トライアングル

 Final 「決着」 

2009.03.17 PM10:00〜10:54 関西テレビ系列(フジテレビ系列)にて ON AIR

 

  • [決着の日]

       『25年前の冬のある日、一人の少女が殺された。
        俺はその日、彼女の姿を見た最後の目撃者だった』



    警視庁。信造の部屋。

    亮二は、最後の報告をしに信造に会いに行く。

      亮二 「ご報告に来ました」
      信造 「ついにたどり着いたか」
      亮二 「25年前の葛城佐智絵殺害事件、上海での志摩野さん殺害事件、
          そして、葛城サチさん殺害事件…これら3つの事件は、同じ男
          の仕業です」
      信造 「つまり・・・」

    郷田家別荘火災を思う信造。

      亮二 「何か?」
      信造 「いや。それで?」
      亮二 「これから犯人に会って来ます」
      信造 「無茶はよせ。本部の連中も、恐らく君が目星をつけた男を追っ
          ている。サチさん殺害事件の被疑者として。男が捕まるのも時
          間の問題だ」
      亮二 「だから報告に来たんです。本部に先を来させるわけにはいきま
          せん」
      信造 「本部の動きを止めろと言うのか?」
      亮二 「あなたなら分かってくださると、そう思って来ました」
      信造 「・・・」
      亮二 「本部が追っているのは、サチさん殺害に関する容疑だけです。
          けど俺は全てが知りたいんです。一連の事件は、25年前から始
          まったんです。俺は25年前の事件の真実を、明らかにしたいん
          です。本部に任せるわけにはいきません。お願いします」

    そう言って部屋を出て行こうとする亮二。

      信造 「25年前、君が第一発見者だという事実をつかめず、君の受けた
          心の傷に気づいてやれなかったことを不甲斐なく思っている。
          すまなかった」

    信造はそう言い頭を下げると、小さく頷く。亮二も頷き、一礼し、そして部屋を出ていく。

    信造が頭を下げたんだから、逆に亮二も信造を疑ったことを謝れよ!!!こういう最後まで自分勝手なところが好きになれないんだ、亮二のこと。


    スタジアム。
    先に亮二がやってきた。スタジアムの観客席に座って人を待つ亮二。ようやく25年前の事件に決着がつく。

    そこに、舜から無線で亮二に連絡が入る。

      舜  『郷田さん、聞こえますか、黒木です』

    舜もスタジアムの中にいた。通路を足早に歩いている。

      亮二 「ああ」
      舜  『今、そちらに向かっています』
      亮二 「悪いな。巻き込みたくなかったよ」
      舜  『いえ、親父にも言われました。これ以上犠牲者を出さないよう
          に、お前が守れと』

    そして丸山もスタジアムの中にいた;

      丸山 『俺も今そっちに向かっている』
      舜  『ただ郷田さん、俺の中では、腑に落ちないんです。どうして25
          年前、葛城佐智絵ちゃんを、殺さなければならなかったのか』
      亮二 「それをこれから追求するんだよ」
      舜  『・・・』
      亮二 「どうした?俺が信じられないか?」
      舜  『いえ、信じてます。ただ・・・』

    歩を止める舜。

      舜  『この先俺は・・・俺も人を信じられなくなりそうです』
      亮二 「・・・」
    だけど、だからって亮二が信用できる人間なのかと小一時間。最後の最後まで真相を隠し続けてるやつなのに。主役って徳だな、と思った。

    そして・・・スタジアムの中に、足音が響く。

      亮二 「来たぞ」

    亮二が無線に向かってそう告げた。



  •  トライアングル  Final 決着


  • [真犯人]

    亮二がスタジアムに呼び出したのは均だった。

      亮二 「よく来てくれましたね」
      均  「どこかで終わらせなければならないだろう?」
      亮二 「ええ。終わらせるためにお呼びしたんです。葛城さん、25年前
          のあの事件から、今に至る一連の事件を起こしたのは誰だと思
          います?」
      均  「私だと言いたいのか?」

