城丹国境尾根~桟敷ヶ岳
2018.12.02 (小てつ NO.128)

 
毎度おなじみ鉄塔広場


平成30年12月2日(日) 晴れ         小てつ単独

コース:
霧滝前広場稲妻号デポ~大谷林道~大谷峠~城丹国境尾根~桟敷ヶ岳~長谷林道~デポ地





 この時期になると、雪のシュー遊びコースの下見もしておかないといけないので、城丹国境尾根の倒木の状況を見てきました。

 朝一番に片付けておきたい仕事があり、とんでもなく早起きしたのでそのままの流れで自宅を出発すると、もう高雄の紅葉フィーバー(古い!)も終わったのか、駐車場の有料も解かれているし、周山街道もスイスイ走れて、大森に7時20分に到着してしまった。大森も台風のせいで停電が長く続いたそうだが、屋根にブルーシートをかぶせた家も無く影響は少なかったのかと思っていると、山側の一軒が倒木の直撃を受けて倒壊していた。まったくお気の毒としか言い様がない。

 キャンプ場は8時からなので通り過ぎ(この時期は予約でいっぱいで、駐車だけだと迷惑かなと気を使っているつもり・・)、霧滝前の広場に稲妻号を駐車して準備をし、昨晩は良く晴れていたのか放射冷却で寒く、まだ暗い植林地歩きなのでアウターを着たままで出発する。

 長谷林道別れから大谷林道に入るとすぐに倒木帯がある。林道にかかった倒木は処理されており通行に支障はない。倒木も枝をはらわれ定尺に切断されて積まれているものは、出荷できるものだろうか?雲ヶ畑小学校隣の上品なおじいさんに聞いたところ、風で倒れた木は内部の強度が無くなっているので柱、梁には使えず、合板かチップにするしかないとおっしゃっていた。床柱に使われる太さの杉丸太が、昔20万円したものが今は200円だそう、ただでさえもうけは無いのに、こういう倒木はどうなるんやろ?倒木帯のところで、カラメルシロップのような甘い香りがしていて、近くにカツラの木があるなと思う。

霧滝前広場にデポ 大谷林道の倒木は処理されている

 倒木帯はそこだけで、花も無く、寒いのでずんずん歩いてきて40分で林道終点に到着する。このあたりにクリンソウが増えてきていたなと思っていたのだが、大雨で全部流されてしまったのかロゼットが見当たらない。植林地へ入っていく。植林地の中は落枝で登山道がはっきりしない。峠の鞍部が見えているので、適当にギザをきって登っていくと、途中ではっきりとしてくる。林道終点から15分で峠に到着。峠から東に、城丹国境尾根に乗る。

 尾根に倒木はあるものの、たどるのを妨げるようなことにはなっていないが、もはやスキップするようなルンルン歩きにはならない。いつ再生できるのかと不安になる。そんな中、雑木の倒木に新芽が出ているのを見つけるたび、倒れても前しか見てへんなぁと感心する。

 登山道にショッキングピンクのテープがつけられているのを見る。ショッキングピンクのテープは林業用の色なので、林業の目印かと思っていると、どうも登山用につけられているようだ。そんな事情も知らない登山者がつけたのだろうか?木の道管を締め付けて腐らして枯らせてしまうビニールテープじゃないので、今回は清掃せずにしておく。

 自転車ピーク手前の植林地で倒木があり、自転車ピークから見下ろすと、下の植林地で倒木帯がある。大丈夫なところがほとんどだが、風は複雑な吹き抜けをしたようだ。

大谷峠 ショッキングピンクのテープが目立つ

 ラーメンピークに9時前に着いた。あまりに早すぎて寒く休憩する気にもならんなぁと山の同定をしていると、足元の倒れたネットの中に、鹿がうずくまっているのを見つけた。まだ体に傷は無く腐敗臭もしないので、ここ数日の間に絶命したようだ。近くで警戒声を発している鹿がいるので、この鹿の家族かも知れない。今日は先約があるというので御一緒しなかったユッキー様が見られたら、さぞ悲しまれただろうから、今日はこっちに来なくて良かった。

 もう十年以上前のこととなるが、同じ桟敷に長谷を詰めて鉄塔西側からアタックした時にも、子鹿がネットにからまっているのを見つけた。その時はまだ存命だったのだが、ネットを切って助けようとするも、このネットには針金が仕込んであって、当時持っていたカッターナイフで切りにかかるのだがどうにも切れず、仕方なくそのまま立ち去ったことを思い出した。ラーメンピークを後にする。

 国境尾根というのに植林地脇をトラバースしていくところで、また植林の倒木が多い。ただ、迂回を強いられるようなことは無い。またいで越えていく。ただ、人がまたいで越えていかなくてはならない道は、獣は歩かなくなるから、おそらくここの踏み跡はじきに判別できなくなるんじゃないだろうか?

