催眠 hypnosis

吾郎君中心レポ


〜 CASE6 急転!犯人逮捕 〜


[警察署]

警察で由夏のポリグラフ検査が行われる。

[嵯峨の部屋]

ドアのノックの音。エアコンの効いた真っ暗な部屋の床の上には蝶の標本の箱が放り出してある。

  サチ 「嵯峨さん、嵯峨さん、いるんでしょ。お客さんよ」

サチが嵯峨の部屋に朝比奈を案内してくる。朝比奈は狩辺を殴った嵯峨のことが気になり様子を見に来たのだった。部屋をノックしても返事のなかったが、朝比奈はそのままドアを開ける。
極度に冷房の効いた部屋。電気もついていない。朝比奈が部屋の電気をつけると、部屋のベッドの片隅で、嵯峨が無言で座っていた。

  朝比奈「夕飯まだでしょ。牛丼買ってきたよ」

サチが部屋から出て行くと、外で耕造が様子を見にきていた。耕造も嵯峨のことが気になっていたのだ。嵯峨の様子を耕造に報告するサチ;

  サチ 「なんか、抜け殻って感じだった。やっぱ病院で何かあったんじゃないかな」

朝比奈は台所でコップを2つ準備しながら、嵯峨の査問会が明日開かれることになったと話す。

  朝比奈「あなたのことだから、余程の事があったんだと思うけど、出席だけはしてね。
      食べない?冷めちゃうよ」

テーブルもない部屋で、食事を取ろうとする二人。そして朝比奈が床に放り出された蝶の標本を見つける。

  朝比奈「きれいな蝶ね。ねぇ、こんな種・・・!? これってもしかして!」
  嵯峨 「ああ、例の殺人予告かもしれない。俺も蒼井由夏と関係ある人間だからな。
      狙われる条件は満たしている。一体誰がそんなことを…」

朝比奈は、涼平の姿が脳裏をよぎる。

  朝比奈「嫉妬かもしれない」

今回の事件は由夏に対して愛情を持っている人間の嫉妬による殺人事件ではないか、朝比奈は自分の考えを嵯峨に話す。

  朝比奈「もし、本当にそうだとしたら、あなたが一番危ない。
      これが蒼井さんへの愛情表現なのかもしれない」
  嵯峨 「こんなもんのどこが愛情だ!ふざけるな…」

嵯峨はそのまま蝶の標本を手に、外に飛び出す。後を追いかけることの出来ない朝比奈。

抜け殻状態の嵯峨君、なかなかいいわ。でも、これでどん底まで行った感じですね。それにしても、嵯峨と朝比奈の関係って、なんか好きだわ。一応、恋人同士じゃないんだけど、牛丼を買ってくるような関係って…(^^;)。

[街中]

夜の道を歩く嵯峨。

[警察署 会議室]

嵯峨は外山を訪ねる。そして自分の所に蝶の標本が届いたことを告げ、外山はそれを見て、これまでの殺人予告の蝶と同じ者だと認める。由夏の仕業だと話す外山に:

  嵯峨 「あなたの思い込みだけで彼女を苦しめるのはやめてください」

と、訴える嵯峨。逆に外山は、嵯峨にあるビデオを見せる:

  外山 「我々もね、思い込みだけで捜査をしているわけじゃないんですよ」

外山の示したVTRには、ポリグラフ検査を受けている由夏の姿があった。頭から由夏を犯人と決めつけて捜査をしている外山にさらに怒りを感じる嵯峨。しかし逆に、嵯峨こそ頭から由夏を無実と決めつけていると外山に指摘され、嵯峨は何も言い返すことが出来ない。

  外山 「詳しい分析結果は明日出ます。彼女の容疑、少しは晴れるといいですね、先生」

一人部屋にたたずむ嵯峨。

  嵯峨のモノローグ 『窓カラ・・・(三岸好太郎の詩)・・・再ビ飛ビ出スコトハ自由ダ』

嵯峨の元に届いたムラサキの蝶の標本の話はどこへいったんだ〜。もっと警察も、真剣に考えようよ!!