    確かに引き起こしたのは均だったわけか…   亮二 「あなたは、新藤と奥さんの関係が結婚後も続いていると思い、
          佐智絵さんは、新藤の子ではないかと疑っていましたよね?」
      均  「だから何だ?」
      亮二 「娘を愛することが出来なかった」
      均  「愛していたよ。実の娘ではないと疑いを持ったからと言って、
          それまで可愛がっていた娘を突放すわけはないだろう?」
      亮二 「でも夫婦間は上手くいってなかったようですね」
      均  「娘に対する愛情は変わらなかった。私は娘を…、心から愛して
          いたよ」
      亮二 「愛すればこそ、殺す事だってあるんです。愛する者を自らの手
          で殺すことによって永遠の愛とする。どう思われます?」
    いや、この場合は喩えとして話が飛びすぎなんじゃないかと。   均  「・・・どうだろうねぇ」
      亮二 「葛城さん、もう調べはついているんですよ」

    舜はイヤモニ越しに、亮二と均の会話を聞いている。

      亮二 「俺は言いましたよね。手土産を持って会いに行くと」
      均  「手土産ねぇ」
      亮二 「ええ」
      均  「君は何かを見つけた。それは、25年前のあの事件における何か
          だ。違うか?」
      亮二 「そうです。25年前の犯人であることを示す、重大な事実を見つ
          けたんです」
      均  「何を見つけた?」
      亮二 「先に認めてもらえないですか?」
      均  「・・・」
      亮二 「俺としては、自らの罪を、認めてもらいたいんです。もういい
          じゃないですか。認めましょうよ。25年前のあの日、葛城佐智
          絵を殺害したのはあなたですね?」

    そのとき、静かにそのやりとりをしている二人に、スタジアムの離れた客先から、ライフルの銃口が向けられた。それに気づかず、亮二と均は話を続ける。

      亮二 「そして彼女の遺体を発見した俺を、背後から脅したのはあなた
          ですね」
      均  「・・・」

    ライフルの照準が亮二に向き、引き金に指がかけられる。そのライフルの引き金を引こうとしている男は、丸山だった。今にも引き金を引こうとしたその瞬間、丸山の後頭部に別の銃がつきつけられた。丸山が振り向くと、それは舜だった。
    最終回に来てようやく銃を構える舜キタ!!
      舜  「何やってるんですか」
    ああ、もう、ライフル構えてる人間に、「動くな」とかそういう恫喝するような台詞じゃなくて、泣きそうな顔で「何やってるんですか」ですよ。もう、舜ちゃんのそういう性格が素敵すぎで、もう、今までの鬱屈した気持ちは一瞬、どうでもよくなりました(^^;)   丸山 「お前こそ・・」
      舜  「今、2人を狙っていましたよね?二人を殺そうとしていた」
      丸山 「何言ってんだよ」
      舜  「銃を捨てて下さい・・・捨てて下さい!!!」

    丸山が銃を置くと、それを離れたところに放り投げる舜。

      舜  「郷田さんはわかっていました。サチさんが撃たれた状況をもう
          一度作れば、また2人を狙うかもしれない。そう考えて敢えて
          仕掛けたんです」
      丸山 「・・・」
      舜  「けど俺は・・その予想が外れることをどこかで祈っていた」
      丸山 「・・・」

    そして改めて無線を通して亮二に呼びかけた;

      舜  「郷田さん聞こえますか?」
      亮二 『ああ』
      舜  「郷田さんの言ったとおり・・・丸山でした」
      亮二 『・・・』

    亮二はスタジアムの反対側にいる舜の方を向いて、ようやく安堵のため息をついた。

      均  「やっぱり・・・やっぱりあいつでしたか」
      亮二 「ええ」
      均  「力になれて良かった。郷田さん、25年前の事件は?」
      亮二 「全てはこれから追求します」
      均  「よろしくお願いします」

    そこに、亮二のイヤモニに『何やってるんですか?!』と舜の声が飛び込んできた。

      丸山 「西署の丸山です。今から出頭します」

    丸山は携帯で警察にそう電話をかけていた。

      舜  「?!」
      亮二 『どうした?』
      舜  「サチさん殺害については、認めました。ただし、過失だったと」
      亮二 『過失!?』
      舜  「25年前の事件については、知らない、関係ないと言っています」
      亮二 『・・・』



