催眠 hypnosis
吾郎君中心レポ
〜 CASE10 復讐の真の標的 〜
[嵯峨の部屋]
10才の由夏・・・いつもの夢で飛び起きる嵯峨。下の時計店の柱時計の音が鳴り響く。
嵯峨 「由夏…」
嵯峨は昨晩のことを思い出しながら、由夏の名前を口にする。その時、部屋のドアがノックされ、サチが電話を持って部屋にやってきた。
サチ 「嵯峨さん、電話」
冒頭から、魘されている嵯峨君を見て、喜んでいる私って…(やっぱり危ない?)。
ところで、前回の由夏ちゃんとのシーンで、顔のない男の顔を思いだした云々の話の後って、一体どうなったんだろう?今回のドラマ、話を振るだけ振って、すぐに次のシーンに行っちゃうケースが多いように思います。そこが唯一不満なんだな(すぐに次々事件が起きるから、誤魔化されるけど)。
[東都大学付属病院 廊下]
緊急で病院に呼び出される嵯峨。
ここで嵯峨先生のお髭復活です!一応、髭を剃っている暇もないぐらい急いで病院にやってきた…ってことなんだろうけど、これはやっぱりファンサービスかな?(^^;)
[東都大学付属病院 手術室の外]
手術室前に集まっている婦長達。朝比奈とは連絡が取れないと口々に言っている。そこにようやく嵯峨が駆けつける:
嵯峨 「倉沢先生は?」
嵯峨は倉沢が重傷との連絡を受けてトンできたのだった。今、緊急の手術中であり、倉沢はうわごとで自分で崖から飛び降りたと言っていたと婦長から聞かされる。
嵯峨 「まさか、自殺・・・?」
[東都大学付属病院 倉沢の病室]
達矢の病室を訪ねている由夏。
由夏 「それでね、お姉ちゃん、明日、退院することにしたの」
その言葉を聞いて、不安がる達矢に、見舞いには毎日くるからと言って慰める由夏。その二人のやり取りを、病室の外から眺めている一希。
今回、一希、怪しさ満点でございますぅ。
[東都大学付属病院 倉沢の病室]
倉沢の手術が終わり、病室のベッドに横になっている倉沢。ただし、人工呼吸器を付けた状態で、意識は戻っていない。嵯峨は、ベッドの横の椅子に座っている。
嵯峨 「先生、一体、何があったんですか・・・」
そう倉沢に対し呟く嵯峨。そして、
嵯峨 「!」
嵯峨は倉沢の首筋にムラサキの蝶のアザを見つける。
嵯峨 「どういうことだ?」
外山 「先生も気がつきました、ムラサキの蝶のアザ?
間違いありません…、全く同じ手口です」
いつの間にか病室に来ていた外山が(^^;)、嵯峨に話しかける。そして、牟田も病室にやってきて、病院の倉沢の机の引き出しから、ムラサキの蝶の標本がみつかったと告げる。
崖から落ちたのに、倉沢先生、かなりの生命力だわ…(苦笑)
[東都大学付属病院 廊下]
病室を出た嵯峨は、外山から倉沢と朝比奈が現場付近に一緒にいたという目撃証言があったことを聞かされる。
嵯峨 「まさか、朝比奈先生のこと、疑っているんですか?」
外山 「仕事ですからね」
嵯峨 「でも倉沢先生は自分で飛び降りたって」
外山 「だから怪しいんですよ。娘を庇おうとしてるってことでしょ。
自分の娘が犯人だからこそ…」
そう話ながら、3人は廊下を進む。
[東都大学付属病院 精神科の廊下]
朝比奈が出勤してくると、竹下みきとその母親が朝比奈を待っていた。みきが今日から普通のクラスで授業を受けることになったため、その報告にやってきたのだった。話を聞いて喜ぶ朝比奈だったが、そこに、嵯峨が外山,牟田と共に現れる:
嵯峨 「朝比奈先生、倉沢先生が大変なんです」
朝比奈「どういうこと?」
嵯峨 「崖から転落たらしい。まだかなり危険な状態だ」
朝比奈「今、どこに?」
嵯峨 「手術を終えて、病室に…」
嵯峨の言葉を聞いて、急ぎ倉沢の元に行こうとする朝比奈の腕をつかんで外山が引き留める。
外山 「困ります。証拠隠滅ということも考えられます」
