余野坂(カモチ谷道)

余野坂


平成28年3月16日(水) 曇                長岡山人


コース:
余野別荘地11:25−余野坂11:55−古道取付12:00−カモチ谷分岐鞍部12:15−カモチ谷林道出合13:00−稲荷神社13:30−周山道の駅14:00





 余野坂は、京北町の山国下と余野・大森を結び、周山と京との街道として使われてきた。(金久昌業『北山の峠(中)』) 高原風の趣を持つ余野谷の上部から報告を始めたい。 別荘地、果樹園、射撃場跡を横に見ながら、舗装された林道を上がっていく。

 射撃場跡のすぐ上が峠であるが、舗装された広い林道であるため、峠という感じがしない。林道は河原谷に降りていく。 古道の取付き地点は地理院地図の破線が分かれるところである。 舗装道から5mほど上によじ登ると、古道が発見でき、ほぼ水平のユリ道が伸びていく。

古道の取付き地点 歩きやすい古道

 なお、この取付点から反対の東方にも立派な道が残っている。 緩やかに登っていき、射撃場跡が望める地点まで続いている。 この先は未調査だが、金久氏が書かれているとおり、山腹の西側を巻いて、峠まで続いていたのではなかろうか。 峠の手前で道路造成により失われてしまったと思われるが、これが本来の余野坂であったように考えられる。

東側から見た地図にない古道 この上から射撃場跡が望める

 元の場所まで戻り、西に進んでいく。 ユリ道は、倒木に妨げられて歩きにくいところもあるが、概して良い道である。 こんな山中によくぞ残っていてくれたという感じがする。水の流れる谷をまたぐと、その先で道は尾根を乗り越すショートカット道と等高線沿いの道に分かれる。後者の道を歩む。

 間もなく鞍部にさしかかると、道は4本が合流している。 南方からは今来た道、東方からは先ほどのショートカット道、北方にはカモチ谷(稲荷谷)に降りていく道、西方には尾根に沿って高野集落に向かう道が分かれる。(高野道は別途報告)

水の流れる谷をまたいで進む 鞍部には4本の道が合流

 まず、カモチ谷(稲荷谷)に降りていく道を調べた。 最初は立派である。しかし掘れた道の中央部には木や石が山積して歩きにくい。 そこで道の肩の部分を使って降りていく。 次第に道は細くなり、水が流れる谷に出会う。 ここを渡って、谷の右岸の少し上を巻いていく。 生え込や倒木でわかりにくくなり、踏み跡を発見しながら進む感じになる。

最初は立派な道 倒木の下に道を発見

 高度約400m地点まで降りてくると、突然踏み跡がなくなる。そこは谷底に降りる地点であり、道が消えているため、高度差20mほどであるが、ジグザグに踏んで谷底に降りる。 すると川上に滝が見える。 この滝を巻くための道であったのだ。 登ってくる時は、滝で道がなくなったら、左(北)の山腹をとにかく20m登ると、再び道が発見できるであろう。 ここが最も難しい地点である。

道はないが谷底に降りていく けっこう落差がある滝

 その後、川の左岸、右岸、再び左岸と渡り返して降りていく。 その先で道は山腹を巻くようになり、古い小屋に出会う。 その横を通ったあと、谷底に降りていく。 そこには細くてきれいなナメ滝がある。 逆方向から来た場合、小屋が見えたらそこまで登ることである。

小屋の横を降りていく 細長いきれいなナメ滝

 その先は傾斜も緩やかになり、歩きやすくなる。谷底を下り続ける。 堰堤の左を越えたら林道が見えてくる。 カモチ谷(稲荷谷)林道であり、景色を眺めながら進んでいく。 稲荷社の横を通り、周山へと導かれる道筋はokaokaご夫妻の紀行にお任せしたい。

カモチ谷林道への出口 林道からの入口

 この道は、登山地図では実線で書かれているが、実際にはわかりにくい。 崩壊もかなりしている。 しかし、古道としての値打ちは持っているため、ポイントには案内標識がほしいところである。

地図・カモチ谷への余野坂


                         【長岡山人 記】