#8 「アリバイ」 2009.02.24 PM10:00〜10:54 関西テレビ系列(フジテレビ系列)にて ON AIR |
[25年間の恐怖] 結果、亮二は時効を待って行動を起こしたのだ。 亮二 「俺があのときの少年だと気づいたんだろう」 サチ 「あなたの存在に今度はその男が怯えて、貴方を殺そうとした」 亮二 「俺の身近にいる誰かだ。俺が上海に行くことを知り得た、身近 にいた誰かが、俺のかわりに誤って志摩野さんを」 サチ 「そして、その男が」 亮二 「葛城佐智絵を殺した犯人だ」 亮二は、25年前の事件と違い、今回は闇に葬ることはさせない、志摩野を殺した犯人を必ず捕まえるとサチの前で誓う。 その頃、信造は相変わらず警視庁の自分の部屋で1人いて、秋本が25年前のあの日、逃げるように走っていく亮二の姿を見たという言葉を思い出していた。 同じく、誰もいない西署・刑事課の自分のデスクで、舜は、それを聞いていた信造が「君が見たのはそれだけか?」と言った言葉を思い出す。目の前のパソコンに表示した信造の職員情報を眺めながら。 サチは先に家に戻ったのか、亮二は1人、そのまま川べりにいる。携帯電話を取り出し、志摩野が殺された日の信造のアリバイ調査を電話で誰かに依頼した。
[誰も信じない その1] 亮二 「俺が聞きたいのはそういうことじゃありません。黒木信造につ いてです。俺が調べてるのは上海で自殺に見せかけて殺された 事件です」 宮部 「それと、黒木のオヤジさんとどういう?」 そこで、亮二は宮部の携帯を取り上げる。通話履歴を見て、宮部が信造と連絡をとっていたことを知る。亮二は、宮部が黒木信造と繋がっている以上、宮部の言うことは信用しないと言って立ち去る。 店を出てきた亮二の携帯に電話が入る。電話の相手は舜だった; 舜 『黒木です。話があるんですが。丸さんも一緒です』 亮二 「ああ」 [誰も信じない その2] 舜 「それで俺のオヤジを」 亮二 「アリバイの件、調べてくれたんですよね」 丸山 「ああ。お前が上海に行ってる間、黒木のオヤジさんは本部での 会合を直前で欠席してる」 舜 「別の案件があったからじゃないですか?そういうことは珍しい ことじゃありませんよ。オヤジのことは俺が調べますから」 丸山 「搭乗者名簿、手に入れるか?搭乗者名簿の中に黒木信造の名前 があれば、疑わざるを得ない。でもひょっとして調りゃ他に引 っかかる名前が出てくるかもしれない」 舜 「上海行きを出してる航空会社は何社もありますよ。他の空港を 経由する方法だって」 丸山 「一つ一つ潰していく。そういう地味な作業をコツコツやるのが 捜査ってもんだ。調べてみよう」 亮二 「黒スケ、俺は可能性がある人間を片っ端から疑う。俺は誰も信 じないよ」 やがて、航空機の搭乗者名簿を手に入れ、3人で調査に入る。 夕方。葛城家。 真知子がサチのことを心配して様子を見に来ていた。清子も交えてそれぞれが、人のために生きる生き方について、語り合い; 清子 「でも、サチ、これからは自分のために生きてね」 清子は今までの行為を反省しながらサチに向かってそう話しかけた。 夜。引き続き会議室。 亮二 「あとどのぐらいありますか?」 丸山 「まだまだ終わらんぞ」 舜 「とてもオヤジの名前が出てくるとは思えませんよ。万が一オヤ ジがやったとしても」 亮二 「痕跡は残さないか?異例の出生を遂げた、優秀な刑事さんだか らな」 舜 「俺は!(怒)」 丸山 「ぐちゃぐちゃ言ってる暇があるなら調べろ」 舜 「・・・」 亮二 「香港行きの便ですか?」 