嵯峨 「何ってるんですか!」
外山の態度に苛立つ嵯峨だったが、外山は朝比奈に:
外山 「目撃者がいたんですよ、先生が倉沢先生を崖から突き落としたんじゃ
ありません、これを使って?」
と問いかける。そして、そのまま朝比奈を警察に連れて行く。
[東都大学付属病院 廊下]
由夏が廊下を歩いていると、その無効を外山,牟田が朝比奈を連れて病院を出ていく。そして、朝比奈の後から、その様子を見ている嵯峨。
嵯峨のモノローグ 『窓カラ・・・(三岸好太郎の詩)・・・再ビ飛ビ出スコトハ自由ダ』
ここでも嵯峨先生、朝比奈が連れて行かれるのを見ているだけなのねぇ。頼りないヤツ…(^^;)。
タイトル −催眠− Case10
[港中央警察署 取調室]
覆面パトカーで外山と牟田に警察まで連れてこられる朝比奈。
そして、取調室:
朝比奈「私、父を殺そうとなんてしてません」
朝比奈は、昨日、倉沢と墓参りに行ったことまでは覚えているが、その後の記憶が一切無いと外山に話す。
朝比奈「わからないんです。気が付いたら家にいて…」
外山 「それじゃ、誰かさんと一緒じゃないですか。先生も記憶障害ですか!」
朝比奈を信用しない外山は、いつまで言い逃れをするつもりかと、朝比奈を責める。
「誰かさんと一緒」ということは、同じような過去を持ってるってことなのかしら?
[東都大学付属病院 中庭]
中庭を歩く嵯峨と由夏。
由夏 「警察はムラサキの蝶連続殺人事件の事を、朝比奈先生だと疑っているのかな?」
嵯峨 「ああ。でも、そんなこと絶対にあり得ない。
朝比奈先生、みきちゃんのことも上手くいったばっかりだった。
倉沢先生との関係も考え直すって言ってたし。
そんな時に倉沢先生を殺そうとしたなんて、そんなこと考えられない。
まして紫の蝶連続殺人事件の犯人だなんて…」
そして、嵯峨は由夏に昨晩の事を尋ねる。なぜ、顔のない男の顔が見えたといったのか?
由夏 「御免なさい。どうしても治療を続けたくなくて。そう考えたら、つい」
嵯峨はその由夏の気持ちを理解しながらも、もう一度、治療を始めようと説得する。由夏の記憶障害のトラウマとなっている顔のない男、その正体が分かれば、由夏の記憶障害も治る。そして、今回の事件も解決し、朝比奈の容疑も張らせるかもしれない。だが、由夏は黙って何も答えない。
[東都大学付属病院 達矢の病室]
由夏が達矢の病室にやってくると、一希が達矢とトランプゲームをしていた。いつものように達矢に接しようとする由夏だったが、達矢は由夏を無視し、一希と二人で外に出掛けようとする。
由夏 「達矢君に何をしたの?まさか催眠なんかつかってないでしょうね」
一希 「そんなこと私にできると思う?達矢君、子供だから敏感に感じたのよ。
どっちのお姉さんがいい姉さんなのか」
達矢君もいよいよ事件に巻き込まれちゃうの?今回は、一希の行動から目が離せませんですぅ…。
[港中央警察署 会議室]
昼食のカレーを食べ終えた外山と牟田。
牟田 「結局、朝比奈先生がムラサキの蝶連続殺人事件の本星って事になりますかね」
外山 「さあね」
そこに、嵯峨がやってくる。
嵯峨 「朝比奈先生に会わせて下さい」
外山 「会ってどうするんです?」
嵯峨 「どうしても納得がいかないんですよ。これには何か訳がある。それを確かめたい」
だが外山は朝比奈は何も覚えていないとしか答えず、会っても無駄だろうと嵯峨に話す。
嵯峨 「何も覚えてない?」
嵯峨君、とりあえず、警察にまで押しかけてくるなんて、ようやく事件を解決するために本気になってきた?(いや、別に今まで何もしてないという訳じゃないんだけど…(苦笑))
[港中央警察署 取調室]
朝比奈と面会を許される嵯峨。横には外山と牟田が一緒に来ている:
嵯峨 「朝比奈先生、誰かに催眠に入れられたような記憶は?」
