[イントロ 〜 ”カラオケ”]
ナレーション『カラオケ…歌が入ってない、オーケストラの伴奏だけを録音した
レコードやテープなどの略称である。元は歌手の練習や吹き込み
に用いられたが、昭和40年代後半にキャンペーンに同行する楽団
の費用を省くためカラオケ用の機械が開発され、ラジオやテレビ
の放送でも使われるようになった。その後、機械の改良や小型化
のおかげで、バー,スナックなどに設置されるようになり、カラ
オケボックスの登場が拍車をかけ、今や、一般家庭にまで普及し
ている』
なんていう、いつもとは少し違った角度から番組がスタートしています。
そのまま舞台は居酒屋”松チャン”。カラオケ(但しLD仕様(^^;))のマイクを手にしてステージに立つ孝太郎。いわゆる歌謡曲番組の司会者のノリで、尚美ちゃんの歌の曲紹介をしています。もちろん、ノリノリ(笑);
孝太郎「お待たせしました〜!上司のセクハラ乗り越えて、お茶汲み,コピーは
お手のもの。職場の華とは言わないが、お局様にはなりたくない。OL
生活の悲哀を込めて、女、杉田尚美が歌います!歌は、浜崎あゆみで、
ヴォ、ヴォ、ヴォ…何だこれ?何て読むの、これ?」
(あ、あのなぁ…(^^;)。ビストロオーナーしたばかりなのにぃ(^^;))
尚美 「もう、やめてよ!!!それ、気分台無しぃ」
孝太郎「何で?? 部長なんて、これやらないと、気分悪いんだよ」
尚美 「もう、一緒にしないでよ!演歌じゃないだから(--;)」
松永 「そりゃそうだ。あゆにはそれ、似合わね〜よな」
孝太郎「またまた、マスター。知ったようなこと言っちゃって」
尚美 「マスター、好きなんですか、あゆ?」
松永 「うん、やっぱり、塩焼きが一番だよね?」
孝太郎「いや、塩焼きっていうより、僕はてんぷらの方が好きかな?」
松永 「そう?」
孝太郎「あははは(笑)」
松永 「揚げとく?」
孝太郎「揚げとく?」
松永 「あはははは(笑)」
初っ端からおやじギャグ・・・(^^;)。孝太郎って、28歳だよね?(ちょっと不安になってきた)。もちろんそれにつき合わされている尚美ちゃんも一言;
尚美 「サイテー(--;)」
[あけぼの保険ビル 正面 〜 孝太郎君 無視される]
朝の出勤風景。会社前で、孝太郎君は徳川部長代理が前を歩いているのを見つける。
孝太郎「部長!部長!徳川部長、おはようございます!」
徳川 「・・・(無視)」(^^;)
孝太郎「いやー、今日も顔色がよろしくて、いいですねぇ。いつも健康そうで」
徳川 「シッ(孝太郎を追っ払おうとする)」
孝太郎「部長、無視しないで下さいよぉ。あっ、そうだ。(ポケットから腕時計
を取り出して)部長、あの、これ、うちに忘れてましたよ。部長の時計
ですよね?それにしても、センスのいい時計をお持ちですね〜」
と言いながら、その腕時計を服の袖で磨いたりなんかして、お得意のヨイショをするも;
徳川 「俺はもう、部長じゃない!部長代理だ!」
孝太郎「えっ?あっ、そうでしたね」
徳川 「ヨイショする相手が、間違えてるんじゃないのか?お前はもう、信用で
きん!」
と、すねて先に歩いて言っちゃう徳川部長;。さらに徳川は、今度はその前を行く同志(?)である白石を捕まえて;
徳川 「おいっ、白石ちゃーん」
白石 「あっ、おはようございます」
徳川 「相変わらず決まってるなぁ。サラリーマンはそうじゃなきゃいかんよ!」
白石 「・・・」
徳川 「今日も一日頑張ろう!」
と、なぜか今度は徳川が白石をヨイショしたりなんかして・・・。でも、明らかに迷惑そうな白石君。
[あけぼの保険ビル 第一営業部オフィス 〜 孝太郎君 引き続き無視される]
自分の席で大きなため息をつく孝太郎。めずらしく笑顔が消えてます(^^;)。隣の白石の席では、徳川がベッタリと白石にくっついている;
徳川 「何やってるの?」
白石 「メールですよ」(←迷惑そー)
徳川 「メールか…」
白石 「さ、さ、触らないで下さいよ」
と、仲良さそうにしている(?)徳川&白石ペアの間に、なんとかして間に入ろうとする孝太郎君。白石君を挟んで、部長代理に呼びかけてみたりして…(^^;);
孝太郎「(ヒソヒソ声で)部長!部長!」
徳川 「シーっ、シーっ、シーっ(追い払う)」
孝太郎「部長!」
徳川 「シーっ、シーっ(再び、孝太郎を追い払う)」
あまりに無視されるもんだから、チョンと横から白石のキーボードをちょっと叩いてみたりして…(これがまた、可愛いんだ!(*^^*)。ただし、とても28歳の会社員の行動には見えなかったけどね!(爆))
白石 「何するんだよ?!(--;)」
と、朝のちょっとしたやり取り(^^;)。しかし、ここで真紀子が出社してきまして、それを見たとたん、孝太郎の目先のヨイショの対象は、そちらに移るわけで・・・;
真紀子「おはよう!」
一同 「おはようございます」
孝太郎「あっ、部長、おはようございます。今日も、お綺麗ですねぇ。それに、
この素敵なお洋服!」
真紀子「昨日と同じなんだけど」
孝太郎「え゛っ?」f(^^;)
真紀子「洋服。新しいの出す時間が無かったの!」
孝太郎「新しい服を着ていても、それを感じさせない素晴らしさ。流石です!」
真紀子「あんた、よくもまぁ、次から次に心に無い言葉が出てくるわねぇ」
孝太郎「心にも無いなんて、それはないですよぉ(と、よろめいてみたりして)」
真紀子「はいはい。そんなことはいいから、会議の準備はできてるの?」
孝太郎「(姿勢を正して)もちろんです!」
真紀子「みんな揃ってるわね」
孝太郎「はい!」
真紀子「じゃぁ、そろそろ始めましょうか?会議中、電話は取り次がなくていい
から。それから、コーヒーか何か用意して」
尚美 「はい」
と、真紀子は尚美に指示を出し、そのまま会議室に向かう。孝太郎はその後に続いていこうとするが、徳川が片足を出して、孝太郎を躓かせたりして…(徳川も子供なんだから…(苦笑))。でも、すぐに起き上がって、めげずに;
孝太郎「さぁ、行きましょう」
と、会議室に向かいます。何だか、第一営業部の面々、みんな、幼稚化してないかい?(^^;)。
一方、炊事場。尚美たちが真紀子の指示に従い、お茶を入れている。もちろん、口々に、お茶汲みを命じた真紀子の悪口を言ってます。
[あけぼの保険ビル 第一営業部 会議室 〜 『あじぇんだ』って何ですか?]