  • [信造の配慮]

    西署。夜。

    いつもの会議室で1人いる亮二。そこに舜が状況を亮二に伝えにやってくる。

      舜  「やはり、サチさん殺害は過失致死だったと主張しています」
      亮二 「・・・」
      舜  「あの日、郷田さんのことが心配だったから、サチさんから待ち
          合わせ場所を聞いて現場に駆けつけた。郷田さんを衛るために、
          発作的に銃を発射した」
      亮二 「そんなデタラメを!」
      舜  「本部の連中もわかっているはずです。デタラメが通用するわけ
          がありません」

    ライフルで狙ったんだから、デタラメにも程があるというか…。   舜  「問題は・・・25年前の事件です」
      亮二 「同級生の秋本が、妙なことを思い出したんだ。あの事件のあと、
          秋本の"RYO"という名前が入った手提げ袋に近づいた男がいた。
          秋本の顔を見て男は立ち去った。秋本が言うには、俺と間違え
          たんじゃないかと。当時俺も『リョウ』って呼ばれていたんだ」
      舜  「その男が・・」
      亮二 「塾の行き帰りに通ってた交番のお巡りさんだと」
      舜  「お巡りさん?」
      亮二 「当時、丸山は警らにいた」

       舜  「葛城佐智絵ちゃん殺害事件ですね。25年前です」
       丸山 「俺がまだ警らに居た頃だな」

    舜は怪電話の直後、丸山とした会話を思い出す。

      舜  「・・・」
      亮二 「調べてみたら、丸山はその当時、秋本が言っていた交番に勤務
          していた」
      舜  「郷田さんと間違えたということは、郷田さんのことを探してい
          た?」
      亮二 「見張ってたんだろ」
      舜  「・・・」
      亮二 「俺が葛城佐智絵の殺害現場で脅された時、『誰にも言うな。ず
          っとお前を見張っている』と」
      舜  「じゃぁ、八ヶ岳の火災も?」
      亮二 「・・・?」
      舜  「郷田さんを見続けていた、丸山の仕業!」
    舜ちゃん、そんな衝撃の告白を、この状況で亮二に言っちゃうのね…   亮二 「あれは、花火の不始末が原因で・・・唯衣のやった花火が・・・」
      舜  「出火原因がそうなるように、火をつけたんです」
      亮二 「・・・」
      舜  「確かな証拠はありませんが、当時、放火だったという疑いもあ
          ったんです」
      亮二 「・・・それも丸山が」

    黙って頷く舜。
    証拠は無いけどなー。
    その話を聞いて、部屋を出る亮二。そこに、刑事課の課長がやってきて、亮二に研修を切り上げてリヨンに帰るようにとの指示を伝える。驚く亮二と、そして舜。

      亮二 「えっ?」
      舜  「それはどこからの指示ですか?警察上層部?それとももっと上
          の人間ですか?課長も上と繋がっていたんですか!?」
      亮二 「これまでの身勝手な行動を、見逃してもらうだけ、感謝するん
          だな」
      舜  「それでも警察の人間ですか!?あなたの正義はどこにあるんで
          すか!!」
    怒りをあらわにする舜ちゃんが素敵だぞ!だけど、あまりにも「上層部からの指示ですか?」なんて軽々しく口に出しちゃダメだよ…。   亮二 「わかりました」
      舜  「郷田さん!」
      亮二 「そのかわり丸山と話をさせて下さい。お願いします」
      課長 「無理だ」

    正しくそのとき、丸山が本部の方に連行されようとしていた。丸山は亮二を見つめ;

      丸山 「可哀想にな」

    ニヤリと薄ら笑いを浮かべて連行される丸山に、背後から亮二は、

      亮二 「丸山!お前がやったんだろ、葛城佐智絵を?お前が殺したんだ
          ろ!」

    怒りを顕にして殴りかかろうとする郷田を、舜が羽交い絞めにして止める。
    と、止めれてるんだよね?(^^;)   立花 「それは時効が成立している。今追及するべきことじゃないだろ!」
      亮二 「・・・」

