記憶のメカニズム
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1.短期記憶と長期記憶 今、新しい情報が頭にインプットされたとする。その情報はまず短期記憶として蓄えられる。たとえば10桁の電話番号を聞いた場合、この情報はとりあえず短期記憶に貯蔵される。しかし、短期記憶の貯蔵庫は一時的に情報を保存するだけで、しかも容量が小さい。だから、せっかく覚えた電話番号も、それが短期記憶の貯蔵庫にとどまる限りは、数十秒も話をしている間にすぐに忘れてしまう。 一方、長期記憶はいったんここに貯蔵されると容易に忘れることはなく、しかも膨大な量の情報を保存ことができる。その容量は1000兆項目と計算する人もおり、まさに無限に広がる「記憶の海」である。 実際、40年も前に受験勉強で覚えたことを今なお覚えているのは、それらが長期記憶に貯蔵されているからである。人間は個人の長い歴史を経て、実に多くの情報を長期記憶として貯蔵し、また必要な情報をそこから引き出しているのである。 物理的刺激→短期記憶→長期記憶
2.入試は長期記憶の勝負 確かにそうした勉強方法によってある程度の点数をあげることはできる。しかし、そうして得られた記憶はあくまで短期記憶であり、それがすぐに長期記憶に結びつくわけではない。小テストが終わったあときれいさっぱり忘れてしまうのであれば、またゼロからのやり直しである 。 砂浜に文字を書いても波があっという間に洗い流す。あれと同じである。その場しのぎの勉強をいくら積み重ねても、長期記憶に根ざした本当の実力は付かない。大学入試でものをいうのは「無限の海」に蓄えられた長期記憶である。
3.長期記憶への移行 @「理解して覚える」。「なるほど、だからこうなるのか」というように理屈で覚えたことは、長期保存庫に移って忘れにくくなる。 A覚えたことを「真っ白い紙に書き出してみる」 B発音したり、手で書いたりして繰り返す。 C連想結合法を利用する。 D覚えた後、睡眠を取るのも効果的
個人的には、Aが特にお勧めです。
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