大谷峠から桟敷ヶ岳
(小てつ NO.108) 2017.02.19


 
樹氷のスキップ街道
(城丹国境尾根)


平成29年2月19日(日) 小雪のち曇りのち晴れ     小てつ単独

コース:
・大森分校跡デポ~大谷峠~城丹国境尾根~桟敷ヶ岳~岩茸反射板~長谷林道~デポ地





 今日は「京都マラソン」の日なので、おそらく猟もしていないだろうと安易に考え、先週はヤメにした桟敷ヶ岳に行こうと思いたちました。

 京都マラソンの通過地点になっている福王子交差点を8時前に抜ければこっちのもので、7時少し前に自宅を出る。コンビニに寄って規制前に福王子交差点を抜けて高雄に向かうのだが、高雄の手前の登りカーブでおっとっとと稲妻号はおしりを振る。京都向けの交通量はあるが朝一番に周山向きに向かう車は少ないようで、こっちの車線はまだ凍っているようだ。以後スピードを落として走るが、もう一か所おっとっとのカーブがあり、アクセルをパーシャルに戻しカウンターを切って姿勢を戻す。くわばらくわばら。でも路面が凍結していたのはここだけで、小野郷で右折して大森に入る。

 大森に入ると、やはり周山街道とは違い路面にシャーベット状の雪が残る。無理してキャンプ場まで進むことをせず、中町三叉路過ぎの分校跡に稲妻号をデポして準備をする。まさかこの雪の中、分校跡を使っての行事もないだろう。

 準備をして7時50分の出発となる。東町を進んでいくと、路面は凍結していて突っ込んでこなくて良かったと思う。正面に見える岩茸山もガスに隠れていて天気予報通り。晴れていたら先に桟敷ヶ岳に向かうのだが、眺望ものぞめないだろうと、稜線にあがることは後回しにして先に大谷林道を詰めることにする。

分校跡にデポ 岩茸山はガスに隠れる

 大森キャンプ場は、もうOPENの電光掲示が出ているが、駐車場には大量の除雪塊があり、とても駐車だけお願いするのは気がひける。たとえ600円でも売り上げやんかという考えもあると思うが・・。

 先週土曜日に見に来た時には、キャンプ場までしかされていなかった除雪は、林道の奥の方までされていた。霧滝の前にも車一台分は雪がどけてあったが、そこにデポしておくのも気がひける、やっぱり今日は分校跡でよかった。

 1頭の鹿が林道の先にいてこちらを見ている。カメラを向けても逃げず、恐れていないのか馬鹿なのか?近づいていくと逃げたが、警戒声も出さず。

 工事はされていないようだったが、バックホーの重機が一台林道脇に置かれていて、これで除雪をしたのだろう。結構奥まで除雪されていたが、129鉄塔の送電線(手前の送電線)をくぐる手前までで除雪は終わっており、そこから奥は膝までの残雪、シューをはくことにする。

林道先にシカ

 前日までの雪はしまっており、昨夜降った雪の分だけ沈み込む程度で歩きやすい。先週の猟はどこでしていたのか?ここらあたりでは痕跡がない。鹿猪の足跡もここらには無い。

 林道の分岐がいくつもあるが、沢の流れの本流をたどれば良い。デポ地から1時間40分で林道終点。今日は余裕があって、ザックをおろし「お魚ソーセージ」をパクつく。現在の踏み跡は2万5千分の1地形図の破線とは違い、対面反射板の方へは進まず、大谷峠に向かっての道が本筋になっている。ところどころ植林にテープがあるが、植林地の中の歩けるところについているだけで、本当の道ではない。雪の時ならここが道とよくわかる踏み跡をたどって峠に着く。

 峠から急登となるので、シューのリフターをあげて取り付く。今日はシューが滑らず頼もしい。全く先週は歯がゆかった。50mほど登れば広い尾根をどこでも歩けるスキップ街道となる。今日は樹氷の世界で、地面には風がつくったウネが残り、陽が照るか雨が降れば溶けてしまう、これも一期一会の自然の造形美。今ここへ来なければ見れないもの。

 自転車ピークまでは北側の木々が風をさえぎってくれる。自転車ピークの手前の広い谷を、真南に降っていけばシューだと快適に降りられそうだが、今日はやめとこう。帰りが早くなりすぎる。マラソンとガッチンコだ。

雪がウネをつくる 自転車ピークの雪庇

 自転車ピークの大伐採地では、やはり風が強く、バラクラバの口元をあげる。夏ならくぐる防獣ネットのロープをまたいで超えていくので積雪は1m以上ある。しかし、雪がしまっていて沈み込みは少なく助かる。ラーメンピークに登り返して、しばしガスの切れるのを待つが、回復の兆し無し。ここで10時30分、雪質がいいのでペースは早い。うまくいけば桟敷ピークでラーメンタイムができるだろう。