    そこに、丸山を連行していこうとする本部の立花のところに、電話が入る。その電話は信造からのものだった。驚く舜と亮二。

      信造 『そこに郷田亮二という人間がいる。25年間真実を追い求めた男
          だ。そいつに丸山を引き合わせてやってくれ』
      立花 「しかし・・・」
      信造 『時効により罪は消滅したとしても、人が心に受けた深い傷に時
          効はない』
      立花 「黒木部長の責任問題になりますよ?」
      信造 『覚悟の上だ』

    そう言った信造の机の上には、既に辞表が用意されていた。信造との電話を切った立花@本部の人は;

      立花 「これから本部に移動して、丸山の取調べを引き続き行う。だが
          その前に私達は夕食をとらせてもらう。その間君に、丸山を預
          けよう」

    亮二は信造配慮に感謝する。



  • [真相]

    取調室で対峙する亮二と丸山とそして舜ちゃん♪

      丸山 「過失だよ。サチさんのことは、殺す気なんてなかった。彼女に
          電話をして待ち合わせ場所を聞いたんだ。『俺の拳銃が無くな
          った。郷田が持っていったのかもしれない』。そう言ったら教
          えてくれたよ」
      舜  「拳銃が無くなった?」
      丸山 「もちろん嘘だ。別の場所に隠しておいた」
      舜  「郷田さんを守るために撃ったって言ってるそうですね。でも、
          実際は郷田さんを狙い、葛城さんに全ての罪を被せようとした。
          上海での志摩野さん殺害もそうですよね。自ら上海に渡り、志
          摩野さんを殺害した。それも葛城さんに罪をかぶせるため、愛
          人のマンションをでっち上げ、殺害に使用した薬物を置いた!!」

    あれ、舜が追求する役割なのね(^^;)。だけどやっぱり証拠が無いじゃない(^^;)(^^;)
    いくら舜が追求しても、一言も発しない丸山。

      舜  「八ヶ岳の火災もあなたがやったんですね。火災当時、顔にアザ
          のある男がうろついているという話があった。けど、新藤が郷
          田さんを狙う動機がない。恐らく、警察上層部と新藤の繋がり
          に気づいている人間が、意図的に新藤の存在をちらつかせ、事
          件がもみ消される事を狙った。違いますか?」
      丸山 「・・・」
      舜  「何とか言って下さい!!!」
      丸山 「証拠がないだろ?」
    と、詰め寄ってる間もずっと『ですます調』なのよね、舜ちゃん(^^;)
    ここで今度は亮二がようやく口を開く;

      亮二 「・・・25年前の証拠ならある。押収品の話したの覚えてるか?」

        『中畑のカードだろ?』

      亮二 「でも警察が押収したのは、堀米が落とした原のカードだ」
      丸山 「・・・」
      亮二 「どっから中畑の名前が出てきたなろうな。おかしいね。どうし
          て俺が落としたカード知ってんだろう。俺もあの日、野球カー
          ドを落としたんだよ。拾い損ねたんだよ俺は、一枚だけ。それ
          が中畑のカードだ」
      丸山 「・・・」
      亮二 「俺は誰にも言うなという犯人の言いつけを25年間守った。中畑
          のカードを落としたこと、それは誰も知らない事実だ。知って
          いるのは俺と犯人だけ。でもあんたは、俺と犯人だけしか知り
          えない事実を口にした!あんただったんだ!あんたがやったん
          だ・・・あんたが葛城佐智絵を!!」
      丸山 「そうだよ。俺がやった」

    丸山は認めた。

      丸山 「俺が何もかも、全て一人でやった」
      亮二 「・・・」
      舜  「どうして・・・どうして佐智絵ちゃんを!!!」
    舜ちゃん、怒ってます!   亮二 「あんたのこと調べたら1つだけ引っかかることがあったよ。妹
          がいるんだったな。両親を事故で亡くして、家族は妹だけ。俺
          と同じだ。妹と二人きりで生きてきた。でもあんたの経歴辿っ
          てみると、妹いないんだよ。亡くなったんだってな、25年も前
          に?自殺だったんだ」
    ここで殺害動機キター!!!まぁ、最終回で強引にこじつけるだろうとは思ってたけど、本当に取ってつけたような動機だった!!!(^^;) せめて、妹が亡くなってることぐらいまでは最初の頃に匂わせておくべきだよなぁ。   舜  「!!!」
      亮二 「葛城さんの会社の、捜査資料に、女性社員の追う両事件が」

