武奈ケ岳
(小てつ No.118)


 
武奈ピーク


平成30年2月4日(日) 快晴         小てつ単独

コース:
・葛川センター駐車場~御殿山コース ピストン





 先週日曜日は、次女のお弟子さんの発表会の裏方で山はお休み。卒業して間もないのに、もうお弟子さんがいてるなんてすごい世界ではある。(まぁ学校の先生もそんなもんか・・)ただ、最近は日曜日でも、あまりひどい寒波や積雪があると、朝の雰囲気で山をお休みしなければならなくなる。同じく音楽をやっている長女は体一つでいいのだけれど、次女の場合は楽器が必要なので、一緒に運ばなければいけない。次女はオヤジのアッシー君を全くあてにはしていないのだけれど。とにかく、そんなことで最近はokaokaclubの皆さんとも山行のお約束もままならず・・。

 この日曜日は寒波もひと休みのようで、これはチャンスとばかりに本当はokaokaclubの懇親会の日に予定していた「ナッチョ」に行くべし!で準備をしていた。ナッチョは午前中でも楽しめる短いコースだけど、コースの雪状況がいろいろと変わるため、冬装備の点検がてらには最適なことから雪山シーズン当初に登っていると言う訳だ。先々週は三国ヶ岳でワカンは試せたが、スノーシューとアイゼンを履いておかないと、どこへでも安心して突っ込んでいけない。

 そんなことで、近場だからといつもより30分遅く、7時半過ぎに自宅を出発。大原までは路面に雪は無いと前日の情報を持っていたが本当に雪は無く、大原の三千院交差点の温度表示は朝でもマイナス3℃と暖かく、山腹には残雪も少ない。小出石交差点近くまで来ても状況は変わらず、これではスノーシュー、アイゼンの試し履きは出来ないのではと、逆に花折峠もスイスイ登れるんじゃと言うことで、小出石で曲がらず直進して坊村に向かうことにする。

 葛川センターの駐車場も除雪塊以外の場所は、アスファルトが見えているほどで雪は少ない。まだ余裕で駐車場所が空いているので、駐車して準備をして8時40分に出発する。嫁に登る山が変更になったことをメール連絡しておく。

大原ー3℃ 葛川センターの様子

 三宝橋の手前から残雪があり、どうせどこかで着けなくてはいけなくなるだろうからと、歩き始めからアイゼンを着けることにする。ただ、登山道は前日から多くの登山者に踏み固められ、アイゼンが刺さる。登山道がはっきりしているのはしばらくだけで、途中から尻セード跡やら直滑降忍者降り跡やらで、登山道が寸断されてしまっている。直登になっても近道になりそうなところは尻セード跡を、アイゼンを効かせて登って行く。そんな中、大学生くらいの三人連れ若者が降りてくるので、先の状態を聞くと、途中で雪が深くなり踏み跡も明確ではなくなったので、降りてきたのだという。夕べにそんな降ったんかいな?と半信半疑になったが、だいたい若い男三人で休みに山登りしているようなモテない男の代表みたいな大学生の話を信じるような小てつではないが(ほっといたれ~ってね、ユッキー様)、頑張ってきてくださいとの応援を受け別れる。

 9時40分に日本庭園(モミジのコバ)に到着。夏と変わらない時間で登ってこれた。今年は明確なギザ道が残っているので、夏径のルートは度外視で踏み跡をたどって登りはじめる。(ひどい時にはここから踏み跡が4、5本ほど分かれてるし・・)が、ここも途中から尻セード跡に踏み跡は寸断されている。もう稜線も見えているので、どこでもいいやと登って行く。

 そんな中、ご夫婦では無いと見えるカップルの女性が、小てつが近づいても気がつかないくらい登るのに必死で頑張っておられ、男性が気づいて声をかけ道を開けてくれるが、追い越し際に「もうここまで来たら、武奈はとったも同然ですよ」と言う。「あともう少しで稜線ですし、稜線に乗ったら夏径冬道分岐、それ登ったら見晴らし台で景色も良くなって、あとは惰性で武奈まで行けます」と励ます(ほんまかいな?)。

三宝橋の様子 夏径冬道分岐

 稜線にも雪は少ない。下界に少なくても上にはあるという年はあるけど、今年は上にもそんなに雪は無いような気がする。雪質も締まっていてスノーシューもワカンも、下手したら急坂降り以外はアイゼンもいらないくらいだ。なので、夏径冬道分岐に10時丁度。見晴らし台に10時30分、御殿山に10時45分と、写真を何枚も撮りながらでもこのペースで来れた。

雪庇が無い! まぶしい青空

 御殿山で飲茶休憩をしていると、ワンちゃんがどこからともなく現れた。ついで御殿山の東斜面からシュー履きの男性が現れ、「えらいところから登場ですねェ~」と言う小てつに、「坊村から出て、あの尾根を回ってきました」と言われる。要はシャクシコバの頭の南西尾根を明王谷から回ってきたということなんでしょうが、冬ならではと言うか、比良には愛宕以上に変態がいますねェ~。まぁ比良でシューのファースト雪踏みをしようと思ったら、それくらいのコースに行かないとできないかも知れませんね。(どうですか?オヤジ殿・・、そそられませんか~)。

 休憩も終わり去年はシュー履きでも、頭から転げ降りた急坂を、アイゼンを効かせて降りる。登りのために歩幅を狭く段差つけてくれといたらいいのにと思うし、そういうふうに踏んでおくが、小てつ一人がそうしても、どうにもならんか?。

