【大阪大会出場記念完全密着リポート】
勝てば大阪府大会出場が決まる大事な1戦。先攻は郡山フレンズ。
先発は5年生左腕のケイト。
1,2回戦を共に無失点で勝ち上がってきた両チームの対戦となったが、戦前
の予想に反し、序盤から大きく試合が動く。
1回表郡山フレンズの攻撃は、2番トモヤからユウキ・ダイヤ・タクミと4連打に
敵失も絡み2点を先制。更にシュンがきっちり送りバントを決めると打撃不調
で苦しんでいたダイキにも、モヤモヤを吹き飛ばす貴重な2点タイムリーが
飛び出し、結局この回だけで一挙4点を先制。
しかしその裏2死3塁から、ボテボテの投手ゴロの打球処理を焦り失策の間
にまず1点を献上。さらに2回裏も守備の細かい連携ミスが重なったり、不運
なあたりが野手のあいだに落ちる間に一挙3点を奪われ、早々に4点あった
アドバンテージを全て吐き出す嫌な流れ・・・。
過去の大会ではこういう展開の時は必ず、気持ちの弱さが出てずるずると、
中押し・ダメ押しを奪われ敗退する姿を多く見てきたが、この日は違った。
厳しい夏の練習を耐えて『最後は気持ちだ!』と監督・コーチから常々言わ
れ続けてきた選手達の目に強い輝きを感じた。声が出てる!選手達が自分
達で言葉を掛け合い、絶対に大阪大会へ行くんだ!という強い気持ちが、
プレーに出ている!徐々に調子を上げていくケイトを、バックも好守で盛り立てる。
試合中盤の3回・4回は両チーム共得点の無いまま膠着状態に…。
その時、相手チームの監督さんが言われた言葉『み〜んな今、水槽の水の
中に顔突っ込んでいる状態だぞ〜!』うまい表現だな〜。同点のまま淡々と
回だけが進む試合展開で、まさに両者我慢比べの様相。苦しくなって顔を上
げた方が負けなんだぞ!と。
そして迎えた5回表 郡山フレンズの攻撃。待望の勝ち越し点が入る!
ヒットで出たリョウタとトモヤを置いて、主将ユウキの痛烈なあたりがセンター
前に抜け、2者が還り6−4と2点をリード。ここで相手チームのエースが遂に
マウンドを降りる。
しかし数々の修羅場をくぐり抜け、大きな大会で実績を残してきている茨木
フレンズさん。選手達の目は全く死んでいない。すぐにでも取り返してやる!
という気迫を感じる。これが“強くなる”って事なんだ。郡山フレンズの選手も
今それを肌で感じ取っているはず…
このチームを相手の2点差なんて全くセーフティリードとは言えない。
まだまだ我慢比べは続く。容赦なく照りつける太陽。この時気温は36℃…
選手達の体力もかなり消耗している筈なのに、両チーム共選手達の目は
ギラギラしている。凄い集中力だ。
5回裏マウンドにあがるケイトにコーチが声をかける『みんながとってくれた
この2点!男やったら意地でも守って来い!』ケイトが吼える『おわぁい!』
結局この回も無失点に切り抜け、残り試合時間からみておそらく次の6回が
最後の攻防となるであろう展開。
そして6−4のまま迎えた6回裏相手チーム最後の攻撃。内野フライで簡単に
1アウトをとった後、続くバッターにライト前ヒットを許す。更に次打者へ四球
を与えたところで、ゆっくりと監督がマウンドのケイトの元へ。
目は死んでない。『まだやれる!』とアピール。しかし尋常じゃない汗。そして
コール。『ピッチャー交代!』ここで遂にマウンドをクローザーの5年生右腕
タクミに託す。
打順は8番から。なんとしても上位打線には回したくない局面…とその時、
相手ベンチと応援席から、突如地鳴りのような大声援と手拍子が沸き起こる
こちらの応援席までが圧倒される程の大音声に、思わす選手達の顔を確認
した。飲み込まれていないか?気後れしてはいまいか?
杞憂。負けていない!みんな必死で声を出しマウンドのタクミを盛り上げて
いる!相手ベンチの声を押し返している!そしてタクミはバッターだけに
全神経を集中している。感動して鳥肌が立った。
まずは8番バッターをキャッチャーフライに抑え2アウト。続く9番打者。
カウント2−3からの6球目。タクミ渾身のストレートが外角低めに…
一瞬バットにかすった音がした直後・・・スドン!とボールはそのままダイヤ
のミットに吸い込まれる。
一瞬の静寂の後『ストライク!バッターアウト!集合!』の声が澄み切った
青空に響き渡る。
全身で喜びを爆発させる子供達。歓声と涙顔の育成会。
悲願の大阪大会出場決定!
6年生たった3人に残り全員5年生以下でスタートした、新チームの最初に
掲げた目標が『大阪大会に行くぞ!』
しかし現実は春先から中々結果を出せず、もがき苦しむ姿ばかりを見てきた
『最後は気持ちだ』と言い続けながら、見ているこちらも心が折れそうな日々
が続いた。プライベートを返上して練習につきあってくれる監督・コーチ陣。
毎日汗だくになりながらランニング・素振りと努力を積み重ねている子供達
の姿を見てきているだけに、なんとか行かせてやりたい。そう思いながら見
守ってきた。そして遂に掴んだ大阪大会出場権。
思いは信じれば届く。練習は絶対に嘘をつかない。これからも監督とコーチ陣
を信じて、次なる目標へ向け突っ走れフレンズナイン!
(注)
このリポートは筆者独自の目線で記述しております。指導者は一切監修に
は関与しておりませんので予めご了承願います。
郡山フレンズHP管理人
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