武奈ヶ岳
(小てつ NO.113)


 
武奈ピーク


平成29年10月8日(日) 晴れ(雲多し)   嫁、小てつ

コース:
坊村(葛川センター駐車場まで車利用)~御殿山コース ピストン





 前回湖北武奈の帰り道、坊村にさしかかった時に、多くの下山者を見た嫁が「あの人達は、どの山に登ってきたのか?」と聞いてくるので、比良の方の武奈ヶ岳やと答えると、「人気の山なん?」と続けるので、比良で一番人気と答えると興味のあるような顔をしていた。じゃあ次の夫婦山行は武奈ヶ岳にしようと思っていたこの連休、普通に休めたので決行となりました。先週のokaokaさん達のレポから、花の期待もできそうなので、しんどいルートだけど何とかなるでしょう。

 前日の買い物の時からやる気を出していた嫁は、朝もピッタリ起きてきたので、予定通り7時に家を出る。途中のコンビニによりおにぎりを仕入れて大原に向かう。今日は朝市も盛況で、もう市場内の駐車場は満車。

 順調に坊村に到着し、葛川センターの駐車場に車を置かしてもらい準備をする。先客はそう多いこともなく、2、3グループほど、これからどんどん増えてくるんだろう。準備を整え8時丁度に出発するが、嫁は並ぶこともなくトイレをお借りできた。

 比良山荘はお庭をつくられている途中で、縁側が道路から見えている。朝食が終わった宿泊客なのか、半天姿でくつろいでいるのが見える。ここはお高いそうやと嫁に言う。

 三宝橋を渡り、立派な明王殿を横目に、いよいよしんどい登りをはじめる。先行者につられてか、あまりに調子よく登って行く嫁に、少しペースを落とすように言う。先はかなり長いのだ、最初飛ばしすぎるとあとがたいへんだ。

葛川センターにデポ 植林地のギザ道を頑張る

 予報通りに今日は暑くなりそうなのと、前日の雨による湿気のせいか、植林地の中はとても暑く感じる。何とか日本庭園(K先生がモミジノコバと呼んでおられるところ)まではと、もうちょっとや、もうちょっとやと嫁をだましだまし登って行く。出発から1時間で日本庭園の平地に到着する。「どこがもうちょっとやぁ~。」と、嫁。

 庭園には男性2人組が休憩中。挨拶をして少しお話する。ここが日本庭園と呼ばれているところだと話すと、それなら写真を撮っておこうとおっしゃるが、日本庭園らしくモミジが紅葉になるのは、もう少し先のことだろう。

 哲郎さんがここに綺麗なトリカブトがあるとの報告だったが、1週たって雨にもあたり、花も落ちやや色もあせていた。それでも谷の下の方まで咲いていて、今年はよく咲いている年だ。

 まわりが雑木になった急坂を、もう少し頑張って登って稜線に乗る。稜線に乗れば風もあたり気持ちがいい。天気予報は晴れで降水確率0%のはずだが、樹間から見える蓬莱山のあたりはガスに包まれている。今日は南比良縦走と栗原から権現~ホッケ~蓬莱と歩かれているはずのK先生達は大丈夫だろうか?。

やっと日本庭園に着いた 夏道の巻道を進む

 夏道をとり谷の巻道を進んでいく。見晴らし台までの登りがしんどいが、登りつめると見事に咲いているトリカブトの群落があった。ここのは色濃く旬のものだった。かたわらにセンブリも花開いており、西南稜に期待ができた。嫁に、いままでの登山での最高標高突破やでと言う。(あくまでここ最近の登山でのこと、嫁は3000m級富山生れ、小学校の遠足で立山雄山に登るところ・・)

 ところがここで、嫁が足に不調を訴える。かかとに靴擦れができたと言う。前回全く大丈夫だったのにどうしたことだろう。一回くつを脱ぎ、かかとの治療をして靴を履きなおす。聞けば今日はウールの靴下一枚履きだと言う。靴下2枚履きで10年間ずっと快適な小てつは、何で?と聞くとK日山荘のお姉さんが、1枚履きを推奨したからだと言う。いろいろ試してみればいいけど・・・、小てつの言うことは聞かんやろなぁ。

 御殿山に到着。西南稜から武奈が綺麗に見える。ただそれより北側や蓬莱、琵琶湖方面には雲が多く、風向きによれば武奈のピークもガスの中かと心配する。ここで休憩するかと思いきや、嫁は当然のようにそのまま先に進もうとする。目標が見えたので、やる気が出たのか???。

 急坂を降りわさび峠、お約束通り「わさび無いやん」と言う嫁。下の沢に昔わさびが自生してたんやろうと答える。琵琶湖側のイン谷口からここまで来て、今から行く西南稜で武奈に登るんが、比良の王道と言われているんやと説明する。(今の王道は御殿山コース~武奈~八雲~ダケ道かな?)

