越畑から竜ヶ岳~愛宕山
(小てつ NO.116) 2018.01.02


 
竜ピーク


平成30年1月2日(月) 小雪~晴れ     嫁、小てつ

コース:
・越畑区役所出張所前稲妻号デポ~芦見峠~越畑隧道取水口~芦見谷川林道~竜ヶ岳東尾根登山口~竜ヶ岳~ジープ道~愛宕三角点~ジープ道~愛宕裏参道口~デポ地





 恒例の正月夫婦愛宕詣、(とは言っても神社によらへんやんけ!)神社詣は信心深いオヤジ殿に表参道からお任せして・・・、嫁のスケジュールと天気予報を見て、今年は2日に決行することに・・(結果、これが大正解になるとは??3日だったら天気大荒れ!)。

 おととしは愛宕+竜で、去年は愛宕+地蔵だったので、今年は竜の番かと思い、コースを考えていたのだが、天気が良ければ清滝から大杉谷でもアリだったけど、そこまで良くもなさそうなので、今年もズルして裏からにする。

 この頃は山に行くことになると、ちゃんと起きだしてくる嫁。予定通りの7時過ぎには自宅を出ることができたのだが、途中で忘れ物をしたと言い出し慌ててトンボ帰り、結局越畑の右京区役所出張所の前の空き地に8時15分着になる。準備を整えて8時25分に出発する。

 車道を宕陰小中学校まで歩き、石鳥居に立派なしめ縄が施された八坂神社の前を通って、まだひと気の無い越畑の民家の間を抜け、地蔵山の登山口であるこれまた立派な石塀の民家の脇から林道に進入する。獣避けのフェンスのかんぬきを外してゲートを開け中に入り、また閉めておく。林道はまだ薄暗く湿っぽいし寒い。うっすら残る雪にひとつ踏み跡が残り、今日の先行者がいることがわかる。

越畑出張所の前にデポ ゲートを開け林道を進む

 芦見峠まで登ってくると体も温まってきて、フリースの中間着を脱ぐ。先行者の踏み跡は地蔵山の方向に進んでいる。我々は一旦芦見谷林道に降りるためにまっすぐ進み、もったいないけど越畑隧道の取水口まで降りていく。

 林道に降り立ったところには地面に雪は無かったが、林道をたどるにつれて地面は白くなり、見上げれば標高600m以上で樹氷になっている。ここでも昨日のものと思われる足跡が雪面に残り、正月早々こんなところを歩く、愛宕にはやっぱり変人登山者がいることがわかる。

芦見峠 標高600m以上は雪

 林道で、まだたわわに残ったオレンジ色の実をつけた木を見つける。この実は鳥の好物ではないのだろうか?

 林道終点で10時、芦見峠からちょうど1時間で歩いてきた。嫁は「しんどくないコースを考えてくれたん?」と喜んでいるが、この時はまだ先のコースの事を知らないので、答えは濁しておく。

雪の林道を進む ツルマサキの実が鮮やか

 ここからは山道となり、川沿いの岩にうっすらと雪の乗った状況で、渡渉も何度もあり気を使うところ。いつもなら岩をへっついて回り込むところも、安全に高巻いていく。だから竜東尾根と三角点裏道の分岐まで30分もかかってしまった。嫁は「楽なコースと思ったら、いきなり道なき道か~」と言い出すが、本日の核心部はここからなので、お茶休憩をして元気かどうか様子をうかがう。(元気がなければ竜の小屋から首なし地蔵~愛宕裏参道というコースや、三角点裏道コースなど考えていた)元気そうなので、当初の思惑通りに竜の東尾根を登ることにする。

 愛宕山系の普通の登山道で一番の急坂だと思うこのコース、夏道ならば30分くらい頑張れば登りきれるが、今日は岩場に雪が乗りたいへん滑りやすい。もう少し深い雪か、凍っているならアイゼンをつけるところだけど、そこまでの雪でもないし、嫁はアイゼンに慣れていないから、逆に刃を引っ掛けて転倒した方が怖いので、ノーアイゼンで頑張ってもらう。

 ここは先行して足がかりを見つけながら、無ければキックステップで足場を作りながら、時には木をつかんで腕力登山で登って行く。このルートに、また木に赤ペンキのスプレーをしたやつがいるようだ。なんでこんな無粋なことをするんだろう?北アルプスの岩場とおんなじと思っているんだろうか?