丸山 「香港を経由して上海っていうのもあるんだろ?念のため北京行 きっていうのも手に入れた」 亮二 「そこまでして大丈夫ですか?正式な捜査じゃないのに」 丸山 「お前に言われたくは無いけど。いいんだよ、どうせ俺は上から 睨まれてんだ、あんなことしちゃったから。近いうちにどっか 飛ばされる」 亮二 「・・・」 舜 「・・・」 丸山 「これが刑事として最後の捜査になるんだろ」 亮二 「丸さん・・・」 丸山 「丸スケって呼べよ」 亮二 「腹減りませんか?何か買ってきましょうか?」 舜 「俺は結構です」 亮二 「聞いて無いよ」 丸山 「じゃぁ、焼きタラコとオカカのおにぎり。海苔はパリっとした のより、べとっとしたのにしてね。意味分かる?」 亮二 「わかりました〜!」 と言って一旦出て行った亮二でしたが、すぐに戻ってきて; 亮二 「黒スケ、ツナマヨだろ?」 舜 「・・・」 と言って再び買出しに出かけていきました。 買出しに出かけた途中、亮二の携帯に唯衣から、今日、晩御飯をいるかいらないかの確認の電話が入る。唯衣は亮二の帰りが遅いことを確認し、そのままどこかに出かけた。 西署では、作業を黙々と続ける丸山。そんな丸山の様子を見て舜が; 舜 「丸さんも俺のオヤジを疑ってるんですか?」 丸山 「そりゃぁ…、黒木のオヤジさんがわざわざ上海に飛ぶとは考え にくいが、放っておけないだろう、郷田が狙われたっていうん だから」 舜 「郷田さんの読みを信じるんですか?」 丸山 「信じなきゃ真実は見えてこない」 舜 「郷田さんは誰も信じられないって」 丸山 「刑事の仕事は人を疑うことから始るからな」 舜 「だったら丸さんは?」 丸山 「俺は人を信じることから始めるタイプだから、郷田のことも、 お前のことも俺は信じてるよ」 再びチェックを始めた丸山。そこに亮二が戻ってきた。そのとき、丸山の手が止まり、慌ててそのときチェックした名簿を閉じた。 丸山 「・・・」 亮二 「何か見つけたんですか?」 丸山 「いや」 亮二 「今、見つけたでしょ!誰の名前ですか?誰ですか、ちょっと見 せて下さい」 丸山 「いやいや、有り得ないから」 そうして無理矢理に名簿を取り上げたそこには・・・ 丸山 「だから有り得ないだろ?」 舜 「誰です?」 亮二 「どういうことですか?」 丸山 「有り得ないよね?」 舜 「誰なんですか?」 丸山 「俺だよ」 舜 「?!・・・『マルヤマケイタ』?!?!」 舜は搭乗者名簿の中に丸山の名前を見つけた。 亮二 「上海に行ってたんですか?」 丸山 「俺?上海に行ってたんだ」 舜 「何言ってんですか」 亮二 「俺が上海に行ってたとき、丸山さん、どこで何をしてたんです か?」 丸山 「(舜から名簿を取り上げて)ちょっともう一回見せろ!」 亮二 「あなたの名前ですよね?何してたんですか?搭乗者名簿に名前 があったこの日、何してたんですか?どこにいたんですか?」 丸山 「あ・・・アリバイなら無いよ。だってお前は上海に行ってたし、 黒木は何か志摩野さんの会社の関係で調べるって言うし、俺は …俺は1人だった」 亮二 「頼まれたんですか?頼まれて俺が泊まるはずだった部屋に忍び 込んで、あなたが志摩野さんを殺害した!」 舜 「やめて下さい!」 亮二 「どうなんですか、丸山さん!」 舜 「いい加減にして下さいよ。搭乗者名簿に名前があったからとい って、同姓同名、あるいは名前を勝手に使った偽造パスポート っていう可能性だってあります」 亮二 「まずは本人であるとして疑うのが自然だろ?」 