#10 「十字架を背負う者たち」 2009.03.10 PM10:00〜10:54 関西テレビ系列(フジテレビ系列)にて ON AIR |
[八ヶ岳の舜ちゃん]
舜は、15年前の事件を調べるために八ヶ岳やってきた。 署員 「ありました。15年前の火災というと、これですね」 舜 「すいません」 署員 「事件性は無いみたいですけど」
当時の資料に特に問題は見られない。 舜 「あの当時の事ご存知の方はいませんか?」 瞬が次に向かったのは消防署(?)。火事の記録を見せてもらいに。 署員2「出火原因は子供の花火だったと思いますよ」 舜 「子供の花火?」 署員2「お嬢さんがいてね、花火をしたっていうんで、その不始末が原 因だったかなぁ」 『あの火災のことは、触れてほしくないみたい』 舜は唯衣の言葉を思い出す。唯衣の花火が火災の原因になったのか? 舜 「・・・」 複雑な心境になる舜。だが、対応してくれた男性は、当時の資料を出してきてくれた。 署員 「ああ・・・ありました、ありました。これです」 見ると、当時の資料の最後に
という一文が記載されていた。 舜 「放火!?放火の疑いもあったんですか?」 署員 「最初はね。不審者を見かけたという話があったんです」 舜 「・・・」 「不審者」という言葉が気になり、その後、町の人たちに聞き込みをする舜。 車を乗ってる人や; 舜 「すいません、15年前におきた別荘での火災についてお伺いした いんですが」 園芸店の店員さんにも; 店員 「さぁ、わかりませんねぇ」 舜 「そうですか。ありがとうございました」 そして薪を運んでる人から; 舜 「不動産会社のお仕事を?」 男性 「うん」 そうして、地元の某不動産会社にやってきた舜。 男性 「あのあたりはうちが管理してるから覚えてるよ。別荘の火災だ ろ?全焼したやつ」 舜 「ええ」 男性 「ああ、ついこの間も、東京から来た刑事さんに聞かれたよ。確 か、あんたと同じ黒木って言ってたな。一体何なのよ、今頃?」 舜 「ああ、いや・・・不審者を見かけたという話を聞いて。どんな 男ですか?」 男性 「いや、俺は直接見たわけじゃねーから、噂だよ、噂」 舜 「当時そのことを警察に?」 そして、その事件がおきた別荘にやってきた舜。今までの一連の情報について考える。 『事実だけを見つめろ』 そこに、丸山から電話が入る。 舜 「もしもし」 丸山 『今何処?』 舜 「まだ八ヶ岳ですけど」 丸山 『サチさんが撃たれた』 舜 「えっ?」 丸山 『意識不明で、今、集中治療室』 舜 「すぐ戻ります」 西署。刑事課。 舜への電話を切った後、丸山は刑事課の課長に誰もいない部屋に呼び出される。課長は黙って机の上に丸山の銃を置く。 課長 「別の場所にまぎれていたのを私が見つけた。誰にも言わず、黙 ってしまっとけ」 拳銃を失くしたことが表沙汰になると困ると課長は丸山に言う。 しかし、少なくとも丸山の拳銃が亮二によって持ち出されたわけではないということは…; 丸山 「・・・あの、サチさんを撃った銃の確定は?」 課長は丸山に報告書を見せた。そこには; 丸山 「レミントンM700?」 課長 「出所は香港だったよ。恐らく闇ルートだろう」 [サチの死] ベッドの傍らで泣き崩れる清子とそれを黙って見守る均。病院の廊下では、亮二がただ1人静かにサチのことを思っていた。 そこに駆けつける舜。 舜 「郷田さん・・・」 亮二 「・・・また俺の身代わりで死んだ」 舜 「・・・」 亮二 「誰かが俺を狙い、彼女が殺された。俺が殺したも同然だ」 舜 「郷田さん」 亮二 「俺の存在が彼女を殺したんだ。俺のせいだ・・・俺のせいだ」 舜 「・・・」
[信造の思い] 亮二 「その幸せを俺が滅茶苦茶にしました」 深い謝罪の気持ちから頭を下げる亮二に、清子は、亮二自身も自分の人生を取り戻すよう、サチに代わって伝えた。 夜。亮二の自宅。亮二は自宅に戻り、気持ちを整理する。 翌日。同じく亮二の自宅。 亮二は犯人を捕まえるべく動き出す。ICPOに電話を入れ、偽造パスポートについての調査を行う。「中国系」のルートの偽造パスポート情報があるらしい。 西署の会議室。 1人舜は、サチの殺害現場の写真を見ながら考えごとを。傍らには「八ヶ岳」の事件の資料が入った鞄を置いてます。 信造の言葉が何度も頭をよぎる。舜は携帯を取り出し; 舜 「もしもし、西署の黒木です。お話したいことがあるんです」 亮二の自宅。 インターポールとの電話を切ると、亮二は唯衣に先日、怒鳴ったことを謝罪し、信造と何を話していたのかを尋ねる。 唯衣 「お兄ちゃんは、信じないかもしれないけど、黒木さんのお父さ んはお兄ちゃんの味方よ」 その頃、警視庁では舜が信造と会っていた。