桟敷ヶ岳(大森側から)
(小てつ No.131)


 
桟敷ピークに到着


令和元年5月2日(祝)  晴れ       嫁、小てつ

コース:
・大森東町奥、キャンプ場奥の霧滝前広場デポ~大谷林道~対面反射板ピークと飯森山ピークの間の峠~飯森山~129鉄塔~ナベクロ峠~桟敷ヶ岳~岩茸反射板~長谷林道~デポ地





 恒例の5月の夫婦登山、今年は10連休と言うことで、逆にここまで世間が休みなら自宅でやりたい仕事もあり、山に行ける日が少なくなってしまった。そんな中、天気も良いだろう日に山行となりました。

 日程は決まったものの、行き先を思案していた小てつに、「一回行った山の復習もしておかないと、忘れてしまう」と言う嫁、それならこの冬にも訪れて倒木被害の確認もできている裏桟敷にしようと、3年前に訪れたコースにすることにしました。

 前回にあまりに早く廻ってこられたので、今朝は少しゆっくりして8時に自宅を出発。途中のコンビニで食料を仕入れても、9時には大森キャンプ場を通過して霧滝前のデポ地に到着する。キャンプ場は超満員で、奥の駐車場にまで車があふれていた。準備をして出発する。

霧滝前の山ザクラ 霧滝前みデポ

 林道を進んでいくと、堰堤の場所で崩れた護岸の修復工事がされ、倒木の激しかった箇所の片付けもほぼ終わっていた。

 3年前と同じところでアケビの花は咲いているものの、クリンソウはまだ花芽がやっと出たところであり、野草は遅れているようだ。

アケビ 倒木箇所は伐採され片付けられた
ヤマルリソウ クリンソウの状態

 大谷林道の大谷峠への分岐地点まで来て、小てつが大谷峠へ向うか飯森山西の峠に向うか`進路`に迷っていると、`道`に迷っていると勘違いした嫁が、戻ろうと言い出す。(すんません、以前三週に一度は来ていた時期もあり、大森側なら歩ける尾根や谷はほとんど踏みこんでますんで・・、ご心配無く)。

 大谷林道側は台風後未調査で、結局冬に歩いた飯森西側の対面反射板ピークの間の峠に向う。

 林道終点にデポ地から1時間で到着。飲水補給だけして植林地の本格的な登りにかかる。20分ほど頑張って峠に到着。ここからは北側が雑木となる。

針金が食い込んだ標識

 3年前にはヤマツツジが迎えてくれたが、今年はミツバツツジですらツボミの状態で、いかに遅れているのかがわかる。

 峠から10分頑張って飯森山ピークを踏む。以前、地元じゃ飯森では無く飯盛だと書いたが(周山の中江付近から見ると飯を盛ったように見えるから)、やはり国土地理院地図が飯森となっているので、飯森表記に戻すことにする。ピークでは日当たりがいいのか、ミツバツツジが満開で、足元にはキランソウ、スミレなどが小さい花を咲かせている。

 ピークを後にして大谷峠に降りていく。峠で林道分岐からの解説をする。(前回は、林道からここに登ってきた)。

まだつぼみのミツバツツジ 飯森山ピーク

 またひと登り頑張って、広い尾根に乗る。尾根ではまだ芽吹きが始まったばかりだ。倒木により以前来たときとは違う景色になった城丹国境尾根、嫁にはどう写っただろうか。

 見覚えがあるという左手の植林地と右手の雑木がはっきりと分かれた場所、植林は北側になぎ倒されているが、雑木の方は被害少なく、気持ちの良い谷が広がっている。自転車ピークまでひと登り。

 自転車ピークからの展望は、PM2.5の影響か霞んでいて遠くまでは望めない。すぐに降っていって、ラーメンピークに登り返す。ラーメンピークに登り切る手前で、もしかしたらこの先に鹿の白骨死体があるかも知れないと言っておく。冬に来たときに、一匹の鹿がうずくまって死んでいたからだ。

 ピークに登り切ってみると、ネットにからんで死んでいたはずの鹿の痕跡は全く無かった。おそらく子鹿がするように、死んだふりをしていただけのようだ。けっこう大きな鹿と思われたが、子供だったのか??それより、しばらく見ていたと思うのだが、息もしている様子は無かったのに。

 今日はちょうどお昼に到着したので、ここでラーメンタイムとしよう。倒木に腰をおろして準備にとりかかる。嫁はいつもの豚汁で、小てつは最近のお気に入り「カップヌードル鶏南蛮そば」。30分ほどゆっくり休憩して先に進む。