会議室。真紀子以下、徳川,白石,孝太郎,由紀江,井原,吉村が席についている。そこに尚美がお茶を入れて入ってくる;
そして会議、尚美がお茶を入れて持ってくる。真紀子は自分のところに置かれた湯飲みを見てクレームをつけます;
真紀子「何なの、これ?」
尚美 「あっ、これは部長の湯飲みで、選んだのは孝太郎・・・いえ、桜井さん
です。気に入りませんか?」
真紀子「いや、そういうことじゃなくて、どうしてみんなバラバラの湯飲みなの?」
尚美 「だって、それは昔からだから」
真紀子「効率が悪いので、こういうことは止めなさい」
尚美 「えっ?でも・・」
というとろこで、孝太郎君が助け舟;
孝太郎「あっ、あのですね、あの、お茶一つとりましても、みなさん、それぞれ、
あの…好みと言うものがございまして。例えば徳川部長代理は入れたて
の熱ーいのが好きですし。井原さんなんかは、ね、温い方が好きですし、
白石くんは、ほら、日本茶よりもコーヒー党なんですよ」
と、フォローしたものの、根本的な部分で問題としている部分が真紀子とは違うようで;
真紀子「(机を叩いて)ここは喫茶店じゃあありません!一人一人の好みを聞い
ていたら、彼女の仕事が増えるだけでしょ!」
孝太郎「仰るとおりです、早速改善策を考えます」
と、あっという間に真紀子側に付いちゃう孝太郎。移り身が早いと言うか、何というか…(^^;)。でも、正しいものを正しいと認める姿勢は本来、認めるべきなんでしょうけどね。だけど、尚美ちゃんは;
尚美 「・・・失礼します。」
と、冷たーく退室(^^;)。さて、会議の方ですが・・・;
真紀子「それでは始めましょう。本日のAgendaは、Risk hedgeに敏感になって
いる現在のMarketで、如何にCustomerのNeedsを捉えるか。Contents,
Option,ServiceにおけるStrategyを考えることです。何か意見のある
人はいますか?」
徳川 「・・・。オイ、今、何て言ったんだ?」
白石 「Real Business を知らない人の言葉ですね。Insurance は Needs に
よって成り立ってきた産業です。しかし、今、重要なのは Needs では
なくて、Wantではないですか?」
徳川 「うおんと???一体、どういう意味だよ。」
白石 「ちょっと黙ってて下さい」
徳川 「教えてくれたっていいじゃないか…」
孝太郎「あのー、ちょっと、質問いいですか?あじぇんだ、って何ですか?」
真紀子「は?」
孝太郎「あっ、ほら。部長、最初に『本日のあじぇんだは…』って、ホラ、仰っ
てたじゃないですか。その…あじぇんだ、っていう言葉の意味なんです
けど…」
白石 「”協議事項”って言う意味だよ」
孝太郎「協議事項・・・。あーあ、あのまぁ、あの、本日の議題ということです
ね」
真紀子「まぁ、そういうことね」
孝太郎「なるほど、協議事項((..)Φメモメモ)。それじゃぁ、あの…この…、
りすくへっじ、というのは?」
白石 「”危険を回避する”」
孝太郎「危険を回避する(再びメモメモ)・・・へぇ。それではですね、あの、
こんてんつ,おぷしょん,さーびすにおける、すとら、すとらてじー」
真紀子「あのね、全部解説させるつもり?」
孝太郎「いやいや。横文字に弱いもんで・・・」
真紀子「そんなこと分かんないの、あんただけよ」
孝太郎「あっ、すみません」
徳川 「いや、いや。実は私もわからん・・・(と、挙手)」
井原 「俺も(同じく、挙手)」
吉村 「僕も(続いて、挙手)」
由紀江「挙手(躊躇いつつ挙手)」
孝太郎「はい、もちろん、僕も(にこやかに挙手(^^;))。あははは(^^;)」
あきれ返る真紀子、と白石(^^;)。この辺の話は、実際の会社でも、よくある話なんだよねぇ。今の時代、英語ぐらい…と言われるんだけど、横文字に弱い私はすっごく気持ちがよく分かるよ(^^;)。
[あけぼの保険ビル 第一営業部オフィス 〜 会議が終わって…]
孝太郎「へー、すとらてじーって、これ戦略って言う意味か、いやー、勉強になるなぁ。あっ、白石君さ、もう一個聞きたいことがあるんだけど・・・」
白石 「お前なぁ、少しは自分で調べろよ」
孝太郎「どうやって調べんの?」(おいおい(^^;))
白石 「これでも読むんだな」
といって、机の上に置かれたのは、保険辞書?(@かなり分厚い)
孝太郎「何これ?これ、ぜ、全部読むの?(@o@)」(な訳ないだろー(^^;))
白石 「そう」
パラパラと辞書をめくる孝太郎を見捨てて、品川方面に行き先を掲示して、オフィスを出ていこうとする白石。その白石を由紀江が呼び止める;
由紀江「白石君、外回り?」
白石 「ああ」
由紀江「ねぇ・・・あの・・・いや、何でもない。いってらっしゃい」
そうして、何事も無く、白石はエレベータを降りていく。そんな由紀江の姿を遠巻きに見ている尚美ちゃん。
[あけぼの保険ビル前道路 〜 白石君と相乗り]
タクシーを停める白石。そこに孝太郎がやってくる;
孝太郎「あっ、白石君、待って!あれっ、タクシー?お金大丈夫なの?」
白石 「ちょっと急いでいるから」
孝太郎「だったら、一緒に乗けってよ。ほら、うち、経費節約しろってうるさい
からさ、ね。先乗って。田町で降りるから」
と、やや強引に(^^;)同乗する孝太郎君。
孝太郎「運転手さん、田町経由で品川まで御願いします」
[あけぼの保険ビル 第一営業部オフィス 〜 社内恋愛の先輩]
炊事場で先ほどの由紀江の様子を冷やかす尚美ちゃん;
由紀江「私が?」
尚美 「そう」
由紀江「白石君のこと?・・・そんなんじゃないわよ」
尚美 「あっ、声が上ずってる。図星かぁ」