    舜は机の上にある(何で机の上においてある?)葛城トレーディングに関するマスコミの記事のコピーの中から、今、亮二が言ったスキャンダルの記事をみつける。

       『葛城トレーディング 貿易会社マジメなOKがなぜ?
        経理担当社内でも優秀と評判だったのに…
        会社の金 横領バレて自殺!? 毎月少しずつ会社の口座から
        大人しいOLの隠された別の顔ー不倫・・・借金の果てに横領か?』

      舜  「これだ。経理の女子社員が会社の金を使い込んだって噂…」
      亮二 「葛城さんにそのこと聞いたよ。使途不明金があったのは確かで、
          当時経理を担当していた女子社員が使ったに違いがないと」
      丸山 「・・・」
      亮二 「彼女が自殺したこと・・・覚えてなかった。名前も微かな記憶
          で、『丸山・・・ミキコさん』だと」

    その亮二の言葉を聞いて、笑みを浮かべる丸山。

      丸山 「ふふふ。そうか〜。そりゃ良かった…。やっぱり葛城は、無実
          の妹を疑ったまんまだったんだ。妹の死を何とも思ってなかっ
          たんだ。良かった・・・、葛城佐智絵を殺して良かった。俺が
          大切な妹を奪われたように、あいつの娘を奪った事は間違いじ
          ゃなかった」

    丸山の口から出たとは思えない発言に驚きの表情を示す舜。

      丸山 「俺のやったことは正しかった。やっぱり神様が導いてくれたん
          だよ。あの日。偶然だったんだ。非番だった俺は、偶然葛城の
          娘を見かけたんだ。一人ぼっちであの子は佇んでいた。まるで
          『さぁ、殺しなさい』と言わんばかりに。だから俺は・・・」

    あのとき・・・

      丸山 「お嬢ちゃん。葛城佐智絵ちゃんだね?」

    丸山に声を掛けられ後ずさりする佐智絵。

    逃げながら、ランドセルを丸山に投げつける佐智絵。丸山は佐智絵を追い詰め、手にした石を怯える佐智絵の頭上に振り下ろした。


      丸山 「神様っているんだな。新藤利道の名前が出た途端、担当刑事は
          外され捜査は縮小。結果的に俺は逃げ切った。逃がしてくれた
          んだよ神様が。殺してもいいってことだったんだ。だって時効
          も成立したんだから」
      丸山 「あんた間違ってる。あんた間違ってるぞ!!!」
      亮二 「お前だけが心配だったよ。何か言い出すんじゃないかって」
      舜  「全部嘘だったんですね!」

      丸山 「俺はお前の方を信じる」
      丸山 「早いとこ解放してやりたいんだよ、あいつが抱えている苦しみ
          から」

    丸山の発言の数々を思い出す舜。

      丸山 「可哀想に。ますます人を信じられなくなっただろう」
      亮二 「・・・」
      丸山 「黒木、お前もかわいそうに」

    瞬は丸山の胸座を掴んで、殴りかかった。丸山の口切れる。

      丸山 「・・・わかってるよ。俺が悪いんだ。わかってるんだよ、全て
          悪いって・・・ごめん」

    そのまま舜の胸に頭をつけて詫びる丸山。だが次の瞬間、舜の拳銃フォルダから銃を抜き取り、自殺を図ろうとする。
    舜ちゃん、ドジ…   舜  「あっ!」
      丸山 「こうすれば、終わらせることができる!」

    銃を自分に向ける丸山を、瞬と亮二が必死に止め、亮二が銃を奪う。

      丸山 「撃てよ!郷田撃て!俺は、お前の存在に怯えながら、お前の大
          切な人を奪った。お前の気持ちはよーくわかる。撃てよ俺を!」

    悲しみに震えながら丸山に1歩ずつ近づく亮二。

      丸山 「俺は八ヶ岳でお前の両親とお兄さんを、上海で志摩野さんを、
          そして、お前を庇って飛び出したサチさんを・・・憎いだろ?
          苦しいだろう?許せないだろう?」

