阪堺電車を廃止しないで!!
阪堺電車は文字どおり、大阪市(阪)と堺市(堺)を結ぶ路面電車で、正確には、阪堺線(恵美須町―浜寺駅前)と上町線(天王寺駅前−住吉)とに分かれてます。現在は利用者の利便性を考慮して、天王寺駅前−浜寺駅前間で直通電車が走っおり、恵美須町からは車庫のある我孫子道までとなっています。その昔、平野線(今池−平野)もありましたが、地下鉄谷町線の延伸で廃止となっています。平成23年12月1日で開業100年を迎えた長い歴史を持つ鉄道で、かつては、南海電気鉄道(株)の一部門でしたが、昭和55年に、阪堺電気軌道(株)として分離されました。車社会が進行する中、ワンマン化(昔は車掌さんが乗車して切符を売っていた)や車体への広告、貸切電車の運行等の経営努力を行ってきましたが、採算は悪化の一途をたどりました。このため、事業者から堺市に対し、抜本的な対策が講じられない限り、堺市部分(阪堺線の大和川―浜寺駅前間)について、廃止したいとの意向が示されました。協議の結果、堺市は10年間令和2年まで、存続に向けて予算措置をとって援助をしてきました。また、「未来へつなごう!堺チン電の会!(旧称堺のチンチン電車を愛する会)」が設立され、地域の企業や市民等の会費による支援も行われ、私も会員になっていました。
地球温暖化の中、環境に優しい輸送機関として、世界的に路面電車が見直されている昨今、なんとか存続させてほしいと思います。堺の路面電車は、単なる輸送機関ではなくて、堺の文化的シンボルでもあります。
最近の動向をみていると、大阪市内で、住吉ー住吉公園間という短い区間が廃止されたり、恵美須町停留所が南へ移動して短くなったり、南霞町が新今宮駅前と名称変更したりしていますが、堺市内では、石津北駅という新駅が設置されたり、南海本線の高架化に伴う浜寺駅前駅の移転工事の実施など、廃止へは向かっていないように思われます。コロナ禍でダメージは受けていると思いますが、コロナ前は珍しいのか外国人観光客も多く利用していました。所要時間は長いですが、運賃は安いです。ICカードにも対応しています。皆さんも是非阪堺電車に乗車して下さい。
個人的には、実家が阪堺線沿線にあったので、高校・大学・職場への通学・通勤にも阪堺線を利用していましたし、阪堺電車周辺(大阪市内も含めて)には多くの青春の思い出があります。今でも、阪堺電車に乗車すると、懐かしく、ほのぼのと暖かい感じになります。