信造の部屋を訪ねる舜。 舜 「八ヶ岳に行ってきました。郷田さんの両親と、上のお兄さんが 亡くなった別荘の火災は、放火の疑いがあったんですよね?」 信造 「・・・」 舜 「当時、不審者を見かけたという話があった。なのに、子供の花 火の不始末として、早々に事故処理されてしまった。その理由 を、ご存知ですよね?」 信造 「・・・」 舜 「その不審者は、顔にアザのある男だった」 『そう、顔にアザのある男だったよ』 八ヶ岳で話を聞いた不動産屋の男性は、舜にそう語っていたのだ。 舜 「新藤ですね?現場付近で目撃された不審者は、新藤利通だった。 なのにそんな情報は警察には1つも残されていない」 信造 「ふふ・・」 舜 「何がおかしいんですか!?あなたも八ヶ岳に行って調べてきた んじゃないですか!」 信造 「事実だけを見つめろと言ったハズだ。顔にアザのある男を実際 に見たという目撃者は居たのか?」 舜 「・・・」 信造 「噂にすぎないだろう?」 舜 「喩え噂であっても、新藤の存在が捜査線上に上がると捜査は中 断される!25年前の葛城佐智絵さん殺害事件も、八ヶ岳の火災 も、そうですよね?」 信造 「・・・」 舜 「警察上層に新藤に弱みを握られた人間がいて、そいつが圧力を かけた!違いますか!?」 信造 「・・・」 舜 「?」 信造 「そうだ」 舜 「!」 信造 「お前の言う通りだ」 舜 「誰なんですか?」 信造 「私にも手の届かない上の人間だ」 舜 「・・・つきとめます」 信造 「警察組織全体を揺るがすことになるぞ。しかも、新藤は既に亡 くなっている。突き止めたところで、握りつぶされるのがオチ だ」 舜 「・・・だったら、どうしてあんな電話を?宮部さんに頼んで、 どうしてあの電話を?!」 信造 「・・・25年間、ずっと後悔してきたからだ」 郷田家。 亮二 「えっ?」 唯衣 「黒木さんのお父さん、ずっと後悔しているって言ってた。25年 前の事件を解決できなかったこと」 再び警視庁。 信造 「なぜあの事件から離れてしまったか・・・何があっても犯人を 挙げるまでは自分が担当すべきだったと」 舜 「・・・上からの圧力に屈したんでしょ?」 信造 「上からの圧力と分かったのはずっと後だ。私は当時、突然担当 を外されたが、私に何か非があってのことだと自分を責めた。 その後、自らを奮い立たせて必死で這い上がった」 舜 「じゃあ、異例の出世を成し遂げたというのは?」 信造 「何かと引き換えにするほど私は腐ってはいない。私は殺された 少女の無念を忘れたことはない。一時たりとも忘れたり出来な かった」 唯衣 「黒木さんのお父さんね、秘密裏に捜査を続けてたって。でも、 中々思うように動けない立場になって、以前自分の部下だった 元刑事さんの力を借りたりしているとか」 信造 「宮部は、私が背負った十字架を知っている唯一の人間だ。お前 が事件を担当した西署に配属されたのも一つの宿命ではないか と言い、ああいう電話をするに至った」 舜 「俺を動かすことで、何かが動き出すかもしれないと?」 信造 「ああ」 舜 「でも、そこに想定外の郷田が配属された」 信造 「彼の真意が読めなかった。同級生というだけでは、何か腑に落 ちないものを感じた」 舜 「現場から逃げ去る姿を見たという、秋本さんの話は?」 信造 「それでようやく掴めたんだ。郷田亮二は第一発見者だ」 舜 「・・・」 唯衣 「最後に聞かれたの。お兄さんは25年前の事件の第一発見者じゃ ないかって。どこか人を寄せ付けず、そう簡単に心を開こうと しないのは、ずっと、苦しんできたからじゃないかって。犯人 を憎んで、警察を憎んで、第一発見者となった自分のことも憎 んでしまったからじゃないかって」 信造 「もっと早くに・・・いや、25年前に手を携えるべきだった」 舜 「寄り添うチャンスはありましたよね?あの手紙の時に。どうし てあんな偽の手紙を?」 信造 「捜査資料として私が受け取ったのは、あの手紙だ」 舜 「!?」 信造 「あの手紙が、少女が書いたものとして捜査本部からあがってき た」 舜 「そんな・・・」 信造 「あの時、郷田亮二の様子を振り返り、あれもやられたと気づい た」 舜 「すりかえられたということですか?」 信造 「25年前の事件は、初動捜査のミス。人間の身勝手な権威と欲望 によって事件は複雑化した」 そう言いながら信造は立ち上がり、鍵の掛かった机の引き出しを開け、以前、引き出しに締まった葛城佐智絵殺害事件に関する資料を取り出した。 信造 「私が独自で集めた資料だ」 舜 「これは・・・」 信造 「25年掛けてな」 亮二 「黒木のオヤジさんは、俺のことをお見通しだったってわけか。 