LDF-RPG プレイレポート
パーティ名「三つの錨」 その1
某所
<冒険に挑む者、集まる>

 某月某日某所に、テーブルトークRPG初体験プレイヤー4名とTRPG久方ぶりのゲームマスターが集まった。今回は、GM自作のオリジナルTRPGルール『ライト&ダーク・ファンタジーTRPG』を行った。GMからTRPGやファンタジー世界観の基本的なところについて簡単に説明した後、早速プレイヤー・キャラクターの作成に取りかかった。

 LDFでは5種類の能力値パターンから一つを選ぶことになる。今回プレイヤーは4人なので、重複しないように選んでもらった。
 一人ずつ選んでもらうのに、6面体ダイスを2個振ってもらい、合計の大きな人から好きなパターンを選んでもらった。TRPG上、初のロール(ダイス振り)である。

 コロコロ・・・。

 結果、

・プレイヤーAが、パターンE(盗賊系)
・プレイヤーBが、パターンD(魔法使い系)
・プレイヤーCが、パターンC(魔法戦士系)
・プレイヤーDが、パターンB(聖騎士系)
を選択した。ちなみに選ばれなかったパターンAは戦士系を想定したもの。

 続けて、キャラクター・シートへ基本的な能力値を書き写したり、ダイスロールが必要な能力値(速度、体力、魔力)を決めていく。「速度」が決まった時点で、戦闘での順番を分かりやすくするためにプレイヤーの座席を入れ替えた。
 プレイヤーA⇒C⇒B⇒Dの席順となった。

<第1話『ゴブリンの王冠』〜港町にて>

 LDFでは決まった世界観がないため(<光と闇>の神秘の力がある という以外は)、シナリオの設定が、イコール世界設定につながる。また、PCたちは将来の英雄候補でもあり、1レベルでもそこそこの能力を持った人物たちだ。
 今回の物語の舞台は、王国第3の港町「ガルデン」。そこそこ大きな港町で、軍船や外洋船も停泊している。
 以下は、ゲームプレイ時にプレイヤーへ伝えていなかったが、設定は考えていたのでここで補足しておく(固有名詞などの情報量が増えると思い、カットした)。

 ※アイドラス王国

 賢王アイドラス六世の統治の下、長い間他国との戦争は起こっていない。
 海運業が盛んで、大きな港町がいくつか存在する。
 王都レディスもその一つ、海に近い大きな広場に光の神々の巨像があることでも有名。

 PCたちはガルデンの酒場兼宿屋「三つの錨亭」に滞在していて、ここ1週間くらい仕事も無く暇を持て余している。なお、物語の初めからパーティを組んでいる設定だ。
 ここでそれぞれのキャラクターの自己紹介をしてもらった。
 なお、掲載しているキャラクター・シートは第2話終了後、レベルアップを行ったものであるため、参考にとどめていただきたい。

 ◆プレイヤーA:ジョージ(本名:オーシャンズ)

 スラム街出身で小さい頃はコソ泥をしていた。武器は短剣と弓。
 正面には出ず、コッソリ皆の後をつける というキャラクター。
ジョージ

 ◆プレイヤーC:コウ
 港町出身の23歳男性。小さい頃から文武両道で修行してきて、そこそこの力を持っているが、逆にそこそこなのが悩みどころ。
コウ

 ◆プレイヤーB:おじいちゃん
 詳しい素性は不明だが、山から降りてきた仙人のような人物。93歳。魔術が得意。
おじいちゃん

 ◆プレイヤーD:エデン
 15歳の女の子。農村出身。狩りが得意で武器も槍。
 片手でも長槍を振るえる力持ち。
エデン

 それから、リーダーとパーティ名は、すったもんだの挙句、リーダーはコウ、パーティ名は安直にこの宿屋と同じ「三つの錨」となった。 (リーダーは、おじいちゃん説、パーティ名は、プレイヤーAのPC名と同じ「オーシャンズ」説も浮上したが…)

 さぁ、早速物語りに入ろう。
 「三つの錨」の面々が「三つの錨亭」の一卓を囲んでいると(名前がややこしい…)、ハゲ頭で髭面の店主が話しかけてきた。
 プレイヤーたちの初めてのロールプレイである。
 リーダーのコウは、店のオヤジの話を聞いてみることにした。
 (ジョージは酒を飲みながら静観)

