイドブックみて奥穂に行きたいなあ~と思って」こりゃアカン自分の体調不良どころではない。

 「とりあえずリュックおろして」オヤジもリュックおろしてそばの岩場に座って話を聞きます。「先に西穂の山頂で絶対に行ったらアカンいわれて、それでもどうしょうか迷いながらここまでおりてきた、ホンマは行きたい」まだ幼さの残る話しぶりになんか又オヤジの懐かしい思い出とゆうか胸がキュン~と(またゆうとおる初恋か)。

 「まず奥穂に行きたいのなら、なんでこのルート選んだんや」「見たガイドブックに書いてあった」「今水どれぐらい持っている」「出るときは1,5Lから2Lほど持ってきたけど今は?」とリュックから出したペットボトルに1Lも残っていない状態。(先の人と同じように「あほか何考えてんねん、戻れ、行ったらアカン」とゆうのは簡単)「まず西穂から奥穂までジャンダル登頂せずにどれぐらいかかるかわかるか」「本で見たら6時間ぐらいか?」「それは相当歩ける人の話で君は若いけど初心者なので8時間以上かかると思う、ビバークやけどテントを張るところはかろうじて天狗の頭を超えて昔の避難小屋跡まで行かんと無理、明るいうちに行くのはきつすぎる」。

 「それと致命的なのは水や!その量では絶対に無理」このコースは西穂、奥穂、のジャンダル超えでよくガイドブックに上級コースで取り上げられ、みんな一度はと思うのやけど、実際は厳しいコースであこがれだけで行けるコースとちがう、実際今日もジャンダルで午前中滑落があったみたいやし。」「えーそうなんですか」「まあ君の行きたいな~とゆう気持ちはよくよくわかる、もう一回仕切りなおして、水補給して明日の朝3時ころ出発していくか、日にちに余裕があるのやったら上高地に降りて岳沢から重太郎新道で奥穂に行ったらどうや」。

 「へーそんなコースあるのや!オッチャンはどうするのや」ドキ!核心をいきなり突かれました。「まあオッチャンは老いぼれやし行けませんわ、それに体調も悪いし」「へ~わかった降りるわ」「山荘に戻ったらテントの受付をしてまあ一回テントを張ってみるこっちゃなあ、あとどうするか考えながら降りたらええわ」。

  納得してくれたみたいで降りていく若者の背中を見ながら、ええな~若いなあ~うらやましいとゆうのはもうこの齢では当たらんなあ~、ただひたすらええなあ~なんか涙出るなあ~。

ガスッた途端に登場です この時間になると
また山頂までとなると
極端に登山者は少なくなります
やっと4峰もう意識ありません
(危ないなあ~講釈垂れてる場合とちやうで)
山頂直下バッドレス
(大層にゆうな~北岳のバッドレスの
1000分の1いやもっとか)

 (さ~それよりあんたどないすんねん、えらそうに講釈たれて)。再びリュック担いで西穂の山頂を目指します。もうほとんど登山者の姿は見えませんとゆうより時刻はもう15時を回ってしまいました、山頂直下の大きな岩壁に挑みます。

 ここも思い出しましたが最初に来たときはそれほど気にもかけずに登りましたが今はその危うさがヒシと迫ります。16時まえガスッて来た山頂に到着です。通常コースタイムの倍以上のあるきです。途中の休みや、若者と話していたこともありますが何よりも足が進みません、とにかく今日はもうここでビバークです。

 ツエルトを張るスペースを探しましたが山頂付近では見当たりません。(若者にテント張るところはないと言っていた自分が恥ずかしい)少し山荘側に戻ったところに気にかかったスペースがあります。最悪岩陰で直接ツエルトにくるまってのビバークですが、体調の回復は望めそうにもありません。いったん又急な岩壁を降りてビバークの候補のところまで戻りました。登山道の上の小スペースで今までの経験上一番むつかしいセッテングになりそうです。

着いたあ~誰もいません~
記念写真撮る余裕ない
少し下った地点
何とかセッテングできるか微妙
下が登山道
あまり良いポイントとは言えませんが
そんなことは言ってられません
明日の朝又見ることができるのでしょうか
(そのまま意識なくなったら
おもろいやろなあ~)




チシマギキョウ
【花に毛が生えている】
イワギキョウ


【 記:洛西オヤジ 】