タイトル −催眠− Case6

[街中 踏切のある道路]

帰り道、朝比奈は涼平に電話を掛ける。電話はつながった:

  朝比奈「ね、お願い、切らないで聞いて」

朝比奈は、明日、病院で話をする約束をし、電話を切る。

今まで涼平と連絡がとれなかったのに、取れたら取れたで不安になるこの場面…。朝比奈先生、ちゃんと考えてる?

[由夏のマンションの前]

由夏が警察から帰ってくると涼平が待っている。自分が催眠で由夏を治すと話す涼平だが、由夏は涼平に対し、つきまとわれるのは迷惑だと話す。

  涼平 「そんなにあいつのこと好きなの?由夏さんも僕を見捨てるの?」

涼平君も朝比奈先生から由夏ちゃんへと、見境なしに一途だよねぇ…。で、これが次なる嵯峨君と由夏ちゃんの不幸へとつながっていくわけね。

[東都大学付属病院 会議室]

翌日。嵯峨の査問会が開かれている。倉沢他、全ての同僚の医者が出席している。

  倉沢 「もう一度聞きますよ。なぜ狩辺先生に、ああいう暴力を振るわれたんです?」
  嵯峨 「申し訳ありません、理由はお答えできません。
      ですが狩辺先生には謝ります。申し訳ありませんでした」

感情を込めず淡々と語る嵯峨の態度に狩辺は腹を立て、正式復帰の取り消しを求める。

  嵯峨 「言えません。処分なら受ける覚悟はできています。
      ただひとつだけお願いがあります。この病院にだけは残らせてください。
      そして私を、もう一度蒼井由夏の担当に戻してください。お願いします。
  狩辺 「何勝手なこと言ってるんですか。それが反省すべき人間の言うことですか!」
  嵯峨 「他の事ならどんな処分でも受けます」
  狩辺 「あなた自分の立場がわかってるんですか?
      蒼井由夏だってもともと自分が投げ出したんですよ。
      そんないい加減なことで医師が務まりますか!」

狩辺にいいように言われて、嵯峨の表情に怒りの感情が表れる:

  嵯峨 「・・・あなたはどうなんだ!あなたは自分が

嵯峨の迫力におびえを感じた狩辺は、声を荒げて嵯峨の復帰の取り消しを求め、嵯峨の言葉を抑える。何も言えなくなった嵯峨。結局、嵯峨の処分については倉沢の預かりとなり、嵯峨は処分が決まるまで謹慎となった。

自分勝手な発言を続ける狩辺に対し、再び嵯峨君の怒り爆発か?と少し期待したけど、それじゃ、話が進まないですね(苦笑)。嵯峨先生、よくぞ我慢したってことでしょうか?

[東都大学付属病院 階段]

嵯峨と朝比奈が階段を上っている。本当のことを話さないと正式復帰取り消しになりかねないと言う朝比奈に、それでもどうしても今は理由を言えないと話す嵯峨。そして、朝比奈に自らの気持ちを告げる:

  嵯峨 「彼女の担当を外れるべきじゃなかった。俺にも迷いがあったんだな。
      でも、今は彼女の治療に徹したい。そして無実も証明してあげたい。
      彼女のためだけじゃなくて、俺が医者として復帰するためにもね」

吹っ切れましたね、嵯峨君。

[東都大学付属病院 医局]

看護婦達のミーティング。婦長から嵯峨が謹慎処分になったことを告げられる。その場で一希は、水木の様子がおかしいことに気づく。

一希もこういう勘だけはするどい…(^^;)

[東都大学付属病院 人目のない部屋?]