 ここらあたりから城丹国境尾根で一番複雑なところになるが、流石にこれだけ通っていると、視界が10mもあれば鼻歌で進んで行けるのだけど、いつも目印になっている炭焼き跡前の三本ヤグラが雪に埋没しているのを見ると、慣れてない人には、今年の雪はナメナイ方がいいと思ってしまう。

 雪の時でも132鉄塔まで踏み跡が残っていることがあり、よくわからない登山者だなぁと思っていたが、おそらくそれは登山者ではなく、関電の人?が鉄塔の点検に来ていたんだと思った。仕事とは言え御苦労なことである。今年はなかった。でも雪や雨の時には湿気でブーンと唸っている高圧電線は気味のいいもんじゃ無い。

 晴れていれば見晴らしのいい129鉄塔からも視界は無し。ナベクロ峠に向かう。ナベクロ峠では、前回木村先生御夫妻ときた時には落ち葉で踏み跡が見えず、あたりをウロウロしたのに、雪だと全然迷わない、不思議なものだ。

 桟敷ピークへの最後のツメのところに踏み跡がある。踏み跡はナベクロ峠に向かわず、祖父谷林道に直接降りたようだ。林道はここらあたり峠にむかってかなり標高をあげているので近道なんだろう。この方桟敷の達人やねェ。周山の街からお昼のサイレンが聞こえてきた。ピークでラーメンタイムとしよう。ピークに12時10分着。

 ピークの雪はケルンを完全に隠しているので1mはあるだろう。昨日今日は団体さんも来ていないようだ。ガスが晴れて展望が戻ることを期待してのラーメンタイムとする。今日は1人前でマルタイラーメン2人前分の値段のする棒ラーメン。

桟敷ピーク 本日のラーメン

 25分のラーメンタイム。風はないがガスも切れず、あきらめてピークを立つ。きっと降りた頃に快晴になるパターンやろうなと思いつつ。先行者の踏み跡は、先ほどのピーク北側に降りたものと、もうひとつ南に降りたと思われるものがあり、二人はいったいどこから登ってきたのか??と不思議になる。それにピーク直下にテントを張ったような痕跡があり、まさかテン泊・・と思う。

 鉄塔広場まで来る頃にやや陽がさしてくる。視界も回復してくるが、木上の雪が一気に溶け出す。そうなると、国境尾根の樹氷が存分に楽しめたので、曇り空も結果オーライと言える。先にそっち廻りは正解だった。

 先行者の踏み跡は岩茸反射板を越えたあと、トラバース道へと向かっていた。冬の桟敷の通常ルートだ。小てつは大森に降りるので、長谷林道へと降りていく。今日は林業の人も山には入っていないだろう。

やや天候が回復 陽がさせば樹氷は消え

 長谷林道の入口には「山主関係者以外進入禁止」と派手に書かれているが、地形図にあるように、古くは祖父谷峠に抜ける山道で、キャンプ場手前の分岐点にもその標識がある。実は最近、大森側から薬師峠向きの林道にも立ち入り禁止の立札がかかっている。道路標識も出ている道なのに立ち入り禁止と書かれるほど、よっぽど悪さをしたやつがいるんだろう。しかし入っているのを見つかったら、どんなに怒られるだろう?林道に車や重機も入るから、もし事故になったらの伏線だと思うのだが・・。まぁ入っても当たり前と思わずに、言い訳くらいは考えておいた方がいいと思う。人に出会ったら、まず謝ろう!。

 2時に大谷林道に着地。林道の雪は車が1台通る分、雪が溶けて地面が見えている。もうこの先雪が降らなければ、長谷林道分岐あたりまで普通車で入ってこれるだろう。キャンプ場には朝以上の駐車は無く、今日はお暇だったようだ。

 14時30分にデポ地に帰還。後片付けをして帰路につく。マラソンの規制はもう解かれていているが、周山街道は空いていてスイスイ走れる。市内の東側はまだ規制中だからだろう。

ヤドリギが目立つ ほら降りてきたら快晴

 オヤジ殿に大げさに書かれてしまいましたが、そんなに褒められたことでは無く、第1ピークでお会いした単独の若者のように、「山は逃げませんから」と進行の断念を決断する勇気が持てないだけ・・、けれど今日は先週のおかげかシューを履き脱ぎするときに、今日はお腹がつかえて苦しいこともなかったなぁと感じるぐらいの情けなさ。登りでは10歩進んでひと休み、降りはヒザをやってしまうのを恐れてソロソロと、まだまだ本調子にはほど遠い歩きでした。

 桟敷ヶ岳は、岩茸山より山頂付近、また山頂の北側では積雪量が段違いに増えます。雪のあるときには、スノーシューやワカンなどの携行をおすすめします。


                           【 記: 小てつ 】