 店のオヤジはカウンターにいる一人の男を紹介してきた。その男は「クドン村」という、ここから1日ほど山あいに入ったところにある村の者で、少し前から村にゴブリンどもが現れて困っているという(ここで、プレイヤーの中でも”ゴブリン”を知っている人もいれば知らない人も…。参考書代わりに持ってきていた本「ゲームシナリオのためのファンタジー事典」でちょっと紹介)。
 今のところ村人に被害は出ていないが、家畜が盗まれているらしい。
 詳しくは、村で村長から聞いてほしいということで、早速クドン村へ旅立つことになった。ちなみに報酬は全員で2,000G、前金で一人100Gを受け取っている。

<道中:「クドン村」へ>

 依頼を受けてすぐに出発したので、夕暮れ時にはクドン村に到着する。
 もうすぐクドン村というときに、森の茂みの中から熊(体長2.5m)が現れて襲いかかってきた(全員、<技>判定成功で察知したので不意打ちは受けず。これが初めての成功判定!)。
 さらに熊を見ると斬られた傷があることにも気付く(こちらも全員成功!)。

※ちなみにこの傷は、後で出てくるゴブリンの魔法剣で斬られたものだが、このときのPCは知る由も無く。

 さぁ、最初の戦闘!
 順番は、@ジョージ⇒Aコウ⇒Bおじいちゃん⇒Cエデン だが、おじいちゃんとエデンの間に熊の行動が入る。
 ジョージの攻撃。キャラ的に弓矢を使いたいジョージだったが、仲間に当りそうなため、短剣で熊に攻撃。かすり傷を負わせる。
 続くコウの剣も命中。
 おじいちゃんは魔術《光の矢》を詠唱。魔術でのダメージを与える。
 次は熊の番。ジョージとコウに左右の腕の爪で攻撃。共に回避は成功。
 1ターン目最後はエデン。だが、槍の攻撃は外してしまう。
 2ターン目、おじいちゃんは果敢にも前に出てくるが杖の攻撃は外れ。逆に熊に狙われるが回避は成功。エデンは気分を変えて短剣で攻撃するがまたもや外れ(本当は持ち替えに1ターン準備が必要だった)。パーティ最強の戦士なのに〜(涙)
 3ターン目にして熊にとどめを刺すことができた。
 熊からの戦利品を漁るジョージだったが、そういうゲームではないのでとくに収穫なし(でもその意識は重要!)。

<クドン村にて>

 熊との戦闘を終えクドン村に到着した一行は、村長らに丁重に迎え入れられる。
 クドン村は、十戸ほどの集落で、牧畜(牛、羊、ヤギ)、山での狩り、山菜採りで生計を立てている。

 事の発端は、10日ほど前。朝、ヤギが数頭いなくなっているのに気付いた。柵のあたりには、人間でない複数の足跡が残っていたので、翌日の夜、村人が見張っていると、ゴブリンらしき一団が現れて、今度は牛までも担いでいったという。相当力持ちの奴もいるらしいとのこと。
 それからは現れていないが、村人も恐れて森には入っていない。ただ、このままでは牧畜や狩ができずに困っていて、何とか、ゴブリンどもを退治するか追い払ってほしい というのが依頼の全容である。

 話を聞いて、ジョージは柵の近くに鳴子の設置を思いつく。村人から材料を調達して仕掛けに行く。コウも同行。エデンは槍の手入れで村長宅に残り、おじいちゃんに至っては早々に眠りに付いていた。

 一晩明けたが、鳴子が反応した様子は無かった。柵の周りを調べると(ピンゾロのおじいちゃん以外は)、足跡から少なくとも5体以上の人型がいたことが分かり、そのうち1体は足跡も大きく深く地面に食い込んでいることが分かった。村人は、牛を担いだからではないか? と言ってきた。

※この深い足跡は「ストーンゴーレム」のもの。ストーンゴーレムでないと、牛一頭は運べない。

<ゴブリンの洞窟へ>

 足跡は森の奥へとつながっていた。森の入口までは村人が案内してくれたが、その先はパーティだけで進むこととなった。茂みの中でも深い足跡は残っていて、2時間ほどで洞窟の入口にたどり着いた(全員、追跡判定成功)。