稜線の倒木 トラバース道の倒木

 132鉄塔や129鉄塔あたりは問題なく歩け、9時30分にナベクロ峠に到着。ここで新しく木に吹き付けられた赤スプレーを見る。それも5~10m間隔。とんでもない登山者がいるもんだと頭に血が登る。テープでさえ腹立たしく、山頂標識のたぐいでも、木にギュウギュウくくりつけられたのには抵抗する小てつだが、このスプレーは取れないのだ。以前シンナーでやってみたが、いったん吸い込んだスプレー塗料はなかなかとれない。

 いったい誰が・・何のためにと思案しかねる。素人は迷ってオロオロしてたらいいんじゃ!それが嫌なら、こんなところ突っ込んでくるなぁ~と叫びたいところだが・・・、桟敷ピークに近づいてくると、(もしやこれは関電の点検者のためにつけたのか?と考えるようになる。)大雪が降った後、小てつは喜び勇んで雪踏みに来て周回していると、桟敷の方から132鉄塔まで踏み跡が残っていてピストンしている。不思議だなぁと思ったことがある。それはおそらく登山では無く、関電の鉄塔点検のために巡回しているただの技術者の足跡だったようなのだ。そうなると、まあ仕方ないのかも知れないと考えるようになる。少しは血が下がる。

 桟敷ピークに10時着。誰もいない。(当たり前じゃ・・・)お腹も減っていないが、せっかくなのでカップ天そばだけ食べることにして、バーナーでサーモスのお湯を沸かし直し、3分待って食す。10時になるとさすがに暖かく、3分待っていられた。

ナベクロ峠からはペンキ 桟敷ピーク

 20分ゆっくりして下山にかかろう。ピーク南側もとっちらかってはいるものの、登山道を見失うようなことはない。都眺めから市内は水蒸気のモヤの中。(最近、はっきり見たことないわ)。

 岩茸の反射板脇の林道を抜けて長谷の林道へ、ここからはテープもペンキも見ないでいいルート。林道嫌いの小てつだが、ここの林道は雑木の場所もあり、古い林道だから法面に野草も帰ってきていて、まだ歩いていても楽しい。イカリソウもまだ葉っぱが緑で、これなら来年も花をたくさんつけてくれるだろう(イカリソウは、長いこと葉っぱが残っていると、次の年花が咲くそうだ)。落ち葉踏みを楽しみながら降りていく。

狼峠方面の倒木は無いようだ タムシバの花芽

 ガードレールのところまで来て見下ろせば、キャンプ場からは炭火の煙があがり、手前の広場では稲妻号が無事に待っているのが見える。今日は伐採の音もしないので、山仕事の人は入っていないようだ。でも伐採地の合流地点からはタイヤ跡が新しいので、この先は倒木があっても処理されているだろうと安心して進んでいく。

 朝が早かったので、11時45分にデポ地に戻ってくる。脇に朝一番には気がつかなかった、たくさん実をつけたムラサキシキブの木を見つける。後片付けをして、もう混んでいない周山街道を帰って行く。

長谷の林道で落ち葉踏みを楽しむ ムラサキシキブの実がきれい

 山域方向が一緒なので、森の旅人さんのレポを見て、少々不安だったのですが、大森からの裏桟敷はおおよそ歩けました。雲ヶ畑からの表桟敷?はわかりませんが、やはり、どこの山域でも山の西、北側はまだマシなようです。最近は地図を見て、花脊峠や大倒木があった場所、同じ切れ込みの谷、尾根はどの地域だろうと・・・、そこは近寄ってはいけない場所かと、作戦を練る小てつです。


                           【 記: 小てつ 】