皆子山 2018.09.23

(山頂部に台風被害あり,多数の倒木を目にする)

 
皆子山山頂 標識も傾いている


2018年9月23日(日) 晴れのち曇り  森の旅人M

コース:
・足尾谷橋~林道終点~ツボクリ谷分岐~皆子山分岐~皆子山山頂~P941~P837~墓地~平~足尾谷橋





 9月4日の台風21号による被害が広範囲に及んでしまい,愛宕山の参道被害がTVで放送されていた。被害調査を兼ねて皆子山ツボクリ谷を歩いてきました。

 足尾谷橋には車が2台停まっていた。渡渉が多いのでスパイク付きの長くつで出発。皆子山への林道入り口には「落石・がけ崩れによる危険につき通行止」の看板が立っており脇を通過して林道を歩き始める。2013年9月の豪雨により林道は陥没と崖崩れがあり,大きく変わらないが悪化している。発電所の堰近くでは新たな崖崩れ跡があった。魚道は水が勢いよく溢れ出て出て水量が多い。渡渉が思いやられる。

魚道から水が溢れ出ている 発電所堰堤横の土砂崩れ

 最初の難関は林道終点からの右岸への渡渉,少し下流側を渡ったこともあったが石の位置も変わり今は渡れない。渡渉位置を探すのに時間が掛かる。今回はシューズでも渡れる石の上を渡ったが,滑れば川にじゃぼんなので気を使う。

 すぐに支流谷分岐となり本流の先は今は無い「くの字」跡,対岸とのロープだけが跡を残す。左岸へ渡渉となるが,ここもシューズで渡れるように石が上手く配置していた。渡渉後,右の長くつにヒルが這い上がっているのが目に入る。ストックで引き離そうとするが簡単にはいかない。ようやく取り除いたと思うと更にもう一匹這い上がって来るが,別のヒルが長くつの中に入ろうとしている。ストックでは無理なので手袋したまま捕まえるが,今度は手袋から離れないため岩にこすり付ける。1センチほどの小さいヒルもくつに入る手前で見つかり大慌てとなる。結局右に4匹,左にも1匹計5匹退治した。

 この先はツボクリ谷分岐まで左岸を進む。歩く人が少なくなったようだが道は消えずに残っている。芦火小屋を眼下に見て二ノ谷分岐,さすがに二ノ谷への道は消えている。そしてツボクリ谷分岐に到着。この先長いためヒルスプレーを長くつにすることにした。

 このコース一番の難関のツボクリ谷分岐の渡渉である。ここまで来て水量多くて断念して支流谷から登ったこともある。やはり水量は多く勢いよく流れている。暫く集中して渡渉決行となる。ひと跨ぎできない距離が残る,ここにはロープが渡っており石から対岸岩場までジャンプして渡る。渡った瞬間ロープを引き寄せるが大きく水しぶきが上がりズボン下の裏側が濡れる。せっかく塗布したヒルスプレーは流れてしまった。

林道終点から渡渉 ツボクリ谷分岐の渡渉

 これからが本格的な谷歩きが始まる。それと共に渡渉も何度も繰り返して遡行していく。谷の川には大きな岩が多く見られる。二つ岩の間を抜ける。崖の崩壊場所では高巻き道が付いている。右岸を上がって行く。トチノ木前で左岸へ,すぐに右岸からトチノキ横通り左岸へと渡渉する。正面にナメ滝が現れ,脇の左岸を上がり滝の上に出る。ここからも渡渉が続く。やがて小滝の前に大岩が転がる所に出て左岸の急坂岩場をロープ伝って上がる。ロープが新しい。小滝の上部に上がりその先は崖に沿って川の中を少し歩く。5m程だがシューズでは水没する深さだ。

二つ岩の間を通り抜ける 岩場を上がる

 何度か歩いている谷であるが,渡渉箇所が多いため場所を間違えると無理に高巻きを歩くことになる。そんな谷の大木が目印になる。渡渉を繰り返していると前方に人影を見る。渡渉に苦戦しているのかなと思い先を詰めて行く。谷沿いに道が無くなり高巻きを選択,こんな道来たことないなと思っていると丁度前方の男性のいる場所の前に降り立つ。男性は釣り人だった。

