三国ヶ岳
(小てつ No.117) 2018.01.21

 
三国ヶ岳ピーク


平成30年1月21日(日) 晴れ~小雪~小雨  小てつ単独

コース:
古屋橋のたもとに稲妻号デポ~林道の橋を渡ったところの尾根~高島トレイル稜線~三国ヶ岳~岩谷峠~水道施設~保谷林道~デポ地





 先週にokaokaclubの懇親会があり、懇親会の日には午前中だけでも楽しめるナッチョに行くのが恒例になっていたのですが、ナッチョに向かう前に土曜日の仕事後の経過観察で先に現場に向かったところ、四条通りは三菱の前でバイクが三台横転し、軽自動車が車線の反対向きで止まっている。桂川街道ではスタッドレスをはいている稲妻号でさえ、後輪が横滑りして危うく横向きになるところだった。こんな調子ではとても大原なんぞ行ってられないと、山行中止で娘らのアッシー君となったのでした。というわけで、またまた1週開きとなってしまった。

 でもって今週末の暖かさと雨、すっかり雪も溶けてしまった情報ばかり。とは言っても朝方は冷えているので道路の凍結も心配と、行き先を考えあぐねていると、前回の竜の東尾根で「いつもあんなところ行ってるんやったら、ちゃんと行き先を書いて行ってもらわないと困る」と嫁。稲妻号で走りながら状況を見て行き先を変えることもある小てつだから、先に行き先を決めるのは・・。北方の山にはかえって雪が無いという情報なので、中をとって?三国ヶ岳に行くことにする。「三国ヶ岳 古屋から」とだけメモ書きして自宅を出発する。(そんなんでわかるやろか??)。

 体感ではそんなに寒く感じないが、大原の温度表示はマイナス3度と4度を行ったりきたりしている。マイナス4度を道路凍結の目安にしている小てつは安全運転でゆっくり走る。せっついてくる車は「どうぞどうぞ地獄を見てください」と端にゆずって先に行ってもらう。しかし花折峠でもズルッといくところは無かった。

 結局古屋に着くまで道路に雪が残ったところは無く、8時30分に橋のたもとの小広いところに到着。準備をして出発。橋を渡って折り返し、たっぷり雪の残った林道に入っていく。しかし、朝一は雪が凍っていて沈み込むことも無くまるでアスファルトの上を歩いているよう。林道には前日以前のスノーシュー跡ひとつ、ワカン跡ひとつ、長靴あとが行きと帰りの分が残る。長靴跡はすぐの橋を渡っていて、小てつがこれから取り付く尾根に向かっている。どうやらこのあたりの手練者。

朝の桑原橋の様子 古屋の橋のたもとにデポし出発

 この尾根は以前三国ヶ岳ピーク近くでお会いした方にヒントをもらったルートで、もちろん道は無い。降りなら滋賀ピークからの直下降尾根が一番早いけど、あそこを登ろうとは思わないので、登りならこの尾根が一番早く楽に登れると思って最近歩いている。と言うか、桑原のお堂の地主の方が、登山者にあまり好意を持たれていないようなのがわかってきて、そっちから取り付く気にならないからということもある。ただ、登山道ではないので初心者はもちろん、大勢で押しかけるのも堪忍してもらいたい。ふだん人が入らないからケモノの気配もプンプンしますので、その点もよろしく。

朝一は雪の上にすんなり立てる 気持ちの良い青空

 この尾根は陽当りがいいのか、ずいぶん融雪が進んでいて、アイゼンも機動性を考えてチョイスしたワカンもつけずに登っていける。ところが最近新調したストックにスノーバスケットをつけているのだが、前のストックは夏用のバスケットを外さなくてもスノーバスケットがつけられたのに、今度のは夏用のを外さないとしっかり収まってくれないようで、途中で外れてしまった。仕方なく四苦八苦して夏用のを外し、雪用のと付け替える。そんなことをしていたら随分時間をとられてしまった。まぁ前の行程と比べて何分遅れているとか測って歩いているわけではないので、気にはしていない。先行者の足跡もずっと同じ行き先を目指しているようだ。

取り付きの尾根に雪無し 朝は百里もすっきり見える

 11時に高島トレイルの稜線に合流する。稜線にも雪は少ない。やや雲が多くなってきたと思ったら、芦生方向から小雪が舞いだした。小粒なのと風が強くないので助かる。なんせ正月早々4回連続猛吹雪という年もあったし。