満開のミツバツツジ 最近のお気に入り

 1時に129鉄塔に到達すると、ここで今日はじめての登山者と遭遇する。ご夫婦と思われるカップルで、ヤマシャクをもとめて来たけれども、まだ早かったということだった。祖父谷林道に降りられるということなので、下の林道なら咲いている株もあるかも知れませんねと言う。それよりも見つけられたらルイヨウボタンなら咲いていますよとも言う。

 カップルとお別れしてすぐに、今度は地図を片手に歩いてきた単独男性に会う。男性は、桟敷は初めてで、倒木で道が不明瞭で困ったと言っていた。これから先のカップルと同じく、祖父谷の林道に回られると言われる。ガイドブックによくあるコース取りなのだろうけど、ここで1時すぎ、以前とバス時間も変わっているし大丈夫なのかと心配する。まあバスに乗り遅れても料亭からタクシー呼んでもらったらすむ話だけど・・。

 桟敷ピークに1時半に到着。今回も静かなピーク。三角点の隣の杭の土台コンクリートで、丸々と太ったカナヘビが日向ぼっこをしている。次いでもう一匹顔を出し、ここに巣をつくっているようだ。

 ピークをあとにし、鉄塔広場に到着。東側の景色に花脊の赤白鉄塔が無いのはやはりしまりが無いというか寂しい感じ。嫁に西側の対面反射板を示して、あそこから歩いてきたと解説する。

ピークの杭でカナヘビが日向ぼっこ 赤白鉄塔の無い花脊方面

 鉄塔広場の一角に、タンポポ場所が出来ていて当然全部セイヨウタンポポ。こんなところまで種を飛んでこさせるのは、綿毛が大きく種の小さなセイヨウタンポポにしか出来ない芸当。以前、よもやま話でも書いたが、小てつはタンポポに関しては、数種類のタンポポを栽培していた時期がある。だから今では花をひっくり返して総包の確認をしなくても花だけ見れば何タンポポか同定はできる。

 都ながめの岩からは、前回よりかは眺めもよく、沢山~菩提山、桃山の並びを示して、ウチからは桟敷は拝めないことを解説する。行ったことのある沢山たちが、はるか下に見えるので、嫁は機嫌がよいようだ。

鉄塔ピークにタンポポ場所 チゴユリ

 岩茸反射板の脇を通り、長谷林道に降りていく。以前よりも林道の崩れが増したのか、小てつは思わないが嫁は荒れたと繰り返す。

 下の大谷林道からもよくわかるガードレールのある崖のところまでくると、植林地の中から、声が聞こえる。声の様子から親子と思われる二人が、植林地の中を無理矢理林道に降りてきているようだ。嫁は大森キャンプ場に来ていた親子が、山に入って迷ったんじゃないかという。林道まで降りてくれば大丈夫だろうからと、我々は先に歩き出す。林道の野草を探し、写真を撮りながら降っていく。花の種類はあるのだが、例年よりもどうにも数が少ないように感じるのは、気のせいだろうか???。

ヒトリシズカ イカリソウ
長谷林道ガードレールカーブ ミツバツチグリ

 3時にデポ地に到着し、前回と同じ休憩含み6時間で周回できました。後片付けをしていると、ガードレールのところの親子が、無事降りてこられました。

 声をかけると、キャンプ場の客では無く、ちゃんと登山が目的のようで、今日は東俣から城丹国境尾根をまわって桟敷ヶ岳に登ってきましたという。東俣はナカマタのこととすぐ理解したし、おそらく大森中町から伏見坂かで稜線にとりついたともすぐに推測したが、迷ったのでは無く林道をショートカットするのに植林地に入ったと言われる。小てつにしてみれば、ショートカットは時短か距離を詰めるためにするのであって、我々よりも遅くなっているなら無駄な冒険だなあと思ってしまう。いつも道無き道を歩いているので大丈夫ですと言われるが、見たところ細引き、ロープなどの装備は持ち合わせていないようなので、なんとも言いがたい。(道無き道を歩くエキスパートの小てつとしては・・・)。

 それでも今年の花情報などを話すと、参考になりましたとのこと。嫁は彼の腕の金のローレックスが気になり、医者か声楽家か?と推理するが、(声が良すぎるとのこと)さだかでは無い。

大谷林道に帰ってくる

 今日は稲妻号のこと、城丹国境尾根大回りができる脚力の方と言うことで、乗りますか?の誘いもせず、お別れする。キャンプ場は朝にも増して大盛況、小野郷に出るまでの間にも、まだ数台のSUVやミニバンとすれ違い、夜は繁華街と変わらん喧噪になるんじゃないかと思ってしまう。

 嫁はお正月の八十八箇所以来、小てつは2月の湖北武奈以来という長期ブランクにも関わらず、三年前と変わらない時間で歩けました。しかし今夜以降の筋肉痛が心配です。

岩戸落葉神社のイチリンソウ


                           【 記: 小てつ 】