一希は、水木に、嵯峨が狩辺を殴った理由について水木が知っているのではないかと問いただす。

水木って、何もしていないのに、実は一番の被害者かもしれない…(苦笑)。

[東都大学付属病院 玄関]

病院から帰ろうとする嵯峨を外山が引き留める。

  外山 「お帰りですか。ずいぶんと早いお帰りですね・・・」

外山は由夏のポリグラフの結果についての話をしにきたのだった。

  嵯峨 「そんなもの聞かなくても彼女は無実ですから」
  外山 「それがですね、先生、ちょっと妙な結果が出ましてね」
  嵯峨 「?!」

困惑気味に話す外山の言葉に、嵯峨は足を止める。

[東都大学付属病院 朝比奈の診察室]

朝比奈が診察室に戻ると、涼平が待っていた。驚く朝比奈だが、涼平は催眠で記憶を取り戻す方法を聞き出そうとする。朝比奈は朝比奈で涼平の言っていた、催眠で人を殺す方法を思いついたと言った理由を聞こうとする。涼平はそれより催眠で記憶を取り戻す方法をしつこく聞こうとするが、

  朝比奈「そんなことできるわけないでしょう!」

自分も由夏の治療ができずに悩んでいた朝比奈はそう言い切ってしまう。朝比奈の言葉に部屋を飛び出す涼平。

朝比奈も由夏ちゃんの記憶を取り戻せずにいるため、なかなか辛いところですね。でも、朝比奈にとっては「催眠で人を殺せるか」というテーマがどんどん重くのしかかってきています。一方の涼平君、由夏ちゃんの記憶を取り戻してあげたいのか、それとも自分との記憶を取り戻して欲しいのか、どちらにせよ、涼平も自分自身を追い込んでいってるのかなぁ。

[東都大学付属病院 玄関]

外山の話では由夏のポリグラフ検査の結果、何も出なかったという。

  嵯峨 「あたりまえでしょう。彼女は犯人じゃないんですから」

と言い放つ嵯峨だったが、外山は事件に関する質問については、不自然なほど゛全く"反応を示さなかったのだと話す。

  牟田 「あくまでも仮定ですが、彼女は多重人格ではないかと」

それであればポリグラフに反応しないことも説明がつく。そして、由夏の担当医である狩辺も、それを認める発言をしている…。

  嵯峨 「多重人格なんて勝手に決め付けないでください」
  外山 「先生の診断ではこれっぽっちの可能性もありません?」
  嵯峨 「ありません!」

由夏は多重人格の可能性は皆無であると告げ、嵯峨が立ち去ろうとすると、今度はそこに涼平が立ちはだかる。そして涼平の後を追いかけてくる朝比奈。

  涼平 「由夏は俺が守るんだよ。だから二度と由夏に近づくな。
      もし近づいたらな、そのときはあんた殺す!
  嵯峨 「・・・」
  涼平 「いや、二人とも殺しちゃうかもしれない・・・」
  嵯峨 「!」

そのまま涼平は立ち去る。外山らも

  外山 「先生気をつけてくださいよ」

と言って立ち去る。その様子を遠くから見ている一希。それに気づかずに嵯峨は朝比奈に声をかける。

  嵯峨 「ひょっとして、昨日、君が気にしていたのは彼のことか?」

だから、刑事さんも涼平の言葉にもう少しチェックしようよ〜。それに涼平も警察がいるのに「殺す」なんて言葉を発するなんて…。一体この病院はどうなってるんだ〜。

[東都大学付属病院 裏]

誰も居ない病院の裏手にやってきた嵯峨と朝比奈。

  朝比奈「この前、涼平君が私に言ったの。催眠で人を殺す方法を思いついたって」

その後すぐに、第4の事件があったと嵯峨に話す朝比奈。そして・・・

  朝比奈「私、涼平君に催眠を教えてしまったの」
  嵯峨 「だからって彼にできるとは思えない」

そんな嵯峨の言葉に、朝比奈は涼平には催眠誘導の才能があるので可能性はあると話す。悪用してはいけないと十分に話はしたが、だが・・・

  朝比奈「今の涼平君、蒼井さんのことで頭がいっぱいなの。
      そんな涼平君が嫉妬に狂ったら、嵯峨先生のことだってありえないことじゃない」

と、朝比奈は自分の抱いている不安を嵯峨に打ち明ける。

朝比奈先生、どーしたらいいのか分からなくなっています。でも、いくらコミュニケーションを図るためとはいえ、催眠を教えるのは考えものだと思うけどなぁ。それにしても、殺人予告を受けている嵯峨先生の方がある意味開き直っているのか、堂々としていて、朝比奈先生の方が追い詰められているという妙な構造になってるような印象を受けますね。さて、どうする嵯峨君?!