シャクナゲは花芽をつけている 高島トレイルの稜線にも雪無し

 三国ヶ岳方向に進むとすぐに急坂となる。岩に雪の混ざった難所なのでルートを考えて行かなくてはならない。こういう場所ではトリオレの天下、キックステップで足場をつくっていける。先行者は長靴のようなので、こんな場所は怖いだろう。このあたりは百里がよく見えるポイントなんだけどガスに隠れてしまった。

 P941の分岐のところで、先行者の足跡は芦生側に向かっている。とすると、足跡の主は「芦生短信2」のF本さんではなかろうか?帰ったらブログを拝見しよう。(予想通り1月20日にP941から芦生に入られていました)。

ヤドリギの実 オオカメノキはネンネのポーズ

 そこからは先行者の足跡は無く、杭標識のところから三国ヶ岳方向に入ったとたんズボッと膝まではまり込んでしまった。アカンアカンワカンをつけよう!(うわ~オヤジ殿にパクられそうなフレーズや・・)このあたりは台風の被害が大きく、根こそぎ倒れた杉や、幹の太いところで折れたブナなどが多数ある。樹齢そうとうある木々がこんなになるなんて、やっぱり地球はヤバくなっているんちゃうんか?。

 回り込むように滋賀ピークに向かうこのあたりが巨樹の世界。いつもここに来るのが楽しみ。本当は三国ピークはどうでも良くて、この谷の景色を見にきているようなもの。でも、ここまで来たら一応ピークにもあがっておく。12時10分着。

 弱いけど風があるのでよけるため、ピークを降りて風裏を探す。丁度いい具合の窪地を見つけて巨樹を見ながらラーメンタイムとする。ラーメンと言っても今日もお蕎麦。20分ほどゆっくりしていると、時折陽が差し始めた。

いつもの雪庇も無い 本日のカップ麺

 さてと腰をあげ、降りは違うルートでと岩谷峠まで足を伸ばすことにする。急坂を降るが、重力の加速度で(嘘こけ体重増のせいやろう)登りとちがってはまり込んでしまうことが多くなる。でもこの岩場でワカンをつけることもできないので、慎重に降りていく。

 岩谷峠でも雪は少ないのだが、峠を降っていく斜面には残っている様子。ここであらためてワカンをつける。この時期に初めてここに来たら、こんなにトラバースするのがわからんやろうなぁと思う。道なんかただの斜面なんかもわからんで・・。最近信心深くなっているオヤジ殿が喜びそうな「一石一字塔」のうえをかすめて尾根を降る。

 古屋の尾根(F本さんは保谷南尾根とおっしゃっている)に雪は少なかったが、岩谷道にはしっかり残っている。地肌が見えているようなところはほとんどない。雪質も丁度良くて、ワカンを効かしてカシュカシュ降りてく。前にK先生達と来た時に見つけられなかった「Ωの木」を探しながら降りていくが、今日も見つけられなかった。折れてしまったのだろうか?目立つ木だから、あればわからないはずないんやけど・・。

岩谷峠

 ところが後200mほどと言うところで、小てつともあろうものがショッキングピンクのテープに釣られたのか、登山道を外してしまった。登山道はユズリハの密生地を急坂でなくゆるやかにギザを切って降るはずなのに、尾根芯をまともに降りはじめている。しかし、もう沢音も聞こえていて向かいの斜面も近いことから、降りれるルートを見ながらそのまま降っていく。(雪のあるときの特権)。

 もう沢が見えて、右手に降りればどこでもロクロベット谷なので、尾根芯を外れて沢に降りれるルートをたどって降り立つ。どこらへんに降りただろうか、やれやれと思っていると、何と水道施設の林道との合流点近くに降り立っていた。これはラッキー!沢沿いのややこしい雪の乗った岩をたどって降りてこなくてすんだ。正月早々悪運強し。

 林道にもたっぷり雪が残っており、ワカンをつけたまま踏み跡のない林道を歩いていく。林道を歩いている途中に雪では無く、雨が降ってきた。どうりで暖かいと思っていた訳だ。水道施設から50分かかってデポ地に戻ってくる。ラーメンタイム入れて三国ピークから3時間、登りじゃこのコース時間的にしんどい。スノーシューの人、どこいったんやろう???。

ロクロベット谷 踏み跡の無い林道をひたすら歩く

 少なくなってしまった雪を求めて、どうにか楽しんでこれました。今週の第1級の寒波で、どれだけ降るかわかりませんが、大きな被害をもたらすようなものでないことを祈ります。

                             【記:小てつ】