三重ヶ嶽 //高島トレイル
2018.04.29 (小てつ No.123)


 
三重ヶ嶽ピーク


平成30年4月29日(日) 晴れ           小てつ単独

コース:
・石田川ダム稲妻号デポ~湖周道路~落合長尾登山口~三重ヶ嶽ピーク~P950ピーク~八王子谷東尾根~八王子谷登山口~デポ地





 洛西伊達オヤジ殿(最近「伊達」はどこいったんや・・)にそそのかされたからではなく、先週木村先生たちと行った大見影山のシャクナゲがほころんでいるのを見て、小てつのシャクナゲ見物と言えば、三重ヶ嶽なので、今週は三重ヶ嶽に行くことにしました。

 だいたい、何が悲しくて水坂峠から湖北武奈~三重~大日岳~三十三間山と周回せなアカンねん・・。トレランやったらいいコース取りかもしれんけど・・。 最近okaokaclubの読者になられた方々はご存知ないかも知れませんが、実は小てつはその昔、高島トレイルをやっていまして、その記録を「みんなのマップ」の「よもやま話」で紹介しています。そこからひもときますと・・。

 水坂峠を午前6時20分に出発して湖北武奈から三重まで歩いた記録があり、10時30分に到着しています。またうまい具合に、三重から大見影まで周回した時に、10時30分に三重を通過しています。それで、大日尾根の近江坂出会いに11時50分に到着しています。つまりその当時の小てつの足で、水坂峠から大日尾根まで5時間30分かかったことがわかります。そこから大日岳まで1時間弱、電波塔跡広場をまわって三十三間山まで登りかえしに2時間とみて、三十三間山からはなだらかな降りとしても、2万5千分の1地形図で片手分ありますから3時間はかかるので、全行程12時間以上かかることになります。絶対やらへんし~。

 さて、冗談はさておき哲郎さんから「最高の花旅の報告を待っています」とのメール連絡をいただき、自宅を出発する。今朝も出町柳の人出を見ていくが、7時少し過ぎに通過したにも関わらず、もう朽木行きに長い行列が出来ていた。比良は大賑わいだろう。稲妻号のサイドに、「三重ヶ岳行き、一人だけ参加可能」と横断幕でもしておいて向かいに停まっていたら、乗ってくる人いるやろか?。

 そうそう、前回のokaokaculb懇親会で、例えば「洛西オヤジと行く槍ヶ岳北鎌尾根」とか「小てつと行く三国ヶ岳道なきルート」とかガイドツアー募ったら参加希望ありますかねェと冗談言ってたなぁ。ただ、参加条件が厳しいものになるから最低人員に満たないことになるやろうという結論やったなぁ。どのツアーでも、まず第一条件「若いかわいいお嬢さん」になるやろうから・・・。 アカン、前置きばっかりで石田川ダムになかなか着かへん。

 てなことで、連休中とは言えそう混んでいない367号線で、8時15分に石田川ダムに到着、準備をして8時25分のスタートとなる。

石田川ダムにデポ 最初の崩落地

 本当はシャクナゲと言えばノトマタ尾根のが見事なのだが、現在ダム湖周道路は法面崩落により、石田川ダム側からの進入が困難になっている。入口にA型バリケード2つ置かれている時は、「入れますが自己責任で」くらいのレベルで、4輪駆動のジムニーやオフロードバイクなんかだと入っていけるし、函館山やビラテスト今津からなら河内谷林道のゲートまで行けると思うから、向こうから回れば行けないことは無いが、今回は一度八王子谷東尾根のシャクナゲの様子を見てみようと思った訳。

 ここらのシャクナゲは、積雪のせいで木丈が低く、花を横からまたは見下ろせるから見事に見えるわけなので、そこはやはり降りで見なければと言うことで、まずは落合の長尾の登山口を目指す。

今日もまずイチリンソウから 道路崩落もある

 長いアスファルト歩きになるが、法面の野草を探しながらの歩きは苦にならない。それくらいここらは野草天国。そんな中、谷あいに響くアカショウビンの声を聞く。

 長尾を目指したのは昨年木村先生たちと訪れた時に、ユッキー様がフデリンドウの群落を見つけられたこともある。植林地の中の陽だまりに、まるでスポットライトを浴びているような群落は、まるでおとぎ話のひとコマのようだった。と、思い出しながらアスファルト道を歩いていると、ガードレール脇のそこここに、フデリンドウの花を見つけてしまった。イン谷口の大山口道のある場所の、こんな所に・・・という場所に咲いているともいうフデリンドウ、意外なところに咲いているんや。

フジはまだツボミ フデリンドウ

 丁度アスファルト道を1時間歩いて長尾の登山口に到着し、いよいよ植林地のツヅラ折れに取り付く。いくらなだらかな長尾といえど、稜線に乗るまでの200mほどはしんどい急坂である。まだ朝なのに暑くて汗が吹き出てくる。稜線に乗ると風も抜けて、まだマシになる。

 広い尾根の植林地の中、フデリンドウを探すのだが、今年はまったく見れなかった、「あんた下で見たきたでしょう!」とすねられたのか・・。去年より2週も早いので、まだ出てなかったんでしょう。

新緑の石田川 落合の長尾登山口

 ゆるやかな尾根をたどり、去年は終わっていたタムシバやイワウチワを楽しむ。4月8日の廃村八丁からほぼ1ヶ月タムシバ、イワウチワを見られるなんて、今年の山行のめぐりがいいのか、今年の気候なのか??それにしても今年は木の花も野草も、花つきがいいと感じているのは小てつだけ???。