朝比奈「ありません」
嵯峨 「そう。じゃぁ、墓参りの時に最後に覚えている事を教えてくれないか?」
朝比奈「ごめんなさい、本当に何も覚えていないの」
それどころか朝比奈は自分が倉沢を崖から突き落としたような気がすると嵯峨に話す。
嵯峨 「何言ってるんだ。先生がそんなこと、できる分けないだろう?」
朝比奈「感触が残ってるのよ、この手に…」
朝比奈は、自分には殺人はできないが、倉沢を殺したいという気持ちはずっと持っていたかもしれないと、これまでの父に対する憎悪の気持ちを口にする:
嵯峨 「いや、だからって…」
朝比奈「きっと罰なのよ、これは。私への罰なの…」
そう言って自分を責める朝比奈。
朝比奈先生、折角、嵯峨君が力になろうとしているのに、自ら刑事さんの前で自分が殺したかもしれないなんて言っちゃダメじゃない…(苦笑)。
[東都大学付属病院 精神科の廊下]
嵯峨が病院に戻ってくると、ロビーで由夏が嵯峨を待っていた。
嵯峨 「何か話でも?」
黙ってうなずく由夏。
嵯峨 「そっか。丁度よかった。俺も聞きたいことがあったんだ」
[東都大学付属病院 嵯峨の診察室]
まず嵯峨の方から、朝比奈の事を尋ねる。一昨日、由夏が朝比奈と会った時に、何か変わったことが無かったか、と。
由夏 「そういえば、白いバラを見て震え出した」
由夏は、朝比奈が最近白いバラを見ると母親のことを思い出し、おかしくなると話していたことを嵯峨に告げる。
由夏 「今度のことと、何か関係があるの?」
嵯峨 「それは分かんない」
少し不安そうな表情を示す由夏に、嵯峨は:
嵯峨 「まぁ精神的に弱っている時には、そういう形でトラウマが現れる時もあるんだ。
そんなにおかしいことじゃない」
と説明する。そして、今度は由夏が嵯峨に相談を始める。達也の様子がおかしい、催眠をかけられているみたいだと…。
嵯峨 「催眠?」
[東都大学付属病院 達矢の病室 305号室]
達矢の様子を見る嵯峨。
嵯峨 「じゃぁ、由夏お姉ちゃんのことは、まだラブラブなんだ」
達矢 「当たり前じゃん」
嵯峨 「よし、じゃぁ、漫画読んで良し」
そして、嵯峨は由夏の方を振り返り、特に問題は無い事を伝える。しかし、それでも不安を感じる由夏は、今晩、達矢と一緒にいてもいいかと尋ねる。
嵯峨 「うん、かまわないけど」
達矢 「本当、やった!」
嵯峨 「でも、ちゃんと消灯時間は守るんだぞ!」
その様子を病室の外からじっとのぞき込んでいる一希の視線を、由夏は感じる。
嵯峨 「どうした?」
由夏 「ううん」
ここにも一希ちゃん・・・(^^;)。
[港中央警察署 玄関口]
夕方。そして、結局そのまま朝比奈は家に帰ることを許される。朝比奈の姿をじっと眺めている外山。
[春日時計店]
サチと一緒に線香花火をしている嵯峨君。その様子を耕造が後ろから眺めている。
サチ 「彼氏ね大丈夫だった。やっぱり嵯峨さんの言った通り浮気じゃ無かった」
と、サチは先日の騒動の事後報告を嵯峨にした。
耕造 「そう、人間は信用してみるもんだ。
でもな、そういう信用している時こそ危ないんだ」
サチ 「何よおじいちゃん。応援してるの、邪魔してるの、どっち?」
耕造 「油断は禁物ってことだ。な、嵯峨さん?」
嵯峨 「ま、そうですね」
と、少しだけ笑いながら答える嵯峨。そして:
サチ 「あ、おわっちゃった」
サチの花火の火が落ちる。
耕造 「これで夏も恋も、もうお仕舞いだな」
サチ 「おじいちゃんふざけないで!」
耕造 「ふざけて無いよ」
そして嵯峨の線香花火の火も静かに落ちる。
なんか、とても寂しい気持ちになるシーンなんだな。これって、嵯峨と由夏の恋も終わっちゃうっていうことを暗示してるんですよねぇ、やっぱり。そういう解釈しかできないこのシーンは、とても寂しい…
[東都大学付属病院 達矢の病室]
