私の趣味 −読書・物書き−
読書が趣味という人は多い。私も読書は好きだが、どちらかというと興味ある分野の本を買い揃えるのが趣味で、歴史(特に日本現代史)と心理学の本が蔵書の大半を占めている。日本の本市場は、欲しいと思う本は買っておかないと、すぐ本屋から消えて二度と入手できないという事情があるので、ついつい買ってしまうのである。それなのに、お金のない若い頃は、読んだ本は古本屋に売って、そのお金で新しい本を買うということをしていた。全部読んでいないのに「昭和戦争文学全集(集英社刊)」を売ってしまったのは今でも後悔している。その中で秀逸だったのが、「流れる星は生きている(藤原てい著)」である。最近、文庫本で刊行されていることを知って購入した。
買ったまま読んでいない本というのも相当ある。老眼になっている中、死ぬまでに全部読み切れるか…。
子どもの頃は、小学館や旺文社の学習雑誌(今は発行されてないらしい)を定期購読し、少年サンデーや少年マガジンは随時買っていた。中学時代は戦争物にはまり月間雑誌「丸」も購入していた。これら雑誌の読み過ぎで中学時代近眼になった。「6年の学習(小学館)」と「よくわかる日本史 和歌森太郎著(旺文社)」という学習参考書は秀逸で、私の知的好奇心を刺激して、勉強する喜びを教えてくれた。家は貧乏であまり物を買ってくれなかったが、学習参考書だけは買ってくれた。初めて読んだ小説は高校時代の壇一雄の「夕陽と拳銃」で、大学時代は小説以外にもいろんな分野の本を数多く読んでいる。
(読んでいない本も多い私の蔵書)
でも本当の趣味は、ものを書くことだ。小学生時代にポスターの紙を糊付けした手作りの「本」を作っていて、ここに雑学的なことを書いていた。一番初めの大作は小学校時代の修学旅行記である。中学、高校の修学旅行記も書いて、修学旅行記3部作と称していた。高校の修学旅行記は加筆されて青春史となった。その他、小学生時代(日記編)、小学生時代(作品集)、初恋時代、受験生時代、高校時代(作品集)というのも作っている。このホームページもその延長上にあり、自分の考えや体験などを表現出来る貴重な場所である。インターネット通じてで世界中の人々に見てもらえるのだから…。と言っても常時見ていただいている方は少ないが。
小学6年生の時、担任の先生が私の文章を評価をして、作文コンクール等への応募を勧めてくれて、堺市の読書感想文コンクールで入賞し、表彰式会場の大浜中学校まで行った。中学時代のクラブ活動は新聞部に所属していたが、あまり記事を書いた記憶はない。高校1年の時、ケネディ作文コンテストに入賞すると、賞状や副賞が学校に送られてきて、校長室で先生方の前で授与された。
高校1年時代、投稿した文章が雑誌に掲載されて、全国から多くの反響の手紙が届き、すべてに返事の手紙を書いた。その縁で、栃木県の女の子と文通もしたので、その手紙でも多くの文章を書いた。高校3年時代にも投稿した文章が雑誌に載っている。
授業で書かされた文章や校誌に書いた文章は残っているが、クラスのHRノートなどに書いた自信に溢れた文章は残っていない。その後の失恋で全ての自信を失い、特に文章に対する自信の失いようはひどくて、ものが書けなくなった時期もある。高校3年間だけつけた日記や日々の想いを綴った雑感を書き、自殺旅行の前に焼却したが、これらを元にして作った高校時代の女の子への慕情を綴った前述の青春史は残り、20代後半その子に手渡している。
若い頃、大阪文学学校というところへ通って勉強(?)していた時期もあるが、なかなか小説が書けず、書いた作品は一部評価してくれた女性もいたが、概ね酷評だった。エッセイ的なものは得意だが、創作の才能はないことを思い知らされて作家への道はあきらめた。
就職の時、採用試験の作文の出来が良かったと人事担当の人がわざわざ言って採用してくれた。その仕事でも多くの文章を書いたが、自分の文章の方がいいと思っているのに、決裁過程で上司に訳のわからない修正をされた時ほど、くやしい思いをしたことはない。若い頃は、「文筆家の誇りを忘れるな」と自分の文章に書き込まれた主張を通そうとがんばったが、後年、どうせ仕事上の文章だから(誇りなんてどうでもいい)と妥協した自分が情けない。就職直後の仕事の中で、ガリ版刷りの毎月発行の機関紙の編集を担当していたこともあったが、おおむね評判が良かった。
退職後、マンション管理組合の広報担当の理事になり、四半期ごとの管理組合広報紙の編集・発行を担当したが、自分の好き勝手に文章を書くのとは違い、他人の文章を編集し、一定の紙面を埋める作業には少し苦労した。しかし、仕事時代のガリ版とは違い、パソコンで編集用ソフトもあったので、出来栄えは格段に違った。また、この広報紙には多くの原稿も書いた。
会員だったNPO法人枚方マンション管理組合連合会から原稿作成の依頼を受けて、大規模修繕工事体験記なるものを書いて、この会の広報紙に掲載された(大規模修繕工事体験記参照)。
人生の集大成として、自分の本を1冊は作りたいと思っていて、自費出版について研究したり、姪が本の装丁の勉強をしていると聞いたので、作品を作った後自分で印刷して、立派な装丁の本を作ってもらおうと思っていた時期もあった。しかし、ホームページは、考え方や体験談などを次第に加筆して、私の世界の集大成になりつつあるし、電子媒体が発達して「私の青春史」も今は自分のスマホの中に入っている。ただ、パソコンやスマホのデータは消える可能性もあるので、本にしなくても、紙に印刷だけはしておこうと思う。