と、納得顔の尚美ちゃん。
尚美 「まぁ、社内恋愛に関しては私が先輩ですから、何か相談事があったら、
いつでも受け付けますよぉ」
とはいえ、孝太郎との社内恋愛のケースと、白石君相手のケースとで、同じことが当てはまるとも思えないけどねぇ(^^;)。
[街中 〜 タクシーの中で]
そのままタクシーの中で話を続ける孝太郎と白石;
白石 「おまえ、これからどこ?カブト建設?」
孝太郎「ううん。やまいぬ運送って会社。新規の客なんだ。上手く契約取れそう
でさ」
白石 「やまいぬ運送?聞いたことないな」
孝太郎「本社が関西で最近、東京に進出してきたみたい。これがさ、上手くいけ
ば、結構大きな取引になりそうなんだよね。白石君はパシフィック工業?」
白石 「あ、ああ」
孝太郎「すごいよね、白石君は。持ってる顧客がみんな一流だもんなぁ。それに
しても、重いねぇ、この本」
といって、取り出したのは、先ほどの分厚い保険辞典。呆れた性格と申しましょうか、やっぱり天然と申しましょうか・・・(苦笑)
白石 「えっ、それ、持ってきたの?」
孝太郎「うん。家で読もうと思ってさ。いいよね?」
白石 「ああ。別にいいけど・・・」
(↑やや、呆れ気味)
そして、孝太郎の目的地に到着し、先にタクシーを下りる孝太郎;
孝太郎「白石君、ありがとう」
白石 「ああ」
孝太郎「あっ、ちゃんと領収書もらっといて。半分払うから」
(↑律儀なヤツで良かった。てっきりタダ乗りするのかと思ってたもので)
白石 「わかった」
孝太郎「じゃぁ、がんばってね」
と、ちゃんとエールを送って車を降りる孝太郎。相変わらずいいやつだ。孝太郎を見送って;
運転手「次、品川方面ですよね?」
白石 「いや、新宿行ってくれる?」
[シティホテル 〜 引き抜き話]
そして、新宿某ホテル(CENTRAL HYAT TOKYO?)。白石はホテルのロビーで、学生時代の友人田畑と会う;
田畑 「久しぶりだな、元気か?」
白石 「まぁ・・・な」
田畑 「元気なわけないか。色々と大変だったもんな」
白石 「それより、何だよ話って?」
田畑 「まぁ、ちょっと来てくれ」
そして、白石は田畑にホテルのスイートの部屋に案内される(うわ〜、損保会社ってリッチなのねん)。
田端 「部長、紹介させてください。僕の大学のときの同期で白石英二君です。
現在はあけぼの保険の第一営業部で働いています」
上野 「どうも、はじめまして。ユニバーサル損保の上野です」
そして、互いに名詞を交換する白石と上野。上野の名詞には、『人事部部長』の肩書きが・・・。上野はあけぼの保険合併の話を聞きつけ、白石を引き抜くために接触してきたのだった;
上野 「どうです、うちに来ませんか?このままあけぼの保険にいても、あなた
の能力を発揮することができないんじゃないですか?」
白石 「・・・いや」
上野 「御自分でもそう思っているんでしょ?」
[あけぼの保険ビル 第一営業部オフィス 〜 懇親会しましょ]
数日後・・・かな?コピー室で、何やら自らコピーをしている孝太郎。
孝太郎「よし!」
と、出来上がったコピーを見て、満足な表情を示しております。
そして、真紀子のデスクに、そのコピーした紙片(自らカラーマーカーで着色もしてます。こういう部分は熱心だねぇ(^^;))を置きます。その紙片は、親睦会の御案内・・・;
孝太郎「どうぞ」
真紀子「親睦会?」
孝太郎「はい。今日の夜、開こうと思うんですが、部長にも是非、参加して頂き
たいと思いまして」
真紀子「何のためにこんなことをするの?」
孝太郎「はい。グローバルライフとの合併以来、うちの部署としましてもお互い
のコミュニケーションが不足していると言いますか・・・。まぁ、一度、
お互いに酒を飲んで腹を割って話し合った方が、今後の仕事のためにも
いいかと思いまして。まぁ、いわゆる一つの”飲みにケーション”って
やつですね」
真紀子「時間の無駄だわ!」(案の定、一蹴・・・(^^;))
孝太郎「えっ?」
真紀子「仕事の問題は仕事場で解決する、それが私のやり方」
孝太郎「そう深刻に考えないで。ただの飲み会と思って頂ければいいんですよ。
ほら、あの、アメリカ風に言ったら、パーティってやつですよ。ここで
やりますんで、部長も来てくだ・・・」
真紀子「こんな物を作っている暇があったら、仕事をする!
(カバンに書類を詰め込んで)私は本社で仕事があるから、お先に」
と、真紀子は孝太郎を無視して、オフィスを出て行く;
孝太郎「あの・・・部長・・・あの是非・・・部長っ!」
真紀子説得失敗・・・(笑)。で、その隣を見ると、徳川部長代理の姿を発見!ってな訳で、あっさりとターゲットを変更しています♪;
孝太郎「徳川部長・・・実は今夜、親睦会を開こうと思ってまして・・・」
徳川 「そんなにあの女と仲良くしたいのか?」
孝太郎「え゛っ?」
徳川 「この、裏切り者・・・」
孝太郎「もう、そんなんじゃないですよぉ。このところ、忙しくて、部長の歌も
聴いてませんし・・・」
徳川 「カラオケやるのか?」
孝太郎「もちろんですって。まぁ、ぶっちゃけた話、部長の歌が聴きたくて開く
ようなものですから!」
徳川 「また、調子のいいこと言って。お前にはもう、騙されんぞ!」
孝太郎「部長・・・ここんとこ、忙しくて、歌ってないんじゃないですか?」
徳川 「そう言われると、随分、歌ってないなぁ…」
孝太郎「是非聴かせてくださいよぉ、部長、お得意の『昴』・・・あの
昴を聴くと、生きる勇気が湧いてくるんだなぁ(遠い目)」
徳川 「そこまで言われるとなぁ」
孝太郎「そうこなくっちゃ!」
今回も、徳川さん、チョロイ・・・(笑)。
[居酒屋 松ちゃん 〜 カラオケ大会!]
