半年ぶりに山道トレーニング
大文字山東谷を2回にわたってミステリーツアー


 
山笑う季節


◆2018.4.21(土)◆4.28 (土) 快晴 25℃ ikomochi

コース:
◆4.21 
13:00JR山科駅(昼食)~13:30諸羽神社~諸羽山~蔭山14:25=14:50~尾根道~P308分岐~毘沙門堂東谷16:25~JR山科駅

◆4.28 
13:00JR山科駅(昼食)~13:30諸羽神社~諸羽山~蔭山14:35=14:50~尾根道分岐15:20~周回~尾根道分岐~P308分岐~毘沙門堂分岐16:15~毘沙門堂17:35~JR山科駅





 昨年9月末伊吹下山の腓骨亜脱臼のあと、日常の仕事は待ったなしなので、膝にアイスノンを巻き付けて痛む足をかばいながら動き回ったが、少しの段差に足をあげるのが苦労で、傾いた身体はあちこちきしむし痛いし。

 後日考えると少なくとも1週間は安静やったなあと反省したのだが、時すでに遅し。右ひざをまっすぐに伸ばすことができなくなり、次は腰、次は背中、次はと痛みが出て、結局あちこちの筋や筋肉が固くなり、すっかり柔軟性を失ってしまった。老人が家でつまづいて骨折して入院しようものなら2度と家に帰れない というが、ほんと、こんな風に一か所不具合が起こるとドミノ倒しのように連鎖していくのだなあ と実感。

 京都駅で目にするのは、階段の手摺につかまりよたよたと上り下りするご同輩の姿。なんと多いことか。日ごろは気にも留めなかったが・・・。一番の難関の階段を少しでも避けようと、エスカレーターやエレベーターの位置、最短で安全に歩ける通路などを友人に教えてもらい、わたしも倣う。ちゃっちゃと動けないから効率は日ごろの半分以下に落ち、たまった仕事を片付けるのに無理を重ね悪循環。

 3月末ころやっと回復してくると、今度は体内にうつうつとたまったものでノイローゼになりそう。そんな様子をみてトレーニングの先生が、思い切って山を歩いて体を動かしたほうがいいかも と、背中を押してくれた。

 それまでは地図を眺めても楽しくなかったのが、どこに行こうかな?とわくわくするようになったので、だいぶ体調も良くなったかな。あそこへ行こうか どこへ行こうかと計画していたが、前夜の帰宅が遅くなり、結局朝起きて体が動き出すまで時間がかかり、こういうときは重宝する大文字山に行くことにした。

 ◆4月21日

 JR山科駅の志津屋でサンドイッチセットで腹ごしらえして、13時半諸羽神社前をスタート。疎水公園から諸羽山に登る。久しぶりの坂道、久しぶりの地下足袋は力が入らず落ち葉で滑りそうになる。短時間の急登に息があがってはひはひ言いながらも流れる汗が心地よい。

山科駅 諸羽神社前を
疎水公園は整備中 新緑のトンネルを行く

 諸羽山頂220mを越え、3つのピークをアップダウンしながら1時間半ほどかけて302mの蔭山に着いた。この間誰にも会わず、下界からは車や体育部の学生の声などが響いてくるけど、山道は風と時たま聞こえる鳥の鳴き声だけ。

諸羽山220m 白岩155m

 三つ葉つつじの花は落下していて早い初夏の訪れである。このあたりを整備してる人がいると見え、ラミネート加工のしっかりした標識が要所要所にかけてある。はっきりした1本道なので、この際余計なテープ類は整理しよう。(この作業で下山時にはレジ袋が一杯になってしまった。)

蔭山302m 送電鉄塔を潜り
四ノ宮への道がある 尾根道を行く

 2つの鉄塔を潜り抜けて、県境尾根に上ったのが15時頃。ゆっくりと歩いてきたが、やっぱり膝が痛んできたので、今日はここらで止めておこう。308ピークへの分岐の巻道を毘沙門堂方面に向かう。すぐに毘沙門堂へと書いた標識があったので、やれ嬉しやと道を南にとった。

P381へ分岐 毘沙門堂へ下る

 尾根からゆっくり下るはずの道がいきなり斜面急坂になり、あれ?おかしいと気づいた時には、関電巡視路道の階段が現れた。あああー やってしまった。今日一番来たくない激下りに入りこんでしまったと後悔したが、引き返すのもなんなのでそのまま2つの鉄塔をくぐって尾根の先端から階段を下り、薄暗い東谷に出た。