※この洞窟はもともと熊が棲んでいたもので、そのため村人もめったに近寄らない場所となっていた。

<ゴブリンの洞窟>

 入口で相談した結果、洞窟内のマップはジョージが描くことになった。
 洞窟の中は暗いので、ジョージ以外の3人が《ほのかな光》を使うことに。

ゴブリンの洞窟

 洞窟に入ると通路が二つに分かれていた。
 右の下っている道を進むと大きな空洞になっている場所に出た。よく見るとゴブリンらしきものが横たわっていた。
 ジョージは試しに矢を放つが、ゴブリンらしきものはピクリとも動かなかった。どうやら死体だったらしい。
 そうこうしていると、空洞の奥から岩壁を崩して巨大な白いミミズのような怪物が現れた。胴体の直径が1mあり、長さは見えているだけでも10mはある。

 巨大ミミズ(ジャイアント・ワーム)との戦闘開始。
 逃げる という選択肢も出たが、ミミズの穴の奥に何かあるかもしれない!?という話も出て対決することに。
 まずはジョージが、自分とエデンに《魔力の刃》を発動。ジョージの短剣とエデンの槍が光り出す。
 ジョージ(のプレイヤー)は、巨大ミミズは体力が多いと踏んだからだ。
 コウの剣、おじいちゃんの《光の矢》が続く。エデンの番だが、またしても槍が外れ…。
 巨大ミミズの体当たり攻撃はコウに命中。大ダメージを受けてしまう。
 2ターン目。
 ジョージ、コウの攻撃、おじいちゃんの《光に矢》、今度はエデンの槍命中(やはり当るとダメージが大きい)。
 3ターン目に、巨大ミミズは動かなくなった。
 期待していたミミズが出現した穴は、ミミズが埋まっているため使えなかった。残念。

 通路を上がって分かれ道に戻ってきた。
 さらに奥へ進むとまた分かれ道。
 右へ進む。
 今度は通路の右側にくぼんでいる場所があった。おもむろにジョージとエデンが大型スコップでその場所を掘り返そうとすると、そのあたりが陥没してしまった。2人とも判定で成功、巻き込まれずには済んだ。

※この陥没に巻き込まれていたら、巨大ミミズの空洞まで落ちていた。
 その際、巨大ミミズが残っていたら、とんでもない目に遭っていたところであった。

 本道をさらに進むと広い空洞に出た。
 ここはゴブリンたちが暮らしている部屋で、中にはゴブリンが7体いた。うち1体は少し大柄で頭には三角錐の王冠のようなものをかぶっていて、手には切れ味の良さそうな赤黒い刃の剣(ブロードソード)を持っていた。
 先ほどの陥没の音が聞こえていたのか、すでに侵入者を警戒していて、一行が入ってくると奇声をあげて襲いかかってきた。

 まずジョージは定番の《魔力の刃》を自分とエデンに掛ける。続けて、コウは全敵に《光の矢》。同じくおじいちゃんも《光の矢》。
 ゴブリン・リーダーとゴブリン×6体の番。ゴブリンLの掛け声で、最後尾にいるジョージの傍らから紫色のストーン・ゴーレムが起き上がった。ストーン・ゴーレム【紫】は、人間の大人より背が低く、ゴブリンより少し高いくらい。ボディビルダーか相撲取りのような体格で、全身が固い石でできている。拳は人の3倍くらいの大きさがあり、指は長め。
 ゴブリンLはエデンに攻撃。赤黒い剣のダメージを受けてしまう。ゴブリン2体の攻撃は何とか避ける。コウはゴブリン2体のうち1体の攻撃を受けてしまう(ちなみにゴブリンの武器は棍棒)。おじいちゃんは2体とも回避成功。
 エデンの槍攻撃はゴブリンLに当らず…。
 ジョージはストーン・ゴーレム【紫】の出現に気付かず、左右パンチのうち、1発を受けてしまう。
 2ターン目。
 ジョージ、コウは《光の矢》。量産型ゴブリンが全匹倒れる。続くおじいちゃんの《光の矢》でゴブリンLも倒れた。エデンも《光の矢》でストーン・ゴーレム【紫】へ攻撃。
 ゴーレムの攻撃はジョージには当らず。
 3ターン目。
 ジョージ、コウは剣で攻撃。おじいちゃん、エデンが《光の矢》。ゴーレムも崩れ去った。

 ゴブリン・リーダーの持っていた三角錐の王冠(結構ボコボコに凹んでいる)と赤黒い剣は、PCたちでは鑑定しきれず持ち帰ることに。
 王冠はジョージが、剣はコウが持っていくことにした。

