比良山スキー場の廃業
やっぱりか、と深い溜息をついた。3月27日の土曜日のことである。あと2日となった出勤のため、京阪電車に乗ると真っ先に目に入ったのが、京阪電気鉄道株式会社と比良索道株式会社の連名で書かれた、本年3月31日付けでの比良索道株式会社の会社解散、営業廃止を告げる中吊りであった。
比良山スキー場を平成16年3月末で閉鎖すると京阪電鉄が発表した、とTVのニュースで聞き、非常なショックを受けたのは、平成15年11月27日のことであった。比良山スキー場は、趣味のコーナーでも書いたように私のホームゲレンデである。そのスキー場が閉鎖なんて…。その後一旦は、比良山スキー場のホームページ(15.12.27)で、来年3月以降も営業が継続されることになったという文章が掲載され安心していた。それと今シーズンに限って何かと忙しいこともあって一度も比良山スキー場には行っていなかった。
すると、3月の始め、地元志賀町長に対し、住民からスキー場を含む施設の継続要望書が提出されたとのTV報道があり、営業継続が確実には決まっていないということを知った。営業継続か廃止か真相を知りたくて、3月6日に比良山スキー場へメールでたずねたところ、「私たちも分からない」という返事が返ってきた。ええ、当事者が分からないのか。これは相当危ないかもしれないと思った。
この頃、ゲレンデにはほとんど雪はなくなっていたのだが、急に天候が冬型になって大量の雪が降り、3月8日(月)その日の朝、急遽比良山スキー場に行くことを決めた。今シーズン限りかもしれないと思って、デジタルカメラも持ってでかけた。登行リフト乗り場には、営業継続についての署名運動の用紙がおかれてあったので、絶対書かないといけないと思って署名した。雪は豊富にあり絶好のゲレンデコンデションだったが、平日ということもあって非常に空いていた。このスキー場のファンはいないのか。阪急ブレーブス最後の日と思いが重なる。これでは会社としては儲からないし、廃業もやむを得ないかとも思った。おもいきり滑り、写真も多く撮った。これが最後かもしれないとの感傷に酔いながら…。
帰りには、2005年滑り初めリピーター特別優待割引券なるものをもらった。その注には、「現在、3月末で休止と報道されておりますが、継続に向けて協議中です。万一廃業の際はご容赦下さい。」と書かれてあった。
地元志賀町が施設を引き継ぐ方向で検討されたらしいが、町も断念し、京阪電鉄は、子会社である比良索道株式会社の会社解散と営業廃止を公表した(16.3.24)。民間運営で赤字なのに町の運営で黒字になるとは思えないので、志賀町の決断はしかたがないとは思うが、もう大ショックである。
幻の優待割引券