 ピークも近づいた頃、熊鈴もけたたましい単独の男性とあう。ダム湖に駐車していたうちの1台、福井ナンバーの方だった。今朝は早くから湖北武奈から周回してこられたという。最近山登りをはじめられて、とにかくガシガシと歩くスタイルだと言われ、今日も三重ヶ嶽から大見影まで行ってみようかと考えられたほどというのだが、いかんせんスマホの地図で歩かれていて、よく迷うと言われるので、ここらを歩くならせめて「高島トレイル」のマップくらいは持っておいてくださいと、お見せして現在位置や登山道の解説をする。でも迷っているくらいの時が一番楽しいのかも知れませんねェ。

タムシバも残る イワウチワ

 11時50分に三重ピークに到着。ピークには初老の男性が昼食休憩中。彼は小てつより1時間ほど早くダム湖を出発し、八王子谷の登山道で登ってこられたそうだ。古いガイドブックを参考にしてこられたと言われ、お持ちだったので見せていただくと、ピークにやぐらが健在だった頃の代物で、ガイドブックや情報は常に新しい物を参考にしてくださいとお願いする。

 小てつはピークでお昼にせず、いつもの小浜湾を見下ろせる絶景場所に向かう。高島トレイルの本ルートまで進み、北の鞍部を登り返せば草稜となり、先週オヤジ殿が登られた三十三間山を正面に、海が見える。気持ちのいいところだ。ここでラーメンタイムとしよう。今日は何かおやつみたいなラーメン。(でもジャガイモの本物具合が結構いけました)。

三十三間山 本日のラーメン

 30分ほどゆっくりと過ごし腰をあげる。三重ヶ嶽ピーク別れまで戻り、こんどは高島トレイルルートを湖北武奈方向に降っていく。いったん平坦な場所に来ると高島トレイルルートは西向きに降っていくのだが、東向きにこんもり高いところがある。そこがP950のピークで、割れたプラスチックの板が木にくくられているのだが、もう何が書いてあったのか不明。こちらには高島トレイルの明示テープでは無い、ただのビニールテープが木におびただしく巻いてあるので、逆に高島トレイル縦走の登山者がつられないか心配になる。三国ヶ岳あたりなら外してまわるのだが、ここは小てつのテリトリーでもないので、そのままにしておく。

 P950のピークには、雪に痛めつけられた「メドューサの木」があり、ここらの冬の厳しさがわかる。こっちのピークでカタクリを見る。

 さて、ピークから150mほど降っただろうか、シャクナゲが現れだしたのだが、これがなんと見事!ノトマタのシャクナゲが一番と思っていたが、こちらの群落も遜色ない見事さだった。思えば盛りの時に来ていなかったので、わからなかっただけだ。これからはあっちもこっちも忙しいことになりそうだ。

 ただ、毎年これを拝めないのをわかっていなければいけない。ただ、最高の時に見ておけば、同じところに来た時に、思い起こせるものだ。これからは、それが出来る。

三重北陵には残雪 盛りのシャクナゲ

 シャクナゲの海を藪こぎで泳ぎ抜け、今度はユズリハの茂る中を抜けていくんだが、ふと気になってズボンを見てみると、いました細かい動くものが・・。マダニです。今年生まれのものと思われる非常に小さいのが3匹、素早く動いているので、指で弾いて飛ばし、イカリジンスプレーをズボンの腰から下に吹き付けました。(持ってて良かったイカリジン)それ以降、藪を抜けるたびにチェックしますと、3匹くっつかれていましたが、動けない状態になっていて、指で弾くのも楽でした。

 感染症SFTSが心配されるマダニですが、マダニ自体が最初から病原菌を持っているのではなく、獣が持っていて、その獣の血を吸ったマダニに血を吸われると感染する恐れがあるという話なので、今年生まれのマダニなら、まだ感染する危険は少ないと思うのと、あんな小さいマダニの口器で皮膚を貫通できるのか不思議ですが、つかれないにこしたことはないので・・。

 それにしても、長ズボンにスパッツ、イカリジンスプレーして降りの小てつが6匹もくっつかれたので、三重ピークで出会った長ズボン、スパッツ無し、登りでこのルートの初老男性には、何匹くっついているのか心配になる。

 *高島トレイルの三重ヶ嶽あたりで、山ビルに遭遇したことはありませんが、マダニはいます。去年は小てつが2回、木村先生も1回ダニにくわれました。長袖、長ズボンは当たり前ですが、虫避けスプレーなど有効に使用して身を守っていただきたいと思います。

シャクナゲの海の中の登山道 ウワミズザクラ

 最後植林地の中、ザレた登山道に苦労しながら14時50分に八王小谷の登山口に着地する。ここからデポ地まで40分ほどのアスファルト歩きとなるが、朝よりも開いた野草や木の花を見つけながらのんびりと帰っていく。

八王小谷登山口に着地 何やこれ・・
【ヤブニンジン】
タニウツギまでほころぶ ダム湖周道路はバリケード止め

 いつもの山行では100枚も撮っていれば多い方なのですが、今日は200枚を超える写真を撮っていました。哲郎さんに言われていいた、「最高の花旅」となった一日でした。




クルマバソウ ミズタビラコ
サンインシロガネソウ チャルメラソウ
イカリソウ ハウチワカエデ
チゴユリ ユキザサはまだツボミ
オオカメノキ カタクリ
白いシャクナゲもあった イワカガミは重たそうなほど
ツクバネウツギ ミツバツチグリ
アケビ シャク


                           【 記: 小てつ 】