    銃を丸山の額に当てる亮二。止めようとする舜だけど;

      舜  「郷田さん!ダメです!」
      亮二 「離せ!!」

    今度はあっさり振りほどかれちゃってます(^^;)
    肝心なところで役立たず(^^;)   亮二 「ああ、許せないよ!」
      丸山 「長かったよな、25年間。郷田、長かったよな」
      亮二 「・・・長かった・・・」
      丸山 「ようやく終わりにできるな」
      亮二 「・・・これで終わりだ」

    そうして今にも引き金を引きそうになる亮二だが、そのまま静かに銃を握った手を下ろした。ホッとした表情を浮かべる舜。

      亮二 「俺の大切な人が、人殺しなんか望むわけないだろ。可哀想にな、
          あんたも25年間ずーっと苦しんできたんだろ?俺はこれから、
          自分の人生を生きてやる。けど、お前続くぞ。時効によって罪
          を償うことができなくなった。苦しみはな、これからもずーっ
          と続く」
      丸山 「・・・」

    丸山は静かに椅子に座った。

      亮二 「可哀想にな」
      舜  「・・・」
      丸山 「・・・俺じゃなかったらって思ったよ。お前たちと一緒にいて、
          3人で動いて充実してた。時折思ったよ、俺じゃなくて、別に
          犯人がいるんじゃないかって。時々自分のしたことを、忘れた。
          別に犯人がいてくれって、そう願ったこともあったよ」
      亮二 「・・・」
      舜  「・・・」
    丸山が一番、この25年間自分の人生を生きてなかったということで納得するんでしょうね、ここは。そういうことにするなら、もう少し、1話の段階で冴えない警察人生を送っているとか、その後、亮二や舜と一緒にこの事件を追いかけ始めてから表情がイキイキしてくるとか、そういう描写があればよかったのに。亮二とサチのラブストーリーを描くぐらいなら、もっと一人一人を描くべきだよー。



  • [自分の人生]

    数日後。
    朝。葛城家。

    清子を訪ねて均が来ていた。サチの遺影を前に二人は静かに話をする。

      均  「郷田君から聞いたと思うが、佐智絵が殺された原因は私にあっ
          たんだ。私を恨んでの犯行だった。今更反省しても遅いとは思
          うが、すまない。本当にすまなかった」
      清子 「全てが明らかになって、むしろほっとしているわ。これからは、
          明日の事を考えなきゃ。サチもそう願っているはずよ」

    ものすごーくハッピーエンドな雰囲気の二人。だけど、均も言ってるように、全ては均に原因があったのよね?清子ののほほーんとした発言が、二人も娘を亡くした人の言葉とも思えないし、感覚的に理解し難い部分があったりして。まぁ、ここで悲壮感を出されても、ドラマが終わらないんだけどさ。



    西署、刑事課では、亮二と舜ちゃんの最後の会話。

      舜  「終わりましたね」
      亮二 「ああ。お前最初、俺のこと疑ってただろ?」
      舜  「郷田さんが怪しい事するからですよ」
      亮二 「怪しかった?」
      舜  「ええ、目一杯」
      亮二 「ふふ」
    だけど、初恋の同級生と、両親と兄と、初恋の人と重なる人と、5人も身近な人が殺されたのに、こういう爽やかな最終回でいいのだろうか?   舜  「俺は、自分のやるべきことをやります。警察は悪い人を捕まえ
          てくれる…、そう信じる人を裏切りたくない。それは俺の正義
          です。罪は消えない。たとえ時効を迎えたとしても。動こうと
          思えたのはあなたと出会えたからです」
    いや、舜ちゃんは、『罪は消えてしまった』という亮二を前にしても、最初から『罪は消えない』と言ってたと思うがwww いずれにせよ、舜ちゃんは最初から最後まで舜ちゃんなのでした。それは非常に嬉しい。
    舜の机には;

