大見尾根お鉢周り (ガイド)//京都北山
2018.11.18(小てつ NO.126)


 
P877手前に倒木を見るが
尾根を塞ぐようなひどいものはない


平成30年11月18日(日) 晴れのち曇     Tさん、小てつ

コース:
大見三叉路手前空き地デポ~小野谷峠~P771~P877~鯖街道~P822北のピーク~大見三叉路空き地南側の湿地





 ひょんなことから知り合った、「田舎暮らし」がしてみたくてこの夏から百井に移住したと言われるTさんが、一度このあたりの山を散策したいとおっしゃるので、この週末の行き先は未定だったこともあり、それならご案内しましょうとなりました。得意の大見お鉢周りコースだったのですが、どうなりましたやら。

 8時頃に迎えに行きますということで、7時に自宅を出発。何しろ前日急に山行きを決定したものだから、いちおうTさんの分もとコンビニでカップ麺と水だけ用意して大原に向かう。大原の路面温度計は5℃を表示していて、もう朝は冬装束の方がいい季節になってきたようだ。

 花脊峠南側の倒木はすさまじいもので、鞍馬の村中から峠直下まで倒木がある。まるで京都市内に吹いた風を全部集めて駆け上がったようだ。車道にかぶった倒木は片付けられたが、脇に残る倒木はしばらく手のつけようもないだろう。百井にあがる酷道477号は一部倒木があったが(いつものところ)早くに片付けられ、百井から大見に至る道も倒木は一部の植林地にあっただけで通れることは調査済。

 予定通り8時に百井に到着し、Tさんを乗せて大見の三叉路手前の空き地に駐車する。準備はTさん宅前ですませてあったので、すぐに出発する。大原地域のことに関わる仕事に携わっておられるTさんが、大見も担当区内だと言われるので、小てつの知っている限りの情報を話しながら歩いていく。鯖街道の林道から小野谷峠に向いて進んでいく。

山中ではマユミの実だけ目立つ 倒木は少ない

 倒木はあるものの、一面にということではないので、避けながら通れるところを進んでいく。猿橋峠の分岐まできて、小野谷峠から前坂峠までの位置関係など解説する。今日は小野谷峠へと登っていく。

 小野谷峠あたりも、マンモスの牙と言っている杉枝が散乱しているくらいで、倒木は多くはない。ここまでは道も不明瞭なところもあるので、小てつが先行していたが、ここからは迷うようなところも無いのと、前を歩かないと道が覚えられないので、Tさんに先行してもらう。今日のコースで登りらいしい登りはここだけですよと、横から差し込む朝日をあびながら登っていく。

小野谷峠 朝日を受けながらP771へ

 鹿に樹皮をかじり取られてかわいそうなウリハダカエデ、樹上のヤドリギなど解説をしながらP771へ。P771からP877の稜線でも倒木はあるものの、尾根を塞ぐようなひどいものはなく、今度は眼下に見えてきた花脊別所の村並みと、山の家、雲取山の位置関係を説明する。南側が開けた場所では、花脊紅白鉄塔が見えるので、そこから花脊峠、天狗杉と解説する。Tさんは京都市内が見渡せる山と言うことで天狗杉に興味をしめされ、旧道別れからのお手軽ルートを紹介しておく。

ヤドリギだけが目立つ ウリハダカエデの新芽が出ている

 Tさんは登山未経験と言え、若いから歩行スピードも速く、いつも通りの時間で鯖街道の林道に降り立つ。林道の東側尾根へと入っていく。ちょうどオフロードバイクが2台、大見方向から登ってきた。

ヤドリギの実が熟して 鯖街道の林道に降り立つ

 こちら側にはかなり倒木があるだろうと予想していたが、ひどかったのは去年も倒れていた植林のところくらいで、あとはところどころで、ブナが根倒しになっているものがある。しかし進行方向を見失うようなところはなくP822に進んでいく。途中でTさんがフリースジャケットを落とされていることに気づき、取りに戻る場面もあったが、ちょうど12時に熊の倒したブナのあるピークに到着する。P822のひとつ北のコブ。ここの方が風あたりも少ないかもと、別段山頂を極める山登りでもないので、ここでお昼とする。

鯖街道の東側尾根の倒木は去年のもの 熊に倒されたブナ

 サーモスのお湯を沸かしなおしてカップ天そばを作り、もどしている間に助六寿司をわけて食べる。カップ麺を食べ終わったところで、季節外れだがタムシバ茶を振る舞うと、たいそう気に入っていただけた。もう少し暖かいと山中お茶会を開いて、お抹茶を振る舞うのですがと言う。30分ほどゆっくりして腰をあげる。

 熊の倒したブナに戻り、今度は北の尾根をたどっていく。ここでTさんがヒザの不調を訴えられ、小てつが持っていたテーピングテープを巻いてもらう。少し楽になったということで、ふたたび尾根をたどっていく。このあたりで、いつもなら西側のP784を目指して西向きに尾根をくだっていうところを、そのまま北に進んでしまったようで、もう大見の村落の屋根が見えるところまできてしまった。

峰床山がきれいに見えている

 村落が見えているのに、いつもの尾根に戻るのもなぁということと、西側の谷がすぐ眼下に見えているので、先の見通せない尾根をたどるよりも、西側の谷になんとか降りてみようと、ヒザに不安のあるTさんの様子をうかがいながら、木のあるところをたどって(最悪ロープ降りができるので)、急斜面を谷に降り立つ。

 降り立ったところで炭焼き跡を見つけたので、使われていた谷であることがわかり、安心して鹿道をたどって谷をくだっていく。谷から見上げると尾根はそう急坂では無く、それなら尾根をたどってきた方が良かったかなと思うけど、あとの祭り。

 大見川と合流するところは、蛇谷のふたつ西の谷だった。川の水量が少ないのと、Tさんもゴアテックスの靴ということで、右手の橋には向かわず、浅瀬を選んで川を渡り、草原を抜けてデポ地へ最短コースで戻る。デポ地には2台の京都ナンバーの車が増えていた。登山客だろうか?。

大見のデポ地に戻ってくる

 帰り支度をして、Tさんを百井に送りとどけ、今日は参加できなかった彼女さんと飲んでと、気に入っていただいたタムシバ茶の残りを進呈する。(進呈というほどの量じゃないけど・・)。

 Tさんとお別れして小出石まで降りてくると、10数名の登山者がバス停にむかって歩いている。今日は乗用車なので、少人数なら町中まで乗せてあげられるけど、あの人数では仕方ない。お声かけもせず通り過ぎる。

 大原もそう混んではおらず、市内もスイスイで帰ってこられました。

 期せずして、聞けば親子ほど年の離れた若者と山歩きのできた今回でした。本来なら百井に住まわれているのだから、ナッチョを先に案内するのが本来なのかも知れませんが、それはまた雪が降ったときにでもと、次回のお約束としました。


                           【 記: 小てつ 】