城丹国境尾根~桟敷ヶ岳(時計回り)
2017.12.03 (小てつ NO.114)

 
賑わう桟敷ピーク


平成29年12月3日(日) 快晴      小てつ単独

コース:
大森中町(分校跡地)稲妻号デポ~大森西町~茶呑峠~鳴堂~パラグライダー基地~見晴らし台~天童山~飯盛山~ナベクロ峠~桟敷ヶ岳~薬師峠~大森キャンプ場~デポ池





 10月の台風のせいで、今年は訪れる機会がなかった城丹国境尾根の紅葉見物。もはや冬枯れとなっているとは思いましたが、それなら落ち葉踏みができるじゃないかと、ひと月遅れですが行ってみました。

 いつものように7時に家を出て、途中コンビニによって食料を仕入れ周山街道を走っていく。高雄の紅葉はもう落葉していて見るところも無い。葉っぱのあるときに何度か通ったが、今年の紅葉は鮮やかな色付きとはいかなかったように思えた。

 7時30分過ぎに大森中町に到着。最近は路駐ではなく、分校跡の隅っこに車を置かしてもらっている。路駐より怪しくないか??と思ってのことだし、観光農園に来た人がよく置いてられることもあり、大丈夫かなと。もちろんダッシュボードに「登山者です」の置紙をしておく。あとで怒られたら自治会長さんに電話して謝ろう。

朝一番大森には霜が降りている 分校跡にデポ

 準備を整え7時45分に出発。天気がいいので冷え込んでいる。手袋をはめようかと思ったが、まだストックも出してないし、行儀悪いが両手をポケットに突っ込んで、まだ人の気配のしない大森西町を抜けていく。

 日の出から1時間以上たっていても、植林地の中は薄暗く・・、ということは逆に夕方3時頃には、はや暗くなってくるだろう。例年とひと月遅れるとずいぶん違ってくるもんだ。上空の送電線の2つ目の系統をくぐるころから林道は勾配をつけ始め、体が暖まってきて中間に着ていたフリースを脱ぐ。今頃の季節は脱いだり着たりを頻繁にしないといけないのが邪魔くさい。汗をかかないように、頑張らないで歩こう。

 だんだん勾配がきつくなってしんどくなる茶呑峠手前の林道を、今日は頑張らないでゆっくり歩いてデポ地から50分で到着。今日は天気も良く、見晴らしもいいだろうと、パラグライダー基地に向かうため、直登道ではなく、京都トレイルのコースになっている巻き道の方に向かう。

朝日に照らされ湯気が 茶呑峠

 巻き道に入ってすぐに、何かしら小ざっぱりしていることに気づく。K先生達と来た時よりも歩きやすくなっている。人気ないだろうなと勝手に思っていた京都トレイル外回りコースだが、ちゃんと整備してくれている人もいるんだと思った。

巻き道はさっぱりしている 倒木も処理してある

 巻き道を30分ほど進むとパラグライダー基地に向かう林道と合流する。少し登った向かい側に、竜ヶ坂に向かう山道があり、2石仏の祠がある。少し覗いて林道に戻り、パラグライダー基地へ向かう。

 10分ほどで基地に到着。今日は快晴無風で、逆にパラグライダー向きじゃないだろう。湿気も少ないのか遠望もきいて遠くまで見えるから、山が近く見え、どれがどの山か、逆にさだかでなくなるようだ。

 基地から裏手の雑木の尾根に入る。ここまでは台風の影響はあまり感じられなかった。しかしここからの吹きさらしの尾根、どれだけひどいことになっているかと心配していたが、根こそぎの倒木は数本あるものの、くぐったりまたいだりのジャングルジムというところは皆無であった。そもそも国境尾根は吹きさらしで、いつも強い風が吹くからだろう。ただし落ち葉はいつもより多い。落葉樹だけでなく常緑樹の葉っぱも落ちているから、山道は完全に埋まっていて踏み跡は見えない。初心者、初見参者には厳重注意が必要だ。

 10時過ぎ天童山に到着。時計の標高を合わせなおす。その後10分で単面、また10分で対面の反射板を通過する。降って登り返して飯盛山。また降って大谷峠となり、登り返したところが小てつ命名スキップ街道。自転車ピークと命名している2万5千分の1地形図ポイント・751の東側ピークまでが、雑木のすばらしい尾根道となる。

鳴堂の2石仏 城丹国境尾根から見える愛宕三山

 自転車ピークから、もう崩れてしまっている獣避けネットの脇をたどって登り返す。小てつ命名ラーメンピークに到着。まだ11時20分だが、お腹もなってきたので、久々に展望の良い場所で、北山を眺めながらラーメンタイムとしよう。

 バーナーでポットのお湯を温めなおしてカップラーメンを作り、できるまでにおにぎりをほおばるいつものスタイル。ほおばりながら、武奈ヶ岳からシラクラ。送電線をたどって桑谷山と同定していくのだが、三国、天狗のあたりは定かでなくなる。向こうから見ると桟敷はすぐわかるのに、困ったことだ。いいかげんなところで、あのへんだろうと納得しておく。

