沢山〜吉兆山〜桃山〜原谷 (小てつ NO.94)


 
冬色の沢池


平成28年2月7日(日) 小雪時々晴れ   嫁、小てつ

コース:
高雄〜福ヶ谷林道〜林道峠〜沢池〜沢山〜吉兆山〜桃山〜原谷〜徒歩帰宅







 最近いよいよ調子にのってきた嫁が、またどこかに連れていけと言い出す。最初は11日の祝日に行こうとしていたのだが、小てつに仕事の予定が入ってしまい、この日曜日に行くことになりました。ハイカットの靴を嫌がる嫁は、トレランシューズなので、雪のあるところには行けず(先日雪の武奈にトレランシューズで来ていた人のいましたが・・)それならいっそのこと、思いっきりの近場にしようと、沢山に行くことにしました。

 というのも、前回一緒に行った竜ヶ岳の稜線が、家から見えるほぼの稜線だと言うと、毎日見ていて感慨があるという事なので、それなら沢山の連山を歩けば、もっと実感できることだろうと思ったからです。

 沢山にはいくつも取り付きのルートがあるが、その中でも一番と言っていいほど足場の良いルートである高雄の福ヶ谷林道を使うことにする。従って、市バス8番を利用するのだが、この路線、休日には1時間に1本しかない。せめて8時台のでと思っていたのに、朝一番まさかの洗濯機を回し出すので、観念して9時台のバスになる。9時17分のバスを双ヶ丘BSで待つ。バスに乗客は無く、途中で2名の乗降があったが、ほぼ貸切の状態で高雄BSに9時40分の着となる。(双ヶ丘BS〜高雄BS ¥410)。

 バス停向かいの観光トイレを借り、歩き出すのだが、ここから車道幅が細くなっている周山街道を降っていくのは怖いので、いったん観光旅館脇の石階段を降ってまわりこんで行く。古びた料亭街に興味深々の嫁、今は閑散としているが、秋の紅葉シーズンなら大勢の人が押し寄せるところだ。再び周山街道に出会うまでに、数グループに分かれた団体が地図を見ながら通り過ぎていく、読図山行会だろうか?

高雄に到着 高雄は3℃

 周山街道に出会ったところの温度表示は3℃となっていて、今朝は冷え込んでいる。車道を渡って沢山ハイキングコースとなっている福ヶ谷林道に入っていく。前回は真夏に愛宕山から自力帰宅の折りに歩いたが、冬でもしんどいアスファルト坂だ。しかし手入れされた北山杉に、昨夜降った雪がのった景色はなかなかのもので、脇を流れる沢の音を心地よいと話しながら進んでいく。

 衣服調節しながら1時間弱で林道峠に到着、ここでスパッツをつける。峠からの取り付きが、植林の関係で若干変わっていたが、迷うようなことはない。すぐに以前同様の掘れた登山道になって急坂を登って行く。うっすら残った雪に単独の登山者の踏み跡が残り、2台の自転車の跡が残る。

福ヶ谷林道に進む 林道峠

 15分ほどで四辻に出会うと縦走路となり、平坦な道を沢池分岐までのんびり歩く。沢池分岐を降りて行き、四辻からまた15分ほどで沢池に降り立つ。池では8人グループが早くも昼食の準備中。冬色になった池の写真を撮り、我々は縦走路に戻っていく。

近江坂ばりの掘れた道 四辻

 縦走路から沢山ニセピークまでの登りで、以前あったクラッシックの作曲家の名前が書かれた木を探すが見つかれず、何とかうっすら残った「ラロ」だけ探し当てる。誰かが消したというのでは無く、自然にマジックがはげたようだ。

アセビが開花 ラロの木

 ニセピークの標識が無くなっており、迷うと言えばここくらいか?沢山には左手に進み、いったん鞍部に降って登り返すことになる。沢山ピークに11時半到着。木が風をさえぎってくれるので、ここでラーメンタイムとする。今日も新製品。ラーメンを食していると、にわかにアラレが降ってきて、風も吹きはじめる。湖畔で食事のグループはさぞ寒かろう。

 上ノ水峠方向から二人の男性登山者が現れ、沢池はこちら?と聞かれるので、そうですと案内する。一人は全くの革靴で、驚く。30分ほどゆっくりしてピークを立つ。

沢山ピーク 本日の新ラーメン

 縦走路に戻り左手に進む。立命館大学のグランドからだろう運動部の声が聞こえ、いつもの山とは違うなぁと感じる。今歩いている平坦なところは、家から見ると良くわかるので、覚えておくといいと言う。

