鈴鹿山系 仙ヶ岳
(岩峰を登る度に山頂が近づく)


 
麓の茶畑より仙ヶ岳


2017年4月22日(土) 薄曇りのち晴れ  森の旅人M

コース:
石水渓谷林道空地~白谷-南尾根コース分岐~南尾根コース・滝谷不動明王~仙の石~仙ヶ岳(東峰)~仙ヶ岳(西峰)~白谷分岐~白谷・堰堤~2連梯子~白谷-南尾根コース分岐~林道空地





  鈴鹿山系の名高い山は登った中で,まだ山頂で展望のとれる登り残した山の一つとして仙ヶ岳があり今回登ることにしました。標高は961mと1000mには達しないものの連なる岩峰登りは,思いの外ハードな山行になりました。

 仙ヶ岳は鈴鹿山系の南端に近い位置にあり,麓を新名神高速道が走っている。高速道を下りて石水渓谷に向かう,山里に先ほど走行してきた新名神の高い橋脚が高くそびえる。その橋脚を過ぎてすぐの場所に登山口の案内板がある。狭い林道に入って行くと茶畑がありその向こうに鈴鹿山系の南端部の山が連なる。飛び抜けた山は見当たらない。更に進むと荒れた地道になり車が数台駐車できそうな空地がある。既に三重ナンバーが1台停まっていた。準備を終える頃,1台車が上がって来た。滋賀ナンバーで中年男女3人組だった。聞くと,この山は初めての山でこちらと同じだった。

案内板のある登山口に入って行く 新名神高速道の橋脚

 林道に掛かるロープを潜り緩やかな林道を歩いて行く。途中落石で数か所,林道を塞いでいる。体が暖かくなる頃に林道終点。ここから本格的な山道に変わる。くの字の木橋を渡ると白谷-南尾根分岐に着く。南尾根コースに入る,標識では途中の滝谷不動となっているが,別の標識には南尾根となっているので間違いない。右手に谷を見て進む。踏み跡はしっかりしている,コース標識も多数あり安心して山行できる。2連の朽ちた木橋を上って行くがこの橋は危なっかしい。数回渡渉して,やがて谷を離れ次第に谷中を登るようになる。谷の岩場を超えて上って行く,ツバキが多く赤い花をつけている。谷の急坂登りは続き,見上げてもまだ登る必要があるようだ。慎重に歩いても落石してしまい多人数だと危険な道だ。まだ終わらないかと愚痴も出そうな頃ようやく最上部が見えてきた。

林道終点 白谷-南尾根コース分岐
朽ちた2連木橋 大岩が転がる急谷を登る

 尾根鞍部に着くと標識が立っており,右側が滝谷不動なので行ってみる。大岩を彫り込んで不動明王が鎮座されていた。尾根鞍部に戻り南尾根コースに挑む。しかし,いきなりの垂直登行でロープを伝って南尾根に上がる。ここから5~6峰の岩峰を越して行かなくてはならない。

尾根鞍部の標識 滝谷不動明王
垂直登行後の尾根から南を一望 最初の岩峰から隣の尾根岩峰

 最初の岩峰に上がると展望が開けて西側の岩峰が見える。南は新名神と平野が一望。 続いての岩峰には岩と木の根を掴んで上がる,冷たい強風が吹いている。これから登る3つの岩峰が見える。左奥に仙ヶ岳(西峰)が目に入って来た。一旦鞍部になり三つ目の岩峰では仙ヶ岳東西の山頂が見える。四つ目の岩峰になると仙ヶ岳は目前に近くになる。またこれまで登って来た尾根が分かる。

二つ目の岩峰からこれから登る岩峰を見る,
右奥は東峰
三つ目の岩峰から仙ヶ岳山頂
三つ目の岩峰から四つ目の岩峰 四つ目の岩峰から登って来た南尾根を見返る

 六つ目の岩峰は大きな岩が中央で割れている。左右に道はなく結局この割れ目によじ登り左に通過後,左に谷を見て狭い道を進む。岩峰の通過で一番慎重に進む箇所でした。先の見えた山頂尾根に登って行くと「仙の石」と言われる上が大きく下が小さい岩が現れた。結構大きく途中から見えていました。

五つ目の岩峰から六つ目の岩峰と仙ヶ岳東峰 六つ目の岩峰
仙の石 仙ヶ岳東峰

 仙鶏尾根に入り南尾根,能登山と仙ヶ岳の分岐になっており,西に進むとすぐに仙ヶ岳東峰分岐,山頂もすぐでしたがここは雑木に囲われ展望が取れず,西峰を目指しました。尾根道の途中にある白谷分岐を確認して西峰を目指していると朝の滋賀の男女3人です,ひと声掛けてすれ違いました。あのグループは白谷コースを遡上したのだろう。

白谷分岐 仙ヶ岳西峰

 仙ヶ岳西峰に到着,狭い山頂ですが立派な標識が立っています。展望もありすぐ北に見えるのが鎌ヶ岳,御在所岳。少し右に流して奥に釈迦ヶ岳,その手前に入道ケ岳と登った山が見えます。北西には雨乞岳とその西に見えるのが綿向山と多くの山が見えます。7~8人のグループが山頂西側尾根で昼食中です。私は北側尾根で昼食を摂りました。昼食を済ませたグループが去った後は一人貸切になったが,それもつかの間で4人男女グループが登ってきました。

左から雨乞岳,御在所岳,鎌ヶ岳 釈迦ヶ岳と入道ヶ岳

 下山は白谷を下るため,白谷分岐まで戻ります。急坂の道を下るもののすぐに岩の転がる谷道になりました。枯れ沢だった谷も下るにつれて,緩やかになってくると水が沸きだし水量が増えていくことが分かります。谷は広く明るい。谷をただ下って行くが,大きなナメ滝では迂回道に入り谷を離れるがすぐに谷に戻る。

 谷合流点で休憩を取り,出発するが長い谷下りに飽きてきたころ広河原に出た。天気も青空となり晴れ間となってきた。広河原は堰堤の上であった。左側から堰堤前に下りる。20m近い大きな堰堤である。右岸へ渡渉,地図と異なる道がこの後も多く,また渡渉も数多くある。時々山道になったりするが結局は谷に戻ることの多いコースです。

谷の急斜を下る 大堰堤

 御所谷分岐で左岸に渡渉する,この後に渡渉場所を見逃し戻ったりして時間ロスも出るが慎重に下って行く。高巻き道になり歩いていると,朽ちた木橋が現れ最初の木橋はどうしても危険承知で渡らなければならなかったがその後2か所はガケ側を歩いた。

 やがて現れたのが2本のアルミ製の5m程の長梯子,梯子を伝って一本目で川に下り2本目で高巻き道に上がるようになっていた。最後の大石を左岸へ渡渉,営林署跡の広場に出ると廃材が積まれていた。ようやく白谷・南尾根コース分岐に戻ってきました。ここでまた丁度,滋賀の3人メンバーも下りてきて出会いました。私は分岐で休憩後歩き出しましたが,駐車地に戻る途中で3人を抜いて戻りました。

珍しい並んだ梯子 営林署跡の廃材


                           【 記: 森の旅人M 】