システムエンジニア(SE)
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1、システムエンジニア(SE)とは? 銀行に口座を作り、出入金のたびに残高や利息を計算し、取り引きの記録をする。今私たちが当たり前のこととして行っていることを、コンピュータに間違いなくさせるには、コンピュータにどういう命令をどんな順番にすればよいのか。 このような作業をコンピュータが正確に行うように、システム全体を設計し、システム開発をしていくのがシステムエンジニア(SE)である。コンピュータがこちらの期待する通り、ちゃんと動くようにシステム全体を設計し、プログラムを作成するのは実は大変な作業である。システムエンジニア(SE)はこの作業全般に関わるスペシャリストである。 システムエンジニアは、極めて高度な専門職である。業務の中心は設計であるが、そのほかプログラマーやオペレータの指導・管理も業務に含まれる。したがって、自らはプログラミングに直接携わらなくても、「C言語」や「C++」、「PL/1」など主要なプログラミング言語を使いこなせなければならない。 大学における専攻が文系か理系かはほとんど関係がない。経済学部や人間科学部など、文系学部からSEになった人も多い。また、女性のSEも少なくない。 ある会社では文・理の比は半々、もしくは6対4だと聞いた。採用する際には資格&入社試験の結果を重視し、大学名・学部はほとんど気にしないということである。 IT革命が本格化し社会が大きく変動するなかで、企業の情報システムに対する金額は膨大なものになっている。従来は企業自身がシステム開発やプログラミング作成を社内で行ってきたが、最近は外部のシステム開発会社に業務を委託する傾向にある。 システム開発は小さな案件から大きな案件までさまざまな規模のものがある。大きな案件になると数十人が2〜3年がかりで取り組み、費用も1本あたり数十億円にのぼる。納期が近づくと徹夜もある。そして、プログラムが完成しても、企業が休日になる土・日を利用して、入念なランニングテストが共用直前までなされる。 SEは慢性的な人材不足にあり、今後もSEに対する需要はますます増加すると思われる。プログラム未経験者でも、やる気さえあれば社内研修で徹底的に鍛え上げてくれる。
2、プログラマー プログラミングは非常に神経を使う作業である。それこそ、何百万行もあるプログラムのなかで、コンマとピリオドを1箇所間違えただけでもそのシステムは作動しない。 1995年に発表されたWindws95のプログラムは1100万行を超えていると聞いたことがあるから、現在はこの何倍にもなっているだろう。 プログラマーは、緻密な忍耐力が必要なだけに、若くないと勤まらないとも言われる。プログラマーとして経験をつみ、SEに昇格していく人もいる。
3、カスタマーエンジニア(CE) 簡単に言うと、コンピュータの医者である。日常的な仕事としては、保守契約をしたユーザー(多くの場合は企業)に対し、定期的にコンピュータのシステムを点検し、清掃・動作確認・定期交換品の取り替えなどを行っている。ちょうど「人間ドック」による健康診断と同じである。 万が一コンピュータに何か異常が発生した場合は、短時間に故障個所を究明し修復しなければならないので、救急車のような迅速な対応が要求される。 DISK障害があった場合には、SEとも連携してデータの復旧作業を行う。 上級CEになると、ハード・ソフト両面におけるシステム全般の知識が要求され、ハード面からシステム構成の提案をするもことも求められる。富士通・NECといったメーカーには、たくさんのCEが社員として働いている。 CEとSE、字面は似ているが、CEは完全な理系職である。大型機種が導入された場合、CEがユーザー企業に常駐することもある。
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