奥八丁山・掛橋谷山
(残った北山の秘境を行く?)


 
奥八丁山頂のブナ


2016年7月16日(土) 曇りのち晴れ 森の旅人M

コース:
佐々里ナチュラルランド〜佐々里スキー場跡〜盤取り杉〜奥八丁山〜P731〜西尾根端〜掛橋谷最上部(北)〜掛橋谷最上部(南)〜掛橋谷山〜掛橋谷最上部(南)〜掛橋谷〜滑り岩〜掛橋谷橋〜八丁橋〜林道〜佐々里ナチュラルランド





 これまでまだ行っていない山に出かけようと,今回は奥八丁山と掛橋谷山に行ってきました。交通の便が悪いため,出かける人も情報も少ない山です。

 佐々里峠を下り佐々里の集落から鴨瀬谷山方面の林道を八丁橋まで行く途中の,佐々里ナチュラルランドキャンプ場脇の空き地に駐車しました。天気は曇り空。

 キャンプ場から佐々里スキー場跡へは八丁川を渡河します,梅雨時期末期の今は水量が多く勢いよく流れています。スパッツを着けていますが2度の渡河でシューズの中まで少し濡れてしまった。広い河原の隅にある坂道を上がるとスキー場跡に出ます。

 このスキー場跡の上部は既に樹木が成長し,下部のみ地肌が見える状態になっておりスキー場の形跡はリフトケーブルのみである。ヒル除けスプレーをかけて出発,登り始めると見た目以上に急斜面になっており,汗が噴き出て来る。思いの外,時間が掛かる。木を掴みながら上りきると荒れたリフト終点に着いた。

佐々里ナチュラルランド 佐々里スキー場跡
朽ちたリフト終点 尾根取付き

 奥八丁山へはリフト終点から尾根に取付く,裏手はすぐ崖となっており左手の木を掻き分けて入り,すぐに急斜面を木の根っ子をつかんでよじ登るが,ここは厳しい尾根の取付きだ。踏ん張って上ると,斜度は緩くなり一息つく。しばらく青色リボンが先導してくれる。やがて斜面が緩くなるとスギ林の尾根に盤取り杉が現れる。

 盤取り杉を過ぎても斜面は続くが,急斜面はなくなり隠れピークを越えると尾根は西に方向を取る。尾根上はスギ林が広がり見通しは良い。尾根には薄い踏み跡らしき道はあるが,青色リボン以外にも赤色と黄色テープも加わりが心強い。スギの尾根を外さないように先を進む。

 地図にあるピーク以外に隠れピークもあり,何度もアップダウンしながら西に進む。スギ林に雑木が混じる。

 大きなブナの木が見えてくると奥八丁山に到着。一番高い箇所の細木に小さい標識が掛かっていた。雑木が密集して展望は全くないし,山頂らしくないので通り過ぎてしまいそうだ。

盤取り杉 奥八丁山の標識

 この山頂から南西に方向を変えて下って行く,細尾根になる頃,少し晴れ間が見えてきた。広い隠れピークから西へ下る,テープがあるが分かりにくい。鞍部になり前方にはっきりしたピークが見える。ピークからアセビで足元が分かりにくい。

 下った場所は2番谷の最上部。北の谷からネットフェンスが伸びている。この山中でここだけが北側に視界が開ける。ところが杉の若木と雑木が密集して全く先に進めない。心が折れそうである。ここはネットフェンスの北に入り何とかフェンス沿いに進み,途中から再び南側に戻って通過することができた。

2番谷最上部 北側の展望

 次の目的地P731へ向かうため南西に下って行く。鞍部に倒木と大石が転がっていた。ピークを3つ超えて行くと掛橋谷4番谷と書かれたビニール袋が目に入った。そして細木にはP731の標識が掛けてある。天気は変わり曇り空である。P731も展望は無い。広い山頂になっているので昼食を摂る。

P731 快適な尾根歩き

 ここから北西に下って行くと,太い木に赤テープがあり安心して進める。ヒグラシの大合唱が迫る。鞍部から上がると尾根に一本スギがあり,続いてこの辺りでは大きなアシュウスギを見て脇を抜ける。北北西に下って行く。尾根には雑木の密集が現れ,進めなくなる。避けて南側に歩を進め迂回する。南水無峠に向かうように西尾根末端に出る,ここからは山道がありひと安心できる。掛橋谷最上部に向かう。

アシュウスギ 西尾根端
山道が現れる 掛橋谷最上部(北)

 掛橋谷は最上部で谷が分岐しており,もう一つの南側の最上部へ進む,ここには掛橋谷5番谷の標識が立っている。ここから目の前の急坂を上って行く。道は無いがテープが目印になる。尾根に乗ると南に向かう。一度鞍部を通り急坂を上がると細尾根へ,掛橋谷山は南側にある。ここには三角点もあり標識も3枚掛かっていた。雑木に囲まれ展望はなく写真を撮ってすぐに掛橋谷最上部(南)へ戻った。

掛橋谷最上部(南) 掛橋谷山

 掛橋谷上部は,手の入ったスギ林になっており気持ちよい。天気も晴れ間が広がり明るく谷を照らします。下って行くと掛橋谷5番谷の標識が立っている。最上部(南)にもあり紛らわしい。掛橋谷は全部で1番谷から5番谷まであり全て北(左岸)から流れ込んでいる。各谷には標識が立っている。5番谷を過ぎるとロープ下りがあり5m級のナメ滝を迂回,ここから下流は今までと一転自然の姿を残す。

掛橋谷上流 5mのナメ滝

 左岸の高巻き道を下る。シダ道があり道を覆っている。斜面の倒木脇を下り渡渉もあり4番谷へ。3番谷から2番谷の間にあるのが,この谷一番の難関,滑り岩の通過だ。高巻き道で岩場を通る,傾いた岩を滑ってしまえば,下は谷川まで15m落下してしまう。ここにはロープが張ってあり慎重に足元注意して無事通過。ほっとする。

深山の掛橋谷 3番谷の標識
滑り岩 掛橋谷橋を渡って林道へ

 2番谷まで下れば安心だ。写真を撮って足元を見ると,ヒルが3匹スパッツの上をはい上がっている。ストックで落とそうとしても簡単に取れない。小川に入り何とか取り除く。1番谷から林道まではすぐだ,掛橋谷橋を渡り林道に出てようやく今日の山行を終えることができた。スパッツをすぐ取りチェックするとヒルが3匹出てきた。

 この後,キャンプ場まで1時間かけて林道を歩いて戻りました。当然,誰にも会わない山歩きでしたが無事周回することができました。まずは感謝、感謝です。


                           【 記: 森の旅人M 】