        堂島将司議員刑事事件隠ぺいに関する
            告発状および資料

    と書かれた書類が。
    おいおい、いくらある程度はパパが調べていたとはいえ、捜査、早すぎねーか?無茶苦茶仕事ができるやつじゃねーか?!舜ちゃん、すごいぞ!本当にすごいぞ、舜ちゃん!!! それを見た亮二が舜に;

      亮二 「頑張れよ」

    ただ一言、そう告げた。
    最後の最後まで亮二は上から目線の人なんだなぁ〜。一番迷惑をかけたのは亮二なのに。
    そもそも25年前に警察に話をしていれば狙われる事は無かったわけで、それは仕方ないとしても、大騒ぎして捜査を開始しなければこれだけ被害者が出ることも無かったのに。主役って普通、他人のために頑張るキャラが多いのに、亮二は自分の人生を取り戻すためだけに躍起になっただけだもんなぁ。



    夕刻。警視庁。信造の部屋。

    舜は、告発のための書類を持って、信造に会いにきた。

      舜  「警察OBである堂島代議士が、葛城佐智絵殺害事件をはじめ、
          数件の事件において、犯罪の隠ぺい工作を引き受けた事実を確
          認しました。証拠も揃っています」

    書類を信造に差し出す舜。
    信造が25年かかったものを、いくら大部分を信造が調べ終えてたとはいえ、一体、どれだけの期間で調べたんだろう?(謎)
    まぁ、それはそれとして、この部分、もう少しクローズアップして、番外編、作ってみませんか?>カンテ〜レのみなさま!

      信造 「どうするつもりだ?」
      舜  「罪を犯した人間が、権力によって守られる。そんな事実を見過
          ごすわけにはいきません。告発します」
      信造 「それによってどこかに飛ばされる羽目になってもか?」
      舜  「そこから又這い上がります、親父のように」
      信造 「・・・」
      舜  「心配しないで下さい。失礼します」

    書類を持って部屋を出て行こうとする舜に、信造は;

      信造 「次に訪ねてきたとき、私はこの部屋にはもういない。辞表を提
          出した」
      舜  「?!」
      信造 「私なりの、それが1つの答えだ。これからはお前の背中を見守
          っていこう。家庭人としてはあまりいい父親じゃなかったから
          な」
      舜  「・・・」

    何か言いたげな舜に;

      信造 「どうした?」
      舜  「俺、知ってるんです」
      信造 「うん?」
      舜  「親父の手帳。最後のページ」

    舜は優しく微笑んで、改めて頭を下げて部屋を出て行った。

    舜が出ていくと、信造は手帳を開き、はさんであった幼い頃の舜の写真を取り出す信造。 ちゃんと子供の頃の舜かも!と思わせる子役を使ってくれてたのは嬉しいねぇ〜(^^;) 信造も幸せそうな表情を見せてます。
    いい息子を持ったねぇ〜。仕事もできるし、父親を尊敬してくれてるし、言うこと無いじゃん!!!


    更に○日後か、○週間後か・・・の郷田家。

    亮二はリヨンに旅立つための荷造りをしている。テーブルの上には、その日の朝刊が;

       警察OBの堂島議員 告発される
        警察全体に広がる衝撃
        刑事事件数件の隠蔽を指示
        地検、自宅捜査 立件へ詰め
        告発したのは現職刑事

    で、その告発した刑事として、舜ちゃんの写真が載ってます。
    って、いくらなんでも舜の写真が新聞に載ったりするかぁ〜
      唯衣 「お兄ちゃん、コーヒー入れたよ!荷物は後で私が国際便で送っ
          てあげるから、ケーキ食べよ!いただきます♪」
    ケーキ好きよね(^^;)   亮二 「どなたかの誕生日か?」
      唯衣 「もう!お兄ちゃんと私の旅立ちのでしょ?お兄ちゃんはフラン
          スのリヨン、私はここで、優雅な一人暮し」
      亮二 「・・・。唯衣、ありがとな」
      唯衣 「お兄ちゃん・・」
      亮二 「何かあったらすぐに連絡しろよ。飛んで帰ってくるから」
      唯衣 「うん!」
    ここで少しは舜の名前が出てくるかと思ったけど、全く出てこなかったなぁ。舜と唯衣が恋愛関係になるという設定はどこに行っちゃったんでしょう?亮二とサチの中途半端な恋愛を展開するぐらいなら、こっちの健全な恋愛ももう少しちゃんと描いてくれたらいいのに。そりゃぁ、番外編でやってくれるなら、それはそれでいいけどさ!   唯衣 「あ、そうだ。秋本さんから手紙が届いていたの。これ」