しまった!巡視路だった 標識がちゃんとあるが
東谷へ下った 薄暗い東谷

 あとで、尾根分岐の標識の写真を確認したら、「毘沙門堂(少し急坂)」と書いてあったので、ほんとうはここで気づくべきであった。反省。しかし、知らない人は迷い込んでしまい荒れた東谷で途方に暮れるやろうなと思う。去年同じ道を下った時には、「大文字山東谷トレイル」などと書いたテープがあったけれど、このコースは一般向きではない。

 ◆4月28日

 先週歩いて膝は少し痛んだが、銭湯に直行して水風呂でしっかり冷やし、家でもアイスノンで真っ赤になるまで冷やしたら、足の痛みが出ずにほっとした。むしろ腰が痛くて困ったが。わずか3時間でも、汗をかいて銭湯につかって美味しくビールを飲んで、あーさっぱりした。気をよくして、1週間後もまた同じコースへ向かう。時間もほぼ同じ。

もちツツジ P261は柳山

 今日も諸羽山は誰にも会わず。先週はなかったもちツツジの花が咲き始めていた。気温が夏日というので、登っている最中に息があがってしまう。小さくアップダウンしながら高度が上がっていくこの尾根コース。地図でピークを確認しながらのんびり歩く。途中にいくつかの分岐があるので、いつかはこの脇道も踏破しようと思う。

巡視路も複雑です ヌタバを通り

 滋賀県境尾根に上がり、日ごろ気になっていた破線の道を下って藤尾~雨社のコースへと行こう。尾根分岐から少し東へ行った地形図破線の谷道は今や倒木と藪とイノシシのヌタ場へと消滅し、周辺は地図に無い作業道や林道などができていて紛らわしいことになっている。

 でも、地形は地形図のままなので沢の源頭をずんずん下っていくと、すぐに目の前に立派な作業道が出現。沢の下流へと道は続いているようだが、北側の尾根に向かって作業道は登っているので、そのまま道なりに尾根に向かう。

作業道出現 ここは大津市

 小さな支尾根の先端を登りつめ道なりに行くと、結局は巻道になって最後は倒木の山を乗り越え終了。仕方ないので斜面をよじ登ったら、さっきの県境尾根道に遭遇。なんのことはない。ぐるりと谷を巻いてきただけだった・・・。

 先ほどから北方向から男性たちの声が聞こえるが、きっと藤尾コースを歩いているのだろうな。気を取り直して、県境尾根道をP308目指す。先日失敗した分岐に到着、行く方を見定め、さらに巻道を毘沙門堂へ向かう。

 先週はこの分岐にあった標識が、今日は取り外されていた。ここは紛らわしいから迷い人が続出して外したのかもしれないなあ、へたに標識がないほうがよい、そりゃそうだよなあ と納得しながら、無事無事に毘沙門堂へ向かう正規の?緩やかな山道を下った。

尾根分岐標識 毘沙門堂へ緩やかな下り
蹴上4鉄塔 毘沙門堂

 ところで、哲郎さんも小野村で夢中になったそうだが、私もたった数時間のこの2回の歩きでテープをレジ袋2杯外した。テープ清掃ははまると止められない。テープ登山の怖さを何回も経験したし、樹木を痛めるうえせっかくの山道に色が氾濫して落ち着かないので、不要なテープを見つけたら外すようにしている。

 この辺りも、昨年5回ほど続けてうろついた時、分岐でぼんやり立っている人に声を掛けられること数回。「あっ 人に会えた」「あのう この道はどこに行くのでしょうか?」「大文字へどう行けばいいのでしょうか」というような質問ばかり。手には地図もないし。(愛宕山では、「えっつこんなとこ地形図必要じゃないでしょ?」とせせら笑った若者にも会った!)

 4月の京都新聞によると、「低山とくに大文字山や愛宕山での道迷い事故が増加しているので、特に中高年者は注意するように」とあった。大文字山を彷徨ってみると、尾根と谷が複雑に入り組んでおり、里山ゆえに山道はたくさんあり、一筋間違うと全く違う方向へ連れていかれます。

 わたしも「ここはどこ?私は誰?」状態になったこと数回。そのときは大文字山全体の地形図を持っていず反省。毎日眺めてる大文字やからと、侮ったらあきません。地図は必ず持参して、おかしいなと思ったら確認しましょう。

 そして、はっきりした山道と要所の分岐にはちゃんと標識があるので、せっかくの静かな山道に2m置きに黄色や赤や緑やと各々がテープを張りまくらんでもよいでしょ!!団体登山でどうしても目印テープが必要なら、後尾の人がはずしながら歩いてよ!と言いたいです。

 尚、現在まだ探査中につき、山地図は後日作ります。興味のある方は、地形図を追っかけてみてください。

                             【 記:ikomochi 】