[由夏の部屋]

夜。由夏の部屋に一希が訪ねてくる。嵯峨から伝言があるという一希の言葉に、部屋の中に入れる由夏。一希は由夏の部屋の壁に掛けてある蝶の標本を見ながら:

  一希 「懐かしい。まだ好きなんだ、蝶々なんて」
  由夏 「もう私につきまとうのはやめて。私が裏切ったこと、まだ恨んでいるの?」

一希は由夏に嵯峨が狩辺を殴り、処分を受けたのは全て由夏のせいだと話す。

[嵯峨の部屋]

一人これまでの事件について考える嵯峨。手元の本に蝶の落書きをしてみる。

  嵯峨 「ムラサキの蝶・・・蒼井由夏・・・蝶・・・殺人・・・嫉妬・・・・・!?」

そして、その時、嵯峨の頭に浮かんだのは、いつも夢の中に出てくる少女。

やっぱり、嵯峨の夢に出てくる少女って、事件に関係あるんですよねぇ。一体どういうかかわり方をしてくるんだろう?10歳のころの由夏ちゃん。それとも由香の面影?いくら考えても分かんないんだなぁ。
でも、ここで嵯峨君、ようやく事件について、真剣に考え始めましたね。

[東都大学付属病院]

深夜の病院。誰もいない部屋でパソコンの操作をしている一希は、1通のメールを送信する。

嵯峨君や由夏ちゃんが思い悩んでいる間にも、どんどん事件は進んでいくのだわ。

[由夏の部屋]

一希から真実を聞かされたことで、一人、部屋で泣き崩れている由夏。

[竹下みきの自宅]

翌朝。

  みき 「朝比奈先生いますか?」

母親の目を盗んで病院に電話を掛けるみき。しかし、母親が近づいてきたのと感じ取り、朝比奈が電話に出だ途端に受話器を置いてしまう。

[東都大学付属病院 医局]

切られた電話の受話器を置き、そのまま、自分のパソコンを覗く朝比奈。そのパソコンに届いていたメールを見て驚きの表情を示す。

  朝比奈「!」

そこには、狩辺が由夏に対して行った行為についての告発の文書が記載されていた。

[東都大学付属病院 倉沢の教授室]

メールを見た朝比奈はそのまま倉沢の部屋に殴り込む。

  朝比奈「もう、病院中に噂が広まっているんですよ!」

朝比奈は真相を究明するよう、少なくとも真相がはっきりするために狩部を担当から外すように倉沢に訴える。

  朝比奈「私が催眠誘導で蒼井さんの記憶確かめてみます。
      そしたら事実がはっきりするわけですから」
  倉沢 「今、アメリカで話題になっているFolse Memory Syndromeってご存知?」

倉沢は記憶は曖昧なものであり、催眠で得られた記憶は信用できないという:

  朝比奈「どうしてですか。どうして女にひどい仕打ちをしてきた男をそんなに庇うの?
      あなたのせいで、お母さんが自殺したこと、忘れたとは言わせないわよ!!」

これはさぁ、倉沢先生の判断に悩んじゃうよ〜。告発メールが本当かウソかは別にして、メールが流れただけでも、由夏ちゃんと狩辺先生を切り離す処置をしてあげないと、由夏ちゃんがかわいそうすぎるよ〜。慎重なのはわかるけど、朝比奈先生の発言も無理もないと思うんだけどなぁ。
それにしても、一希のやったことって、由夏の足を引っ張る行為=嵯峨の足を引っ張る行為のはずなんだけど、これじゃぁ、結果的に二人を助けてないか?

[東都大学付属病院 廊下]

倉沢の部屋から出てきた朝比奈に、狩辺はぬけぬけと声をかける。

  狩辺 「朝比奈先生、あのメールには参りましたよ。僕がそんなことをする男に見えます?」

そんなことをする男に見えますよ、狩辺先生!