 そんなことで、いつもより長めの休憩となり、40分ほど丁度お昼のサイレンが鳴るのと時を同じくして、ラーメンピークをあとにする。

ラーメンピークから北山パノラマ

 ラーメンピークからは城丹国境尾根の核心部と言うか、一番ややこしいところになる。尾根と言いつつ山道は、尾根に乗らず谷をたどったり、トラバースしたりとなるからだ。

 ラーメンピークから東に進むと、右手のピークに登ってしまいそうだが、左手に現れる植林地と雑木の間を狙ってトラバースしていく。今度その尾根は右手に曲がって行き、一旦小さな鞍部となるのだが、ここで谷に降りなければならない。別に降りなくて、稜線を歩けばいいのかも知れないが、登ってしまうと降りどころが難しい。鉄塔の巡視路があって、そっちに引っ張られるとあらぬ方向に誘われてしまう。谷に降りて右手に詰めていくと、関電の鉄塔二股標識があり、ここから左手のピークに登らず植林地の中を進んでいく。ここも杉の落枝が散乱していて、山道を埋めている。まもなく正面に明確な尾根が現れ、木々の間から鉄塔が見え隠れするのが132鉄塔となる。ここまでくればもう尾根をたどるだけなので、もう安心となる。

 植林地を歩いている時に、左手の稜線あたりで「ブホッ」と、鳴き声がしたかと思うと、ガサガサと獣が逃げていく音がした。おそらく猪が昼寝をしていたんだろうが、上から物音がすると恐ろしい。こっちに向かってきたらと怖くなる。

タムシバの花芽が光る サルトリイバラ

 あぁもうひとつあった、次にあらわれる129鉄塔(鉄塔ナンバーの標識が割れていたな)のところは、まっすぐ正面に進んでしまうと祖父谷峠に行ってしまうので、桟敷ヶ岳方向に行くには、鉄塔東側の柱なりに90度南に曲がる必要がある。進むとナベクロ峠。正面に尾根があって引っ張られるが、桟敷ヶ岳へは東に向いた尾根をたどることになる。アセビが茂ってきてわかりにくくなっているが、ここは間違わないように。

 桟敷ピーク手前の鞍部で、木に寄りかかって座っている人影のようなものが見えて、(うわ~、困ったもん見つけてしもたんちゃうか~!)と心臓バクバクになったが、それは女性用のレインウエアの上着が、木に引っ掛けてあったものだった。ノースフェイスのピンクの上着、心当たりの方は、まだ健在でしたよ~。

 ラーメンピークから1時間ほどで桟敷ピークとなった。ピーク手前から賑やかな声が聞こえるなと思っていたら、数人の女性が佇んでいらっしゃり、「まだ何人か来られますか?」と聞いてくる「いえ、ひとりです」と答えると、「ちょっとお花摘みで・・」というのはすぐわかったが、何も登山道側に来てせんでもと思ってしまう。しかしこちら側にも登山道があると知らんのやろなぁと思ってしまう。周りを見ないようにしてピーク脇に到着。ピークには20人ほどの団体さんが到着の様子。ややこしいので、遠目にピーク写真だけ撮って通り過ぎる。先の鉄塔で休憩しよう。鉄塔でザックを降ろして飲水休憩する。ラーメンがからかったのか気温が高くなったせいか、今日は珍しく喉が渇く。

落し物

 さて、いつもは岩茸山手前から長谷林道を降っているのだが、時間も早いことだし、超久々に薬師峠まで行ってみることとしよう。鉄塔広場をたち、都眺めの岩へ、市内はモヤにかすんでいる。林道の方に新しいキャタピラの跡があるが、重機は無い。倒木が切断されたあとがあるので、鉄塔や反射板周りの点検整備があったのだろう。ここはいつものように、山道では無く、反射板脇の林道を降っていく。岩茸山の乗り越し道とトラバース道との分岐点の鞍部まで来て、稜線東側のトラバース道をとる。なんか懐かしいと言うか、新鮮な感じ。7、8年ぶりか?。

 昔からあった岩茸山の標識は割れてしまっていたし、大森東町の展望地も植林が大きくなってしまって、見晴らし出来なくなってしまってはいるが、このルートは、正に北山らしい道だなあと感じてしまう。ところで、団体さんの踏み跡が無いが、あの方達はどのルートで来たんだ???。

名残モミジを楽しむ いにしえの標識が・・・

 桟敷ピークから1時間で薬師峠、六体地蔵は健在だった。大森方向に降りていく。この林道も杉枝で埋まっており、夏場この杉枝が湿ったところに、山ビルがウジャウジャ出てきそうなところを想像すると、ここは寒い時にしか歩けないなと思ってしまう。

 その後30分ほどで大森キャンプ場の手前駐車場まで降りてくる。あとは長いアスファルト歩きとなるが、ポカポカ陽気を楽しみながらデポ地へと戻る。

西谷バイパスが通せんぼしてある 薬師峠

 城丹国境尾根、桟敷ヶ岳の登山道共、台風の影響はそれほどありませんでしたが、落ち葉、落枝が例年よりも多く、登山道が隠れているため、道迷いには十分注意していただきたいと思いました。


                           【 記: 小てつ 】