※王冠がボコボコなのは、第2話に出てくるストーン・ゴーレムに殴られたから。

 それからジョージはストーン・ゴーレム【紫】の欠片を拾っていった。

 ここで依頼が完了したか分からないため、途中の分岐で、まだ行っていない道を行くことにした。

 残りの空洞には入口に粗末な柵があり、中には牛1頭、ヤギ2頭が生きていた。ジョージがスコップで柵を壊し、コウが牛とヤギをロープでつなぎ、村まで引き連れていくことにした。

 クドン村に戻った一行は、残りの報酬と感謝の言葉を受け、港町ガルデンの「三つの錨亭」へ戻っていった。

 ここで本日の第1話は終了。
 「三角錐の王冠」と「赤黒い剣」は鑑定に出す ということにした。

※これは第2話の複線ということで。

<レベルアップ>

 LDFではシナリオが終わるとレベルアップできる。
 それぞれが能力値を少しずつ伸ばすことになった。

<第2話『デーモン王の扉』〜王都の魔術学院にて>

 第1話の終わりから1週間ほどが過ぎていた。
 宿代など200Gが減ってしまった。次の仕事を探さねば…。

 ゴブリンの洞窟で見つけた「三角錐の王冠」と「赤黒い剣」は、あれからすぐに王都レディスの「魔術学院」へ鑑定に出していた。
 鑑定結果が分かったというので、魔法具の鑑定官タージェスに呼ばれて、魔術学院の一室に来ていた。
 まず王冠の方の鑑定結果。これは「知識の王冠」と呼ばれる種類の代物で、中の情報がかなり破損していたが、鑑定官たちの努力で一部は修復に成功した(壊れたハードディスクのイメージ)。
 そこには「デーモン王 アズアル」の召喚について印されていたという。その王冠が元あった場所らしき地図も残されていたので、すぐにそこまで調査に行ってほしい という依頼をしてきた。
 目的の場所は、王都から2日ほど山岳地帯へ行った場所とのこと。報酬は、一人1,000Gで、事前の配給として「回復薬」と「炎の宝石」も受け取った。
 それから「赤黒い剣」は魔法の剣で、ダメージ+5の効果がある切れ味のよい代物であることも分かった。

※「赤黒い剣」は、「デーモン封じの剣」なのだが、現時点ではそこまでは分からなかった。

 「赤黒い剣」は、PCたちに返してくれるが、「知識の王冠」はまだ修復が必要なため、すぐには返却されなかった(返却できるかどうかも含めて)。

※この時点では、王冠は別室に保管されていると思われていたが、すでに持ち去られていた。

 PCたちは依頼を受けるとは思っていなかったため、荷物は王都の宿屋に置いてきていた。一旦宿屋まで戻ると、すぐ後に魔術学院からの使いと名乗る者が来て、急いで魔術学院まで来てほしい との連絡を受けた。

 再び魔術学院へ行くと、鑑定官タージェスから、王冠を修復していた鑑定官の一人(言わないが女性)が行方不明になっていて、部屋を調べたところ、「闇の神」を信奉するものだということが分かった。
 恐らく、「デーモン王 アズアル」の復活を企てようとするに違いない と言ってくる。 また、保管されていたはずの王冠も無くなっていた。

 タージェスからは、今から追いかけても間に合わないかもしれないので、転送の術《天の柱》を敢行することにした と言ってきた。すでに学院長にも了承ずみだった。
 ただ、誰も行ったことが無い場所のため、安全に送り届けられるか祈っていてほしい と言われてしまう。

 すぐに術の準備が行われ、PCたちは光に包まれ目的地へ転送された。

<魔術師の館>

 不慮の事故は起こらず(全員、ピンゾロ出ず)、無事転送された。

 目を開けると、木々に囲まれた山岳の中腹に(不自然にも)小さな屋敷が建っていた。屋敷は長い間使われていなかったようで、外装は一部朽ちていた。
 今回、プレイ時間の都合で、屋敷の詳細マップは省略した。