[春日時計店]

翌朝。耕造とサチが嵯峨の話をしている。

  耕造 「嵯峨さん、病院には行ってないのかねぇ」
  サチ 「やっぱり首になっちゃったのかな」
  耕造 「まさか」
  サチ 「看護婦さんにでも手をだしちゃったりしてさ」

そこに一希が嵯峨を訪ねてくる。

  サチ 「もしかして看護婦さん?」(爆)

う〜ん、一希が登場するタイミング良すぎ(^^;)。確かに嵯峨先生、モテモテだよなぁ(笑)。あやしい…

[嵯峨の部屋]

サチが一希を嵯峨の部屋まで案内してくる。部屋の中に通す嵯峨。出勤前に達矢の所に行ってきたが、会わせてもらえなかったと話す一希。

二人きりになった部屋で、一希は嵯峨に一昨日の夜のことを詫びる。

  一希 「この間はごめんなさい」

[春日時計店]

一希を案内して戻ってきたサチは耕造に報告を入れる。

  サチ 「なーんか訳ありって感じ」(^^;)

その窓の外には、嵯峨を訪ねようとしている由夏の姿が通り過ぎる。

[嵯峨の部屋]

一希は、先日、嵯峨に話をした内容は本当のことだと話す。自分は施設で育ち、そのときに嵯峨みたいな人に出会っていたら…

  一希 「そしたら私もきっと今の私みたいになってなかっただろうな、って」
  嵯峨 「? 今の君がどこかいけないのか?」

そして一希が嵯峨に何か言おうとしたとき、ドアをノックする音が聞こえる。

  由夏 「私です」
  嵯峨 「ちょっとまって、今行くから」
  由夏 「いいの、このままでいいから」

ドア越しに、由夏は自分のせいで嵯峨が謹慎処分になったことをわびる由夏。

  嵯峨 「謝るのは俺のほうだ。俺がずっと君の担当をしていれば」
  由夏 「本当に気にしなくていいですから。もう嵯峨先生に迷惑かけたりしませんから」
  嵯峨 「迷惑?」
  由夏 「そのことだけすぐに謝りたかったの。ごめんね、押しかけちゃって」
  嵯峨 「(力弱く) 由夏…」

そして、由夏ちゃんの顔を見ようと部屋のドアをあけようとした嵯峨の間に割って入る一希:

  一希 「こういうことが嵯峨先生には迷惑なのよ、あなた分からない?」

一希の姿を見て走り出す由夏。

  嵯峨 「何てことを言うんだ」
  一希 「蒼井さんのことなんて、もう忘れて」

しかし、嵯峨は一希を残し、走りだす。

もう、嵯峨君には迷いはないですね。

[春日時計店の前の道]

風鈴の音が響く商店街を、由夏の後を追いかけて嵯峨が走る。そして、それを遮るように涼平が嵯峨にぶつかってくる。

  涼平 「何で分かってくれないんだよ」

涼平はそれだけ言って、立ち去る。

タイミングよすぎるよ〜。ずっと由夏ちゃんの後をつけていたのかなぁ、涼平君。

[東都大学付属病院 医局]

看護婦の熊井が由夏からの電話の対応をしている。そこに朝比奈がやってきて、電話に出ようとするがすぐに電話を切られてしまう。

[橋]

『スナックひまわり』。達矢の母親のいる店の住所の書かれたメモを手に、道を急ぐ由夏。しかしそこに急に雨が降ってくる。

[公園]

達矢のいる店に急ぐ由夏の目に、途中の公園で子供達が遊んでいる姿が映る。その向こうに、ブランコに達矢が一人寂しげに座っているのをみつける。

ブランコも、このドラマでよく出てきますよね。

[春日時計店]

嵯峨は朝比奈から、由夏が達矢の所在を聞いてきたという連絡を受ける。朝比奈は由夏の様子がおかしかったと嵯峨に告げる。

[公園]