 トチノキが見えて右岸へ渡渉。少し歩いて行くと大木のトチノキが現れる。時間は11時半となりここから山頂まで1時間かかるため昼食を摂るが,おにぎり弁当に食欲無く大半を残して出発。ここでもヒルが長くつに上がって来る,始末をして出発。すぐに皆子山分岐に着いた。

皆子山分岐手前の大トチノキ 皆子山分岐

 谷道と違い急坂道は堪える。長くつで歩きにくい上,少し荒れている。谷分岐がありその都度右の谷を登って行く。三つ目の分岐でも右に入り細谷になる。途中まで谷を登って行くと先の谷は枝木で埋まっている,左の尾根道に変更。どちらにしても急坂であるのは間違いない。しんどい。山頂に近づくと倒木が目に入って来る。

細谷に入る 尾根道に変える

 山頂に12時半過ぎにようやく山頂に到着。4時間掛かってしまった。多くの倒木が目に付く。西尾根に続く辺りは多くは南側に倒れているが,数本北側にも倒れている。山頂では女性3人組が昼食中だった。残した弁当を改めて食するがお茶で流し込む感じだ。若い男性二人が山頂に登って来たが写真を撮るとすぐ山頂を離れて行った。女性陣も下って行き,一人になり改めて山頂の状況をカメラに収める。

寺谷方面の倒木 西尾根方面の倒木

 長くつからトレッキングシューズに履き替える。下山開始で東尾根を下る。足尾谷の橋が流され渡渉が難しくなり,今や本ルートになった。若い男性二人は琵琶湖が良く見える場所でバーナーを使い昼食のようだ。東尾根も倒木があるが大規模でなく歩行にほとんど影響はない。

琵琶湖を望む 東尾根の倒木

 鞍部から上り返してP947。尾根道には平への道に標識があり右の尾根を下る。次の尾根分岐でも平への標識が架かっている,ここでは左の尾根に入る。尾根分岐は多くあり,続く分岐は赤いポールを見て右に下りP837。P837の尾根分岐で先ほどの女性3人組が地図を見て立ち止まっている。山頂では挨拶だけで他に言葉は交わしていない。一応「右の尾根が下る方ですよ」と声を掛けて右の尾根を下って行く。

 左にヒノキ林,右に雑木林の間を下って行くと最後の尾根分岐となる。左のヒノキ林の急坂を下る,汗が出て来る。途中で若い男女が登って来る。時刻は2時過ぎで「今からですか,遅いですね」と声だけ掛けておく。山頂から下り始めて1時間15分で登山口の墓地に降り立つ。今は秋の彼岸なのでお墓参りの人が5~6人見える。登りの4時間と比べてえらい違いだ。

平への分岐 彼岸の墓地

 平の集落を抜けて国道に出る,平バス停から足尾谷橋まで戻るが平地なので楽なものだ。国道から分かれて通行止めの旧道に入って行く。1組の家族がバーベキューを楽しんでいる。旧道を先に歩いて行くと道が川で洗われている。今日はそれだけ水量が多いと言う訳だ。道の脇を歩いて水を避けていたが,国道下はすっかり水で溢れている。

 今更長くつに履き替えるわけにはいかない。トレッキングシューズのまま入って行く。少しシューズの中に入るが仕方ない。最後に時期の過ぎたツリフネソウとススキを見て秋の風情を感じ,足尾谷橋に戻りました。トレッキングシューズを脱ぐとまたまたズボンにヒルが取付いていました。9月ですが,まだ結構なヒルがいるようです。

道路に川の水が溢れ出る ここは水の中を歩く

 皆子山のツボクリ谷及び東尾根登山道に直接影響するような大規模な倒木はありませんでしたが,しかし倒木は多く発生しています。傾いている木もあり注意は必要と思われます。

 帰宅後,改めて確認すると右足太腿裏側に赤いヒルの吸い付き跡を2か所見つけた,  やられた!今回は無事に済んだと思ったのに,皆子山のヒルには参りました。

                             【 記:森の旅人M 】