御殿山から 元気に登ってきたワンちゃん

 ワサビ峠の標識のうでが丁度出ているくらいなので、積雪は1mくらいか?王道から峠に登ってきている踏み跡も有り。早出の方はもう降ってきていて、第1ピークの登りでも、こっちが登りでも脇にそれて道を譲ると、「すみません」と申し訳なさそうにされる方に、「なあに、何か理由をつけて休憩しているだけです」と笑う(ほんまにそうやねん!)。

 快晴の西南稜、去年とは全くちゃいます。下界から見る色とは違う紺色の空、いつもより相当近くに見える山々、K先生やカオリさん達には到底及ばず、20回くらいしか登っていない武奈だけど、今日は1、2を争う景色の良い日だ。行き先変更して良かった。コヤマノ岳を見ると、木々の影が丁度真横に走り、横縞模様を作っている。

横縞なコヤマノ 青空の色が違う

 西南稜の雪庇も一度崩れたようで、はっきりしなくなっている。第2ピークでは地肌むき出しで、やはり雪は少ない。ピークのすぐ手前で、それぞれかわいいキャラクターものの帽子をかぶった4人グループとすれ違う。そのうちのチキンラーメンのひよこちゃん帽子をかぶった女の子に「かわいい帽子やなぁ~」と声をかけると、「300均ちゃんで季節商品セールで150円で買いました」とのこと・・、別に買いにはいかんけど、おじさん2人がお付き合いでかぶらされているのも一興。11時40分武奈ピーク着。

 ピークからは、東側もよく見えて伊吹山はもちろんもこと、藤原岳まで見えている。その奥は雲がかかり御嶽山までは無理。近くのグループが、白山の頭が見えていると言っているが、どこやどこや???小てつには見えへんぞ~!今日は西風があるので、東向きに場所を陣取って、ラーメンタイムとしよう。

 ラーメンタイムと言っても、今日もカップのお蕎麦。いろいろ試しているが、やっぱり冬場は「サッポロ一番味噌ラーメン」を上回るものはないなぁと考えながら、山々を眺めてゆっくりする。風がおさまれば寒さも感じず。ピークにはどんどん人が増えている。皆、大展望に歓声をあげている。30分ほど休憩して、名残惜しいがピークをたつ。

湖北武奈や三重が近い 西南稜の雪庇は一回崩れたようだ

 降りは降りで登りの人に道を譲り、その間に展望を楽しむ。午後から天気は下り坂という予報だったが、どうやら一日もちそうだ。スキーのグループが登ってきて、どうやら去年も出会ったグループのようだった。このグループの中のお一人が、去年の紀行をヤマケイやったかにアップされていらしたが、経過時間がおかしいので、コメントしたら、おととしのタイムで載せたということだった。そやろ去年は吹雪でホワイトアウトやったんや、もっと時間かかってた。でも、この人達が武奈のピークに到達したろう時間から、急速に天気が回復したんやった。悪運強し・・。

 えらく軽装(ザックも無し)のグループとすれ違う。「えらい軽荷ですね~?」と聞くと、ザックを途中に置いて来たと言われる。進んで行くとワサビ峠の標識に、お地蔵さんか無縁仏のお墓のようにザックがかためてデポしてある。まさか置き引きしていく奴もいないだろうが、比良ならではかも~???なんまいだ~。

 去年は1時間半かかった御殿山への帰りを40分で帰ってくる。またも名残惜しいが休憩無しで降りていく。暖かく感じたが、気温は低いのか、雪が腐ることも無く、一度も踏み抜きはしなかった。

 日本庭園でチキンちゃんと再会。グループの男性は、昨日は蓬莱方面に登られたと言われる。「御職業、山登りですか?」と聞いてみる。グループが先行していかれ、間をおく意味も有り、暑くなってきたのでついでに衣服調節と飲茶する。どうやら前にも後ろにも人がいなくなったので、出発する。

真ん中が桟敷で左奥が愛宕三山 ザックのデポ地蔵

 もう車道が見えてきた頃に、若いカップルに追いつく。二人共スノーシューはかついでいるが、女の子はいかにも初心者という感じで腰がひけてストック頼りで降りている。後ろから見ていても危なっかしいくらい。雪道の降りは、「河内のおっさん?」のように、外股でふんぞり返って、かかと落としで歩かないといけない。足を引っ掛けても、お尻から落ちるし、アイゼンでスパッツを引っ掛けることもなくなる。そのためにはかかとにも爪のある、10本爪以上のアイゼンが必要になってくるんだけど。

 まぁそんなことは別にして、道を開けてくれたカップルに「シュー履けた?」と声をかけると、「全然履けませんでした」と言うので、「シューを存分に楽しみたければ、マキノに行っておいで。赤坂から寒風とかやったら、雪質が全然違うから」とすすめる。

 14時10分、明王殿着。三宝橋を渡ったところでアイゼンを外し、水路で洗うが、ストラップについた氷がなかなか溶けない。トイレ前で再々度ヒヨコちゃんグループに会い、ご無事で何よりとなる。

 デポ地へ戻り、帰り支度をととのえて帰路につく。今日は帰ったら銭湯に行って・・、そうや「晩御飯は王将の餃子にしよ」と言ってみよう!(ラオウのコマーシャルか!)。

 以外にも雪の少なかった御殿山コースでしたが、今週も雪の予報、北部の山ではかなり降り積もっているようです。事前の情報を十分とって山行計画をたててください。(着いてから行き先変更している奴が言うな!)。


                           【 記: 小てつ 】