    その手紙には

       郷田へ
       この俺が手紙を書くなんて似合わねーなと思いながら、
       しかも、この時代。手紙ってのはどうよと思いながら、
       でもけっこうマジメに書いてます。
       実は、今日、富岡に逢って来ました。
       塀の向こうで富岡は、郷田に言われた言葉の重みを、
       しっかりと受け止めていると話していました。
       生意気承知で言わせてもらうと、その言葉、
       まんまお前に返します。
       郷田、これからはお前の人生だからな!

    改めて、今回のドラマのテーマを手紙という形で念押ししてます(汗)。だけど、今から思えばテーマをここに置いたがために、無理が来ちゃったような気がします。単純に「残された人がどう生きるか?」というものじゃダメだったのかな(←こういうテーマだと問題は色々ありそうだけど)。



    25年前の事件の現場。
    亮二は、リヨンに旅立つ前に、花束を手にやってきた。
    亮二はその場で静かに手を合わせた。

    そして、亮二は旅立った。


  • <感想全般>

    舜ちゃん、格好よかった!!!

    ずーーーーーーーーーっとストレス続きのドラマでしたが、最終回の舜ちゃんはとっても格好よかった!!いやぁ、最後の最後でリピしまくりです。思わずこのドラマは本当は素晴らしいドラマだったんじゃないかと勘違いしそうになるぐらい、最終回は良かった(^^;)。

    ドラマとしては、それぞれのキャラクター付けが滅茶苦茶でしたし、サスペンスとしても、もう1つ1つがねぇ。
    肝心の、1/2成人式や佐智絵の手紙というキーアイテムでさえただのミスリードの道具だったことは残念です。そして、ドラマとは関係ないですけど、どうも今回は、ドラマの共演者やスタッフと吾郎君との関係というのも見えなくて(これは番宣が少なかったのが原因かな)、ドラマに対して愛情を持てなかったのがちょっと寂しい。折角の3ヶ月だったんですけど。

    ドラマ全体としては、犯人捜しのドラマではないとは言いながら、そこに一番とらわれていたのが制作者側という…(汗)。
    で、その犯人ですが、結局、丸山ということで、一番腑に落ちる結果でした。捻りがなさ過ぎで、動機が強引すぎますけど、丸山が犯人じゃなかったら捜査の過程があまりにずさんすぎて、それはそれで問題ありになりますもんね。
    ただ、25年ぶりにICPOからやってきた研修生=事件の第一発見者と、25年前の事件を担当した刑事の息子と、その事件の首謀者とが一緒に仕事をすることになる偶然ってどーよ?(^^;)

    最後に舜というキャラクターに関して言えば、とっても魅力的でした。その魅力が十分生かせてなかったのが残念でしたけど、最初から最後まで真っ直ぐで、人を信じて、正義感に熱くて。自分のことを「オレ」呼びしたり、父親のことを「オヤジ」呼びするのは最後まで違和感ありましたけど(^^;)、恋愛に関してはちょっとダメなやつで(唯ちゃんとは仲良くやってくれ)、だけどとってもファッションセンスがあって(爆)。舜の自宅や私服姿っていうのも見てみたかったですけどねー。
    真っ直ぐさは見ていて気持ちよかったし、そういう点では吾郎君にアテ書された部分も多いキャラクターだったような気がします。舜が犯人というストーリーも見てみたいという気持ちもありましたけど、やっぱり正義の舜ちゃんが見れて良かった!!(笑)
    そして何よりも、今回は吾郎君の刑事役が見れたのが最大の収穫です。またこういう吾郎君が見れることを期待しています。


    (09.03.22)


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