 市内の景色が開けたあとはまた登りとなり、それもがれた岩場。そこを過ぎれば吉兆山ピークに登るのと、ピークをさけたトラバース路に分かれる。「どうせやしピーク行っとく?」と聞くと、どっちでも良さそうな雰囲気だったが、どうせなので行っておくことにして、60mほどの急坂を登る。登ったところで展望もない本当に何もないピークなので、「ピーク行っとく?」に釣られてしもたとむくれる嫁。吉兆山ピークを東に降り、再び縦走路と合流する。

 前回(平成12年12月)に訪れたときには、この吉兆山と桃山のあいだが一番荒れていたが、ずいぶんときれいになっていて、このあたりを整備してくださる方もいらっしゃるのか?と思った。

 桃山ベンチに到着し、ここでもまた「ピーク行っとく?」のノリで、桃山ピークを踏みに行く。桃山ピークでも、だまされたような顔をする嫁。京都北山のピークなんて、そんなに感動するようなピークはそうないでと内心思う。

何もない吉兆山ピーク 同じく何もない桃山ピーク

 桃山ピークから、哲郎さん達のように南の尾根をまっすぐ降りても、原谷へのルートと出会うことになるが、ここはまだ時間も早いことから、登ってきたルートを降って、ベンチで休憩することにする。

 ここでの休憩のために、また今日は運転しないでいいので、冬場のお楽しみ「ラム酒入りの紅茶」を仕込んできていたのだ。ところが、休憩用にこれまた仕入れておいた「どら焼き」を、お昼ごはんの時に嫁が見つけ、先に食べてしまったので、ここではお昼に残しておいたオニギリを食べることになる。

 いいタイミングで来たもので、陽があたるベンチはポカポカと暖かく、15分以上もゆっくりすることになる。十分展望も楽しんだので、原谷に降ることにする。ベンチから立ち、すぐの縦走路を降って行く。

桃山石ベンチよりパノラマ

 吉兆山〜桃山間はきれいになったが、桃山から原谷のあいだは、以前よりも松の倒木がひどくなっているようで、折り重なる倒木をジャングルジムでくぐったりまたいだりとなる。

 そんな中、二人の初老男性が登ってくるのに会い、声をかけられる。「高雄からか?」と聞かれるので、はいと答えると「ちょうどええ距離や」と言われる。ここらあたり倒木がひどいですねと言うと、「これでも片付けた方なんや」と言われ、やはり整備してくださっている人がいるんだ。毎日登ってくると言われる二人、嫁は落語に出てくる熊さん、はっつぁんのようで出来上がった名コンビだと言う。

ミツバツツジがほころぶ 下山路には倒木が多く

 パイプ階段が整備された原谷弁財天に降り立ち、咲き始めた白梅を楽しむ。車道に降り立ち、スパッツをとる。原谷の本道に降りるには、いったん左手に進む。次の分岐はどちらに進んでも合流し、バス道に出る。バス道を右手に進むと、大きな時計が壁にかかった家があるところが昔の釣り堀。バス停をすぎ橋を渡ったところが、御室八十八ヶ所の43番お堂に至る尾根道と、三宝院に抜けられる谷道との分岐点。

 宇多天皇の菩提所とか衣笠山の縦走路の取り付きがある峠にきた頃に、またアラレが降り始める。今日はめまぐるしく天気の変わる日だ。ヘアピンカーブのところで、石階段ではなく、左手の尾根道に入っていく。ただ、この尾根道は、いい加減なところで脇のアスファルト道に出ないと、フェンスで囲われた、聾学校のサブグランドから出られなくなるので注意。

 仁和寺横を抜け、きぬかけの道脇にある観光トイレを借りて、今度は妙心寺を抜けていく。妙心寺の池に、つがいのカモがいて水浴びをしている。季節は春めいてきてますね。

弁財天の白梅 妙心寺の池にカモ

 高雄から歩いて自宅まで帰ってきたということに驚いている嫁ですが、距離にして10kmほど、時間にして5時間ほどの旅、そんなに大げさなことじゃないんですけど、明日から洗濯干しのたびに、感慨にふけられることでしょう。今日もよく歩けました。


                           【 記: 小てつ 】