久しぶりに再会したした由夏と達矢。しかし由夏は引っ越すことに決め、病院にももう行かないことにしたのだと話す。

  由夏 「おねぇちゃんがあの病院に行くとね、嵯峨先生に迷惑をかけちゃうの」

由夏ともう会えないのではないかと不安に感じる達矢に対し、由夏はまた、必ず連絡すると約束する。

  達矢「じゃぁ、約束。約束のおまじない、嵯峨先生に教わったんだ」

そして、安心した達矢はそのまま高熱で倒れる。

達矢君、なんだかんだ言っても嵯峨先生とのおまじないを忘れずにいるなんて、やっぱり信頼してるのね。

[スナック ひまわり]

高熱を出した達矢を連れて、母親のいるスナックにやってくる由夏。しかし、母親は達矢に邪魔だから店を出ていくように伝える。奥の部屋から出てきた男が由夏に手をあげようとする。そこに、丁度、朝比奈から話を聞いた嵯峨が駆けつける。

  嵯峨 「由夏!(男に向かって)やめろ!」(う〜ん、ここの演技はどうかと思いますが…)

男が店から出て行くと、嵯峨が介抱をしようと達矢に近づく。その隙に由夏は店を出ていく。どうするべきか躊躇っている嵯峨に達矢が訴える:

  達矢 「おねぇちゃんがどっか行っちゃう。
      嵯峨先生に迷惑がかかるからって、もうあの病院に行かないって」

嵯峨は達矢をおいて、由夏を追いかける。

達矢君を追いていくなよ〜(爆)。

[橋]

雨の中、由夏を追いかけてくる嵯峨。

  嵯峨 「由夏!なぁ、待てって、由夏!」

逃げる由夏を追いつづける嵯峨。

  嵯峨 「黙ってどこ行くんだよ!どこ行く気だよ!
      俺のことなんてどうでも良いからさ。
      もっと自分のことを考えろよ!
  由夏 「!」

水も滴るいい男・・・でもないか(笑)。

[公園?]

雨が上がり。夕焼け空が広がっている

  嵯峨 「ずっと隠していたことがあるんだ。一度、君を尾行したことがあって。ごめん。
      そのとき、偶然、コンビニで君が金髪の少年と話をしているのを見たんだ。
      次の日、彼が変死したのを知って、その時から俺は君を診察するのが怖くなって
      君のこと、少しだけ疑いはじめたんだ。
      あんなに信じるって言ったのに。
      だから君の診察ができなくなった。本当にごめん。
      もう一度、もう一度俺に君の担当をさせてくれないか?
      今度は最後まで投げ出したりしない」

そして由夏は、人差し指だけを伸ばして両手を組んだ手を嵯峨に突き出す。

  嵯峨 「?」
  由夏 「・・・達矢君に教わった約束のおまじない」
  嵯峨 「(笑)。約束だ」

ようやくお互いを笑顔で向かい合えるようになった二人。

ようやく由夏ちゃんと心が通じた嵯峨君。久々にほっとできた場面でしたわ。

[東都大学付属病院 倉沢教授の部屋]

倉沢は狩辺を呼び出し、メールの真相を問いただす。しかし、狩辺は催眠に懐疑的であるといい、身の潔白を宣言する。

  倉沢 「人の記憶は消せてもね、犯した罪は決して消せるものではありません」

と、忠告する。
そしてドアをノックする音がし、嵯峨が部屋に入ってくる。謹慎中にもかかわらず、倉沢の部屋を訪ねる嵯峨。

  嵯峨 「昨日お願いしたことをもう一度お願いしにきました。
      今回のことは、どんな処分でも受けます。
      ですから、蒼井由夏の担当に戻してください。
      今度こそ、倉沢先生にご心配をかけるようなことは絶対にしません。
      ですからよろしくお願いします」

倉沢は、横にいる狩辺にコメントを求める。狩辺は、倉沢の指示には従うが、嵯峨に殴られた痛みは癒えないため、精神誠意、嵯峨が謝れば、承諾してもよいと答える。

  嵯峨 「申し訳ありませんでした」

と、嵯峨は黙って深々と頭を下げる。そんな嵯峨を見て狩辺はなおも不満げな反応を示す。土下座でもしてもらわないと気が収まらないと…

  嵯峨 「わかりました」

嵯峨は両膝、両手を床につける。そして頭も床につけて;

