愛宕山(岩ヶ谷)〜地蔵山 (NO.51)


ジープ道とは思えない積雪


平成26年2月9日(日) 小雪  小てつ単独

コース:
水尾共同駐車場(¥500)稲妻号デポ〜岩ヶ谷〜愛宕山三角点〜地蔵山〜神社裏道〜デポ場





 先々週末に38.5度の発熱があり、先週は山行を自重(インフルエンザかと家族は騒いだが、一日で鎮静化。きっと知恵熱だったと思う!)。その前の週も仕事で山に行っていないので、2週空いてしまった。11日には、okaoka隊の雪遊びを予定しているので、少し動いておかないとJOEさんにおいていかれるので、少し歩いておこうと。

 前日には「桟敷ヶ岳」も候補にしていたのですが、朝起きてみると「沢山」まで真っ白な状態であり、これでは朝いち周山街道を大森までしんどいんと違うかと思い、水尾までなら何とか行けるだろうと、行き先を愛宕山として、夏でも冬でも楽しめる「岩ヶ谷」の遡行をすることにしました。

 スタッドレスタイヤを履いていて、おまけにチェーンも装備しているから、よっぽどのことはないのだけれど、六丁峠が普通に越えられたので、多分楽勝と水尾まで駆け上がる。丁度バスの出発の準備をしていた運転手さんに、また料金をドアの郵便受けに入れるのを現認してもらって、準備をはじめる。7時45分に出発できた。

 水尾の農協のところで、単独男性が自動販売機の缶飲料を飲んで休憩していて、「おはようございます」と挨拶をして通り過ぎていくのだが、きっとザックにくくったシューを見て、(どこ行くねん???)と思っているだろうなぁ。

水尾の共同駐車場にデポ 湧水は細く

 水場を越えたカーブミラーのところが「岩ヶ谷」と「猪ヶ谷」の取り付きで、今日は「岩ヶ谷」なので右側の谷へと入っていく。取り付き付近はそんなに雪は無い。

 近年の豪雨の影響もあり、取り付きすぐは荒れた谷になってしまった。それに間伐採された丸太が切り倒されたそのまま散乱しているので、お世辞にも美しいとは言えない。でも標高500mを過ぎ、大岩の現れるころになると、雑木の場所もあったりで、いいところになる。また、それくらいで石組みの作業道が現れてそれをたどる。

 標高600mあたりに、土砂崩れで道がなくなったところがあり、ザレた斜面をキックステップして足場を作りこなしていく。難所はここくらい。こう言うザレ場があると、柔らかい靴底だとどうしようもない。

岩ヶ谷の取り付き 取り付き付近の雪

 標高700mで積雪30cmを越えてきたから、シューを履くことにする。今日の雪は湿った雪で、シューを履くと沈み込みも少なく、歯も効いて快適に登っていける。新雪と言えど、もうワカンでも大丈夫な時期となってきた。標高が上がるにつれ雪は深くなり、立派なお墓のところにたどり着くころには膝丈ほどになった。

 『ミニインプレッションと言う訳でもないが、小てつとJOEさんは今のMSRシリーズで言うとEVOアッセントになるオールプラのシューの旧型で、okaokaさん達はライトニングアッセントと言う外歯のタイプのシューを仕入れられました。これからシューを・・と言う方々には、絶対外歯のをお薦めします。持ち運びにほんの少し重いのかも知れませんが、値段の違いだけのことはあります。昔は追加フローターがつかなかったこともあり、小てつはオールプラのにしたのですが、最近のは、外歯のでも追加フローターがつきます。似たようなので、外側のフレームがパイプのものもありますが、モンベルのスノーポンと同様、登坂では役にたたないと思います。雪原歩き向きですね。』

 10時少し前にジープ道に合流するも、まだ数人のツボ足跡しかなく、そのままシュー履きで三角点に向かう。三角点の急坂を先行の単独男性が降りてきた。「一番乗りですね。」と声をかけると、「イヤぁ」と笑って、「それ履くと楽ですか?」と聞かれるので、「これを履いてないと、どうしようもないルートで登ってきたんで」と笑う。(登れんことはないけれど、相当苦労するだろうし、こんな時間に登ってこれんなぁ・・)

立派なお墓も雪に埋まる 愛宕三角点ピーク

 今年一番の雪が残った三角点の写真を撮って、ベンチに降りてお魚ソーセージとジェル飲料を補給。岩ヶ谷の遡行でもう満足しているが、まだ早いので雪ならではの地蔵山に行ってみることにする。

 先日、地蔵の尾根道でお会いした「おばさん山歩き隊のTさん」のブログに、「愛宕の向こうに白い山が見えて・・・」とあって、伏見桃山あたりからなら地蔵の頭が見えるんやと思っていたら、先日そちら方面に仕事があって、エコランドの前あたりから本当に地蔵の頭が見えていて、驚いた。

 ジープ道には雪が溜まりこんで、様子が変わっている。それに愛宕の北側に回り込むと、幾分風が強く、小雪も舞ってきた。桟敷に行ってたら、また城丹国境尾根のラーメンピークで、えらい吹雪に見舞われていたことだろう。いくら小てつでも、三連チャン吹雪は避けたいところ。

 ここで単独男性と遭遇。男性は越畑から登ってこられたと言う。三日を開けず通われているそうで、何と昭和5年生まれと言われるから御歳83歳。「もうしんどいわ」と言われるが、素晴らしく元気だと思う。小てつ、あと30年登れるやろか???