さてさて、その夜。いつものお店『松ちゃん』で、カラオケ大会開始です。もちろん、司会進行は孝太郎君(う〜ん、こういう特技があるなら、サラリーマンを辞めても、やっていけるんじゃない?(笑))
孝太郎「思えば40数年前、ネクタイ姿も初々しく、くぐった門はあけぼの保険。
艱難辛苦を乗り越えて、その身を捧げたサラリーマン。バブルの崩壊、
何のその、今日もどっこい生きている。男、徳川康弘が、心を込めて歌
います。歌は、昴〜!どうぞ・・・」
なんていう孝太郎の司会に導かれて、気持ちよく『昴』を歌い始める徳川部長代理。完全に酔っ払って出来上がっております(笑)。さらに、孝太郎君は「よっ、日本一!」なんていう合いの手も入れてますし、「ほらほら、手拍子して」と尚美ちゃんたちにも促したりして、ますます部長代理殿は気持ちよ〜く、歌い上げてます(笑)。
一方、店の片隅では、白石と由紀江が孝太郎たちとは少し離れたところで飲んでます;
白石 「ったく、何で俺がこんなことに付き合わなくちゃいけないんだよ(--;)」
由紀江「まぁ、いいじゃない。桜井君も一生懸命やってるんだし。それにあの女
部長もいないし、昔のあけぼの保険みたいじゃない?」
白石 「そりゃそうだけど、こんな安っぽい店で飲むことは無いだろう?ええ?」
松永 「えっ、何か言った?」(^^;)
そして、「話がある」と、由紀江とヒソヒソ話を始める白石。
白石 「おまえさ、今の自分に満足してるか?」
由紀江「えっ?」
白石 「今の職場では自分の力が発揮できない、そう思ってるだろ?」
由紀江「あっ、仕事の話ですか・・・(やや、落胆)」
白石 「何の話だと思ってるんだよ」
由紀江「あっ、いやいや、それで?」
と、由紀江は思いを隠しながら、白石の話の続きを聞く。白石は由紀江にユニバーサル損保からの引き抜きの話があったことを打ち明け、その話に乗る意思があることを打ち明ける;
由紀江「でも、白石君、俺たちが辞める必要ない、って言ってたじゃない」
白石 「そうだよ。辞めるべきなのは、あの女部長と、あの馬鹿な連中の方だ。
でもさ、実際、あけぼの保険はあの馬鹿な連中に支配されている。俺は
もう、付き合ってられない」
由紀江「本気で移るつもり?」
白石 「それで、君も一緒に来ないかと思って…」
由紀江「私が?」
白石 「向こうももう一人ぐらい連れてきて欲しいって言ってるんだ」
由紀江「でも、そんな。急に言われても・・・」
と、重要な話をしているところに、酔っ払いのおやじ・・・徳川部長代理が乱入(^^;)。
徳川 「おい、白石!一緒に歌おう!何がいいんだ?」
白石 「僕はちょっと・・・」
徳川 「”僕はちょっと”・・・そんな歌あったかな?」
白石 「いや、僕はいいです」
徳川 「おい、桜井!白石の歌、入れろ!」
孝太郎「えっ、白石君、歌うの?やった!!白石君の歌、聴いたこと無いもんね」
白石 「だからいいって」
孝太郎「”だからいいって”、ってそんな歌あったっけ?あははは(笑)」
白石 「いや、僕は歌いません!」
などというやり取りの間も、白石にまとわりつく徳川(@酔っ払い)。ついには白石にキスまでしたりして・・・(う〜ん、このドラマの最初のキスシーンが、白石と徳川のキスシーンだなんて…(涙))。ついに我慢の限界がきて、徳川を振りほどく白石君;
白石 「僕はカラオケ嫌いなんですよ!!!」
振りほどいた勢いで、そのまま徳川は孝太郎たちのいるテーブルの料理をすべて倒してしまう。
孝太郎「部長、ちょちょっと大丈夫ですか?部長しっかりして下さい」
と、大混乱状態ですが、白石は一人、沈黙・・・カラオケ好きの酔っ払い集団に、怒り心頭って感じ・・・(ヤバっ)
[真紀子のマンション 〜 懇親会不参加の真紀子の場合]
真紀子がマンションに帰宅すると、部屋では津村が待っていた;
真紀子「あーら、来てたのね・・・」
津村 「親睦会、どうだった?」
真紀子「行かないわよ、そんなもの」
津村 「何だよ、行かなかったのか・・・」
真紀子「大体、誰に聞いたの、そんなこと?」
津村 「何だか、お前の所の社員が社長室まで来て、こんな物を置いていったん
だ」
と言って、津村は、昼間、孝太郎が作成していたあの親睦会の案内のコピーを差し出す。孝太郎、なかなかやるじゃないか〜(^^;)。
津村 「あははははは(笑)。面白い男じゃないか!まぁ、普通、社長は誘わない
だろう」
真紀子「呆れて、ものも言えないわ。」
津村 「彼のお陰なんだろ?この間、失いかけてた岩森工業との契約、取り戻す
こと、できたのは」
真紀子「別にそれほどのことでもないわよ」
津村 「この間、ゴルフ場で岩森工業の社長と会ったら、そう言ってたぞ」
真紀子「・・・」
真紀子「悪いけど、帰ってくれる?今日は、すごーく疲れてるの」
津村 「冷たいな、最近は」
真紀子「面倒くさい仕事を押し付けたのは、一体誰よ?あの第一営業部の連中と
付き合うのは大変なことなのよ。できれば誰かに代わって欲しいぐらい
だわ。じゃぁね。おやすみなさい」
といって、津村を追い出す。本当に真紀子さん、苦労しているようで・・・(笑)。って、それだけじゃないんだろうけどね。
[孝太郎のマンション 〜 孝太郎に襲い掛かった災難(笑)]
翌朝。孝太郎の部屋の棚の上には、尚美の髪留め・・・そしてカバンが置かれている。そして、孝太郎君の可愛〜い寝顔(ハート♪);
孝太郎「やめろって、尚美・・・うふふふふふ、くすぐったいから・・・やめろ
って・・・後にして・・・くすぐったいって、尚美・・・」
と、寝ぼけながらゆっくりと目を開けると、目の前には徳川部長代理の顔が!!!