御殿山ピーク オオウラジロノキの実が落ちる

 視界の開けた西南稜は気分良く歩ける。リンドウの花はホッケ山の方が多いと思うが、去年よりも少し増えたかなと思えるほどは咲いていて(去年は曇っていたしかなぁ)大きなセンブリの株も見つける。

 第2ピークの手前で、ここらへんで吹雪に耐えていたんやなぁと感慨深げ・・軽装の大学生と思われるスニーカー履き3人組が追い抜いていく。(お前ら、今日は先に行かしてやるけど、吹雪の時に出直してこい!勝負したろやないか・・)と心の中でつぶやく。(何の勝負すんねん)

センブリ 吹雪いてなければいいところやなぁ

 11時に夫婦で第1回目、武奈ピークに到着。(これっきりの武奈ピークかも知れません・・・、100回は到底無理や)ピークにはすでに30人以上が到着されていて、それぞれ食事をしたり写真を撮ったり。我々も場所を決めてラーメンタイムとしよう。場所は当然北山から高島トレイルの稜線の見えるピークの北西側を陣取る。

 暑くて少々バテていたのか、嫁は豚汁とおにぎり2個、小てつはカップラーメンとおにぎり3個持ってきていたのだが、それぞれおにぎりは1個ですます。

 北側にガスがかかってきて、見えていた蛇谷まで隠す。当然残念なことに、前回行った湖北武奈や三重は見えず。それでも「おにゅう峠の林道」ははっきり見えるので、行ったことのある百里ヶ岳はわかるだろうと場所を説明する。

どんどん登ってくる人達 外国の方も到着

 大量の赤とんぼの中、30分ほどゆっくりしていると、どんどん人が増えてきた。3人連れのグループが、どこでお昼にしようと所在無いので、ここが空きますと場所をゆずる。いっぱい場所あるやんと嫁、慣れてはらへん人はそういうのがうまく出来ひんねんと説明する。ピークじゃ皆お友達も山の不思議なところやでとも言う。(降りたらアカの他人に戻るけど・・)

 西南稜からコヤマノ岳からと、まだまだ登ってくる人が見える。けっこう年配の方も登ってこられているので、驚く嫁。昔から比良に通っておられる方なら来れるねんてと言う。

蓬莱山はスペクタルな様子 リンドウ

 登りの時よりも開花の進んだリンドウを楽しみながら西南稜を戻る。御殿山付近で、バス便で来られた人達とすれ違うのだと思っていたが、そう多くの人とはすれ違わなかった。

 帰りは見晴らし台から冬道をとる。樹間から景色が見えるのと道が広いからこっちの方が好きだと嫁は言う。

 夏道冬道合流点でカップルが立ち休憩中、我々は休憩無しで先に進む。カップルは間をおかずに追従してきた。間が近いので嫌だなぁと思っていたら、案の定、気がつかないのか小石を落としてくる。この先ずっとギザ道で困ったなぁと思案していると、後ろで「ギャッ!。」と声がして嫁が登山道をズリ落ちてくる。とっさに押さえて止めるが、頭からコケたようで、一瞬大怪我を予感する。

やや色付く トリカブト

 木の根がむき出しになったところで足をとられたようだ。いつもの靴よりひとまわり大きな登山靴+足の疲れ+後続されている焦りが原因だったと思う。とりあえず立てたので、登山道脇に誘導し、怪我の程度を確認する。幸いなことに大事には至らず、切り傷や骨折は無かった。頭にコブができたのと擦り傷程度、でも頭からコケててこの程度は奇跡だと思った。ストックの輪っかに手首を入れてなかったことと、変に頼らなかったことが幸運だった。ただ、登りでははめていたはずの手袋を外していたのが、何で???(暑かったので外したそうだ。降りこそはめていなければいけないのに・・・)

 コブはできていても脳震盪するほどは打っていないようで、ペースは落としながらでも降っていけた。庭園の平地で休憩するか?と聞いても、「いつも休憩なんかせーへんやん」と、頑固節炸裂で言うことを聞かない嫁。ほんまにアカンかったらアカンと言うやろと植林地を降っていく。

 後どの位?と聞いてくる嫁、もう下の車道も見えているから20分と答えると、小てつの言う20分は、40分はかかるなと独断する嫁。登りの時の庭園までのが因縁になっているんか。嘘違う、あと標高で200mくらいやて・・。

 結局25分ほどかかって、2時過ぎに明王院に帰還する。三宝橋を渡ったところの流れの水にタオルを浸し、おでこを冷やす嫁。駐車場で帰り支度をし帰路につく。帰り道のコンビニで、パウチ入りのアイスを買って氷替わりにおでこを冷やしながら帰る。

 降りでコケてしまい嫁には散々な初武奈となってしまいましたが、他の登山道から訪れれば、また違った印象の山になるでしょう。翌日にはアチコチ痛いと言いながらでも家事をこなしてくれていますので、大事はありません。


                           【 記: 小てつ 】



        秋の空 山へ山へと 響く鈴

        秋の山 復路知新の 一日かな        嫁 作