 地蔵へ向かう旧スキー場跡分岐から、再びジープ道への分岐がある大杉の手前に、少し脇に入ると小広い場所があって地蔵と竜と愛宕の鶏冠が見渡せるポイントがあって寄り道していくんだけど、後続の人には、「なんやこいつ、迷っとる」と思われへんやろか?雪道はいらん心配せなあかん。シュー履きだと、どこでも突っ込んで行きたくなるんです。

結構寒そう なかなかに寒そう

 本来のルートに戻り、地蔵をめざす。昨日の踏み跡がところどころ残るものの、ほぼ新雪のファーストを残させていただく。いつもの長靴の常連さんの足跡も今日は無い。さすがに地蔵は雪が多く、あるところでは60cmを超えている。樹氷も今日のは、木の枝にぐるっとまとわりついていて、とっても寒そう。反射板を過ぎると、また一段と雪深くなる。

 雪が深くなると、木のたけが低くなると言うことで、また雪で垂れ下がって一段と低くなったアセビの下をくぐるのだが、何度もザックと背中の間に雪がはさまり、冷たいことになる。やっぱり雪の低山は、ザックも一緒にかぶれるポンチョが最適やなぁ

 地蔵ピークに着き、ラーメンタイムとする。今日は早く出来る'チキンラーメン'。今日もラーメンタイムの間、地蔵ピーク貸切。

 地蔵ピークから折り返し、反射板までの間で、単独男性2名とすれ違う。その先で、どこから現れたかワカンの踏み跡が残っていたが、脇から合流してきたのでもなく、すれ違いもしなかったので、愛宕から来て途中で引き返したのか?

 ジープ道まで戻ってくると、親子連れと出会う。Fさん親子だった。今日は小学校5年生の次男くんが付き合ってくれたそうで、'地蔵でソリ遊び'に釣られたそうだ。とは言ってもFさん、大きな本格ソリを担いであがってきたもんだ。それに小てつが降りに使おうと思っていた、神社裏道で登ってきたとおっしゃるので、そりゃそうとう難儀したことだろう。山でソリならヒップソリで十分ですよ。

地蔵ピーク 地蔵に向かうFさん親子

 地蔵に向かわれるFさん親子を見送ると、すぐトレランの青年と出会う。「雪でも走るんや」と話す。青年は竜ヶ岳に行こうとしたが、トレースが無いのでこちらに来たと言う。三山廻りたいがと言うので、アイゼンなどの装備を聞くが、チェーンスパイクだけと言うので、滝谷ちゅうルートがあるが、それでは無理で尾根めぐりしかないと言う。でも、トレースがなければ自信がないなら、今の時間からは無理しないほうが・・と言い、地蔵にはトレースがあるので、とにかく行って、帰りはジープ道を越畑まで走って、車道を保津峡まで行けばと進めるが、どうしたことやら。

 神社前の表参道を、神社裏道の取り付き「40丁分の40」の看板のところまで急ぐ。なんせシューを担いで表参道を歩くなんて、オーバー装備の嬉しがり以外にしか見えないだろう。なるべくオーラを消して、ひたすら歩を進め、取り付きから脇にそれてホッとする。

 神社裏道はFさん親子の奮闘の踏み跡が残り、そのトレースをたどって快調に降っていく。快調な時ほど魔が潜むもので、何かに足をとられ転倒してしまう。雪の時には下手にかばわず、体の表面積をいっぱい使ってこけた方が良いと実感しているので、体を投げ出し雪にまかせて、体も服も無傷で済んだんだが、いかんせんストックを下敷きにしてしまい曲げてしまった。

 ストックが曲がってしまい傷心のまま水尾道と合流すると、水尾道からの登山者も多かったのだろう、参道は赤土と雪がグチャグチャに混ざっている。

 そんな中、豪快なスピードで駆け下りていく一人の若い女性がいて、「元気やな〜」と声をかける。お花摘みにでも急いでいるのかと思いきや、先の水道施設のところに座っているので、しばし談笑。「それだけ元気なら、こんなところに来てるのはもったいない。武奈か堂満行かな」と茶化すが、何でも会社の同僚と清滝から登って、水尾でユズ風呂と鳥スキが定番コースなんだそうで、「私は今からが本番です」とのことだった。良い職場だこと。

 

表参道は踏み固められ 水尾の参道はぐちゃぐちゃ

 デポ場まで戻り後片付けをして、少し気になったので神明峠方向にあがってみる。樒原のジープ道取り付きまで行ってみるが、トレラン青年の姿は無かったので、折り返して保津峡に降りていく。途中で4人連れの登山者が車道を歩いていて、旧道を知らんのかな?と、思っていると、先にトレラン青年が走っているではないか。どうやら樒原には向かわなかったようだ。声をかけるが、登山者ならともかく、トレランの人に「乗りますか?」も失礼なので、「もうちょっとですよ」と言って別れる。

 自宅に帰り着き、すぐさま曲がったストックを直しにかかる。こう言うのを直す道具に事欠かない小てつ宅であるから、いろいろ駆使してどうにか矯正して曲がりは直った。良かった、また臨時出費になるとこやった〜。

 ここにきて、雪山本番となった愛宕山と地蔵山、十分11日のトレーニングになりました。11日の旅については、okaokaさんの山紀行を乞うご期待!

愛宕山から雪の大文字山を望む