舜 「自然?!丸さんを疑うことが、あなたにとっては自然なことな んですか!?」 亮二 「・・・」 舜 「搭乗者名簿を調べようって言い出したのは丸さんですよ」 亮二 「写真撮らせてもらいます」 丸山 「・・・」 亮二 「丸山さん、あなたの身辺、調べさせてもらいます」 そのまま部屋を出ていこうとする亮二に; 舜 「郷田さん!丸さんはあなたが狙われてるのを放っておけないと 言いました。あなたを信じてるって言ったんです」 亮二 「だから何だよ」 舜 「信じなきゃ真実は見えてこない。大事なものを見失わないで下 さい」 亮二 「そういう甘ったるいことを言ってる場合かよ。25年前の事件の 捜査員だった宮部っていう元刑事、お前のオヤジさんと繋がっ てたぞ。連絡とりあってた。言ったろ?俺は誰も信じない。信 じられないんだよ」 舜 「秋本さんも、葛城のお父さんと繋がってましたよ」 亮二 「!」 舜 「どういうことなんでしょうね」 [誰も信じない その3] 亮二 「・・・」 秋本 「お前、変わったよな。あの頃のお前はもっと明るくて、いつも 元気に笑ってた」 亮二 「・・・」 秋本 「悪いけど俺帰るわ」 亮二 「疑われるようなことしたのかよ」 秋本 「・・・」 秋本はそのまま店を出ていった。 亮二は、1人店から出る。そこに舜から電話が入った。舜はとある料亭の前にいた; 舜 『黒木です』 亮二 「・・・」 舜 『俺のオヤジが会合を欠席したのは、警察上層部の会食に呼ばれ たからです。今、料亭の女将さんに確認が取れました。志摩野 さんが殺された日、オヤジは日本にいました』 亮二 「お前が調べたんだろう?」 舜 『信用ができないなら、裏づけを取って下さい』 亮二 「言われなくてもそうするよ」 だけど、それだけ早くにアリバイ証明ができるってことは、最初から舜ちゃんは父親の行動は把握してたってことなんだろうか?いずれにせよ、何か、納得できないぞ、この都合主義の展開は!! 舜 『それから、丸さんは上海には行ってません。搭乗者名簿に名前 があったその日は、パチンコをしていたそうです』 亮二 「・・・」 舜 『目撃者を探し出して、彼が日本にいたことを証明します。俺は 丸さんを信じていますから』 何も言わずに電話を切る亮二。 ちょうどそこに、交通量の多い道路の向こう側で、唯衣が信造と別れ、タクシーに乗り込む姿を目撃する。信造も別のタクシーを拾って、その場を立ち去った。衝撃を隠せない亮二。 葛城家。 自分のために生きてね、そう清子に言われたサチ。 亮二が自宅に戻ってくる。リビングに置かれた唯衣のバッグを見て、どこに出かけていたのかを聞く。コンビニに出かけていたと隠そうとする唯衣に; 亮二 「呼び出されたのか、黒木信造に?」 唯衣 「!」 亮二 「見たんだよ、一緒にいるところ」 唯衣 「・・・」 亮二 「唯衣、どうして会ったりしたんだ!一人で勝手なマネをしない で欲しい。黒木信造に近づくのは危険だ!」 唯衣 「でも、あの人はそういう人じゃないと思う」 亮二 「お前に何が分かる!」 唯衣 「私はお兄ちゃんのことを心配して!」 亮二 「心配しなくていい!」 唯衣 「そういうわけにいかないでしょ!お兄ちゃんが苦しんでるのに」 亮二 「俺は苦しんでなんかいないさ」 唯衣 「苦しんでる!一人で抱え込んで、私の前では強がって!もっと 話してくれていいのに。妹なんだから。私のことを信じてよ!」 亮二 「二度と会うな!黒木信造には二度と会うな!」 