大学を卒業して3年半、在阪テレビ局(KTV)につとめた経験のある森山浩行氏(元衆議院議員)に聞きました。
●就職活動
当時はまだ就職協定がありましたのでゴールデンウィークは「セミナー」でした。クイズのようなテスト(Q昭和33年度の日本全体の広告費は?など)で一次試験、面接や試験を5回ほど受けて6月半ばに内々定でした。
ちなみに一次試験で「点数が良すぎたオタク」たちは落とされたという噂も。
マスコミ塾関係者は同期28人で2・3人でした。教訓:勉強してもムダよ
●営業企画部
最初の一年「営業の後方部隊」である企画部で働きました。TVの営業は「時間枠を売る」もので、広告代理店の人と仕事をします
。世の中で一番景気のいい会社しかTVCMを買えません。イベントや映画をみて「最先端の感覚」を身につけることもシゴトの内、という世界です。
●報道部記者
「報道で働きたい!」上司に言い続けて、一年余で念願の報道部へ。「社会正義と速報性」のためならおカネを惜しまない部署です。
●デスク
本社で原稿やVTRのチェックをする
●記者
現場で取材し、撮影を指示し、VTRをつなぐ指示をし、必要ならば現場からレポートする。
●カメラマン・カメラ助手
普通記者と3人1組で行動。現場で「最もいい画」を撮る為にカラダをはる。
●編集者
本社でVTRを編集し、コメントや音楽をかぶせてパッケージ化する。放送時間ギリギリでニュースサブにかけこむことも。
●技術
本社のニュースサブや中継車で放送の体制をつくる。機械全般にくわしくないとできない。
(感想)
とにかく「現場第一」です。スタッフどうしのケンカは日常茶飯事です。「敬語」の文化はありません。ヘリコプターを1回飛ばして100万円単位のカネがかかるとか、タクシーを三重までとばせばいくらかかるかは関心対象外でも
つとまります(^^ゞ
堺・O157集団感染、神戸・須磨連続小学生殺傷事件、和歌山・カレー毒物混入事件、震災3年・仮設住宅ドキュメンタリー等にかかわりましたが、取材」のやり方については他の仕事と同じく
、情報と人脈のやりとり」が基本です。
カネがからまないのがビジネスとの違いです。「自分が訴えたい、伝えたいこと」を相手に理解してもらい、情報提供してもらうことです。いまや、「マスコミだから」というだけで情報をもらえる時代ではありません。勘違いの記者はまだまだ生息していますが。
給与は30歳くらいまでは同級生のどのサラリーマンにも負けないくらいだと思います。
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