夜。達矢の隣のベッドで横になる由夏。
達矢 「ねぇ、僕、治ったらまた愛育園戻るのかな?」
不安がる達矢に「今日、一緒に寝ようか」と言葉をかける由夏。達矢は由夏のベッドに移り、一緒に横になる。
[東都大学付属病院 倉沢の病室 505号室]
深夜。人工呼吸器をつけたまま、依然、意識不明状態の倉沢。そして、何物かが病室に忍び込み、倉沢の人工呼吸器の電源を切る。
[東都大学付属病院 玄関口]
早朝。パトカーが病院に急行する。そのうちの1台の車から降りる外山。
[東都大学付属病院 廊下]
廊下を駆ける嵯峨。
嵯峨先生、本日もお髭を剃れずに出勤でございますぅ(*^^*)
[東都大学付属病院 倉沢の病室]
倉沢の病室にやってきた嵯峨。
嵯峨 「倉沢先生は?!」
倉沢は何とか一命を取りとめており、安定状態に入っていた。
倉沢さん、本当にしぶといんだな、これが…(苦笑)。
[東都大学付属病院 医局]
看護婦達に話を聞く牟田。婦長は3時から3時30分の間に電源が切られたようであり、あと30分発見が遅かったら、倉沢の命は危なかったと話す。そして、一希は…
[東都大学付属病院 精神科受付]
椅子に腰掛ける外山。その前に座る嵯峨。
外山 「妙な展開になりましたね。
倉沢先生の場合はムラサキの蝶連続殺人事件としてはかなり例外でしょ。
一つは倉沢先生と蒼井由夏の間に何の接点も無い」
嵯峨 「当然です」
外山 「もう一つは昨日の夜は催眠が使われなかった。
これって今まで無かった事です。
正直、私も分からなくなりました。
先生、例の顔のない男の正体、まだ分かりません?」
嵯峨 「ええ」
外山 「別に頼りたくはないんですけど、今となってはそれにも期待しちゃいます」
そこに牟田がやってくる。嵯峨に聞こえないように、外山と牟田が何やら話をしている。
そして、外山と牟田は、急ぎある場所に向かう。
嵯峨 「待ってください」
[東都大学付属病院 達矢の病室]
外山と牟田がやってきたのは達矢の病室だった。その後を追って嵯峨がやってくる。
嵯峨 「ちょっと今度は一体、何ですか?」
外山 「倉沢先生の件で聞き込みです」
そして、外山は達矢に向かって話をし始める。
外山 「僕ちょっといいかな?」
嵯峨 「達矢君に?」
嵯峨が制止するのも聞かずに外山は達矢との話を続ける。
外山 「昨日の夜に、このお姉さんどっかに行かなかったかな?」
その外山の由夏を疑った質問に驚く嵯峨、そして由夏。そして達矢は:
達矢 「寝てたからわかんない」
とだけ答える。期待どおりの答えが得られず、なおも質問をしようとする外山に嵯峨は;
嵯峨 「もういいでしょ、出ていってください!」
と外山を病室の外に押し出す。
おっ、嵯峨先生、外山さんを力で押し出すなんて、意外と力持ち…(^^;)
[東都大学付属病院]
外山 「嵯峨先生、私だってね、無闇やたらとこんな事をしている訳じゃないんですよ」
外山は嵯峨にこう説明しながらも、由夏を達矢の病室の外に連れ出し、昨晩の話を聞こうとする。しかし、由夏ははっきりと達矢の病室からは出ていないと外山の前で断言する。
外山 「おかしいな。いやね、あなたが倉沢先生の病室の近くを歩いていた、
そういう目撃者がいるんですけどね」
由夏の表情をじっと眺める嵯峨。
[東都大学付属病院 嵯峨の診察室]
一希を呼び出す嵯峨。
一希 「そうです、私があの刑事さんに話しました」
一希は由夏が倉沢の病室の病室近くで見かけたと外山に言った事実を認める。しかし由夏を信じる嵯峨は一希にさらにその気持ちを伝える:
嵯峨 「彼女が嘘をついているようには思えないんだ」
一希 「私が嘘をついているって言うんですか?」
嵯峨 「いや、そうじゃないよ。ただ君からは彼女に対する憎しみしか感じられない。
彼女のこと、許してあげようとは思わないのか?