孝太郎「あ゛ーーーーーーーっ」
う〜ん、ベタな笑だなぁ・・・(笑)。それにしても、今度はこのドラマの初めてのベッドシーンが孝太郎と徳川さんの組合せなのねぇ・・・。
孝太郎「ちょっと、なに、何やってるんですか、こんな所で!ちょ、ちょ、ちょ、
ちょ、ちょ、止めて!。止めて、止めて、止めて、止めて!!!」
(↑大パニック中・・・)
同じベッドで寝ている徳川さんの横で、孝太郎があたふた&おどおどしていると、そこに尚美が買い物をして普通に帰ってくる(って、ホント、尚美ちゃん、普通に帰ってきたねぇ…(^^;));
尚美 「ただいま〜。やっと起きたねぇ」
孝太郎「な、な、な、な、何。はい?何で徳川代理部長(?(^^;))がいる訳?」
尚美 「覚えてないの?」
孝太郎「いや、全然」(←完全否定(^^;))
尚美 「二人で夜通し盛り上がっちゃって、もう大変だったんだよ。あっ、朝ご
はん作るんでね、ちょっと待ってね」
孝太郎「ああ、びっくりした」
と、ほっと一息ついていると、ぬぼーっと徳川さんが起き上がってきて、孝太郎の顔を見て;
徳川 「あ゛ーーーーーーーっ」(^^;)
そうこうしている間に、朝食が出来ました。
尚美 「それでは、いただきまーす」
孝太郎「いただきます」
徳川 「(唐突に)おまえたち、いつ結婚すんだ?」
二人 「(思わず噴出す)」
徳川 「どうした?」
孝太郎「いや、いや」
二人 「(顔を見合わせて)あはははは・・・」(←とにかく笑ってる)
徳川 「何がおかしいんだ?」
尚美 「いや・・・だって・・・ねぇーーーーーー」
孝太郎「ねぇーーー」
徳川 「こうやって朝飯作ってくれるんだから、子供だって作ってくれんぞ!」
二人 「はーーーーーーーっ???」
徳川 「何だ、違うのか?」
孝太郎「違いますよ、それは」
徳川 「じゃぁ、遊びか?」(何でそうなる?(笑))
孝太郎「遊び?えっ」
尚美 「孝太郎、そうなの?」
孝太郎「いや、いや、何言ってんだよ、お前?」(←なぜか立場が弱い)
徳川 「お前は酷いやつだなぁ」
孝太郎「ちょっと、勘弁してくださいよ、部長」
尚美 「ちょっと何よ、はっきりさせてよ。何、遊び?」
孝太郎「まぁまぁ」
尚美 「もう、サイテー。はっきり言って!」
孝太郎「はっきり言ってるよ」
尚美 「聞こえない」
孝太郎「ちょっと、遊びじゃないよ!」
尚美 「聞こえない。なに、遊び!!!?」
孝太郎「何でそう一方的なの?」
尚美 「何???一方的はそっち!!!!」
と、朝から延々と夫婦喧嘩が繰り広げられる孝太郎の部屋でした(笑)。
[あけぼの損保本社 第一営業部 〜 白石君の退職宣言]
某日。第一営業部の日常の仕事中の光景。真紀子が白石の担当しているパシフィック工業についての業務の進捗を確認している。しかし、白石は真紀子に、反抗的な口調で返答を繰り返す;
真紀子「聞いてるの?」
白石 「分かってますよ」
真紀子「ちょっと、こっちに来なさい!」
白石 「何ですか?」
真紀子「いいから、早く。あなたねぇ、いい加減その反抗的な態度、改めないと、
損するわよ!」
白石 「どういう意味ですか?」
真紀子「査定に響く、っていう意味」
白石 「僕を脅すつもりですか?」
真紀子「私はあなたの上司よ。分かってる?」
白石 「どうぞ御自由に。もう辞めますから」
真紀子「辞める?」
孝太郎「白石君!!!???」
白石が会社を辞めるという言葉を耳にし、孝太郎も会話に加わってくる;
真紀子「辞めてどうする気?」
白石 「ユニバーサル損保に移ります」
孝太郎「白石君、それ、引抜ってこと?」
白石 「まぁそういうことだ。まだ話すつもりは無かったんですけど、ちょうど
いい機会かもしれません。今日は早退します。退職願は後日提出します」
他の同僚たちは、白石の引き抜きの話を聞いて、「すっごーい」、「すごいな」などと口にしていますが、孝太郎だけは真剣に焦ってます;
孝太郎「ちょっと、白石君、それはないよね。ねぇ、ちょちょちょ、待ってよ。
だって、白石君に辞められたら、うちの部署は後どうなるの?だって、
白石君、うちの部署の営業成績ナンバーワンなんだよ。白石君に辞めら
れたら、みんな困っちゃうよね?」(←一人おどおど)
白石 「この部長はそんなこと、思ってないみたいだぜ」
真紀子「・・・」
孝太郎「緒方部長、止めてくださいよ。白石君辞めさせないで下さい」
真紀子「放っておきなさい」
孝太郎「(徳川に向かって)部長代理、何とか言って下さいよ」
徳川 「・・・」
孝太郎「部長代理!」
孝太郎以外、誰も白石を引き止めるものは居ない。なんだか、それはそれで寂しいよね・・・。白石はそのままオフィスを出て行く;
孝太郎「ねぇ、白石君、待ってよ!」
白石 「どけよ!」
孝太郎「白石君、もう一度考え直して。あけぼの保険には、白石君が必要なんだ!」
白石 「そんなこと、誰も思っちゃいないよ」
孝太郎「白石君!」
[あけぼの損保本社 屋上 〜 孝太郎、悩む?]