  嵯峨 「申し訳ありませんでした」

嵯峨君、由夏ちゃんのことを考えたら、このぐらいのことはどーってことは無いんだろうなぁ。土下座というのはパターンだけど、ストレートに伝わってきます。
1つだけ注文を出すと、このシーンの最初の倉沢と狩辺のやりとりで、原作の倉石さんみたいに読心術で狩辺さんが嘘をついていることを示唆して狩辺を恫喝する…という演出をしてほしかったなぁ(と、勝手な希望ですが)。

[街中のとある陸橋]

涼平の携帯電話に連絡が入る:

  一希 『蒼井由夏さんの担当に嵯峨先生が戻ったわ』

えっ、一体いつから一希と涼平が繋がっていたの?(@o@)

[東都大学付属病院 受付のある廊下]

朝比奈は嵯峨に由夏の担当に戻れたことに喜びの言葉をかける。

  朝比奈「大変だったんでしょ」
  嵯峨 「ううん。それよりごめんな、君にも色々と心配をかけて」

そして、そこにやってきた由夏にも、朝比奈は同じく言葉をかける。

こうしてようやく順調に物事が進み始めた・・・かに見えたそのとき、嵯峨の後ろに涼平の姿が重なる。泣き出しそうな涼平の瞳に嵯峨の幸せそうな顔が映る。

  涼平 「由夏から離れろよ!」

隣で荷ほどき作業をしていた一希の手から、はさみを奪い、そのままはさみを手に嵯峨に向かって突進する涼平。
  涼平 「由夏から離れろ、つってんだよ!」

朝比奈の「やめなさい!」という声にならない声が響く。そして、床に倒れたのは、嵯峨と涼平の間に割って入った由夏だった。

  嵯峨 「由夏!

嵯峨が由夏を抱きかかえる:

  嵯峨 「ストレッチャー(担架) 持ってきてくれ!早く!!急いで!!!」

そのまま手術室に運び込まれる由夏。

鋏を手に震える涼平

  涼平 「どうしよう。またやっちゃった…」

ここで事態が急転!

[警察署 取調室]

外山と牟田の取り調べを受ける涼平。嵯峨を殺そうとして由夏を刺してしまったと淡々と話す。そして:

  涼平 「もう4人殺すのも5人殺すのも同じじゃん

その言葉に驚く外山。

  涼平 「ムラサキの蝶連続殺人事件の犯人は僕だよ。
      朝比奈先生に教わった催眠で僕が殺したんだよ。朝比奈先生が共犯だよ」

無茶苦茶淡々と話す涼平君が怖いけど、こうやって朝比奈先生共犯作戦が進行するとは…。

[東都大付属病院 手術室]

手術中の由夏。部屋の外では朝比奈と嵯峨が無言で手術が終わるのを待っている。


[次回予告]

  嵯峨 「日向涼平の殺人の動機は一体、何だったんですか?」
      本当に涼平は犯人なのか?!(って、そうでも無いみたいですねぇ…)


今回は、嵯峨先生の復活がメインストーリーでしょうか?前回、狩辺を殴り、そして殺人予告とも言える蝶の標本が送られてきたことで、堕ちるところまで堕ちた嵯峨君。もう、ある意味恐いもの無しですね。由夏ちゃんのため、そして自分自身のために由夏の治療をすることを決意した嵯峨君には、もう迷いもないし、そういう意味では今回の嵯峨の心境はとてもストレートに受け入れることができました。今までで一番、主人公らしいかも(^^;)。ああ、でも、もう少し、ここの嵯峨が立ち直る部分は丁寧に描いてほしかったなぁ(ちょっと単調だったような…)。
とはいえ、ここで精神的に立ち直った嵯峨君、ここからは事件の解決に尽力して頂かなくてはいけません。自分の所にムラサキの蝶が送られてきたことを少し忘れちゃってるような気がしないではないですが(苦笑)、がんばれ、嵯峨君!


前のページに

ホームに戻る