 今回も地図描き係はジョージが担当。
 扉をノックするが返事は無かった。

 屋敷の中に入ると、何箇所か争った形跡があったが、思いのほか整理されていて最低限の清掃も行われてた。

※これはストーン・ゴーレムが行っていた。

 さらに屋敷の中を探すと、書斎らしき部屋で日記を見つけた。<知>判定で(ジョージ以外は)その内容を把握できた。
 その日記は、つい昨日まで書かれていたもので、この屋敷の主ではなく、最近ここにやって来た「ゴールマン」という人物のものだった。
 ゴールマンは闇の神の司祭で、数ヶ月前、王都で自分の所属する組織を壊滅させられて、命からがらここまで逃げてきたという。
 ここでは昔、ある魔術師が「デーモン王 アズアル」の力を引き出す研究をしていた。この魔術師はアズアルの魔力を利用して、ゴーレムなどを作り出すことに成功していた。
 時は過ぎ、魔術師はいなくなったが、この建物は残された。
 闇の司祭ゴールマンは、ここにあった「知識の王冠」の力も借りてそのことを知り、さらに儀式を行えば、アズアル自身を呼び寄せることができるかもしれない と考えた。必要なのは、「魔法陣を拡張すること」と「生け贄」であった。
 そんな中、嵐が続いた晩、ゴブリンの一団が屋敷に侵入してきた。
 ゴールマンは、魔術師が残したゴーレムを使ってゴブリンを追い出したが、王冠などいくつかの魔法の品を持ち去られてしまった。

※持ち去られた魔法の品は、「知識の王冠」、「デーモン封じの剣」、「ストーン・ゴーレム【紫】」である。
 そのときに「知識の王冠」は破損した(他の色のゴーレムパンチで)。

 「知識の王冠」もアズアル召喚に必要なアイテムだったため、ゴールマンが落胆した様子は記述からも伺えた。
 そうして時を過ごしていると、昨日王冠を持った若い女性がここに現れ、自分を生け贄に使ってくれ と言ってきたという。
 ゴールマンは喜び、早速準備に取り掛かった…というところまでが書かれていた。

 さらに部屋を探すと、デーモン王に関する書物が見つかった。
 「デーモン王 アズアル」は、人の数倍の大きさがあり、赤黒い体に、ヤギの頭、コウモリの翼、先端が鋭い刃になった細長い尻尾、肩からは鋭い角、という外見であり、強力な魔力を持つという。
 ここにいた魔術師は、最悪のケースとして、アズアルが暴走したときに封じ込める手段として「デーモン封じの剣」を作っていた。
 呪文と共にアズアルに突き刺せば、魔界へ追い返すことができることが分かった。しかし、肝心の呪文はどこを探しても記されていなかった。

※呪文は「知識の王冠」の中にあり、かぶらないと分からない。

 このとき、話に出てきている「デーモン封じの剣」が、コウの持っている「赤黒い剣」なのかどうか、プレイヤーたちにはピンと来ていなかった(かも)。

 さらにさらに屋敷を探すと(ジョージが成功するも、コウとおじいちゃんが二人でファンブル!)、地下への階段を見つけた(コウ&おじいちゃん! 隠し扉の上に立ってるよ〜(汗))。

<地下召喚場>

 《ほのかな光》を点け、罠が無いか気にしながら、また武器も構えながら地下へと続く階段を降りると、通路の奥に扉があった。

地下召喚場

 ジョージは、扉に罠が無いか調べたがとくに何も無いことが分かり、扉を開けた。
 扉の先は小部屋になっていて、部屋は油火で照らされていた。部屋の中には、ストーン・ゴーレムが2体【青】【水色】いて、侵入者に対して襲いかかってきた。
 ジョージが《魔力の刃》。コウが赤黒い剣を振るうが外れ。おじいちゃんとエデンは《光の矢》。
 ゴーレムは、コウとエデンを攻撃。コウは一撃を受ける。
 ジョージは前衛(コウとエデン)に《魔力の盾》。今度のコウの赤黒い剣は命中。おじいちゃんの続け様の《光の矢》で、ゴーレムはバラバラになった。

 ジョージは、また石の欠片を拾っていた。
 部屋を探すが、とくに目ぼしいものは発見できず。
 ジョージは率先して奥の扉の罠を調べるがファンブル。コウがフォローに入って何とか成功。とくに罠は無かった。

 エデンが槍を構えつつ扉を開けると、巨大な石造りの地下ホールだった。
 部屋の中央には大きな魔法陣があり、魔法陣の中央では若い女性からデーモン王が出てこようとしていた。
 魔法陣の手前では闇の司祭ゴールマンが詠唱を終え、喚起の笑いをしていた。三角錐の王冠はゴールマンがかぶっていた。
 さらに魔法陣の周りには4体のストーン・ゴーレム【赤】【オレンジ】【黄】【緑】がいて、ゴールマンの指示を受け襲いかかってきた。
 デーモンはまだ実体化中のため動きは無し。