ビルの屋上。ただ一人、風に吹かれている孝太郎君。その背後から、徳川さんが、孝太郎の肩を叩く。
孝太郎「部長・・・何で、止めてくれなかったんですか?」
徳川 「俺が止めたって、同じだよ」
孝太郎「でも・・・」
徳川 「会社がこうなって、みんな苦しんでる。俺の同期の連中も随分と辞めた。
みんな、それぞれの人生だ・・・あいつはあいつの選択をしたんだ」
孝太郎「・・・」
そうなんだよねぇ・・・(しみじみ)
[居酒屋 松ちゃん 〜 恋愛の先輩と後輩]
尚美と由紀江が二人で飲んでいる;
尚美 「えっ?由紀江さんも会社、辞めるつもりなんですか?」
由紀江「まだ、そう決めたわけじゃないわよ。でも、白石君に誘われているのよ
ね…」
尚美 「由紀江さん辞めたら、私ショックだな」
由紀江「ねぇ、どうしたらいいと思う?」
白石が辞めると言ったときに一緒に辞めると言わなかったことを、白石に対して申し訳ないことをしたと後悔している由紀江。だが、尚美は、相手の会社の人とも会ってない状態で、かつ、白石の気持ちも分からない状態では、もっと慎重に考えるべきだと、無責任に(^^;)主張する。
由紀江「あんた、随分、酷いことを言うのねぇ」
尚美 「恋愛は人の判断を狂わせますからね。こういうことは、もっと現実的に
対処していかないと…」
尚美ちゃん、意外とたくましいのね・・・(^^;)。
[某高級レストラン 〜 白石君 ユニバーサル営業部長と会う]
白石は、ユニバーサル損保の田畑,上野とともに、営業部長の神田と面談する。
神田 「で、どうかね。決心はついたかね?」
白石 「はい。まだ、正式に辞表は出してませんが、今月いっぱいに、あけぼの
保険の方は退職しまして、来月からお世話になれるかと思っております」
その白石の回答に喜ぶ神田。その前祝に、自らワインをオーダーする神田;
白石 「神田部長はワイン、お詳しいんですか?」
神田 「あはは、まぁね」
白石 「そうですか。嬉しいですね。あけぼの保険には趣味の合う人間が少なく
て」
神田 「そうか」
白石 「これからは御一緒にワインを楽しめますね」
と、新しい会社に、人付き合いの面でも期待する白石だったが、その食事が終わって店を出たところで・・・;
神田 「さてと。どうするか?もう一軒ぐらい行くか?」
白石 「はい。じゃぁ、バーか何かにしますか?」
神田 「いや。まぁ、バーもいいけど、白石君、カラオケ好きか?」
白石 「か、カラオケ?」(来たよ、来たよ・・・(^^;))
上野 「神田部長の歌はプロ級なんだよ。社内のカラオケ大会でも毎回優勝して
るんだから!」
田畑 「やっぱり、今夜も行っちゃいますか?!」
神田 「ああ、そうだな。白石君の歌も是非、聴きたいしね。な?」
上野 「あ、そうですね」
神田 「じゃぁ、俺の馴染みの店に行こう!」
田畑 「行きましょう、行きましょう」
と、断ることも出来ずに、流される白石君。
[居酒屋 松ちゃん 〜 白石君の災難]
そして、白石たちがやってきた店が、もちろん、こういうドラマではお約束の居酒屋『松ちゃん』。いや〜、お約束すぎて、この展開は笑ったぞ!
白石 「馴染みの店って、まさかココですか?」
神田 「うん。いや、久しぶりなんだけどね。ボトルが入ってるんだよ」
と、言いながら店に入る神田たち。白石は・・・カバンで顔を隠しながら着席。神田らが松永と仲良く話す間も、白石君、顔を背けてます。なんとか松永に発見されるのを逃れたと思ったら、今度は出されたオシボリで顔や首までふき始める神田他2名(爆笑)。そうなのよ、そうなのよ、そうなのよねぇ・・・(笑)。
神田 「こういう店の方が落ち着くな。君もそう思うだろう?」
白石 「・・・はい」
神田 「じゃぁ、早速だけど、一曲、いっとこうか?」
白石 「僕が?!?!?!」
田畑 「お前ね、こういうときは、新人が先に歌うもんなんだよ」
白石 「いや、できれば部長の歌の方をお先に」
神田 「真打は最後に歌うもんだよ。(白石に)まず、一曲、やってこい!」
と、その気も無く曲目リストをパラパラとめくるうちに、『昴』のイントロが流れ始め・・・;
神田 「何だ、もう入れちゃったの?」
田畑 「いえ。お前、入れた?」
白石 「いや」
上野 「でもこのイントロが出ちゃったら、もう行くしかありませんな、部長!」
神田 「しょうがないな・・・」(って、おいおい、この連中は…(^^;))
と、誰が入れたか分からない『昴』を歌うために、マイクを握る神田。でも、昴と言えば確か・・・
徳川 「何やってんだよ、これは俺の歌だよ!」
と、徳川部長代理登場(爆)。ああ、この展開もお約束すぎるぞ〜!!!!(爆笑)。
「俺が!」「俺が入れたんだよ」の言い合いが続き、徳川に突き飛ばされる神田。もう、こうなったら、誰も止めることができない展開に流れ込んでいきます(^^;);
神田 「ちくしょぉ〜〜〜」
田畑 「何すんだよ!このくそおやじ!
昴はな、うちの営業部長のオハコなんだぞ!」
と、神田の”子分”が主張すれば、もう一方の徳川部長代理の”子分”といえば・・・
孝太郎「やめろ!
昴はな、うちの徳川部長代理のオハコなんだぞ!」
と、孝太郎も登場してくるわけやね(笑)。
田畑 「部長代理だと?!こっちはな、部長だぞ、部長!!!こっちの方が全然
偉いじゃないか!」
徳川 「何?もう一度、言ってみろ!このやろー(相手をビンタ)」
神田 「ちくしょー。どこのどいつだ?名を名乗れ、名を!」
徳川 「おう!上等じゃねーか!こちとらな、あけぼの保険営業第一部部長代理、
徳川康弘だ!」
孝太郎「その、第一の子分の桜井孝太郎だ!!!」
ああ、もう、子供の喧嘩状態・・・(笑)。徳川や孝太郎まで居合わせて、絶望的な表情の白石君。
神田 「あけぼの保険だと?おい、白石、お前、知り合いか?」
徳川 「白石?」
孝太郎「白石君?何やってるの、こんなところで?」
と、とうとう存在を気づかれまして、仕方なく孝太郎たちと向き合う白石;
白石 「ああ・・・こちらはユニバーサル損保の営業部長さん」
孝太郎「ユニバーサル損保?」
徳川 「もしかして・・・神田さん?」
神田 「まぁ、そうだが・・・」
徳川 「お噂はうちの社長の方から…あっ、いやもう、社長ではないんですけど、
先代の社長の明智から。何でも、保険協会のゴルフコンペで…」
神田 「ああ、覚えてるよ!彼、全くダメだねぇ…。コースに出るのがちょっと
早すぎたんじゃないかな?」
徳川 「あ、全く御尤もです」
となると、今度は、急にマイクを譲り合う徳川と神田。
徳川 「あ、あ、歌、どうぞ」
神田 「いやいやいや」
徳川 「どうぞ」
神田 「そんなこと。私もね、お恥ずかしい、お恥ずかしい」
徳川 「いやいや、いや。それでは、御一緒に如何でしょうか?」
