コピーライター

 

 今や日本の総広告費は約6兆円(2014年)と、GDPの1%以上にのぼる。このうち、マスコミ4媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)で、 約3兆円で、そのうちテレビ広告は約2兆円を占める。一方、インターネット広告も1兆円を突破し、いまや新聞広告費を上回るまでに成長した。現代において広告は、企業にとって重要な経営戦略の一つであり、これを引き受ける広告代理店の重要性も、ますます高まりつつある。

 

1、コピーライターとは?
 "copy" とは、広告文のことである。したがって、"copy-writer" とは広告の文章を作成する人のことである。
 われわれが日頃、何気なく見ているテレビや新聞の広告にも、実はそこにコピーライターの目に見えない苦労が隠されている。

 テレビや新聞に1回の広告を載せるには莫大な費用がかかる。例えば、新聞1ページ大の広告には、1回で2000万円〜3000万円かかると聞いた。だから、コピーを依頼するほうも、依頼されるほうも真剣勝負なの である。

 

2,発想の豊かさが求められるコピーライター
 コピーライターにはいったいどんな人が向いているのであろうか。それは小説家とも違う。新聞記者とも違う。第一に、人目を引きつける奇抜なアイディアを出せる着想力が求められる。

 例えば、お父さん犬を使ったソフトバンクのCM。猫が風呂に入っているCM。「ファイトー、イッパーツ!リポビタンデD」などと、同じコピーを何十年も続けているロングラン型もある。 中には、あまりのおもしろさに、何の宣伝か思い出せないもの?もある。

 コピーライターには、時代の流れを敏感に嗅ぎ分ける能力も求められる。日本が高度成長をしていたころ、「大きいーことは、いーいことだ!」という食品メーカーのコピーが一世を風靡したことがある。これなどは時代の流れを取り入れた、名コピーといえる。

 その一方で、化粧品や車の宣伝には、モデルに西洋人を多用し、わけのわからぬ外来語を並べ立てるだけというCMもある。なんとかならないかとも思うのだが、それで高級なイメージを植えつけることができるということは、いまだに日本人が西洋人にコンプレックスをいだいている証拠と言える のかもしれない。

 

3、コピーライターの現場
 一般に、広告主の希望するコピーを、そのイメージ通り作成するのは大変である。もちろんコピーライター一人で作るわけではない。カメラマン、写真の植字、レイアウト、音響効果を担当する人など、さまざまな人との協力でできあがる。

 広告業界は、見た目は華やかであるが、コピーライターの現場は、いつも〆切りに追われ、時間に追われる毎日の連続で、 かなり大変な職場であるらしい。そんな忙しさにもかかわらず、最近は女性のコピーライターも増えてきている。

劣悪な労働環境に恐れをなしている人は最初から広告業界などには来ない」という現ライターの声もある。しかし、自分の作ったコピーがテレビで放映され、新聞を飾り、雑誌に掲載された暁には、何ともいえない喜びがあるとも聞く。

 

 

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