憎しみからは何も生み出さないだろう。
達矢君と無心で遊んでいるときの君が本当の君じゃないか?」
一希 「先生は、精神科医のくせに何にもわかってない。
そんなきれいごとじゃ何も解決もしませんよ。
憎しみが人間作るんです。きっと由夏だってそうですよ」
一希はそのまま部屋を出ていく。
「憎しみからは何も生み出さない」の台詞を聞いて、心室細動の哲生君を思い出してしまった…(^^;)。
一希ちゃんじゃないけど、確かに嵯峨先生、精神科医のくせに、全然、人の心理面について分かって無いのかもしれない。やっぱり嵯峨先生も既に催眠にかかってしまっているのだろうか?と思ってしまいます。
さて、一希の「憎しみ」は分かるとして、一希の言う由夏の「憎しみ」って何だろう?母親を殺した人物への憎しみだけでもないような…。
[東都大学付属病院 倉沢の病室505号室の前]
倉沢の身を案じて、ずっと病室の前の椅子に座って祈っている朝比奈。そこに外山と牟田がやってくる。
[東都大学付属病院 テラス]
朝比奈に、昨晩のアリバイを尋ねる外山。一晩中、自宅にいたという朝比奈。当然、アリバイを証明することはできない。そして、タバコを口にする朝比奈に、外山がライターの火を差し出す。その炎の向こうに、過去の記憶の映像を見る朝比奈は、急に怯え始める。
朝比奈「いや。やめて。苦しいよ」
朝比奈の変化に対処できずにおどおどする外山。
外山さんの慌てふためき方がなんかおかしい…(苦笑)
[東都大学付属病院 医局]
部屋のソファーに横になる朝比奈。その横で外山が黙って座っている。牟田に呼ばれ病室にやってくる嵯峨。
嵯峨 「朝比奈先生、大丈夫ですか?」
朝比奈はゆっくりと体を起こして大丈夫だと嵯峨に答える。嵯峨は外山に詰め寄り
嵯峨 「先生に何をしたんですか?詳しく教えて下さい」
そんな嵯峨に、朝比奈は外山が悪い訳じゃ無いと説明をする。そして嵯峨の依頼で水木が白いバラの花を持って部屋にやってくる。白いバラを前にしても、平静でいる朝比奈。
嵯峨 「朝比奈先生、白いバラを見ても大丈夫なんですか?」
朝比奈「え?どうしてだろう?」
外山 「バラがどうしたんです?」
嵯峨 「催眠だ。君は今、催眠状態にあるんだ。
だから白いバラを見ても何も感じない。
誰かが君を催眠に入れたんだ。そして・・・」
「そして・・・」の後の台詞って一体何なんだよ〜。
でも、これでようやく嵯峨も朝比奈の無実を晴らすのに役にたった?(^^;)
[東都大学付属病院 倉沢の病室]
依然、意識を取り戻さない倉沢。
[東都大学付属病院 嵯峨の診察室]
夜。ゆっくりと朝比奈が目を開く。
嵯峨 「もう大丈夫だ、少なくとも暗示は解けている」
嵯峨は朝比奈にかけられていた催眠を解く。
朝比奈「ありがとう。でもやっぱり、私が父を突き落としたって事よね」
朝比奈の言葉に対し、ゆっくり首を横に振って、嵯峨は話を続ける:
嵯峨 「朝比奈先生がやったわけじゃない。
やったのは先生を催眠に入れて、コントロールした人間だ。
朝比奈「確かにそうかもしれない。だけど私の中に元々、父に対する殺人衝動が
あったから、きっと暗示通りに動いてしまったのよ」
嵯峨 「あくまでも推測だけど、犯人はおそらくその人間が潜在的に持っている
マイナスの感情を催眠暗示を使って異常なまでに増幅させているんだ。
君ばかりじゃ無い。涼平君や狩辺先生が死に至ったのだって、彼らの
心の中に死に対する願望が元々あったからだ。でも、そんなマイナスの
感情ぐらい誰だって持ってる。君のせいなんかじゃ無い」
「マイナスの感情の増大」が今回の犯行の方法。正直、ちょっと(映画と似てるし) 中途半端な方法なような気もしないでは無いですが、ま、いいか(^^;)。
[街中]
夜。嵯峨は朝比奈に、朝比奈の記憶の中の男が、由夏の記憶の中の顔のない男と同一人物ではないかという考えを話す。
朝比奈「私も蒼井さんと同じ方法で記憶を消されたってこと?」
嵯峨 「ああ、だから君も男の顔が見えなかった」
その嵯峨の意見に、その男が自分に倉沢を殺させようとした理由が思い当たらないと話す。一体何のため?