神田 「いいんですか?」
なんてやり取りをしている間に、やがて、二人は肩を組んで『昴』を歌い始めてます。この辺がいかにも日本のサラリーマンらしい展開ってことなんでしょうかねぇ(笑)。もちろん、忘れちゃいけない孝太郎君もその場に順応してまして;
孝太郎「おたくの部長、素晴らしいですね。歌が上手!ねぇ、白石君、凄いよね」
と、白石の手までとって手拍子したりして「よっ、日本一!!!!」(笑)。
白石 「・・・」
[街中 〜 同期というもの]
タクシーを呼び、それぞれの部長たちがタクシーに乗り込むのを見送る孝太郎と白石君;
神田「それでは諸君、さらばだ!」
徳川「ばんざーい。われはゆく〜!あばよ〜!」
などと、完全に出来上がっている部長様方ですが、それを深々と頭を下げて律儀に見送る孝太郎と、しらけて見ている白石君;
孝太郎「おやすみなさーい。お気をつけて」
そして、タクシーを見送って;
白石 「・・・やっと、帰ったな」
そのまま二人は、夜の道を歩き始める・・・
自動販売機前。白石が缶ジュースを買って、孝太郎に放り投げる;
白石 「はい」
孝太郎「(危なっかしく受け取りながら)おっ、ありがとう」
缶を開け、一息つく同期の二人;
孝太郎「・・・。白石君、本当に、向こうに行っちゃうんだね?」
白石 「そのつもりだったけどさ。何か、失敗したかな・・・」
孝太郎「?」
白石 「日本のサラリーマンっていうのは、何でみんな、ああなんだろうな?」
孝太郎「ああって?」
白石 「もっと格好よく、スマートに仕事ができないのか、ってこと」
孝太郎「白石君は、スマートで格好いいよ」(←本心)
白石 「ああ・・・(笑)」
孝太郎「あっ、そういえばあの本、読んだよ」
白石 「あの本って?」
孝太郎「白石君が貸してくれたやつ」
白石 「あの本、全部、読んだのか?」
孝太郎「(頷く)徹夜で。大変だった〜。でもね、改めて白石君が凄いと思った
ね。だってあの本、難しいよ」
白石 「俺は読んじゃいねーよ」
孝太郎「え?」
白石 「お前をからかうためだよ。あんなもん全部読むやつがいるか!ははは」
孝太郎「あっ、そうだったんだ。いや・・・そりゃ、まいったな(^^;)」
と言いながらも、それでも孝太郎は;
孝太郎「いや、でも、勉強になったよ。ありがとう」
白石 「・・・」
そして、白石は、缶ジュースの最後の一口を飲んで遠くにあるゴミ箱に、空き缶を放り投げる(このシーン、何回目で成功したんだろうなぁ、と思ったら、80回以上、取り直してるんだね(笑))。
それが、見事に一発で入ったのを見て;
孝太郎「おっ、すごい!さすがだね、白石君!!!」
そして、自らの缶ジュースも飲んじゃって、同じことをしようとして、空き缶を放り投げる孝太郎君ですが;
孝太郎「ああ、でもだめだ・・・」
と、情けなく入らなかった缶を拾いに行く孝太郎。その間に;
白石 「じゃぁな!」
と、白石はその場を立ち去っていく。
孝太郎「・・・」
少しうつむき、寂しげな表情を示す孝太郎。
白石もそのまま去ろうとして歩いていると、背後から、
孝太郎「白石君!」
と孝太郎の声が。そして、孝太郎は白石に向かって離れたところから、笑顔いっぱいで大きく手を振る。その孝太郎の行動に、同じく大きくてを振り返す白石君・・・。
・・・今回はやっぱりこのシーンが圧巻でしたね。
[ユニバーサル損保 〜 白石君の運命が決まる瞬間?(^^;)]
翌日・・・かな?。
白石がユニバーサル損保の神田のいるオフィスまでやってくる(う〜ん、すっごい部長室だねぇ・・・)。白石が入室したときには、ちょうど、神田は電話で話をしていた;
神田 「やっぱりそうか。だから言ったじゃないか、やまいぬ運送は危ないって。
まぁ事前に分かったからよかったけど。報告書は後で出すように」
といって、神田は電話を置く。白石は、待遇についての話を行うためにやってきたのだが、今の神田の電話の内容が気になる。やまいぬ運送は先日、孝太郎が担当していた顧客だったからである。そのトラブルがらみで、少し神田が部屋を出ていき、誰もいなくなった隙に、神田の机の上にある社外秘の企業調査報告書のファイルをこっそり覗き見する白石。そこには、『保険金詐欺の可能性がありと』の報告が書かれていた。咄嗟に携帯であけぼの保険に電話する白石;
尚美 『はい、あけぼの保険、第一営業部です。
桜井君ですか?今、外出しています。えーと、やまいぬ運送ですね。
今日が契約だって言ってましたから・・・』
そのやまいぬ運送のオフィスでは、真紀子と孝太郎が、契約を交わすための席についていた;
真紀子「それではもう一度契約書の方を御確認下さい」
と、そこに孝太郎の携帯電話が鳴り響く;
孝太郎「あっ、すいません」
真紀子「携帯は切っておきなさい」
孝太郎「失礼しました」
というわけで、孝太郎は白石からの電話を、電話に出ることなく切ってしまいまして、ユニバーサル損保にいる白石君は「くそー、何で切るんだよ!!!」とぼやいております。
真紀子「それでは、こちらにサインを御願いします」
と、いよいよ契約が交わされるときに、やまいぬ運送の職員が入ってくる;
職員 「すいません。桜井孝太郎さんという方にお電話入っていますけど…」
孝太郎「あっ。僕ですけど」
職員 「お母様が御病気だとか・・・」
孝太郎「・・・???。失礼します」
と、会議室を退室して、やまいぬ運送のオフィスの電話に出ると;
孝太郎「桜井孝太郎です、母の具合はどうなんですか?」
白石 『俺だよ、白石だよ』
孝太郎「えっ?」
白石 『嘘だよ、嘘』
孝太郎「何だもう…驚かせないでよ、白石君。今忙しいからさ。後で掛け直すよ」
白石 『やまいぬ運送とは契約するな』
孝太郎「えっ?」
白石 『その会社、やばいぞ。保険金詐欺の疑いがある』
孝太郎「まさかぁ」
白石 『ユニバーサル損保も一度引っかかりそうになって、調査をしているんだ。
とにかく、今、契約するのはやめろ。もっとよく調査するんだ!』
孝太郎「でも・・・」
白石 『いいから、俺を信用するんだ!』
そんな電話のやりとりをしている間にも、まさしく真紀子はサインを行い、契約を完了しようとしてた。その場に飛び込んできた孝太郎は、真紀子がサインをしようとしてた契約書を取り上げる;
孝太郎「あっ、この契約、待って下さい」
真紀子「何するのよ」
孝太郎「もう一度、もう一度、検討させて下さい」
と、こちらの方は間一髪セーフで、やまいぬ運送との契約については問題なく終わったのでした。
ただ、問題有りなのは白石の方で・・・;
白石 「間に合ったかな・・・」
と、"社外秘ファイルを手に"、孝太郎のことを心配している白石の背後で、その様子をじっと見ていた神田&上野&田畑;
神田 「白石君、何だね、それは。君が手にしているそのファイルだよ!
