私の生活論 ―セカンドライフ編―
まえがき
人生論で書いた“アーリー・リタイアメント”(必要なお金を稼いで早く退職し、好きな第二の人生を送る)後の生活論として、セカンドライフ編としているが、若い人たちの生活にも役立つヒントは含まれていると思う。
第一章 社会との接点を持ち続ける
人間は社会的動物ともいわれれるように、人は人とのかかわりを持たないでは生きていけない。家族はもちろん、地域活動、ボランティア活動、趣味の活動などを通じて他人と直接の接点を持つことは、セカンドライフを送る上での必須条件だろう。
また、人間には所属欲求というのもあるといわれているから、会社を辞めた後、何らかの団体(ボランティア団体など)に所属するということも大切なことである。そういう意味である種の宗教団体というのは、この役目を果たしているともいえる。
無料や少額で入れる団体の会員には是非なっておこう。所属欲求を満たすとともに、いろんな案内が来て、見知らぬ世界も見る機会が増える。無料のセミナーや見学会にはどんどん参加しよう。たとえ少々わずらわしいことがあっても。
また、自分のホームページなどを開設して、間接的にも外部の人と接点を持つことを考えよう。
できるだけ、いろんな世界に首をつっこんでおこう。そのためにインターネットは十分活用しよう。好奇心を持ちつづけること。年をとって何でも分かったような気になってはいけない。知らない世界はまだまだある。
第二章 生活はマンネリになるな
人間は怠け者だから楽な生活をしようとする。毎日同じことをするのは楽なのだ。考えることもないし創意工夫をする必要もない。しかし、それは「楽」だけれど「楽しくない」生活だ。楽しい生き方をする第一歩は、生活がマンネリにならないような工夫をすること。
手近なところでは、出かける際に、多くの経路を開拓しておくことだ。バスの経路を変えるとか、一つ前後の駅から乗車するとか。路地の筋ひとつ違っても違う空間がある。街角で新しいものが発見できるかもしれないし、見知らぬ風景は気分を変えてくれる。人生の寄り道も大切だが、生活の中での寄り道も大事である。ぶらっとあてもなくどこかへでかけるのもいい。地図を頼りに散策してみよう。
外食する場所もできるだけ違うところにしよう。どこかうまい食事をするところはないか、探すだけでも楽しい。買物をするにしても、いつもと違うスーパーや商店街にでかけるなど工夫をしてみよう。車で行くなら少し遠くでもいいではないか。
時々は部屋の模様替えや、不要物の処分をしよう。これだけでも気分転換になる。引越しは、マンネリ打破には有効だろうが、お金もかかるし、作業が大変過ぎる。
第三章 非日常の世界に身をおく
毎日住んでいる空間を離れて、非日常の世界に身をおいて、心をリフレッシュさせよう。それには、旅が一番いい、旅といっても非日常の空間を楽しむのであるから、有名な観光地を巡る必要もないし、高い旅館に泊まる必要もない。
旅が少したいそうなら、日帰り観光のようなものでもよい。都市近郊区間なら途中下車は出来ないが、車窓を楽しむだけなら時間を使った大回り乗車が費用が安くていい。安いバスツアー(大阪や京都の市内観光バスもある)を利用してもよいし、一日乗車券や3ディチケットのようなものを購入して、その鉄道の駅を順次途中下車して街をめぐるのもよい。また、案外、近くに行った事のない土地や施設があるのではないか。また、過去の思い出の地を巡るのもいい。
テーマパークや博物館や美術館を巡るのもいいだろう。新築マンションのモデルルーム巡りもいい。売買契約しなくてもお土産がもらえるところもある。
そうした旅等については、文章の記録を残すとか、写真を撮って整理するようにすれば、二度楽しめることになる。
第四章 運動をする
一番手軽な快楽は運動である。街でできる運動といえば、ボーリング、水泳、スケート等がある。バッテングセンターやゴルフ練習場というのもいい。私の住んでいるマンションには共用施設として体育館があるので、卓球、バドミントン等を行っている。運動後は心身とも爽快になるし、運動後の水分補給や風呂はここちよい快楽である。運動系の趣味は、多くの人と行うものを持てればいいが、少なくとも1種類は一人でもできるものを持っておきたい。隠居生活になれば、休日に混むゴルフやスキーも平日に思う存分楽しめる。
特に、朝に運動すること(散歩、ジョギング等)を勧める。運動できない場合は朝風呂に入ろう。一日中、気分が爽快である。ぜひ実行したい。
第五章 自然と接する
自然と接する機会をできるだけつくろう。都会でも公園や神社などには多くの木々があることが多い。そういう近所の場所を何箇所か探しておこう。緑の中にいると確かに気分がリフレッシュされる。できれば足をのばして、山や川のあるところへ出かけたいが。また、森林ボランティア活動を通じて山に入ってもいい。
第六章 自分の興味あることを勉強する
我々は、学校教育の中で、興味のないことまで無理に勉強させられたから、勉強が嫌いになっている傾向がある。勉強は実利を求めるものだけのものでない。
自分の興味あることを勉強するのは、知的好奇心を満たす高度な快楽である。どんな世界でもよいから興味ある世界を勉強しよう。読書もいいが、カルチャースクールやセミナー(無料のものも多い)などへ行くことを考えよう。どんな年代になっても。
何か資格をとるために勉強するのもよい。それは、資格をとって何かをするためではない。資格をとるということそのものが暇つぶしなのである。達成感を楽しむのである。
第七章 投資をする
インターネットトレーディングで「株式投資」や「外国為替取引」をしてみよう。投資だから収益を上げることは大きな目的ではあるが、この収益で生活しようということになるとこれがストレスの元になる。できれば、投資の目的は、「年金と貯蓄で生活して、投資で稼いだ収益は全部好きな趣味や遊びに使ってしまう生活」をすることにしたい。これなら、投資で儲け損ねても、遊びを少しがまんすればいい。必ず余裕資金で行うこと、生活費や借金を投資資金にしてはいけない。
投資を始めると毎日が刺激的になる。欲と二人連れで社会情勢の勉強も出来るし、どれだけ増えたか(減ったか)を楽しみ(悲しみ)に出来る。また、その方面の勉強もすることになる。楽しみであればいのであってリスクの高い無理な投資はしないこと。
投資した結果、始めは損をしてもいい。それは授業料と思えばよい。少し儲けが出始めるとおもしろくなり、「取引依存症」になる人も多いのでこれには注意しよう。
第八章 楽しみを少し先に設定する
楽しみを少し先に設定すること、例えば、ゴルフやスキーの予定入れるにしても少し早めから設定しておくようにして、それを意識して楽しもう。ショッピングにしても、すぐに買うのではなくて、カタログで研究したり、いろんな店をまわったりしよう。
特に、郵便(宅配便)はいつ来るか分からないため、待つ楽しみがあるのでこれを活用しよう。通信販売で買うというのも一つの手だ。しかし、お金には限りがあるから、あまりお金のかからない小さな楽しみ(懸賞に応募するとか、カタログの請求でもいい)も少し先に時期をずらして多く設定しておこう。
お金をかけた方が楽しみが大きいということでもない。楽しいことを待つのが楽しいのである。子供の頃、遠足が待ち遠しかったように。
第九章 前夜に明日の行動を確認しよう
隠居後は自由時間が多くなるため、自分でその時間を有効に管理しなければならない。そのためには、前夜に翌日の行動を確認、又は決定するようにしよう。しかし、これに拘束される必要はない。