福祉関係の職業

 

 今,日本は急速な勢いで少子高齢社会に突入しつつある。それに伴い福祉関係の仕事が急増している。しかし、実際の福祉現場の最前線が求めているのは,大卒のホワイトカラーではない。 介護の現場はなかなか厳しい面がある。

 

1,社会福祉士
 ソーシャルワーカー,ケースワーカーとも呼ばれ、福祉に関わる最も専門的な職種である。さまざまな相談に応じ,助言・援助を行う。1987年に国家資格となった。4年制大学で一定の単位を取得すれば受験資格が与えられる。病院・医療機関,老人福祉施設,社会福祉協議会などが主な就職先である。

 社会福祉士のほかには,医療ソーシャルワーカーと呼ばれる仕事もある。これはまだ特別な資格としては定められてはいないが,患者の経済的・精神的な悩みの相談に応じるもので,8割は4年生大学の社会福祉学科などの出身者である。

 今後高齢化にともない社会福祉士の需要は高まると思われるが,就職は必ずしも希望通りにはいかないこともある。しかし、本当に福祉の仕事につきたいという意志が強ければ、就職はなんとかなる。

 

2、社会福祉主事
 地方公務員として,各都道府県・市町村の福祉事務所に勤務し,高齢者,身障者,保育所の入所手続き・相談などにあたる。この資格を取ること自体はそれほど難しくはないが,この仕事に就くためには地方公務員試験に合格しなければならず,それが難関である。

 

3、ケアマネージャー
 医師、看護婦,社会福祉士などが、5年以上の実務経験を経て受験資格を得る。高齢者が 介護保険を利用する際に必要な介護サービス計画(ケアプラン)を作成する。ただし,ケアプラン作成の報酬が低く押さえられているため,この仕事だけで生計を立てるのは無理。

 

4,介護福祉士
 高齢者の障害者などの入浴・排泄・食事などの介護をする介護職の専門家。専門学校などで指定の必要科目を履修すれば卒業と同時に無試験でこの国家資格が取れる。

 特別養護老人ホームや有料老人ホームなどで「寮母」として働く人の多くは,この介護福祉士養成専門学校の卒業生である。そのほか、介護の現場で3年以上働いて,国家試験に合格してもこの資格が取れる。

 

5、ホームヘルパー
 介護保険の導入で、今一番、需要が高まっているのがホームヘルパーである。高齢者の自宅を訪問し,食事や排泄の介護,掃除や洗濯などの家事援助を行う。

 ホームヘルパーの資格には1級から3級まであるが,2級以上でないと採用されないことが多い。市区町村や訪問介護事業者の行う研修を受講すれば資格を取ることが出来る。他人の家に上がりこむ仕事であるから,被介護者から信頼される人間性が求められる。

 

 

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