社外秘と書いてあるだろう、社外秘と!!!」
白石 「それはその・・・」
と、どうしようもない状態に追いやられる白石君。更には;
神田 「君はあけぼの保険にスパイに来たのか?だから私がカラオケに誘っても
歌わなかったんだろ?」
とまで言われてしまうわけで、これにて白石の引き抜きの話は、THE ENDでございます・・・(そ、そんな馬鹿な・・・(^^;))。
[あけぼの損保本社 第一営業部 〜 何はともあれ、ハッピーエンド]
そんなこんなで、再び真紀子と相対している白石君。その様子を同僚たちはじっと黙って伺っている;
真紀子「それで?もう一度、ここで働きたいってわけですか?」
白石 「はい」
真紀子「あんなに大口を叩いたのにノコノコと戻ってくるなんて、あなたらしく
は無いわね」
孝太郎「まぁ、まぁ、まぁ、まぁ、まぁ。白石君は我々が詐欺に会うのを未然に
防いでくれた訳ですから・・・」
真紀子「それとこれとは別の話です」
白石 「なんだよ、その言い方。大体、俺がいなかったら、あんた今頃・・・」
真紀子「あんたとは、何ですか、あんたとは!!!」
白石 「いや、だって・・・」
真紀子「先日の契約書は、あれはあくまでも仮契約です。同時に調査部に
調査の依頼を出しておきました。今朝、その報告書が手元に届き、やま
いぬ運送の不正行為は明白になりました。不正行為が発覚すれば
契約は破棄するという項目が契約書には盛り込まれています。つまり、
あなたが慌てて電話を掛けてこなくても、あけぼの保険が被害をこうむ
ることなど、無かったというわけです。お分かり?」
孝太郎「なるほぉ〜。いやぁ、部長!さすが、素晴らしいですねぇ」
白石 「どっちの味方なんだよ?」(^^;)
孝太郎「えっ、あ、あ、あ、、、。いや、ま、まぁ、まぁ、まぁ、まぁ、でも、
今回の一件で、白石君が如何にあけぼの保険を愛していたかが分かった
わけですから、部長も心を広く持ってですねぇ」
白石 「もういいよ(と、その場を離れようとする)」
真紀子「白石!」
白石 「何ですか?」
真紀子「やまいぬ運送の事後処理は、あなたと桜井に任せるからね」
孝太郎「それでは、白石君に戻ってきてもいいというわけですね!」
真紀子「まだ、辞表も受け取ってないしね」
という真紀子の一言に、ようやく安堵の空気が流れる、ざわめき始める第一営業部内。
孝太郎「ほら、白石君、行こうか!ね?」
白石 「・・・」
孝太郎「ほら、行こう!」
と、孝太郎は白石を外に連れ出す。
二人が出掛けようとすると、廊下で出社してくる徳川と出会う。
孝太郎「あっ、おはようございます」
徳川 「おお、白石、お前、何でこんなところにいるんだ?」
白石 「何で、って・・・」
徳川 「今度はこいつ(孝太郎)を引き抜こうっていうのか?お前、いい加減に
しろよ!」
孝太郎「あっ、いや、それはですね・・」
徳川 「引き抜くんなら俺を引き抜け!こいつよりずっと役に立つぞ、俺の方が」
孝太郎「仰る通りでございます(^^;)」
白石 「徳川部長代理、僕ら、ちょっと急ぎますから。その話はまた後日…」
徳川 「おい、ユニバーサルの部長さんによろしく…(小声で)なー」
[あけぼの損保本社 入り口 〜 カラオケに行こう!]
そのままビルの入り口まで出てきた孝太郎と白石。
孝太郎「白石君、戻ってきてくれて本当によかったよぉ。白石君、クールなフリ
してるけど、本当は愛社精神に溢れているんだね(と、小突く)」
白石 「やめろよ、そういうこと言うの」
孝太郎「何で?」
白石 「愛社精神とか滅私奉公とか、そういう言葉、大嫌いなんだよ、俺は!」
孝太郎「またまた無理しちゃって。白石君の本当の気持ちは、僕が一番よくわか
ってるって!(今度は肩を抱く)」
白石 「(孝太郎の手を振りほどいて)俺に触るの、やめろよ!!!」
孝太郎「何で?」
白石 「俺は今、猛烈に後悔してるんだよ。くそー、何であんな電話したんだよ。
自分に腹が立つ。一生のフカクだ!」
孝太郎「まぁまぁまぁ。そうフカク考えないでよ、フカク…むふふふふ。
今の分かった?一生の不覚と引っ掛けたの。面白い?あははははは(笑)」
(いや、全然、面白くない・・・(笑))
白石 「おまえはいいよな、お気楽で」(うん、ちょっと同情しちゃうわよ(^^;))
孝太郎「あれ?ちょっと待ってよ、白石君。今日はさ、早く仕事を終わらせて、
カラオケに行こう!」
白石 「カラオケ?」
孝太郎「うん」
白石 「絶対にイヤだ!」
孝太郎「何で?そのうち、覚えておいた方がいいって。結構、役に立つからさ。
今回のことでそう思ったでしょ?」
白石 「俺はそういう日本的な仕事のやり方に、染まりたくないの!!!」
孝太郎「いやー、そのうち慣れるってば」
白石 「そのうちになんて、慣れたくないよ」
孝太郎「行こうってば、本当に・・・」
と、二人のやりとりは、延々と続くわけで・・・
[居酒屋 松ちゃん 〜 ほのぼの]
その日の晩・・・何をどう、孝太郎に上手く丸め込まれたのか、孝太郎と肩を組んでカラオケを歌っているをしている白石君(『我が良き友よ』(by かまやつひろしさん)という曲らしいです)。もちろん、尚美や由紀江も一緒に盛り上がっています。今回のことで、ある程度、接近できたのかな、孝太郎と白石は・・・(^^;)。
ナレーション『1999年8月出版の TIME誌アジア特集号に、20世紀、最も影響力を
与えたアジア人の中に、昭和天皇や黒澤明監督と共に、カラオケ
マシンを生み出した人物の名前がある。カラオケは日本から生ま
れた娯楽文化の一つであり、日本経済を支えるサラリーマンやOL
の憩いの場所でもある』