嵯峨 「それは分からない。顔のない男の目的は分からない。
ひょっとしたら、ひょっとしたなんだけど、俺の記憶の中にこそ、
今回の事件の謎を解く鍵が眠っているのかもしれない」
朝比奈「あなたの記憶の中に?」
嵯峨 「ああ。実は俺も前々から奇妙な夢を見るんだ。
時にはフラッシュバックで現れることもある。
その女の子は何故か10歳の頃の蒼井由夏とそっくりだった」
朝比奈「!」
嵯峨 「俺と彼女は過去に出会っていたのかもしれない。
もしそうならお互いに共通の記憶があってもおかしくない。
実際にどうだったか、俺を退行催眠に入れて確認してみてくれないか?」
朝比奈「私が?」
嵯峨 「ああ。
もしかしたら俺の記憶の中にも顔の無い男が存在するのかもしれない。
頼む!」
嵯峨先生、ようやく自分の記憶に関心を持ち始めました。一体何が出てくるのか、楽しみ〜。でも、嵯峨先生的にはあまり記憶をたどらない方がいいのかもしれないから、また苦しみが増えていくのかなぁ。
[嵯峨の部屋]
椅子に腰掛けている嵯峨。すでに朝比奈により嵯峨は催眠状態に入っている。
朝比奈「夢の中の少女のことを思いながら、もう少し時間を溯ってみましょう。
あなたは、今、何歳ですか?」
嵯峨 『13才…』
朝比奈「そのままそこに止まって、回りをよーく眺めてください。
今、何が見えてきましたか?」
嵯峨 『まぶしい』
朝比奈「まぶしくても、目をそらさないで。目を細めてよーく見て下さい」
− 嵯峨の記憶の中。嵯峨の目の前を夢の中に出てくる少女が横切る。
嵯峨 『女の子』
朝比奈「そのこのこと、あなたは知っていますか?」
嵯峨 『わからない』
朝比奈「女の子は何をしていますか?」
嵯峨 『蝶』
朝比奈「えっ?」
嵯峨 『ムラサキの蝶…』
− その女の子は、川岸で、石でムラサキの蝶を粉々に砕いている。
朝比奈「その後、あなたたちはどうしたの?」
− 土手に腰を下ろす二人。女の子は答える:「私の名前は由夏」
嵯峨 『由夏・・・』
そして、急に苦しみ始めた嵯峨。
朝比奈「どうしたの?何が見えるの?落ち着いて!」
そして嵯峨は飛び起き、目を開ける。
ここは突っ込みどころ満載のシーンです。まず、「髭面で『13才』は無いだろう…(^^;)」と苦笑し、13才の嵯峨青年を見て「違ーーーう」と思わず叫び声をあげ(嵯峨@13才役をやった人には申し訳ないけど、もう少し違う役者さんはいなかったのか?!)、さらに「短パン姿」に絶句。そして、最後に苦しみながら自力で催眠から飛び起きた嵯峨先生の姿に、なぜか惚れ惚れしていたという・・・(バカ)。
[東都大学付属病院 由夏の病室]
病室で、ロウソクに明かりをともす由夏。
これでロウソクと事件とが何にも関係なかったら怒るよ!(^^;)
[嵯峨の部屋]
朝比奈「もう、これ以上続けられない。私には無理よ」
嵯峨は疲れ切った表情を示しながら、椅子に座っている。そして、嵯峨の肩に手をやりながら:
朝比奈「それにあなたも精神的に限界よ」
と呟く朝比奈。そして朝比奈もゆっくりと嵯峨の座っている椅子を背もたれにして、床に腰を下ろす。
朝比奈「少なくとも嵯峨先生と蒼井さん、過去に繋がりがあった。
それだけ分かっただけでも…
嵯峨 「でも、どうして忘れてたんだ」
朝比奈「誰だってすべてのことを記憶しておくことなんか、できないよ」
嵯峨 「しかも俺の記憶の中にも、ムラサキの蝶が…
3人のそれぞれの記憶に少しずつ接点があるような気がする。
しかもそれはムラサキの蝶連続殺人事件に繋がっているのかもしれない…」
