第30回茨木市秋季少年軟式野球大会
 2010年8月28日  vs 茨木フレンズ  〜東雲運動広場A〜
TEAM 1 2 3 4 5 6 7  TOTAL
郡山フレンズ  
茨木フレンズ  

【大阪大会出場記念完全密着リポート】

勝てば大阪府大会出場が決まる大事な1戦。先攻は郡山フレンズ。
先発は5年生左腕のケイト。

1,2回戦を共に無失点で勝ち上がってきた両チームの対戦となったが、戦前
の予想に反し、序盤から大きく試合が動く。

1回表郡山フレンズの攻撃は、2番トモヤからユウキ・ダイヤ・タクミと4連打に
敵失も絡み2点を先制。更にシュンがきっちり送りバントを決めると打撃不調
で苦しんでいたダイキにも、モヤモヤを吹き飛ばす貴重な2点タイムリーが
飛び出し、結局この回だけで一挙4点を先制。

しかしその裏2死3塁から、ボテボテの投手ゴロの打球処理を焦り失策の間
にまず1点を献上。さらに2回裏も守備の細かい連携ミスが重なったり、不運
なあたりが野手のあいだに落ちる間に一挙3点を奪われ、早々に4点あった
アドバンテージを全て吐き出す嫌な流れ・・・。

過去の大会ではこういう展開の時は必ず、気持ちの弱さが出てずるずると、
中押し・ダメ押しを奪われ敗退する姿を多く見てきたが、この日は違った。

厳しい夏の練習を耐えて『最後は気持ちだ!』と監督・コーチから常々言わ
れ続けてきた選手達の目に強い輝きを感じた。声が出てる!選手達が自分
達で言葉を掛け合い、絶対に大阪大会へ行くんだ!という強い気持ちが、
プレーに出ている!徐々に調子を上げていくケイトを、バックも好守で盛り立てる。

試合中盤の3回・4回は両チーム共得点の無いまま膠着状態に…。
その時、相手チームの監督さんが言われた言葉『み〜んな今、水槽の水の
中に顔突っ込んでいる状態だぞ〜!』うまい表現だな〜。同点のまま淡々と
回だけが進む試合展開で、まさに両者我慢比べの様相。苦しくなって顔を上
げた方が負けなんだぞ!と。

そして迎えた5回表 郡山フレンズの攻撃。待望の勝ち越し点が入る!
ヒットで出たリョウタとトモヤを置いて、主将ユウキの痛烈なあたりがセンター
前に抜け、2者が還り6−4と2点をリード。ここで相手チームのエースが遂に
マウンドを降りる。

しかし数々の修羅場をくぐり抜け、大きな大会で実績を残してきている茨木
フレンズさん。選手達の目は全く死んでいない。すぐにでも取り返してやる!
という気迫を感じる。これが“強くなる”って事なんだ。郡山フレンズの選手も
今それを肌で感じ取っているはず…

このチームを相手の2点差なんて全くセーフティリードとは言えない。
まだまだ我慢比べは続く。容赦なく照りつける太陽。この時気温は36℃…
選手達の体力もかなり消耗している筈なのに、両チーム共選手達の目は
ギラギラしている。凄い集中力だ。

5回裏マウンドにあがるケイトにコーチが声をかける『みんながとってくれた
この2点!男やったら意地でも守って来い!』ケイトが吼える『おわぁい!』
結局この回も無失点に切り抜け、残り試合時間からみておそらく次の6回が
最後の攻防となるであろう展開。

そして6−4のまま迎えた6回裏相手チーム最後の攻撃。内野フライで簡単に
1アウトをとった後、続くバッターにライト前ヒットを許す。更に次打者へ四球
を与えたところで、ゆっくりと監督がマウンドのケイトの元へ。
目は死んでない。『まだやれる!』とアピール。しかし尋常じゃない汗。そして
コール。『ピッチャー交代!』ここで遂にマウンドをクローザーの5年生右腕
タクミに託す。

打順は8番から。なんとしても上位打線には回したくない局面…とその時、
相手ベンチと応援席から、突如地鳴りのような大声援と手拍子が沸き起こる
こちらの応援席までが圧倒される程の大音声に、思わす選手達の顔を確認
した。飲み込まれていないか?気後れしてはいまいか?

杞憂。負けていない!みんな必死で声を出しマウンドのタクミを盛り上げて
いる!相手ベンチの声を押し返している!そしてタクミはバッターだけに
全神経を集中している。感動して鳥肌が立った。

まずは8番バッターをキャッチャーフライに抑え2アウト。続く9番打者。
カウント2−3からの6球目。タクミ渾身のストレートが外角低めに…
一瞬バットにかすった音がした直後・・・スドン!とボールはそのままダイヤ
のミットに吸い込まれる。

一瞬の静寂の後『ストライク!バッターアウト!集合!』の声が澄み切った
青空に響き渡る。

全身で喜びを爆発させる子供達。歓声と涙顔の育成会。

悲願の大阪大会出場決定!

6年生たった3人に残り全員5年生以下でスタートした、新チームの最初に
掲げた目標が『大阪大会に行くぞ!』
しかし現実は春先から中々結果を出せず、もがき苦しむ姿ばかりを見てきた

『最後は気持ちだ』と言い続けながら、見ているこちらも心が折れそうな日々
が続いた。プライベートを返上して練習につきあってくれる監督・コーチ陣。

毎日汗だくになりながらランニング・素振りと努力を積み重ねている子供達
の姿を見てきているだけに、なんとか行かせてやりたい。そう思いながら見
守ってきた。そして遂に掴んだ大阪大会出場権。

思いは信じれば届く。練習は絶対に嘘をつかない。これからも監督とコーチ陣
を信じて、次なる目標へ向け突っ走れフレンズナイン!

(注)
このリポートは筆者独自の目線で記述しております。指導者は一切監修に
は関与しておりませんので予めご了承願います。

郡山フレンズHP管理人