唯衣はそのまま部屋に閉じこもった。 [佐智絵の父親の秘密] 真知子「あれも葛城のお父さんに言われてたからやろか?」 サチ 「でも、どうしてお父さんがそんなこと?」 清子 「あの人は、私とはまた違った意味で25年前の事件から目をそむ けてる人だから」 サチ 「どうして?」 清子 「色々ある人なのよ」 西署。 舜は不在なのか、丸山と亮二が二人っきりで話をしている。 丸山 「黒木が調べた通り、オヤジさんが会合直前で欠席したのは、警 察上層部の会食に呼ばれたからだ。俺も裏を取った。それから もう1つ、偽造パスポートについて。日本のパスポートを偽造 するのは、今や不可能に近い。けど調べてみたら、過去にかな り精巧な技術でパスポートを偽造した事件があた。検挙された のは外国人労働者を含むグループで、そのうちの何人かは葛城 トレーディングの人間だった」 亮二 「葛城トレーディング?」 丸山 「葛城のお父さんの会社。貿易関係の仕事をしている」 亮二 「偽造パスポートの事件で、葛城のお父さんが関わってた?」 丸山 「当時、事情は聞かれてる。例えば、それに加え、誰かが警察上 層部に手を回して、出入国時に手を回せば、不可能が可能にな る。つまり」 亮二 「葛城のお父さんと」 丸山 「黒木のオヤジさん、二人が組んで俺を落としいれようとした… まぁ、勝手な憶測にすぎないけどな」 搭乗者名簿に「マルヤマ」の名前を使ったのは、丸山と亮二は、自分達を仲違いさせることが目的ではないかと言う。それでも丸山を信じるとは言えない亮二を見て、丸山は自分のアリバイは自分で立証すると言って部屋を出ていった。 そこにサチから電話が入る。サチは父親と信造が時々会ってることを亮二に告げる。 サチ 『被害者家族と、事件を担当した刑事という関係だけじゃないみ たい。お父さん、以前、偽造パスポートの事件に関与した疑い で、警察に呼ばれたことがあるの。その疑いを晴らすために、 黒木信造さんが力を貸してくれて、それ以来、二人は親しくし てるみたい』 亮二 「お父さんにあわせてくれるか?」 サチ 『それが…仕事で上海に。志摩野さんのことも以前から知ってた みたい。お父さん、何か隠してる。来週には戻るから戻ったら 連絡します』 同じ日でいいのかな?葛城家。 佐智絵と同級生の吉沢が訪ねてくる。今は静岡に住んでいる当時の担任の先生に会いにいってきたといい、当時、佐智絵が書いた手紙を1部コピーして、1部を警察に、もう1部を手元に保管しておいたと。佐智絵が佐智絵に宛てた手紙を読む清子;
清子はその手紙を読んで、泣いた。 佐智絵が殺された現場にいる亮二。事件のときのこと、ここ最近の出来事を思い出している。 そこに丸山から電話が入り、自分のアリバイを証明できる人を見つけたと。 丸山 「俺は上海には行ってない。志摩野さんを殺したのは」 亮二 「葛城のお父さんと黒木信造はやはりつながりがあったようです。 二人を調べます。だから、疑ったりしてすいません」 丸山 「・・・」 亮二 「俺は失くしてしまったんですよ、あのとき。人を信じる力を、 失くしたんです」 丸山 「・・・」 亮二 「すいませんでした」 電話を切ったとき、その先に信造がこちらに近づいてきてるのをみつける亮二。 その頃、舜は宮部のところにいた。 舜 「宮部さんが?」 宮部 「ああ、そうだよ、あの電話」 『あの事件はまだ終わってない』 宮部 「あんたに電話をかけたのは俺だよ。頼まれたんだよ」 舜 「・・・」 <感想全般> ブラウザの戻るの機能で戻って下さい |