 戦闘開始。
 ジョージは全員に《魔力の盾》。コウとおじいちゃんは《光の矢》。
 続く闇の司祭ゴールマンは、黒い光の矢である《闇の矢》を全員に放つ。
 エデンも《光の矢》で反撃。
 ターンの最後はゴーレム。コウとエデンが2体ずつ受け持ち、エデンが一発受ける。ここでもジョージに掛けてもらった《魔力の盾》が役に立った。
 次のターン。ジョージとコウがゴーレムに対して《光の矢》を放ち、4体とも崩れ去った。おじいちゃんはゴールマンに《光の矢》を放つが生き残り、再度《闇の矢》を受けてしまう。最後は、エデンの槍の一撃で闇の司祭ゴールマンが倒れた。

 お約束のごとく、闇の司祭ゴールマンが倒れると同じくして「デーモン王 アズアル」が復活を遂げようとしている。
 今度はアズアルへ攻撃を行うが、物理攻撃、魔術共にどこまで効いているか分からない状況だった。
 さらに次のターン。デーモン王の攻撃は素早く、尻尾の攻撃がエデンに当る。かなりの大ダメージ。
 …
 デーモン王 アズアルを見たPCたちは、地上の館での書物に書かれていたことを思い出した(エデン以外成功)。
 アズアルを封じるには、「デーモン封じの剣」と「呪文」が必要であるということを。
 剣については、デーモンの色とコウの持っている剣の色が同じということで何となく納得(笑)。あとは呪文だが、おじいちゃんが「闇の司祭ゴールマンがかぶっていた(派手で恥ずかしい)知識の王冠をかぶってみれば分かるのでは?」とのナイスな発言!
 無理やりコウにかぶってもらうことに。

 ジョージは《治癒》を使い、とりあえずエデンの体力を回復。コウは「知識の王冠」をかぶり封印の呪文をゲット! おじいちゃんとエデンは時間稼ぎで魔術&武器で攻撃。
 次のターン。
 先頭はデーモン王。両手を広げて《闇の矢》を発動。ここでもジョージの掛けた《魔力の盾》が功を奏した。
 ジョージは《治癒》でコウの体力を回復。
 そしてコウの順番。「デーモン封じの剣」はギリギリ命中! 呪文の発動も成功!!

 デーモン王 アズアルは轟鳴と共に激しい光を発した。
 怪しい光(じつは呪いの光)を浴びたPCたちがだったが、その呪いを受けることは無かった(全員ピンゾロ無し…)。

 ジョージは、4色のゴーレムの欠片を拾い、これで7色となった(マニアにだったら、騙せば売れる!?)。

 デーモン王 アズアルを封印し、何とか王都まで戻ってきて約束の報酬を受け取ることができた。
(しかし、行きは瞬間移動だったが、帰りは山岳地帯からの徒歩なので大変だった…)

 魔術学院からは、あの「魔術師の館」はまだ探索の価値があるとのことで、後日調査団が向かうことになったという。
 赤黒い剣はコウが、王冠はジョージの所持品に加えられることに。

 ここで本日のシナリオは全て終了。
 あとは、次回(あるのか?)に備えてレベルアップして終わり。
 お疲れ様でした。

<デザイナーズ・ノート>

 今回は、ルールの製作、簡単な世界観、シナリオ製作と一気に行ったため、いずれもテストプレイという位置づけになってしまいました。
 今回集まってもらったメンバーは皆さんTRPG初体験ということで、できるだけオーソドックスにしてみました。
 ルールとしては、6面体ダイス(サイコロ)を2個使うということを基本とし、クラス(戦士や魔法使いといった役割や制限)の枠もあまり設けませんでした。最初は、全員同じ能力値でもよいかも というくらいでした。巷のルールのいいとこ取りを狙ったつもりです。
 シナリオとしては、第1話は、ゴブリン退治&洞窟モノという定番で、ちょっとだけストーン・ゴーレムといった変化球をトッピングした感じです。ジャイアント・ワームなども、これまた定番ですね。
 途中、レベルアップも体験してもらいたかったので、2話構成にしています。
 全体のプレイ可能時間も長くないことが分かっていたので、第2話の地上部分は大幅に省略し、地図や戦闘も地下のみにしました。
 全体を通して、とくにルール面では《光の矢》のバランスをもう少し考慮すべきところでしょうか(ちょっと万能&単調かな)。次のバージョンでは再考したいと思います。
 それでは、このシリーズ&PCたちに再び日の光が差すことを祈って…。

   END