睡眠について
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4当5落? 眠い目をこすりながら頑張った。しかし、授業中いつも頭はぼんやりし、集中力を欠いた。その上、 難しい参考書や問題ばかりをやり、授業中心の組み立てをしないなど。勉強方法が根本的に間違っていたことも加わり、成績はどんどん下がっていった。 いったん落ち込むと、いくらもがいても這い上がれない。やがて英語も数学もちんぷんかんぷんになり、3年間でプライドはずたずたに切り裂かれた。結局、浪人をした。 しかし、その後が面白かった。浪人をして3ヶ月くらいで、偏差値が驚くほど伸びたのだ。
個人差が大きい最適睡眠時間 浪人をしてまず心がけたのは、睡眠時間の確保であった。睡眠時間には個人差がある。6時間で十分という人もおれば、9時間くらい必要だ(笑)という人もいるかもしれない。私の場合、最適睡眠時間は8時間であった。それは経験から分かったことである。 8時間眠れば頭はすっきりし、残りの16時間は快適に頭が働く。ところが、7時間しか眠らないと、やがて疲れがたまり、残りの17時間全部、頭がボーっとしてしまう。どちらが「得」かは明らかである。 たとえ8時間の睡眠時間を取っても、残りの16時間を1秒たりとも無駄にしないようにすれば、時間は十分にある。そこで、夜10時に寝て朝6時に起きる規則正しい生活リズムを心がけた。浪人をして時間の使い方が非常にうまくなった。 一方、苦手だった数学は、まず教科書をきっちりやることからスタートした。基本的な問題だけを繰り返し復習し、難しい問題は捨てた。 英語は予習で分からないところを見つけ出し、授業でそれを解決し、その日のうちに覚えるようにした。そして徹底的に復習に時間をかけた。 国語は、必ず5分か10分の予習をするようにし、「筆者が何を言いたいか」だけをつかんで授業に出ることにした。 浪人をしてやったことと言えば、こうした勉強方法で予備校の授業に必死についていっただけである。ところが、これで十分だった。浪人をしてわずか3ヶ月で、偏差値が20ほど伸びたのだ。 昨日の自分と今日の自分が異なるのが分かった。朝の自分と夕方の自分が異なるのが分かった。砂漠が水を吸い込むように、知識を吸収した。 今にして思えば、現役の頃からそうした学習方法をとっていれば浪人せずに第一志望に合格したのかもしれない。自分の最適な睡眠時間が何時間かを見つけることは受験勉強の第一歩である。私の場合、「4当5落」ではなく「8当7落」だったのだ。
大切な集中力 長年の経験から、学力は次の要素の「かけ算」だと確信するようになった。 学力=時間×集中力×勉強方法×素質成績が伸びない最大の理由は、勉強時間の不足である。高校の学習は最低でも1日2時間の勉強が必要である。1時間は英・数・国の予習、あと1時間は復習に割く。その日習ったことをその日のうちに理解し覚えていく。多くの人はこうした当たり前のことが実行できていないため伸び悩む。学習の最大の敵は自分の意志の弱さである。 成績が伸びない第二の理由は、集中力の欠如である。特にクラブ活動などで忙しい人は、集中力を高めることによって、時間不足を補う必要がある。集中力を高めるには、適度な睡眠時間を確保し、常に頭脳を新鮮な状態に保っておくことが重要である。
第三に、勉強方法が間違っていることも成績低迷の原因となる。これについてはkほかで何度も述べたので省略する。
レム睡眠とノンレム睡眠 睡眠には「浅い眠り」と「深い眠り」があることが知られている。浅い眠りのことをレム(REM)睡眠という。これは Rapid Eye Movement の略で、大脳が活動して眼球が激しく運動し、夢を見ていることが多いのでこの名が付いた。 一方、ノンレム睡眠はレム睡眠にノン(Non)をつけたもので、眼球運動をともなわず、眠りが深い。普通、レム睡眠とノンレム睡眠はワンセットとなって90分の周期で繰り返す。 一番深い眠りは最初の2セット、すなわち90分×2=180分(3時間)である。その後しだいに眠りが浅くなり、レム睡眠の時に起きるとさわやかに起きることができる。しっかり睡眠をとって、脳と体をリフレッシュし、集中して授業に臨めるようにしたい。
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