今回は、このシーンが一番好きです、私。ここでも朝比奈先生とのシーンって落ち着くんだよなぁ(^^;)。
[東都大学付属病院 廊下]
嵯峨 「随分前のことなんだけどさ、昔前にどこかで会わなかったかって聞いただろ。
覚えてる?」
由夏を呼びだし、昨晩、思い出した過去の記憶ことを話す嵯峨。由夏が石でムラサキの蝶を粉々に砕いていたのを自分が止めたという光景。
嵯峨 「思い出したのはそれだけだ。でもそのとき間違いなく俺達は出会ってたって感じたよ。
君には本当に心当たりは無い?」
嵯峨は再度、由夏に過去に会ったことは無いかと尋ねるが、「無いわ」とだけ答える由夏。そしてその二人の様子をまたまた一希が伺っている。
だから、一希ちゃん、一体何が不満なの〜〜〜 (^^;)
[東都大学付属病院 嵯峨の診察室]
倉沢の看護をする朝比奈。倉沢の首のアザを見ながら;
朝比奈「顔のない男…」
[東都大学付属病院 嵯峨の診察室]
達矢の診察を終える嵯峨。だが、達矢の様子がおかしい。
嵯峨 「どうしたんだ?何か心配事でもあるのか?」
嵯峨の問いかけに達矢は静かに答える;
達矢 「ぼく、嘘付いちゃったんだ…」
達矢君のこの言い方、かわいい…。
[東都大学付属病院 テラス]
由夏を探す嵯峨は、由夏の姿をテラスに見つける。
嵯峨 「本当にあの晩、記憶が無くなったって事はない?」
由夏 「私あの晩、達矢君のことが心配でほとんど眠れなかったの。
だから覚えてる」
由夏は嵯峨に自分を疑っているのかと詰め寄る。それに対し、嵯峨は:
嵯峨 「実は達矢君が見ていたんだよ」
そのことばを聞き、不安が増していく由夏。とにかく治療を始めようという嵯峨に、由夏は何かを隠しているような嵯峨の態度に納得できないでいる。
由夏 「前に、医者と患者は信頼関係が無いと治療はできないと言ったわよね」
嵯峨 「ああ」
由夏 「そしたら正直に言って、あなたが考えていること…嵯峨先生!」
嵯峨 「君は、もう一人の君が居る可能性がある」
由夏 「多重人格?!」
嵯峨 「そうじゃない」
由夏 「だったら何なのよ!もう一人の私って何なのよ!!」
嵯峨に向かってそう叫びながら、走り去っていく由夏。そしてやっぱりその様子をじっと見ている一希ちゃん(^^;)
だから、人の話は最後まで聞こうよ、って何度もいってるじゃない、由夏ちゃん…(^^;)
[東都大学付属病院 嵯峨の診察室]
倉沢の看護を続ける朝比奈。倉沢の手が少し動いている。
[東都大学付属病院 医局]
夜。一人、嵯峨は、部屋で椅子でくるくる回りながら(^^;)、先程の由夏の言葉を思いだしていた。
由夏 『もう一人の私って何なのよ!!』
嵯峨は、由夏に合うために部屋を出る。
[東都大学付属病院 達矢の部屋]
一人漫画を読んでいる達矢。
嵯峨 「達矢君、由夏お姉ちゃんは?」
達矢 「さっき、一希お姉ちゃんとどっか行った」
嵯峨 「どこ行ったか分かる」
達矢 「わかんない。でもムラサキの蝶がなんとかって言ってた」
嵯峨 「ムラサキの蝶?」
嵯峨の心に不安がよぎる。
[東都大学付属病院 地下室]
一希の後をついて歩いてくる由夏。そして二人が対峙する。
一希 「ムラサキの蝶があなたと嵯峨先生を出会わせていたなんてね。
あなたと嵯峨先生が話しているのをみんな聞いちゃった。
もしかして嵯峨先生ってあなたの初恋の人?」
由夏 「・・・」
一希 「その初恋の人に近づいてあなた何を企んでいるの?」
由夏 「何も企んでないわ」
一希 「嘘。どんな企みか知らないけど、私はあなたが幸せになるのだけは許せない!
