心理学関係の職業

 

 最近,高校生の間で非常に人気のあるのが心理学である。心理学を学び,その専門性を活かす仕事にはどのようなものがあるのだろうか。

 

1,心理学を学ぶ

 心理学の学派はたくさんある。代表的なものは,フロイト学派ユング学派で ある。臨床心理学(犯罪心理学を含む)では,フロイトの精神分析がベースになっている。ユング学派の代表者は河合隼雄( 元京都大学) である。

 病院や学校などの臨床の現場で実際に必要とされるのは,サイエンスとしての心理学である。心理学は近年、脳科学 や数理統計学など他の学問分野との重なりが大きい。

 心理学を学ぶには、大学によってカラーがあるので注意が必要である。教育系では,学校教育現場や子どもの発達が中心の場合が多い。大学や学部を 選ぶ際には,くれぐれも,自分のやりたい分野をカバーしているかどうかを確認する必要がある。。

 

3、心理学を活かした仕事

心理学を専門とする仕事の代表は,公務員である。 国家公務員では、法務省の鑑別技官、労働省,警察の鑑別,自衛隊の航空適性,家庭裁判所の調査官など。 また、地方公務員では児童相談所の心理判定員など。

 一方,民間企業では人材派遣の教育や進路適性診断の仕事、マーケッティング調査や広告などの効果測定など の仕事に従事している人もいる。

 

4、臨床心理士

 臨床心理士の資格を取り,病院関係で仕事をするためには,やはり大学院まで行く必要がある。第一種指定大学院を出れば卒業と同時に、臨床心理士の試験が受けられ る。ただし、資格をとっても、就職となるとかなり狭き門である。

 また、実務についてからもスーパーバイザーにつき、数年間の訓練を要する。それには毎月数万円のお金が必要で、最初の10年近くは経済的にも大変で ある。

 なお、臨床心理士と精神科医は基本的には別である。精神科医は薬物で精神症状をコントロールすることを目的とします。これに対し て臨床心理士は人間の心の深い所に触れ、人格の変容をもたらすことを目的とします。

 それだけに臨床心理士には成熟した人格と心理療法の技能が要求される。「心理療法家の仕事は危険に満ちた、大量のエネルギーを必要とする仕事で、簡単にできるものではありません」(『人の心はどこまでわかるか』 河合隼雄 講談社)

 

 

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