京都北山 シャクナゲ尾根から天ヶ岳
2019.04.28


 
鉄塔跡地から琵琶湖を望む


2019.4.28 (日)晴れ 15℃ ikomochi

コース:
出町柳 8:33発大原行=大原発小出石行→小出石着9:26→しゃくなげ尾根登り口9:40~しゃくなげ尾根~鉄塔~寂光院道分岐11:50~天ヶ岳分岐12:30~百井峠13:00=休憩=百井峠13:10~P835~鉄塔跡地~花脊峠14:55=出町柳行バス15:08発







       しゃくなげ尾根の花の様子を見に行きました。

      ----------------------------------------------------------------

 先週から引き続き暖かい日が続いたのでしゃくなげも開花したかなと、見に行くことに。バスの時刻表が大幅に変わり、小出石行の便が遅くなっているが、出町柳から大原経由で乗り継ぎも良くなっている。大原から乗ったバスは既に中高年登山者グループで一杯。わあ 今日は賑やかそうやなあ。急いで先に行こう。バスを降りると、急ぎ足で登り口に向かう。

ナッチョ登り口 しゃくなげ尾根登り口

 これからはずっと急傾斜の登りなので、先に衣服を脱いで薄着になったりと調整していると、先ほどの団体が追い付いてきた。が、入り口で体操したりとのんびりしているので、急いで急斜面を登っていく。雨の後で滑りやすい。20分ほどがんばったら尾根の先端に着き、そこからもうひと踏ん張りで平らな尾根に到着。

尾根の上まで急坂が続く 久々の石楠花

 さっそく、開いたばかりのしゃくなげがお出迎え。濃いピンクに薄いピンク、白いピンク、アーモンド色、色とりどりの花が次々に現れる。全山ピンク色というわけにはいかないが、あっちにもこっちにも、谷間にもシャクナゲ。途中で一緒になったご夫婦は大阪から来たという。

咲いてる 咲いてる 色とりどり

 その後合流した男性2人、毎年この時期に来ているが今年はまあまあ良く咲いている方だと ご満悦だ。もう10年以上前に 尾根が甘―い香りに包まれた大豊作の年には及びもつかないが、丁度咲き始めた初々しい花々に囲まれ山で出会ったみんなと歓声をあげた。

白花
鮮やか 満開

 見晴らしのよい鉄塔下から琵琶湖を眺め、一服した。毎日どこか山歩きしているという男性たち、しゃくなげ尾根は初めてというご夫婦。団体さんは追いついてこなかったので、静かに山を楽しんだ。

人が少なく静か 寂光院道分岐

 寂光院道分岐で、尾根に向かうグループ数組とすれ違った。綺麗ですよ と声を掛けると、みなさん たのしみだー と歩いていった。分岐から百井峠を目指す。先週は気づかなかったが、この道の東の谷間にもシャクナゲがたくさんあり蕾が膨らんでいた。

寂光院道にも石楠花がある 先週の下りは怖かった尾根道

  天ヶ岳分岐を過ぎ、今年初めてで最後であろうイワウチワの花を見つけた。新芽の黄緑が美しい巻道をご機嫌で歩いていくと、突然現れた林道。赤土むき出しのそっけない道が、結局百井峠まで続いていた。かつての山道の面影はなく、つまらない山域になってしまった。

イワウチワ 天ヶ岳登山口通過
新緑の巻道 突然林道になる

  百井峠で一服していると、数組の自転車グループがぜいぜいと登ってきた。これから小出石に抜けるという。気持ち良い道だが、峠越がもう一回あるので頑張ってくださいね と声を掛けた。

 わたしは、峠のお地蔵さんの横を取付いて、植林地の中に一直線に伸びる道をよじ登っていった。杉の葉が分厚く堆積していて歩きやすい。すぐに尾根に着き、尾根の上をひたすらに杉ノ峠目指して登っていく。高低差はたいしてないので歩きやすい。先週はまだ冬枯れだった谷間の木々が今日は黄緑色に染まり、オオカメノキが花をつけ、山はもこもこと膨れ上がっている。風が心地よく静か。しばらく座って景色を楽しんだ。

百井登り口に出た  百井峠
一直線に登っていく 尾根上をひたすら進む
オオカメノキ 芽吹きが始まった

 このあたりの源頭部の穏やかな様子といったら、うっとりするくらいだ。いつか百井キャンプ場に下ってみよう。花脊峠でずっと探していた場所がある。かれこれ35年ほど前、野遊びの達人に率いられ子供たちのキャンプに来た時、キャンプ場からうっそうとした沢を遡って山葵やらサンショウウオやらいろいろなものを見つけて楽しんだ一日があった。

 その時最後によじ登ったのは、花脊峠近くの車道だった。花脊峠に行くたびに、どこからよじ登ったのだろうかと谷間を覗きまわったが、ここだ という場所が見つけられなかった。先週この分水嶺尾根を歩いて気づいた。あの時、キャンプ場から沢伝いにどこかの源頭部に着き、少し登って、最後によじ登った石垣はあの車道の下、鉄塔下の車道に出たんだなあ ということだった。

 あの時にみつけた山葵もサンショウウオ(小型の日本サンショウウオか その他の貴重種だったと思う)も、もう今はないかもしれない。でも楽しかった思い出は消えない。

 先週間違ったというか タムシバの花に魅かれて行き過ぎた道は、今回解決した。P835のピークをちょっと西へ振ってから南に下る、と次の鞍部に出る。ここがみそです。

杉並木を通り P835

 鉄塔下の車道に登るのに今回は東側へ回り込んで支尾根の先から登ってみた。その方が行きやすかも。鉄塔跡の工事現場ではおじさんが座り込んでいて、なにやら監督している。2人の男性もいて東側の斜面で作業している。聞くと、斜面の土留めにブロック積みをしているそうだ。急斜面で下は谷、足場の悪い場所だ。冬中ずっと撤去作業していたそうで、雪が舞う日は凍えてたいへんだったが、今は気候がよくて楽だと話してくれた。7月くらいまで作業は続き、跡地は国交省がどこかに払い下げるんだとか。

山がもこもこしてきた 鉄塔跡の擁壁工事中

 みんなのための何かができるといいですけどねえ と話すことだったが、はてさてどんなことになるのやら。 作業員の人が、こっちにきたら最高の眺めですよ と声を掛けてくれたので見に行った。

マルバスミレ タネツケバナ

 琵琶湖が遠くに広がって、雄大な風景だった。晴れた日にはもっと素晴らしいかもしれない。また見に行ってみよう。花脊峠3時のバスに乗るために、名残惜しかったが大見尾根と別れた。峠の温度計が15℃だったのに、バスを待つ10分ほどの間に一気に9℃まで下がり、吹き上げる風が冷たい。別所から歩いてきたというカップルと、寒さに震えながらアニーローリーの音が聞こえるのを待った。

花脊峠15℃

 バスは混んでいてやっと座れたが、立つ人もいた。いよいよGWの始まりだ。今日は素晴らしいしゃくなげの花に会えたし、山でのおしゃべりも楽しかった。楽しいよい一日でした。


                             【 記:ikomochi 】