思い通りになんて死んでもさせないわ」
本格的な一希VS由夏ちゃんのバトルが始まりました。山場です!
[東都大学付属病院]
病院中、由夏と一希をなおも探す嵯峨。
[東都大学付属病院 地下室]
一希 「あなたは二重人格なんかじゃ無いわ。あなたは悪魔そのものなの。
早く本性現したら?人を不幸にする天才。憎しみだけの女」
その数々の一希の言葉に:
由夏 「私は、私はあなたとは違う!」
その由夏の言葉を聞いて、一希の憎しみが増大する。由夏の首に手をかける一希。
[東都大学付属病院 嵯峨の診察室]
朝比奈は倉沢が何か話をしようとしているのに気づく。
[東都大学付属病院 玄関口]
建物の外も二人を捜し続ける嵯峨。
嵯峨 「由夏…」
早く由夏ちゃんを見つけてやりなよ、嵯峨先生!!!!
[東都大学付属病院 地下室]
由夏の首に手をかける一希。
由夏 「やめて」
[東都大学付属病院 階段]
由夏を探し続ける嵯峨の所、婦長が顔色を変えてやってくる。
婦長 「嵯峨先生!嵯峨先生!」
[東都大学付属病院 地下のボイラー室?]
由夏と一希。二人の影が交錯する。
[東都大学付属病院 倉沢の病室]
呼び出されて倉沢の病室にやってきた嵯峨。
嵯峨 「倉沢先生、嵯峨です」
嵯峨は倉沢の病室に駆け寄ると、倉沢がゆっくりと口を開く:
倉沢 「ご心配かけてすみません」
嵯峨 「いえ」
倉沢 「嵯峨先生にどうしても聞いて頂きたい話があります」
嵯峨 「何でしょう?」
倉沢 「宏美、おまえも一緒に聞いて欲しい…」
朝比奈「はい」
倉沢 「蒼井由夏は、私の娘です」
そして、もう一つ、倉沢の口から意外な言葉が飛び出す。
倉沢 「私は、死ぬべき人間なんです。許されない罪を犯しました。
死んで当然の男です・・・私が顔のない男です」
嵯峨 「!!!!!」
ようやく倉沢の口から語られた衝撃の事実!!?本当は、こういう衝撃の発言は、嵯峨自ら倉沢を問い詰めて言って語られる、というパターンの方が嬉しいんだけどね。さて、あとはこの倉沢の発言の信憑性が問題。真実か、それともこれも催眠か?
[東都大学付属病院 地下室]
由夏と一希のシルエット。由夏の影が上になり、一希のシルエットが床に沈む…。
気になるラストシーンです。これも次週への伏線と思っていいのかな?
[次回予告]
嵯峨の首をロープで締め上げる一希;
一希 「ムラサキの蝶を思い出しなさい…」
部屋の片隅で泣き崩れる由夏。
真っ暗な病室。ベッドに横たわる倉沢に嵯峨が詰め寄る;
嵯峨 「ずっと催眠を信じてきたのに・・・黙ってないで何か言えよ!」
最終回直前のCase10。予告まで含めて見終わった直後、胸が苦しくなってしまった。
「倉沢=顔のない男」だったことにショックを受けた訳でもなく、由夏と一希のバトルを見たからでもなく、(まぁ、一番の原因は、予告の嵯峨先生の悲痛な台詞なんですけど)嵯峨にしても、朝比奈にしても、訳がわかんないままに追いつめられている状況が、見ていて苦しい(「辛い」でもなく「悲しい」でもなく、「苦しい」なんですよぉ(意味不明の書き方でスミマセン))。
残りあと1話。顔のない男は自分だと最後に名乗った倉沢先生。でも、これだって、本心なのか、催眠で操られているのかわからない。あと、予告編でちらりと移った一希が嵯峨先生を襲っていた映像だって、あれも催眠で操られているだけかもしれない。そう考えると、由夏(or もうひとりの由夏?)の存在が恐くなってくるんですよねぇ…。
テレビ誌とかチェックすれば、ある程度、事前に展開が分かるのかも知れないんですけど、最終話だけは何も見ずに見ようかなぁと思っています。スタッフの皆様、感動のいくラストをお願いします!!
ところで、今回のサブタイトルの「復讐の真の標的」って、結局なんの事だったんだろう? (00.09.15)
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