キャリアウーマンのバリバリ奮戦記
・テレビ番組制作会社
・日本語教師
・雑誌編集プロダクション

(2001年アップ)

 

1、「番組制作会社のアシスタント・ディレクター」
 出版志望だった私。
 その年、出版社の募集が例年以上に少なくて、 先輩たちから、「出版は来年以降また、受けてみたら」と言われた。 それで、「まだ受けられる」という消極的な理由のなかで 「言葉にこだわって」番組をつくってる番組制作会社を受けた。9月でした。

 今やってる番組だと…「どっちの料理ショー」「夜もヒッパレ」「タモリ倶楽部」 「ガチンコ」「アド街ック天国」などなどを作ってる会社です。

 制作会社の良い点は、よっぽどの場合以外は、制作をやれること。 同じ番組にテレビ局からのひともいたけど、花形部署の立場を守るのに、そりゃもう、必死。 でも、その必死な分、上達も出世も早い。 自分に自信のある人は…制作会社に入るよりはテレビ局に入るほうがいい。 お給料も倍くらい違うし

 同期は16人、全員大卒。でも今、残っているのは2人ですって。 中途入社のひとは結構高卒のひととかもいて、どっちが有利か…というのはなくて、 偉いのは「数字(=視聴率)かせぐ人」「キャリア長いひと」でした。 ただ、早稲田出てる私は、先輩多くて、得したこと多かったかも。

 お金のある番組とない番組、両方体験させてもらいましたが、 どちらも時間をかける点にはかわりなし。 例えば…クイズ番組。まず、クイズ用の会議があり、クイズ用のロケがあり、収録が あることは想像つくでしょう。

 でもそれが番組になるには… 例えば出演者の誰かが「ドラえもん!」と言ったとする。 するとまず、ドラえもんの映像を借りるために許可をもらう交渉を始める。 何秒使用するのか、どんな使用するのか、お金はいくらなのか…

 この借りる時の相場がまた高い。以前、確か「ハクション大魔王」の「あくびちゃん」の映像だったと思いますが、これを2秒使うのに(しかも静止画)、8万円(はっきり覚えていません)と言われて、30分くらい交渉して 5万円(?)ほどにしてもらった記憶があります。

  交渉が成立して、そこで初めて借りることが出来る。借りる立場なので、取りにいく。 その後、放送に耐え得る画像の処理をし、番組(クイズ番組)との編集。 これで数秒分ですね。

 これの積み重ねで43分ぐらいの番組に仕上げるわけで…。 想像を絶する作業が発生することが、分かっていただけたでしょうか?

  だいたい、1週間ぐらい家に帰れないことが普通です情報系の番組だと、2ヶ月ぐらい会社で寝泊り。よく、会社のフロアに人がころがっています。 廊下ででも寝られるくらい寝不足になります。私も以前は枕がかわっても寝られないタイプだったんですが、 今はサイズの違う椅子を3つ並べて、その上でも寝られるようになりました(苦笑)。

 しかし、おっかけするほど好きだった明石家さんまさんと仕事が出来るという日に、 あまりの寝不足と体力不足から、「もう、帰って寝よう」という気持ちを抑えることが出来なくなり、このことをきっかけに本当に自分のやりたいことはなんだろうと考えるようになりました。そして最終的に、この仕事を辞めようと思いました。

 でも、自分がやっている番組がブームになったり、 次の日に話題になっていると嬉しいものです。 それから、まだまだ無名だったアムロちゃんやTOKIOの人気が出てくると、自分の事のように嬉しかったものです。

  私ももうちょっと体力があって、出版に未練がなければ、 やっていれば良かったかなぁと思うことがあります。


2、「日本語教師」
 番組制作会社のアシスタント・ディレクターを辞めて、すぐ海外旅行をしました。オーストラリアへ。 そこで、日本語教師をしている人に出会いました。ところが、その教え方が非常に安易なのです。 それで、ちょっと悔しくなり…。

 実は私、大学進学の際は日本語教師になりたかったのです。 ただ、その専門分野のある学校(当時国公立では阪大と筑波)は落っこちて、 早稲田では副専攻(つまり卒業単位とは別)で日本語教員用の課程を受講していました。

  在学中に検定も受かってたのですが、実情としては日本では「ひとりで食べていける」職業ではありません。 もっとも、海外の大学で大学講師になれば、生業として成立しますので、(現に友人がいます) 志望している人は、あきらめないで下さい。

 で、失業給付を受けている間、ボランティアのつもりで日本語教師をやりました。 といっても、お給料はいただきましたけど(失業保険の給付の仕組みは割愛)。

 日本語教授の世界は、生徒を大きく「英語話者」「非英語話者」に分けます。 教授法が違ってくるので。で、私は「英語話者」の学校でした。 それでも、ほとんど英語は話しません。だから、「語学が生かせる」と思って 志すのは…残念ですがあまりお勧めできません。

  日本語の共通語(いわゆる標準語)は、意外とシステマチックです。 決して難しい言語ではありません。 私の生徒さんはフランス人の外交官とか、アメリカ人の教授とか、 年上の方が多かったですね。辞めたあと、「戻ってほしい」と何度か生徒さんたちから要望があったそうで、嬉しいことでした。


3、「編集プロダクション勤務」
 現在の職業です。 在籍して、主に雑誌編集に関わる仕事をしています。 新聞の取材コラムなど、自分で文章を書くこともありますが、 基本的には「企画」「構想」「依託または処理」「雑用」という流れのようです。 (3年ぐらいやってようやくわかりかけてきた)

企画」…どんな本にするのか、どんなページにするのか。会議など。
構想」…企画の具体化。
依託または処理」…取材が必要なら、取材。許可が必要なら申請。カメラマンが必必要なら、というように、お願いをしていく。お願いできない(主に予算が理由)場合はやれる限り自分でやる。
雑用」…ライター、デザイナー、印刷所などお願いした物の確認をし、ミスを補い、 訂正をお願いし、早く本が出来るように、やれることはなんでもする。

 なかなか、まだまだ思い通りにならないのが辛いところです。 朝10時ぐらいに出かけて、だいたい終電で帰ってきます。

  起きてる旦那に週一ぐらいしか逢えないのと、月1回ぐらい徹夜するのと、月1回ぐ らい土曜も休めないのと、先の予定(次の日すら)が全然立たないのが辛いです。で も最後のは、私が未熟で会社が小さいからだと思うのですが(笑)。

 以上、大学卒業後の10年近くの人生をつらつらと書きましたが、こうして振り返ってみると結構楽しい人生だなあ〜と思いました。

(T,Y 三国丘高校42回卒)

 

 

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