既に25年前の事件の真相も?」 唯衣 「ううん。微かな光しか見えないって」 亮二 「微かな光?」 唯衣 「よくわからないけど・・そういう言い方をしてた」 唯衣と話を終えた亮二。そこに亮二の携帯が鳴る。 [再捜査] 亮二は秋本と別れ、そのまま葛城均に会いに来た。均はサチの絵画教室に居たと清子に聞いてやってきたのだ。 亮二は、改めて、均の愛人宅で見つけた毒物を見せ、均に確認を取る。 均 「まさか・・私が志摩野さんを?」 亮二 「25年前の事件について、お聞きしてもいいですか?」 均 「帰ってくれ。話すことは何も無い。帰ってくれないか?」 亮二 「葛城さん。また出直してもいいですか?今度は別の手土産を持 ってあなたに会いに来ます」 西署刑事課。 舜 「丸さん。サチさん殺害に使われた銃ですが、レミントンM700でしたね?」 丸山 「ああ」 そこに亮二がやってくる。 亮二 「おお!黒スケ、丸スケ、ひさしぶりぃ!元気?」 と、敢えて元気な様子を見せる亮二。 丸山 「郷田」 舜 「もう大丈夫なんですか?」 亮二 「何か新しい情報は?」 舜 「ああ、使用されていた銃です」 亮二 「ふ〜ん。レミントンM700」 舜 「出処を追いますか?」 亮二 「いや、それは本部がやってくれるだろう。こっちは葛城トレー ディングについて調べよう。葛城均について、徹底的に洗い直 したい」 舜 「それって・・・」 丸山 「サチさんが撃たれた原因はいいのか?」 亮二 「今知りたいのは、葛城均のことです」 丸山 「よし、わかった。調べよう」 舜 「はい」 そして捜査を始めた3人。片っ端から資料を探している。 丸山 「結構出てきたぞ、葛城トレーディング」 丸山は当時の新聞記事、週刊誌の記事のコピーなどを持ってきた。 舜 「見て下さい」 舜が手に取った週刊誌には、『経営危機最中の愛娘の死 傲慢社長に天罰との声も!!』と書かれていたりして; 舜 「葛城さん、恨みをかっていたようですね」 丸山 「娘を亡くしたときに、そんなこと書かなくても」 舜 「それにこの時期、経営状態も良く無いですね」 丸山 「今は調子良さそうなのにな。どうやって盛り返したんだろう」 夜遅くなっても調査は続き・・・ 中々直ぐに証拠が出てこず、一旦、会議室を出る亮二。自動販売機で缶コーヒーを飲みながら; 舜 「何を探そうとしているんですか?葛城均について、何か見つけ ようとしていますよね?」 亮二 「・・・」 舜 「上海で殺された、志摩野さんの件ですか?それとも」 亮二 「25年前の事件について、犯人であることを示す確実な証拠だ」 舜 「つまり葛城均が25年前の犯人?」 亮二 「・・・。お前どう思う?」 舜 「・・・」 舜は机の上に資料を一式差し出す。 丸山 「黒木のオヤジさんが?」 舜 「ええ」 この時間帯、刑事課には既に誰も人はおらず、会議室から出てきて、堂々とホワイトボードを使って当時の事件を整理し始めました。 舜がホワイトボード担当なんだな。3人で順番に信造の資料をチェックしていってます。
舜 「葛城佐智絵ちゃん殺害事件。事件発生は16時頃」 丸山 「当日の天候は不安定」 亮二 「朝から降りそうで降らなかった」 舜 「だから彼女は、傘を持って出かけた」 亮二 「事件当初の天候は、晴れ、のち雨だった」 丸山 「恐らく凶器は石。推定20センチ」 舜 「大きさは出てました?」 亮二 「ああ」 舜 「書いておきますか、20cm…」 丸山 「それから高い位置からの殴打」 舜 「これはどう考えても、大人の犯行ですよね」 丸山 「現場からの押収品、野球カード」 舜 「堀米さんの落としたカードですね」 亮二 「当時流行ってたんだ」 丸山 「中畑のカードだろ?人気あったもんな」 亮二 「!!!」 舜 「ほかに、犯人と直接繋がることは何も残されていない」 丸山 「アリバイ行くか?父親、葛城均。会社にて取引先と商談中」 その後、捜査資料を自宅に持ち帰った亮二(おいおい、捜査資料私物化して、亮二は何でもありなのか?!)は、捜査資料を読みながら、何かを確信した。 翌日。西署刑事課会議室。 既に調べ物をしている舜と丸山。そこに亮二がやってくる。 亮二 「おはようございます」 舜 「おはようございます」 丸山 「おはよう。葛城トレーディングの登記簿どう?」 舜 「決算書も手に入れました」 亮二 「こっちも手に入れたよ。確実な証拠を」 舜 「!」 丸山 「!」 亮二 「自ら罪を認めさせます。自ら認めて欲しいんです」 そして、亮二は携帯電話を取り出して; 亮二 「郷田です。約束どおり手土産の準備ができました。あなたに会 いに行きます」 <感想全般> ブラウザの戻るの機能で戻って下さい |