林道終点 竜の東尾根を腕力登山で登る

 先行している小てつが、赤テープ無視で一旦降りてきて違うところを登りなおしたりするものだから、「また道なき道なん?」と言い出す。夏道はちゃんとついているが、今安全なルート取りを先行しようとしているだけなんですけど・・。

 そんなんでいつもの倍ほど時間をかけて、ようやく竜ヶ岳ピークに到着する。北西から雪混じりの風が強く、ここでラーメンタイムをとる気にはならない。市内の展望も全く無い。と、単独男性が我々と同じ北側から現れた。後続者がいるとは全く気づかなかった。男性はすぐに展望ブロックの雪を払い、腰掛けて食事休憩するようなので、竜の常連さんでしょう。

 我々は先で風裏の場所を見つけることにして、降りは必要だろうと嫁の靴にアイゼンをつけ、小てつはスベランゾーをつける。

 いったん降った竜の広場では、いい感じに樹氷の世界になっている。ここで一眼レフを持った単独男性と出会うと、愛宕から竜へはこの方が本日ファーストだということだった。

 P900の愛宕側で風裏を見つけ、ラーメンタイムとする。今日はオーソドックスにカップヌードルシーフード味、嫁は豚汁。ラーメンを食していると、南の方から晴れてくる。陽が当たればとたんに暖かく感じ、その分、木枝についた氷がバラバラと落ちてくる。まるで氷の松葉のよう。

シャクナゲは花芽をつけている 樹氷を楽しみながら

 20分ほど休憩して出発する。単独男性、スニーカー履き若者三人組とすれ違いジープ道へ、すぐやしと愛宕三角点だけよっていく。三角点の急坂を家族連れと思われる三人が降りてくる。うち女性は足元恐々で降りてくるので、端っこの誰も踏んでいないところなら滑りませんよと声をかけると、日本の方ではないようだった。

 三角点には御夫婦1組がベンチで休憩中。我々は写真だけ撮ってすぐに降りていく。アイゼン、スベランゾーのおかげで足元に不安は無い。お昼をまわってもジープ道は雪が凍ってつんつるてんなので、もうどこの山でもアイゼンは必携だろう。

ジープ道に合流 愛宕三角点ピーク

 あとは降るばかりなので余裕もあり、晴れてきたので周りの景色を楽しみながら歩いていく。地蔵山へも結構な踏み跡が残っていて、皆さん雪を楽しみにしておられた模様。裏参道であるジープ道に残る踏み跡は、登山靴のものよりも、それとわかる長靴のパターンが多いのは、ある意味常連さん達。

雪の花の向こうに地蔵の頭 竜の頭も黒い

 ジープ道を進んで亀岡側が開けたポイントで(地蔵山への分岐もあるところ、少しわかりにくくなってますが・・)景色を楽しんでいると、遠くに光るものがあるなぁと思ったら、それは大阪湾であることに気づいた。日本海はよく見る機会があるが、愛宕山から大阪湾を望むことができるとは思わなかった。方向から高いビルは阿倍野ハルカスだと思うが、違っていたらゴメンなさい。お正月で大阪の市街のモヤが無いせいでよく見えるのだと思った。(交通量が少なかったり、工場の煙やビルの空調機が動いてなかったりするからだろう)。

 もういらないだろうと地肌も見え出した裏参道ジープ道でアイゼン、スベランゾーを外すが、一部コンクリート舗装に乗っていた雪が凍っていて、嫁がステンとこける。雪国育ちのくせにだらしない奴やと思ったら、もう雪国で育った年月よりも京都で暮らしている年月の方が長くなっているので、それじゃ仕方無いなぁと思い直す。

雪の花の向こうに亀岡 大阪湾と阿倍野ハルカス

 2時過ぎに裏参道の鳥居まで降りてくる。賑やかな男女登山者と一緒になり、父娘かと思っていたら、あとで見ると結構なお年をめした御夫婦だった。彼らも出張所前に駐車していたようで、10分ほど車道を歩いてデポ地に戻る。

 自宅まで戻る車中、暖房が効いてくると助手席で舟を漕ぎ出す嫁。さすがにしんどかったかな?今日もよく歩けました。


                           【 記: 小てつ 】




            (か)
          彼が踏みし 新雪の道 踏み直す

          雪山に 唸るが如し 送電線        嫁 作