法学部に関連した職業

 

 法学部を出たからといって、法律そのものを飯の種にしている人はごく少数である。大学で数学を勉強して、それが仕事に直接結びついている人?って聞いたら、手を上げたのは学校の数学の先生ばかりだったという笑い話がある。それと同じかもしれない。ここでは、法学部に関連した資格を中心に取り上げる。

 

1、司法試験

 法学部最強の資格といってよい。この試験に合格すると、弁護士・裁判官・検察官への道が開かれる。また、税理士や弁理士になる資格も同時に与えられる。

 法律家になるには大きく2つのルートに分けられる。
一つは法科大学院(ロースクール)に進学・修了しそのあと司法試験を受験するルートであり、もう一つは司法試験予備試験に合格し、そのあと司法試験を受験するルートである。

 一般的には法科大学院ルートが多いが、大学在学中に司法試験に合格したい場合は予備試験ルートを受けて受験資格を取得する。いずれのルートで受験資格を取得しても、最後に受験する司法試験は同じ試験を受験しなければならない。

 こうして苦労して受験資格を取得した後で、いよいよ本番の司法試験を受けることになるのだが、毎年、約8000人が受験して約2000人が合格する。最近は、優秀な学生ほどロースクールに進学せず、予備試験を受けて受験資格を取得するケースが多い。

 

2、司法書士
 

詳しくは  司法書士について を見て下さい。

 

3、行政書士
 国や、都道府県、市町村などの「行政」へ提出する書類の作成をしたり、手続きの代行をしたりする。身近なところでは運転免許の更新申請などがある。

 

4、不動産鑑定士
  司法試験、公認会計士と並ぶ最難関資格の一つであり、不動産に関しては最高峰の資格である。不動産の「適正な地価」を判断する。 全国で7000人程度しかいない。

 資格取得後は、信託銀行や大手不動産会社などに所属し「企業内鑑定士」となったり、独立して自分で不動産鑑定士を開業できる。 この資格を持っていれば、まあ就職に困ることはない。

 

5、弁理士
 特許をとるために、特許庁に提出する書類を作成する。年間数十万件にも上る特許の出願件数に対して、弁理士は 約1万人しかいない。数ある資格の中でも一番人数が少ない資格である。

 弁理士になるには、特許事務所で補助の仕事をしているか,企業の知財部で,知財部員の仕事をしているか、いずれかのルートから挑戦する人が多い。文系出身者でもなれなくはないが、合格者の85%は理系であり、女性合格者も2割くらいいる。ただし、文系出身者で弁理士として食べていくためには、相当の努力が必要である。

今後、知的 財産権の保護をめぐる国際競争が激化することが予想され、需要が高まると思われる。合格者の出身大学は、東大、阪大、東京工大、京都大、早稲田、東慶応、京理科大などがおおい。
 

 

 

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